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Chandra が明らかにした
電波銀河 3C 438 を
取り囲む高温銀河団
磯部直樹(理研)
太田直美, 浦田裕次(理研)
田代信, 村松哲, 洪秀徴(埼玉大)
2005年10月7日
天文学会秋季年会@札幌コンベンションセンター
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電波銀河 3C 438
 FR II 型の電波銀河
 赤方偏移 z = 0.29
距離 DL = 1.23 Gpc
1 arcsec = 3.59 kpc
 S1.4GHz = 6.89 Jy
 a = 0.88
10 arcsec
35.9 kpc
1.5 GHz の電波画像
2005年10月7日
ローブを目的に
Chandra で 50 ksec
観測してみたが…
天文学会秋季年会@札幌コンベンションセンター
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X線画像(1) – 中心領域 –
Chandra : 0.3 – 10 keV
実は、銀河団中だった
(可視光情報は乏しい…)
複雑な構造
 母銀河
 “Flow”
 中心領域の ICM
 ローブに対応する
Cavity
20 arcsec
71.8 kpc
(有効な観測時間は 25 ksec)
2005年10月7日
3C 438 周囲の銀河団の
構造が初めて明らかに !!
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X線画像(2) – 銀河団全体 –
2 arcmin
0.3 – 1.5 keV
1.5 – 7.0 keV
431 kpc
CCD
の境界
 外側のICMは、半径~300 kpc  Hard Band の方が
 中心がずれている
広がっている
2005年10月7日
天文学会秋季年会@札幌コンベンションセンター
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1 arcsec = 3.59 kpc
b1 = 1.6±0.4
Rc1 = 17.9 ± 2.8 arcsec
= 64 ± 10 kpc
b2 = 0.88±0.07
Rc2 = 89.0 ± 6.8 arcsec
鋭いコア
= 319 ± 24 kpc
残差 c2
表面輝度
[Counts pixel-1]
Radial Profile
中心核からの距離 [arcsec]
2005年10月7日
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(中心ICMを中心とする。
母銀河, “Flow”は除去)
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中心ICMのスペクトル
半径 14 arcsec
(49.5 kpc)




2005年10月7日
NH = 2.4+0.6-0.3 x 1021 cm-2
kT = 7.8+2.2-2.0 keV
Z = 0.61+0.41-0.33 Z◎
L0.7-7keV = 1.3+0.1-0.2 x 1044 erg s-1
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外側ICMのスペクトル
BGD
半径 2 arcmin (420 kpc)




2005年10月7日
NH = 2.8+0.2-0.3 x 1021 cm-2
kT = 12.1+3.0-1.9 keV
Z = 0.3 Z◎ (固定)
L0.7-7keV = 1.21+0.03-0.04 x 1045 erg s-1
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LX – kT 関係
Log ( LX,bol [erg s-1] )
0.1 < z < 0.82
の銀河団
LXのわりに
非常に高温
3 keV
10 keV
Log ( kT [keV] )
2005年10月7日
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(Ota & Mitsuda 2004) 8
内側
2.0x10-2
cm-3
温度 kT [keV]
Radial Temperature Profile
高温領域
外側
2.5x10-3
cm-3
吸収 NH [cm-2]
1 arcsec = 3.59 kpc
Rc1 = 17.9 arcsec
= 64 kpc
Galactic
な吸収
中心核からの距離 [arcsec]
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まとめ
 Chandra衛星により、電波銀河 3C 438 が銀河団の中
心に存在することが明らかになった。
 ICM, “FLOW”, Cavity などの複雑な構造を持つ。
 ICMは2成分ある。
中心のICM : kT ~ 8 keV, Rc1 ~ 64 kpc
外側のICM : kT > 10 keV, Rc2 ~ 319 kpc
 外側のICMの密度は内側のICMより一桁ちいさい
 ICMは、光度のわりに高温である。
中心のICM : L0.7-7keV = 1.3 x 1044 erg s-1
外側のICM : L0.7-7keV = 1.2 x 1045 erg s-1
 高温領域は、内側のICMのすぐ外側に局在している
 電波銀河とICMの相互作用などで、加熱?
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Cavity と ICM
 内側のICMの圧力 (平均)
p = 2.4 x 10-10 erg s-1
 ローブの圧力(エネルギー等分配での磁気圧)
B~30 mG
um = B2 / 8 p = 3.6 x 10-11 erg s-1
ローブは Over pressure な状態で膨張か ?
2005年10月7日
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