2012年6月29日 特定健保医療費分析の概要 国立保健医療科学院 生涯健康研究部長 横山徹爾 1 地域診断と健康政策のサイクル 集団の健康評価(地域診断) 疫学研究 Assessment of population health (Community diagnosis) 政策の評価 Policy evaluation 介入効果の予測 Assessment of potential intervention 政策の実施 政策の選択 Policy implementation Policy choice RA. Spasoff; Epidemilogic Methods for Health Policy,1999 水嶋春朔:地域診断のすすめ方:根拠に基づく生活習慣病対策と評価 第2版、医学書院、20062 2 2 第3編 保健指導 第2章 保健事業(保健指導)計画の作成 p81 3 3 4 4 第3編 保健指導 第4章 保健事業の評価 p114 5 5 6 6 集団間(特定健保間)の比較で 見えること 7 集団の健康状態を評価する指標 (“生活習慣病”川の治水対策) 生活習慣(栄養・運動・ 休養・喫煙・アルコール他) 生活習慣改善の必要性 高い者 中等度の者 低い者 :改善したい・増やしたい :減らしたい 罹患・発症 健診・ 保健指導 罹患数(率)(例:糖尿病) 回復 早期 回復 有病数(率)⇒医療費 高額! 死亡数(率) 救命 延命 延 命 寝たきり・ 要介護数 出展:水嶋春朔 「地域診断のすすめ方:根拠に基づく生活 習慣病対策と評価 第2版」、医学書院、2006、一部改変 死亡数(率) 指標ごとの関係を明らか 8 にすることが重要! 8 1人当たり老人医療費の診療種別内訳(全国平均との差) ~平成15年度~ ○1人当たり老人医療費は、最大(福岡県)と最小(長野県)で約30万円(約1.5倍)の格差が 存在しており、都道府県格差の約7割は入院医療費が寄与している。 20 その他 歯科 入院外+調剤 15 入院+食事 総数 10 全 国 平 均 と の 差 5 全国平均:75万2,721円 0 ( 万 -5 円 ) -10 -15 最高:福岡県 92万2,667円 1.51倍 最低:長野県 61万2,042円 -20 福 北 大 長 広 高 石 京 佐 沖 鹿 熊 大 香 山 岡 兵 東 徳 愛 愛 福 和 富 奈 宮 滋 鳥 埼 秋 福 神 岐 宮 青 島 群 岩 山 三 茨 栃 千 静 新 山 長 岡 海 阪 崎 島 知 川 都 賀 縄 児 本 分 川 口 山 庫 京 島 知 媛 井 歌 山 良 崎 賀 取 玉 田 島 奈 阜 城 森 根 馬 手 梨 重 城 木 葉 岡 潟 形 野 9 道 島 山 川 9 糖尿病の入院受療率(人口10万対) ~平成17年患者調査~ 60 50 40 30 20 10 10 10 徳島県 鹿児島県 高知県 大分県 佐賀県 山口県 熊本県 石川県 北海道 長崎県 福岡県 愛媛県 宮崎県 和歌山県 香川県 富山県 青森県 福井県 岩手県 広島県 岡山県 大阪府 福島県 ★全 国 島根県 鳥取県 兵庫県 山梨県 宮城県 沖縄県 茨城県 奈良県 京都府 滋賀県 秋田県 愛知県 東京都 群馬県 栃木県 三重県 岐阜県 埼玉県 新潟県 神奈川県 千葉県 静岡県 長野県 山形県 0 糖尿病の外来受療率(人口10万対) ~平成17年患者調査~ 300 250 200 150 100 50 徳島県 大分県 山形県 和歌山県 香川県 佐賀県 鳥取県 愛媛県 兵庫県 山口県 広島県 島根県 大阪府 岡山県 福井県 三重県 秋田県 鹿児島県 熊本県 高知県 山梨県 青森県 福岡県 石川県 長崎県 岐阜県 北海道 宮城県 栃木県 愛知県 群馬県 ★全 国 滋賀県 岩手県 富山県 茨城県 東京都 福島県 宮崎県 静岡県 奈良県 京都府 千葉県 埼玉県 新潟県 長野県 神奈川県 沖縄県 0 11 11 基本健康診査受診率 ~平成16年度地域保健・老人保健事業報告~ 70 60 50 40 30 20 10 山形県 秋田県 東京都 12 広島県 長崎県 沖縄県 福岡県 北海道 愛媛県 鹿児島県 神奈川県 山梨県 長野県 茨城県 福井県 和歌山県 熊本県 青森県 滋賀県 石川県 宮崎県 鳥取県 岡山県 兵庫県 佐賀県 徳島県 三重県 新潟県 ☆全国 京都府 山口県 鳥取県 岩手県 福島県 栃木県 岐阜県 静岡県 大阪府 香川県 奈良県 千葉県 宮城県 群馬県 富山県 埼玉県 大分県 愛知県 12 高知県 0 基本健康診査受診率と入院受療率(平成17年患者調査) 入院受療率総数(10万対) 入院受療率糖尿病(10万対) 2500 60 高知 2000 長崎 鹿児島 熊本 山口 徳島 大分 佐賀 宮崎 石川 香川 富山 秋田 福井 鳥取 岩手 岡山 青森 和歌山 福島 京都 全国 新潟 大阪群馬 山梨 兵庫 奈良 宮城 栃木 長野 茨城 滋賀三重 岐阜 東京 静岡 神奈川 千葉 愛知 埼玉 北海道 福岡 愛媛 沖縄 広島 1500 1000 徳島 50 鹿児島 高知 佐賀 山口 熊本 北海道 石川 長崎 福岡 愛媛 青森 宮崎 和歌山 40 山形 香川 富山 岩手 福井 鳥取岡山 大阪 兵庫全国 島根 山梨 宮城 沖縄 福島 茨城 京都 奈良 愛知秋田 栃木 群馬 東京 滋賀 三重 新潟岐阜 千葉 埼玉 長野 静岡 神奈川 30 広島 20 500 10 0 大分 山形 0 0 10 20 30 40 50 60 0 70 入院受療率虚血性心疾患(10万対) 10 20 30 40 50 60 70 入院受療率脳血管疾患(10万対) 500 40 35 30 高知 450 石川 徳島 400 大分 高知 350 和歌山 25 佐賀 山口 富山 北海道 鹿児島 京都 愛媛 熊本宮崎 福岡 岩手 香川 奈良 鳥取 全国 山梨 福井 岡山 岐阜 広島 秋田 滋賀 沖縄 群馬 福島島根 大阪 青森 三重静岡 兵庫 千葉 宮城埼玉 神奈川 茨城 愛知 東京 栃木 長野 新潟 長崎 20 15 10 長崎 300 山口 富山 鹿児島 佐賀 福岡 石川 徳島 愛媛 岩手 宮崎 島根 大分秋田 青森 全国 沖縄 広島 香川 鳥取 岡山新潟 京都 福島 栃木大阪 茨城 和歌山 兵庫福井 三重静岡 群馬 山梨 長野 東京 岐阜 奈良 愛知 滋賀 千葉 宮城埼玉 神奈川 250 200 山形 150 100 5 北海道 熊本 山形 50 0 0 10 20 30 40 50 60 70 0 0 10 20 30 平成19年度 厚生労働科学研究費補助金循環器疾患等生活習慣病対策事業 地域保健における健康診査の効率的なプロトコールに関する研究班 (主任研究者:水嶋 春朔 (国立保健医療科学院人材育成部長)) 40 50 60 70 13 13 基本健康診査受診率と老人医療費(平成17年) 1人あたり老人医療費 90000 85000 高知 広島長崎 沖縄 80000 75000 70000 65000 60000 福岡 北海道 熊本 佐賀 鹿児島 石川 岡山 大阪 大分 京都 山口 香川 兵庫 徳島 愛媛 和歌山 福井 宮崎 奈良 愛知 東京 埼玉 島根 神奈川 滋賀鳥取 富山 福島 岐阜 山梨 宮城 秋田 群馬 青森 三重 茨城 栃木 静岡 千葉 新潟 長野 岩手 山形 55000 50000 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 平成19年度 厚生労働科学研究費補助金循環器疾患等生活習慣病対策事業 地域保健における健康診査の効率的なプロトコールに関する研究班 (主任研究者:水嶋 春朔 (国立保健医療科学院人材育成部長)) 70 14 14 新潟県 老人保健受診率 (18年度) 高い (第3位) 新潟県国民健康保険 団体連合会「目で見る 国保」より 15 新発田市における循環器疾患対策 • 1960~70年代 – 脳卒中死亡率が高く、世界でもトップクラス • 1972年~ – 大学研究者、医師会、市役所等と連携した、脳卒 中の予防活動 – 一部地区で循環器健診開始。その後全市に展開 • 食事・身体活動等の生活習慣調査とそれに基づく保 健指導 • 保健指導および医療による高血圧の管理の徹底 16 新潟県 老人保健1人 あたり医療費 (18年度) 最も低い 新潟県国民健康保険 団体連合会「目で見る 国保」より 17 新潟県 老人保健1人 あたり入院医療費 (18年度) 最も低い 新潟県国民健康保険 団体連合会「目で見る 国保」より 18 新潟県 老人保健1件 あたり医療費 (18年度) 最も低い 新潟県国民健康保険 団体連合会「目で見る 国保」より 19 (1)健診・保健指導の実施・評価のための指標・項目 1)基本的考え方 (一部分) 医療保険者には、健診・保健指導データとレセプトが 集まることになるため、電子化された健診・保健指導 データとレセプトを突合したデータの分析を行うこと により、この分析結果を基にして、前年度の保健指 導による予防の効果を評価することや、健診結果が 「受診勧奨」となった者の受療状況の確認をすること が可能となる。 医療保険者に所属する医師、保健師、管理栄養士 等は健診・保健指導データとレセプトから、どの部分 に焦点を絞って、疾病予防・重症化予防を行うのが 効果的かを検討することが必要である。 標準的な健診・保健指導プログラム(確定版) 20 保健活動の評価 (1)評価の対象: ・個人 ・・・個人レベルでどう改善したか ・集団 ・・・集団レベルでどう改善したか ・個別事業 ・・・事業の効果はあったのか ・全体計画 ・・・最終目標に近づいたのか (2)評価の観点: ・「ストラクチャー(構造)」 ・「プロセス(過程)」 ・「アウトプット(事業実施量)」 ・「アウトカム(結果)」 ・・・・誰が、どういう体制で ・・・・どのように ・・・・どれだけやって ・・・・その結果どうなったか 21 生活習慣病対策としての特定健診・ 特定保健指導を成功させるには? Plan Do 実施 特定健診 保健指導 医療との連携 未受診者対策 計画や目標値 の設定 PDCAサイクル の展開 見直し 更新 Act Check ストラクチャー プロセス 評価 アウトプット アウトカム 個々の保険者がばらばらに行うのは非効率的 22 特定健診・保健指導の基本的な流れ 評価に基づいて見直し、次年度計画を立てる 特定健康診査 年次計 画の設 定 予定(実 施量・内 容・委託 先等)の 設定 特定健康 診査等実 施計画(5 年計画) の毎年度 の点検・ 補正 (保健指導対象者の選定) 40 ー 年間実施 階層化 74 歳 の 全 加 入 者 ( 被 扶 養 者 含 む ) 健診結果 (内臓脂肪 症候群に係 るリスクの 数) 質問票(治 療歴、喫煙 その他生活 習慣など) 生活習慣 上の課題 の有無とそ の内容 等 リ ス ク が 段重 階な り だ し た リ ス ク たが 段出 階現 し 始 め 出リ 現ス のク 段が 階未 特定保健指導 情報提供 評価 支援計 画 治療(保健指導の枠外) 積極的支援 生活習慣病 の特性や生 活習慣の改 善に関する 基本的な理 解を支援 健診結果の 提供に合わ せて、全員 に個別の ニーズ、生 活習慣に即 した情報を 提供 対象者 毎での 作成 健診結 果と詳 細な質 問票で 行動変 容の準 備状態 を把握 準備段階にあわせ て個別の目標を設 定し、具体的で実現 可能な行動の継続 を支援 動機付け支援 生活習慣の改善に 対する個別の目標を 設定し、自助努力に よる行動変容が可 能となるような動機 づけを支援 対 象 者 毎 の 評 価 ( 6 ヵ 月 後 の 終 了 時 評 価 ) 年度を通じた事業 全体としての評価 ○アウトプット(事 業実施量)評価 ⇒実施回数や参 加人数等 ○アウトカム(結 果)評価 ⇒糖尿病等の有 病者・予備群の減 少率、保健指導効 果 ○プロセス(過程) 評価 ○健康度の改善 効果と医療費適 正化効果 等 23 効率的な事業の評価・見直しを行う 市町村/保険者A 市町村/保険者B Plan Plan Do 計画や目標値 の設定 実施 Act 見直し 更新 実施 ・・・・・・ PDCAサイクル の展開 Check 評価 Act 見直し 更新 Plan Do 計画や目標値 の設定 PDCAサイクル の展開 市町村/保険者X ・・・・・・ Do 計画や目標値 の設定 実施 PDCAサイクル の展開 Act Check 見直し 更新 評価 Check 評価 情報の共有・交換→改善に活用 広域レベルで取りまとめ 成功している市町村/保険者 成功していない 〃 理由の分析と フィードバック 成功した例を他の市町村・保険者が取り入れないのはもったいない。 24 体重の平均変化(CおよびD)±標準誤差 -6 -4 -2 0 2 4 市町村番号 18 9 14 16 2 23 3 19 20 7 15 12 5 13 1 11 21 17 24 6 4 8 22 10 25 全 短期的アウトカムの整理 • 市町村・保険者ごとに 同じ方法で集計。 • 成功している・いない 市町村・事業所等を明 らかにする。 – 保健指導の効果の大き さ(C、D) • MS有病率 • 体重 • 個々の危険因子 – 健診受診率 – 保健指導実施率 – 医療費 • なぜ成功している・い ないのかを分析、情報 提供。 – ストラクチャー – プロセス 25 健診時と翌年健診時の【体重(kg)】の変化 (積極的/動機づけ支援計) 男女計 8 変化(翌年健診時-健診時) 6 値は平均値±標準偏差(細線),標準誤差(太線) 4 2 0 -2 -4 -6 -8 事 業 所 A 事 業 所 B 事 業 所 C 事 業 所 D 1 健 保 ロ ● 事 業 所 健 保 計 自 治 体 1 自 治 体 2 自 治 体 4 自 治 体 5 自 治 体 6 自 治 体 7 自 治 体 8 自 治 体 9 ● 自 治 体 計 ● 総 計 26 各特定健保内の分析で 見えること 27 2)具体的な健診・保健指導の実施・ 評価の手順(例) • 医療保険者において、健診・保健指導関連データと レセプトを突合したデータを用いて健診・保健指導 の評価を行うため、医師、保健師、管理栄養士等は 、生活習慣病は予防可能であることを理解し、予防 するために何が必要かを考えることが重要である。 また、予防ができなかったケースのデータから、な ぜ予防できなかったのかについて分析することも重 要である。 • 評価手順の一例を以下に示す。 – 様式にデータを埋めることが評価ではない。 – 様式に埋めたデータを読み取ることが評価である。 【学習教材】健診・保健指導データ分析の手引き http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/tokutei22/keikaku/program/program.htm 28 〔評価手順の一例〕 ①利用するレセプトの抽出 • 利用するレセプトは、生活習慣病に関係する病名により抽出。 – ①糖尿病,②インスリン療法,③高血圧症,④高脂血症,⑤(高尿酸血 症),⑥肝機能障害,⑦糖尿病性神経障害,⑧糖尿病性網膜症,⑨糖 尿病性腎症,⑩(痛風腎),⑪高血圧性腎臓障害,⑫脳血管疾患,⑬脳 出血,⑭脳梗塞,⑮その他の脳血管疾患,⑯虚血性心疾患,⑰動脈閉 塞,⑱大動脈疾患,⑲人工透析(詳細は「別紙2」参照) • レセプトの病名は主傷病と副傷病に分かれているが、両方とも 拾う。さらに、生活習慣病に関係する病名が主傷病か副傷病 かを分類するため、主傷病が分かるようにデータを抽出する。 「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」 29 ②集団の疾患特徴の把握 (高額レセプト、長期レセプト、重複疾病の抽出による突合分析) • 高額なレセプト(例:1ヶ月200万円以上など)を分析すること により、どのような疾患が高額になっているかを調べ、どの疾 患の予防を優先的な保健指導の対象とするか考える( 様式 1-1、2 )。 「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」 30 【作業手順】様式1-2 (作業が大変なので、できれば行うことが望ましい) ① 様式1-1で主傷病名で抽出した結果から、高額な医療費がかかる循環 器疾患の件数、割合を確認し、血管病がいかに医療費がかかるかを確 認する。 ② 確認したデータから、どの疾患の予防を優先的な保健指導の対象とする か、予防のためにはどのような保健指導が必要かを考える。 31 「健診データ・レセプト分析から見る生活習慣病管理」 • 高額なレセプトだけでなく、長期に治療が継続することにより結果的に医療費 が高額になる疾患についても調べ、どの疾患の予防を優先的な保健指導の対 象とするかについても考える( 様式2-1~3 )。 【作業手順】様式2-1 ① 1 年間の全レセプトから、6 ヶ月以上の長期入院のレセプトを抽出し、コピー。 続紙もコピーを取る ② ~ ⑥ は 様式1-1と同じ ⑦ 生活習慣病以外にも、どのような疾患が長期入院になるか検討しよう(例:精 神疾患) 32 「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」 「健診データ・レセプト分析から見る生活習慣病管理」 • 長期間継続する病気として人工透析の実態を見る(様式2-2) 【作業手順】様式2-2 ① 1 年間の全レセプトから、マル長レセプト(特記事項欄に「02長」 の記載があるレセプト)を抽出し、コピー。続紙もコピーを取る。 ② 巻末資料集「レセプト分析のための実務」を参照し、レセプトの補 記作業及びエクセルシートへのデータの入力作業を行う。 ③ 入力したエクセルシートの「透析開始年月日」の列を軸にして、透 析開始年月日の古い順から並べ替える。 ④ 集計したレセプトデータや健診データから、人工透析に至った原因 が予防可能な生活習慣病によるものか確認する。 33 「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」 「健診データ・レセプト分析から見る生活習慣病管理」 ⑤ 更に訪問・面接により 透析開始年月日を確 認し、(様式2-3)で 背景・生活習慣をつ かむ。予防できたかど うか反省し(症例検討 )、どの時期にどのよ うな保健指導を行うべ きかを検討する。 図 に し よ う 34 「健診データ・レセプト分析から見る生活習慣病管理」 35 「健診データ・レセプト分析から見る生活習慣病管理」 • 被保険者集団の特徴や健康課題を把握するため、 複数の生活習慣病の罹患状況を調べ、糖尿病、高 血圧症、高脂血症、虚血性心疾患、脳卒中、人工透 析を要する慢性腎不全等の疾病毎に分析を行う( 様式3-1~7 )。 36 「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」 【作業手順】様式3-1~3-7 ① 1 ヶ月分のレセプト(6月審査分)から、生活習慣病に関連するレセプトを抽出 し、コピー。続紙もコピーを取る。 ② 巻末資料集「レセプト分析のための実務」を参照し、レセプトの補記作業及び エクセルシートへのデータの入力作業を行う。 ③ 入力したエクセルシートの「糖尿病、高血圧、高脂血症、虚血性心疾患、脳血 管疾患、人工透析」の列を軸にして並べ替え、他の疾病との重なりを見る。 ④ 疾病の重なりの状況から、被保険者集団の特徴(どのような疾病が多いのか 、どの年代から増えているのか、合併症の進行状況等)を把握する。 ※例えば、様式3-2「糖尿病」を軸にして見た場合、自分の被保険者は1 次 予防の段階で止まっているのか、それとももっと進んで腎障害、網膜症等、神 経障害に至っているのかを把握することができる。 ⑤ 健診データ、生活実態と照らし合わせて見ることで、どのような保健指導(治 療の中での予防)が有効なのかを考える。 37 「健診データ・レセプト分析から見る生活習慣病管理」 ③集団の健康状況の把握(健診・保健指導結果によ る経年的なアウトカム評価) • 被保険者集団全体の健康状況を把握するため、健診有所見 者状況、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)のリスク の重複状況、健診受診率、支援別保健指導実施率等の健診 ・保健指導実施結果の特徴を、経年的データを用いて分析す る( 様式6―1~11 )。 38 「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」 【作業手順】様式6-2~6-5 ① 健診データの有所見者数、割合、平均値(中央値)を経年的に集計する。 – 割合だけでなくて、平均値(中央値)も見た方がよい。 • 割合・・・ハイリスク・アプローチの指標 • 平均・・・ポピュレーション・アプローチの指標 ② 集計した健診データから – 健診・保健指導のターゲットとする対象集団の選定は的確か – 確実な行動変容を促す保健指導を実施しているか。 – 健診実態、医療の実態から把握した予備群・該当者数を減らすための健診・保 健指導計画が策定されているかどうか を考え、次年度の健診・保健指導計画に役立てる。 39 「健診データ・レセプト分析から見る生活習慣病管理」 ④健診・保健指導の総合的評価に関 するデータ • 健診・保健指導の評価を行う上では、内臓脂肪症候群、糖 尿病等の生活習慣病の増減等を評価する必要がある( 様式 7 )。 • 毎年の健診・保健指導事業の評価を行うためには生活習慣 病の有病者・予備群への移行者数の減少以外にも、補足的 な評価項目が必要である。 • 補足的な評価項目としては、有病者又は予備群のままであ ったとしても、リスク数の減少などが想定される。 • 健診・保健指導の費用と医療費の削減効果が比較できる仕 組みが必要である。 • 医療保険者は、被保険者に対して健診・保健指導の総合的 評価を情報提供することが必要である。 40 (以下、略) 41 特定健診・特定保健指導は 包括的な生活習慣病対策 特 定 健 診 未 受 診 者 対 策 医 療 と の 連 携 以特 外定 の保 保健 健指 指導 導 特 定 保 健 指 導 受診率UP! コントロール不良等 やせの血圧高値等 階層化 トータルで生活習慣病の減少を目指す 42 健診から保健指導実施 へのフローチャート 糖尿病等の生活習慣病予防のための健診・保健指導 被保険者等台帳 40歳~74歳 の被保険者 等を抽出 A 健診対象者 健 康 診 査 *対象となる生活習慣病の病名と治療 他の健診 等の結果 の提出者 人 B メタボ該当者 C 人 人 Q R ★特定健康診査の実施 人 ★特定健診受診率 D 健診受診者 人 E F 人 ⑪高血圧性腎臓障害 ⑫脳血管疾患 ⑬脳出血 ⑭脳梗塞 ⑮その他の脳血管疾患 ⑯虚血性心疾患 ⑰動脈梗塞 ⑱大動脈疾患 ⑲人工透析 ①糖尿病 ②インスリン療法 ③高血圧症 ④高脂血症 ⑤(高尿酸血症) ⑥肝障害 ⑦糖尿病性神経障害 ⑧糖尿病性網膜症 ⑨糖尿病性腎症 ⑩(痛風腎) 人 メタボ予備群 年1回受診 健診未受診者 様式6-10 % 健診受診情報(問診等)とレセプトを突合 治療なし 保 健 事 業 指 導 対 象 者 の 明 確 化 生活習慣病 治療中* 治療なし G 人 情報提供 健診結果の判定 受診必要 不良 人 未受診者対策 M L 人 人 レベル3 医療との連携 医療との連携 ◆かかりつけ医と保健指導実施者との連携 ◆学習教材の共同使用 ◆医療機関における診療報酬上の生活習慣病 管理料、栄養食事指導料の積極的活用 ◆治療中断者対策としてのレセプトと健診デー タの突合・分析 ◆特定健診の受診勧奨(例:健 診受診の重要性の普及啓発、 簡易健診の実施による受診勧 奨) 人 特定保健指導の対象者 ◆医療機関を受診す る必要性について 通知・説明 ◆適切な生活改善や 受診行動が自分で 選択できるよう支援 受診不必要 N ★特定保健 指導実施率 特定保健指導 情報提供 (受診の必要性を含む) 生活習慣病のコントロール K J 特定保健指導以外の対象者 必要に応じて主治医の指示のもと、保健 指導が行われるよう調整 積極的支援 動機づけ支援 O 人 P 人 人 Y+Z O+P S % レベル2 レベル1 特定保健指導以外 の保健指導 ◆健診結果の見 方について通知・ 説明 特定保健指導 ◆対象者の特徴に応じた行動変容を促す保健指 導の実施 ◆行動目標・計画の策定 ◆健診結果により、必要に応じて受診勧奨を行う 健診データをもとに特定保健指導個 別支援計画を作成 使用する学習教材の選択 レベルX ※ 改 善 A I レベル4 の保 実健 践事 D業 C評 価 人 人 良 保 計健 画事 P業 H 生活習慣病 治療中* 次年度の 特定健診 の受診 T 人 ※次年度の健診 結果で評価を 行うものもある。 未受診なのでレベルが 未知のグループ 次年度の特定健診 未受診又は結果未 把握※ U 人 ※次年度のメタボ該当者 かかりつけ医と 連携した対応 Q´人 V ・予備群 レベル1 レベル3 レベル4 人 個別に働きかけ を行った人の数 R´人 W人 実施者数 X レベル2 人 動機づけ支 援実施者数 Y 人 積極的支援 実施者数 Z 人 43 、糖尿病等有病者・予備群の評価(改善、悪化)、データの改善、リスク数の減少 支援方法の検証、改善策の検討(ポピュレーションアプローチとの連携含む) 43 単純な仮想例 保健指導による虚血性心疾患の減少 現状 人数 (千人) 改善後 罹患率 (人口千 罹患数 全体比 対/年) 罹患率 全体に対 (人口千 罹患数 減少数 する減少 対/年) 率 保健指導対象 10 2.0 20 15% 1.5 15 -5 -3.8% 情報提供 20 1.0 20 15% 0.9 18 -2 -1.5% 未受診者 70 1.3 91 69% 1.3 91 0 0.0% 100 - 131 100% - 124 -7 -5.3% 計 -7人 (-5.3%) • 各階層の、 – 集団全体に占める割合 3要因の積が集団 – 生活習慣病罹患リスク 全体での生活習慣 病減少の大きさ – 保健指導によるリスク低減効果 44 特定健診・特定保健指導の枠組みにおける虚血性心疾患の減少予測 都市部某地域(男性・40-64歳、約72000人) 階層 治 療 中 健 診 対 象 者 全 体 受 診 者 未 受 診 者 計 (50%) 治 療 な し 12.7% 保健指導 相対 10年以内 危険 発症確率 罹患者 指導・受診状況 内訳 改善後のリスク 目標相 10年以内 対危険 発症確率 減少率 罹患者 内訳 連 医 コントロール不 携療 良 6.6% (3.4) 0.9% 11.8% 6.6% (2.3) 0.6% 3.7% 8.9% 提 情 コントロール良 供報 好 6.0% (2.3) 0.6% 6.0% (2.2) 0.6% 0.4% 7.5% 積極的支 援 8.4% (2.7) 0.7% 12.0% 動機付け 支援 6.4% 受診必要 4.4% 特 定 保 健 指 導 37.3% 情 報 提 供 レセ プトあ 18.5% (50%) り なし 31.5% 未 受 診 者 100% 計 計 100% 現状のリスク (1.7) (3.2) 0.4% 0.8% 7.2% 5.7% 7.5% 実施 (50%) 4.2% (1.4) 0.4% 3.0% 3.3% 非実施 (50%) 4.2% (2.7) 0.7% 0.0% 6.6% 実施 (50%) 3.2% (1.5) 0.4% 0.4% 2.7% 非実施 (50%) 3.2% (1.7) 0.4% 0.0% 3.1% 受診 (50%) 2.2% (1.9) 0.5% 1.5% 2.4% (50%) 2.2% (3.2) 0.8% 0.0% 4.1% (30%) 2.5% (1.2) 0.3% 0.4% 1.8% (70%) 5.9% (1.6) 0.4% 0.0% 5.3% 5.6% 非受診 保健指 6.9% 導実施 非実施 受診不必 要(高リス ク) 8.4% 受診不必 要(低リス ク) 9.7% (1.0) 0.3% 5.1% 9.7% (1.0) 0.3% 0.0% レセプトあ り 18.5% (2.8) 0.7% 27.4% 18.5% (2.8) 0.7% 0.0% 30.3% なし 31.5% (1.0) 0.3% 16.5% 31.5% (1.0) 0.3% 0.0% 18.2% 100% 100% 100% (1.6) 0.4% 「各種健診データとレセプトデータ等による保健事業の評価に関する研究」(主任研究者:水嶋春朔)平成21年度総括・分担研究報告書 9.3% 100% 減少率 9.3% 45 複数年の変化を予測するために、各リスク階層間の遷移確率に基づ きシミュレーション(都市部某地域(男性・40-64歳、約72,000人)のデータに基づく) 健診受診率 保健指導実施率 医療機関受診率 当該年度 医療連 コントロール不 良 治療 携 中 情報提 コントロール良 供 好 2年後 医療連 コントロー 携 ル不良 (??%) 医療連 コントロー 携 ル不良 (??%) 3% 情報提 コントロー 供 ル良好 (??%) 情報提 コントロー 供 ル良好 (??%) 積極的支 援 2% 積極的 支援 (??%) 積極的 支援 (??%) 動機付け 支援 3% 動機付 け支援 (??%) 動機付 け支援 (??%) 受診必要 9% 受診必 要 (??%) 受診必 要 (??%) 情報提 受診不必 要(高リス 供 ク) 7% 情報提 受診不 必要(高 (??%) 供 情報提 受診不 必要(高 (??%) 供 受診不必 要(低リス ク) 1% 受診不 必要(低 (??%) リスク) 受診不 必要(低 (??%) リスク) 受診 者 治療 なし 未受診者 計 1年後 10% 特定保 健指導 計 様々なシナリオを仮定して計算 特定保 健指導 リスク) 65% 計 特定保 健指導 100% (矢印は主な推移のみ) ・・・・ リスク) 未受診者 (??%) 未受診者 (??%) 計 100% (矢印は主な推移のみ) 計 100% (矢印は主な推移のみ) 46 受診率の違いによる虚血性心疾患の減少予測 (都市部某地域(男性・40-64歳、約72,000人)のデータに基づく) 初 年 度 1 年 後 2 年 後 3 年 後 4 年 後 5 年 後 0% -2% 虚 血 -4% 性 心 -6% 疾 -8% 患 の -10% 減 少 -12% 率 受診率=15% 受診率=30% 受診率=50% 受診率=65% -14% -16% 保健指導実施率45%、要医療の者の医療機関受診率30%と仮定 47 図1.保健指導によるリスク因子等への「効果」の測り方の概念 保健指導を受けた者 受けない者 リ ス ク 因 子 保健指導の対象 となった者のうち A:自然に生じる 改善 A’:自然に生じる 改善 C:保健指導による 改善(参考) ( 平 均 値 ・ 割 合 ) B:自然に生じ る改善+保健 指導による改善 正味の改善D≒B-A 健診 初回 中間評価 保健指導 最終評価 1年後 健診 48 各保険者の短期的アウトカムの整理 分析の基本イメージ(値は仮想データ) 健診時と翌年健診時の比較 保健指導前後の比較 (保健指導群) 初回 面接時 体重 kg 最終 評価時 保健指導実施群 変化 健診時 翌年 健診時 未実施群※ 変化B 健診時 翌年 健診時 正味の 変化 (B-A) 変化A 75 70 -5 76 71 -5 75 74 -1 -4 収縮期血圧 mmHg 145 134 -11 148 135 -13 146 140 -6 -7 拡張期血圧 mmHg 92 83 -9 94 84 -10 96 92 -4 -6 HbA1c % 5.5% 5.1% -0.4% 5.5% 5.2% -0.3% 5.6% 5.5% -0.1% -0.2% 空腹時血糖 mg/dl 112 98 -14 112 99 -13 118 110 -8 -5 38 50 12 38 48 10 36 40 4 6 中性脂肪 mg/dl 162 131 -31 162 146 -16 168 158 -10 -6 喫煙率 % 50% 46% -4% 50% 48% -2% 60% 60% 0% -2% 積極的支援 % 90% 50% -40% 100% 50% -50% 100% 80% -20% -30% 動機付け支援 % 8% 30% 22% 0% 30% 30% 0% 15% 15% 15% 情報提供 % 2% 20% 18% 0% 20% 20% 0% 5% 5% 15% HDLコレステロール mg/dl ※保健指導実施群とリスク要因が近い者をマッチング、 または統計モデルで調整。 ここでは簡略化のため、標準誤差等は省略 (実際には、人数、標準偏差、標準誤差も計算する) 科学的に効果を検証するための研究では「無作為割り付け」 を行うが、事業ではそれは不可能なので、参考までに「未実 施群」(該当したけれども受けなかった人)と比較する。 49 健診時と翌年健診時の比較による 保健指導の効果の評価(例1) 保健指導対象者のうち、実施した者としなかった者を比較。 体重 kg 人数 積極的+動機づけ支援 A市 未実施群 実施群 B市 未実施群 実施群 C市 未実施群 実施群 D市 未実施群 実施群 全体 未実施群 実施群 540 511 30 177 99 31 58 51 727 770 健診時 標準 標準 平均 偏差 誤差 65.3 65.5 66.5 66.4 64.1 65.3 72.7 69.5 65.8 66.1 8.5 8.8 9.3 8.7 7.7 10.2 9.6 11.5 8.6 8.4 0.4 0.4 1.7 0.7 0.8 1.8 1.3 1.6 0.3 0.3 翌年 健診時 標準 標準 平均 偏差 誤差 64.6 63.8 65.2 65.1 63.4 63.3 71.8 68.7 65.1 64.5 8.7 9.2 9.1 8.9 7.8 9.7 10.1 12.0 8.7 8.7 0.4 0.4 1.7 0.7 0.8 1.7 1.3 1.7 0.3 0.3 平均 A -0.7 B -1.8 -1.3 -1.3 -0.7 -2.0 -0.9 -0.8 -0.7 -1.6 変化 標準 偏差 2.2 2.8 2.9 2.8 1.9 2.8 2.8 2.9 2.2 2.6 標準 誤差 正味の変化 標準 平均 P値 誤差 0.1 0.1 D -1.1 0.5 0.2 0.0 0.2 0.5 -1.2 0.4 0.4 -0.1 0.1 0.1 -0.9 0.2 <.0001 0.6 0.991 0.4 0.008 0.7 0.918 0.1 <.0001 正味の変化は、性、年齢、自治体、支援レベルで調整した値。標準誤差=標準偏差÷√人数。 標準偏差:データのバラツキの指標。体重の変化の個人差を表す。平均±標準偏差の範囲に約70%の人が入る。 標準誤差:平均値の確からしさの指標。平均±標準誤差の範囲に約70%の確からしさで真実の効果がある。 50 保健指導の効果の大きさ・分析結果の示し方(1) 2 4 平均±標準偏差: この範囲に約70%の人が入る -4 -2 0 平均±標準誤差: 同様の保健指導を大勢の人々 に行っていくと、平均値は最終 的にこの範囲のどこかになる (70%の確からしさで) -6 体重の平均変化(B)±標準偏差・誤差 平成20~21年健診の体重変化 市町村No. 平均 B 標準偏差 標準誤差 イ -1.95 2.79 0.50 ロ -1.76 2.80 0.12 ハ -1.29 2.83 0.21 ニ -0.79 2.86 0.40 全体 -1.60 2.55 0.09 イ ロ ハ 市町村番号 ニ 全 体 51 健診時と翌年健診時の【体重(kg)】の変化 (積極的/動機づけ支援計) 男女計 8 変化(翌年健診時-健診時) 6 値は平均値±標準偏差(細線),標準誤差(太線) 4 2 0 -2 -4 -6 -8 事 業 所 A 事 業 所 B 事 業 所 C 事 業 所 D 1 健 保 ロ ● 事 業 所 健 保 計 自 治 体 1 自 治 体 2 自 治 体 4 自 治 体 5 自 治 体 6 自 治 体 7 自 治 体 8 自 治 体 9 ● 自 治 体 計 ● 総 計 52 健診時と翌年健診時の比較による 保健指導の効果の評価(例2) 保健指導対象者のうち、実施した者としなかった者を比較。 翌年 健診時 正味の変化 支援レベル 人数 改善割合 標準誤差 改善割合 標準誤差 積極的支援 A市 未実施群 151 4.0% A 43.7% B 61.8% 実施群 152 3.9% D 18.1% 5.6% B市 未実施群 30 41.0% 9.0% 実施群 20 68.0% 10.4% 27.0% 13.8% C市 未実施群 25 45.0% 9.9% 実施群 23 58.0% 10.3% 13.0% 14.3% D市 未実施群 43 44.2% 7.6% 実施群 16 46.0% 12.5% 1.8% 14.6% 全体 未実施群 249 43.6% 3.1% 実施群 211 60.8% 3.4% 17.2% 4.6% P値 0.001 0.050 0.364 0.901 0.000 改善割合:翌年、動機づけ支援or情報提供になった割合。標準誤差=√((1-割合)×割合÷人数) 標準誤差:改善割合の確からしさの指標。改善割合±標準誤差の範囲に約70%の確からしさで真実の効果がある。 53 市町村国保における特定健診・保健指導に関する検討会 報告書概要 平成23年3月 54 体重変化の人数分布を確認しよう 図1.保健指導実施者における1年後の体重変化, n=1605 350 300 困難事例 250 人 数 200 150 100 50 0 -10 -9 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1年後の体重の変化(kg) 1 2 3 4 5 55 改善した/しないのはどういう人? 男女比較 図2.体重の変化別にみた性別割合, n=1605 100% 90% n=1605, 自治体・年齢調整トレンドP=0.004 80% 70% 60% 女性 男性 50% 40% 30% 20% 10% 0% <-5.0 -5.0~ -4.0~ -3.0~ -2.0~ -1.0~ 0.0~ -4.1 -3.1 -2.1 -1.1 -0.1 0.9 1年後の体重の変化(kg) 1.0~ 2.0~ 3.0≦ 1.9 2.9 56 改善した/しないのはどういう人? 年齢比較 図3A.体重の変化別にみた年齢構成(男女計), n=1605 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 70代 60代 50代 40代 自治体調整トレンドP=0.99 体重変化≧0における同トレンドP=0.004 体重変化<0における同トレンドP=0.010 30% 20% 10% 0% <-5.0 -5.0~ -4.0~ -3.0~ -2.0~ -1.0~ 0.0~ -4.1 -3.1 -2.1 -1.1 -0.1 0.9 1年後の体重の変化(kg) 1.0~ 1.9 2.0~ 2.9 3.0≦ 57 改善した/しないのはどういう人? 初年度の行動変容ステージ 図4A.体重の変化別にみた初年度の行動変容ステージ, n=580 100% 80% 60% 40% 自治体・性・年齢調整トレンドP=0.56 維持期 実行期 準備期 関心期 無関心期 20% 0% <-5.0 -5.0~ -4.0~ -3.0~ -2.0~ -1.0~ 0.0~ 1.0~ 2.0~ 3.0≦ -4.1 -3.1 -2.1 -1.1 -0.1 0.9 1.9 2.9 1年後の体重の変化(kg) 58 改善した/しないのはどういう人? 翌年度の行動変容ステージ 図4B.体重の変化別にみた翌年度の行動変容ステージ, n=564 100% 80% 維持期 実行期 準備期 関心期 無関心期 60% 40% 20% 自治体・性・年齢調整トレンドP<0.0001 0% <-5.0 -5.0~ -4.0~ -3.0~ -2.0~ -1.0~ 0.0~ 1.0~ 2.0~ 3.0≦ -4.1 -3.1 -2.1 -1.1 -0.1 0.9 1.9 2.9 1年後の体重の変化(kg) 59 図6.保健指導の有無別にみた行動変容ステージ の変化 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% ≧2段階向上 1段階向上 不変 1段階低下 ≦2段階低下 自治体・性・年齢調整 トレンドP<0.0001 30% 20% 10% 0% なし n=1146 あり n=558 保健指導の有無 60 健診・保健指導実施状況別・医療費の変化 平成20年度 5 月 審 査 レ セ プ ト 平成21年度 受特 診定 者健 診 特 実定 施保 者健 指 導 ① ② 非実施者 非対象者 未受診者 • 特 対定 象保 者健 指 導 ③ 5 月 審 査 レ セ プ ト ④ ①~④について、H20, H21, H21-H20の差を比較(総数、性別、性年齢階級別) – 総医療費 – 生活習慣病医療費、医療機関受診率(レセプト件数÷被保険者数) • 高血圧性疾患、糖尿病等、脂質異常症、脳血管疾患 • 虚血性心疾患、人工透析、など 61 62 尼崎市資料より http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/tokutei23/hyouka/program/H5-2.pdf 63 尼崎市資料より http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/tokutei23/hyouka/program/H5-2.pdf 64 尼崎市資料より http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/tokutei23/hyouka/program/H5-2.pdf 65 尼崎市資料より http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/tokutei23/hyouka/program/H5-2.pdf 66 尼崎市資料より http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/tokutei23/hyouka/program/H5-2.pdf 67 尼崎市資料より http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/tokutei23/hyouka/program/H5-2.pdf 分析に必要なデータ 68 分析に必要なデータ • ①特定健康診査結果 • ②特定保健指導結果 – http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho /iryouseido01/dl/info03j-7.pdf ・・・28-29頁参照 • ③レセプトデータ(固有医科テキスト) • ④性別、年齢 – ①~④を暗号化された被保険者番号で突合する • ⑤被保険者人数(性・年齢階級別人数) – 受診率・受療率の計算に用いる 69 匿名化のイメージ 元の情報 ID(被保険者番号) 氏名 1234567 東京太郎 不 可 能 暗号化後 (SHA-1による ハッシュ値) 48ceef03d8a780c755df 234d05cf8e6235b2b0ff ①特定健康診査結果 ②特定保健指導結果 ③レセプトデータ ④性別、年齢 不 可 能 7bd9399a4db88c1a73cf b56eb2c33b64b865c39f 暗号化されたID(被保険者番号) により突合 70 匿名化ツール(1) http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai /download/hash/sha1cb.zip 匿名化ツール(2) http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai /download/hash/sha1ika.zip sample.csv 10 20 30 40 50 60 70 2 10 20 30 40 50 2 10 20 30 40 50 60 2 MN SA SV SV SV GK RC 1 42208 3 1 1 1 2 1 4273014 2 4139007 3 2720004 645 92de228d34e3fba71b83f9de00ad33 99999 999 MO 11003508 5641000 MN 2 42208 3 1 SA 1 1 2 SV 1 6951007 GK 584 RC c6cc88897914161e3247403db91052 99999 999 MO 11003559 488000 MN 3 42208 3 1 SA 1 1 2 SV 1 4939008 SV 2 8833421 GK 432 RC 274541ff3406fadff312441a952ce4 99999 999 MO 11003796 37161000 1 42209 12340001 1.14E+15 63132765 30 東京太郎 903 慢性心房細動 1 4211013 902 狭心症 4211013 403 高コレステロール血症 4220329 645 2 513272 医療法人ABCクリニック循環器内科 1 1 1 30 ****** 19491025 1 1 42209 12340002 1.14E+15 63132765 30 大阪花子 1203 多形紅斑(左足・左下腿) 4220823 584 0 xxxxxxxx xxxxxxx 2.01E+13 2 510153 医療法人XYZ皮膚科医院 30 ****** 19430217 1 1 42209 12340003 1.14E+15 63132765 30 北海次郎 1010 気管支喘息 1 4220330 901 高血圧症 4220823 432 0 xxxxxxxx xxxxxxx 2.01E+13 2 1210431 医療法人ZZZ内科医院 30 ****** 19410507 1 1 1 1 0 xxxxxxxx xxxxxxx 2.01E+13 encoded.csv 10 20 30 40 50 60 70 2 10 20 30 40 50 2 10 20 30 40 50 60 2 MN SA SV SV SV GK RC 1 42208 3 1 1 1 2 1 4273014 2 4139007 3 2720004 645 92de228d34e3fba71b83f9de00ad33 99999 999 MO 11003508 5641000 MN 2 42208 3 1 SA 1 1 2 SV 1 6951007 GK 584 RC c6cc88897914161e3247403db91052 99999 999 MO 11003559 488000 MN 3 42208 3 1 SA 1 1 2 SV 1 4939008 SV 2 8833421 GK 432 RC 274541ff3406fadff312441a952ce4 99999 999 MO 11003796 37161000 1 42209 ed6e46c7a68eed6b52fe7b5fb60eeaf6d9529dcd 1.14E+15 2 513272 医療法人ABCクリニック循環器内科 63132765 30 7bd9399a4db88c1a73cfb56eb2c33b64b865c39f 903 慢性心房細動 1 4211013 1 902 狭心症 4211013 1 403 高コレステロール血症 4220329 1 645 30 ****** 19491025 1 0 xxxxxxxx xxxxxxx 2.01E+13 1 42209 aaa52b79866660907545bbb437266f6a0eb1ff57 1.14E+15 2 510153 医療法人XYZ皮膚科医院 63132765 30 ea353740c1a85d5668e67f358df86e2dde643797 1203 多形紅斑(左足・左下腿) 4220823 1 584 30 ****** 19430217 1 0 xxxxxxxx xxxxxxx 2.01E+13 1 42209 a9357cfd88997c6a1657921dbfe6ba50a847ba85 1.14E+15 2 1210431 医療法人ZZZ内科医院 63132765 30 caad47c96edbfe5dc5f3b0d9a5784d4d6b65c56f 1010 気管支喘息 1 4220330 1 901 高血圧症 4220823 1 432 30 ****** 19410507 1 0 xxxxxxxx xxxxxxx 2.01E+13
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