Document

難病患者の就業について
多様な健康問題がある人が社会的なWell-beingを
達成するための、個別的支援のあり方を求めて
「難病患者の就労」への取り組
みの視点



職業上の対策は病気が治ってから?
就労事例があるのか?
雇用の困難性を明らかにするだけで
終わらないか?
「難病患者の就労」への取り組
みの視点



職業上の対策は病気が治ってから?
就労事例があるのか?
雇用の困難性を明らかにするだけで
終わらないか?
急性疾患と慢性疾患でのリハビリテー
ションの位置づけ
急性疾患
感
染
等
潜
伏
期
予
防
早
期
発
見
1次予防
死亡
発
症
診
断
2次予防
治
癒
治
療
後
遺
症
慢性疾患
再
燃
発
症
再
発
疾患の慢性化
(長期の経過)
ーリ
シハ
ョビ
ンリ
テ
・自己管理、再発予防
・経過観察、継続的受療
・職場復帰、環境整備、リ
ハビリテーション
3次予防
(4次予防)
疾患管理と社会生活・職業生活の両立
• 後遺症を残しての就労
– 内部障害
– 頭蓋内損傷:片麻痺、言語障害、
高次脳機能障害
– 身体障害
• 疾患管理と両立しての就労
–
–
–
–
HIVによる免疫機能障害
精神障害
難病
糖尿病、高血圧、等
疾患は完治している
が、後遺症が残って
いる。
疾患が完治しないが、
薬物療法等でコント
ロール可能となって
いる。
一生を入院や通院に
費やす必要はない。
生活上の問題への対応の必要性
• 「障害」者ではないが、職業的困難性を労
働環境改善の問題とする患者は多い。
– 潰瘍性大腸炎患者:障害がない60%
– クローン病患者:障害がない25%、あえて認
定を望まない10%
疾患と「障害」
「障害」
疾患
難病
精神障害
HIV感染症
重度障害
医学的視点
病因、症状、病理
予防、早期発見、治療、
再発防止、後遺症管理
生活影響からの視点
心身機能、活動、参加
リハビリテーション、
環境改善、地域支援
疾患と障害の視点の違い
身体機能/構造の変化
名称
ベーチェット病
多発性硬化症
全身性エリテマトーデス
筋萎縮性側索硬化症
多発性筋炎・皮膚筋炎
強皮症
自
感
精
循じ 呼
消
律
染
神
視感
言上下環ん吸排排化肝神
皮出し 全貧知神
力音め語肢肢器臓器尿便器臓経鼻膚血や身血覚経
障障ま 症障障症症症障障症症症症症傾す症症異症
害害い状害害状状状害害状状状状状向さ 状状常状
○
△△
◎
○
△△◎◎
○△
△△
○△
◎○
△
◎◎◎
○◎◎○
△
◎◎◎△◎
△
◎
△△
潰瘍性大腸炎
クローン病
悪性関節リウマチ
パーキンソン病
アミロイドーシス
ウィリス動脈輪閉塞症
シャイ・ドレーガー症候群
網膜色素変性症
神経線維腫症1型
糖尿病
○◎
◎
△
◎
◎○
○
△
○
◎
◎
◎△◎
◎
◎
△
◎
△
△
△
◎○
◎
◎
△△
◎
◎
○
◎
◎
△△
○○
◎
◎△
△
◎
◎◎○△
○△
◎○
◎◎◎
△○◎
○
△
◎△
◎◎△
○
△
◎○△
◎◎
◎
◎◎◎◎
◎◎◎◎◎
△△△
◎
◎
◎
◎
◎
◎
特発性血小板減少性紫斑病
活動面での制限
精
神
高自
長長
的
騒所動感
寒
空身時時
ス 日音で車染
冷
気体間間
ト 光やの等の
環高環活起労過レ 被振作運危
境温境動立働労ス 爆動業転険
◎
◎◎
◎◎△
◎◎
◎
◎◎◎
◎
△
◎
○
◎◎
△
◎:高割合で該当し重症の可能性も高い、○:半数程度で該当する、△:該当する例もある。
△
障害者のための職場環境整備
視覚障害
聴覚障害
上肢障害
下肢障害
腎臓機能障
害
知的障害
点字ブロック、点 ファックス、電子 トイレ・洗面所の 障害者用/車椅 短時間勤務・残 障害者の家族と
字表示
メールの使用
改造
子用トイレ
業規制
の密な連絡
コミュニケーショ メモ 、黒板、ホ ワ イ ト
事業所内診療 専用駐車スペー 通院・治療・服薬
ン支援機器の導 ホ ゙ー ド、O H P の活
対話・声かけ
所・治療用設備 ス設置
の便宜
入
用
障害者用/車椅 マンツーマン個 避難設備の障害 トイレ・洗面所の 毎日の健康状態 生活全般に関す
子用トイレ
別実務指導
者対応化
改造
チェック
る相談員の配置
コミュニケーショ ファックス、電子 従業員参加Q C 事業所内診療 採用時の通勤訓
研修条件の配慮
ン支援者の配置 メールの使用
サークル
所・治療用設備 練
従業員参加Q C 避難介助担当者 体力や集中力に スロープ設置、
障害者が多い職
サークル
の指定
応じた職務割当 段差解消
場に配置
管理職・職員啓
天候条件に応じ 避難設備の障害
ファックス、電子
作業・職務の簡
蒙、偏見解消教
た通勤配慮
者対応化
メールの使用
易化
育
コミュニケーショ
避難介助担当者 マニュアルやテ
毎日の健康状態
専任の相談担当
ン支援機器の導
の指定
キストの作成
チェック
者配置
入
送迎バス、タク
体力や集中力に
安全装置の取り
シー送迎
応じた職務割当
付け
障害者共同施設
研修条件の配慮
との連携
障害認定されていない機能障害








肝臓機能
膵臓機能
皮膚機能
運動耐用能
痛み
血液系の機能
全般的代謝機能
・・・








心理社会的機能
注意機能
記憶機能
精神運動機能
情動機能
知覚機能
思考機能
・・・
ICIDH → ICF
ICIDH (1980): International
Classification of Impairment,
Disability, and Handicap(国際
障害分類)
 ICF (2001): International
Classification of Functioning,
Disability and Health

障害/生活機能の
3つのレベル
Functioning
Impairment
Disability
Disability
Health
Handicap
ICFのねらい:
「障害」についての共通言語





日々の営みの問題(Functioning)
全ての人が経験しうる問題(Universal)

乳幼児から高齢者まで

歴史や文化を超えて
全ての人が関係する問題(Integration)
環境因子との相互作用(Interactive)
あるがままの問題把握(Parity)


原因論によらない
中立的用語の使用
健康領域と健康関連領域
Well-beingの他の領域
Well-beingの健康領域
•教育
•見ること
•雇用
•話すこと
•環境
•記憶すること
•他
•他
Well-beingの健康関連領域
HIV感染症による障害の構造
医学的
対応
疾患
機能障害
心身機能
服薬、治療
理解不足
活動
参加
(職業能力)
(就労機会)
職務要件
職業生活要件
(デスクワーク vs. 重労働)
職務配置
補助具等
啓発、
差別防止
背景因子
産業構造
求人状況
社会基盤
標準的留意事項
服薬・治療への支援
雇用枠
服薬・治療への配慮
BMS
1965
偏見・差別の防止
20
HIV感染者
の雇用対策
ストレス・重労働・感染予防
服薬の副作用への対処
HIV感染症の自然史
(1980年代の状況=治療方法なし)
CD4
CD4
免疫力
500
200
感
染
無症候性キャリア エイズ関連症候群
(AC)
(ARC)
エイズ発症
数年~十数年
数年 死亡
HIV感染症の自然史
(1990年代の状況=治療方法の発見)
CD4
免疫力
CD4
500
200
感
染
AC
数年~十数年
この間に早期発見が望ましい
!
最新治療でもHIVは
完全には消えない
ARC
↓
早期治療
AC
十数年~
継続的疾病管理
中途発症者の復職可能性





1ヶ月程度の入院(カリニ肺炎の場合)で復職
平均的に年1~2回の入院
薬の副作用のアレルギー湿疹:1~2週間の入
院
月1回の通院
早期発見・早期治療、新薬開発により、状況は
改善中
HIV感染症の治療薬
薬剤名
(核酸
系)逆
転写酵
素阻害
剤
A ZT(
ZD V )
ddI
保管
室温
室温
ddC
d4T
室温
室温
3TC
室温
プロテ ID V
アーゼ
阻害剤 SQ V
R TV
N FV
一回の
用量
1~2カ
プセル
1日の
用法
2~4
回
服薬
時間
副作用
一定 食欲不振、吐気(
、頭痛、筋肉痛、
間隔 貧血)
2錠又
は1袋
2錠
2カプセ
ル
1錠
2回
空腹
時
食後
朝夕
食後
朝夕
食後
空腹
時
3回
2回
2回
乾燥剤入 4カプセ 3回
りボトル
ル
室温
3カプセ 3回
ル
室温(
冷蔵 4又は6 2回
庫)
カプセ
室温
3錠
3回
その他
軟便、下痢、膵炎、(
手)
足のしび
れ
口内炎、膵炎、末梢神経炎
末梢神経炎、肝機能障害
頭重感・
頭痛、吐気、倦怠感・
不快
感、下痢、筋肉痛
疲労感、無力感、吐気、下痢、高 1.5リットルの
熱、頭痛、皮疹、乾燥肌、味覚異 水分を飲む(腎
結石の予防)
常、出血傾向(
血友病患者)
食後 下痢、腹痛、吐気、出血傾向(
血
友病患者)
朝夕 吐気、嘔吐、下痢、出血傾向(血友病
食後 患者)、無力感、発熱、食欲不振
食後 吐気、下痢(
、皮疹)
HIV感染症の服薬状況
(例1)
0:00
6:00
睡眠
12:00
会社
AZT
3TC
NFV
(例2)
0:00
6:00
睡眠
18:00
会社
AZT
会社
睡眠
AZT
3TC
NFV
NFV
12:00
0:00
18:00
0:00
会社
AZT
AZT
グリチロン
グリチロン
グリチロン
IDV
IDV
IDV
ddI
ddI
HIV/AIDSの誤解と偏見
× ×
× ×
誤解
誤解
急速に死に至る病である
原因不明の恐ろしい
病気である
偏見
偏見
自業自得である
社会参加は望めない
正しい知識の啓発

HIVは血液感染:肝炎ウィルスなどと同じ





空気感染、接触感染、経口感染などがない
ウィルスを含む血液・精液と血液の直接接触(セック
ス、傷など)で感染する
HIVは感染力が極めて弱い:肝炎ウィルスの
1/10
日和見感染症は健常者には感染しない
HIV感染者と同居する家族にも感染しない

トイレ、洗面台、食器、風呂、シーツの共用、回し飲
み、鍋などは問題なし
募集・採用に際しての留意


従業員の募集・採用に関しては、すべての人につい
て、基本的人権を尊重し、本人の能力と適性に応じ
た公平・公正な取り扱いを行うことが基本です。
HIVによる障害、あるいはHIV感染の有無はそれ自
体では、職務遂行のための適性と能力に直接関係
のない事項であり、採用選考の基準としたり、障害
や感染があることによる差別的取り扱いを行うべき
ではありません。

雇入れ時の健康診断: 応募者の採否を決定するために
実施するものではない。
HIV感染者による情報告知の指針
(東京都)
Q.職場や学校では、感染について話さなければいけません
か?
A.自分の感染については、職場や学校で話さなくてはならな
いものではありませんし、話さないことを負担に思う必要
もありません。
しかし、上司や同僚、または教師や同級生に話して理解
してもらうことができれば、あなたがいくらか楽になるで
しょう。例えば、体調をくずしやすい仕事をさけてもらえ
たり、職場や学校であなたの味方になってくれるかもしれ
ません。
あせらずに、周囲を良く見て、あなたを理解してくれる
のは誰なのかをよく考えて、時期を選んでから行動しま
しょう。
同僚に告知せずに安全を確保する
「標準的留意事項」


HIV感染者や肝炎患者の職場での有無に関
わらず行うべき事故への対処法
出血している傷病者の応急手当




使い捨てビニール手袋又はゴム手袋を装着
マスクを装着
皮膚に血液が付着した場合、石鹸を用い流水で
洗浄
血液が付着した作業着は速やかに交換、洗浄
「難病患者の就労」への取り組
みの視点



職業上の対策は病気が治ってから?
就労事例があるのか?
雇用の困難性を明らかにするだけで
終わらないか?
特定疾患患者の自立度
★大動脈炎症候群
★★★潰瘍性大腸炎
★サルコイドーシス
★ウェゲナー肉芽腫症
★★★クローン病
原発性胆汁性肝硬変
★★特発性血小板減少性紫斑病
★バージャー病
★天疱瘡
全身性エリテマトーデス
混合性結合組織病
★★ベーチェット病
膿庖性乾癬
特発性拡張型心筋症
強皮症/皮膚筋炎、多発性筋炎
重症筋無力症
★再生不良性貧血
結節性動脈周囲炎
★★★ウイリス動脈輪閉塞症
★★原発性免疫不全症候群
★★★多発性硬化症
特発性間質性肺炎
★特発性大腿骨頭壊死症
★★表皮水疱症
★アミロイドーシス
★後縦靱帯骨化症
悪性関節リウマチ
★★スモン
★脊髄小脳変性症
広範脊柱管狭窄症
パーキンソン病
重症急性膵炎
劇症肝炎
ハンチントン舞踏病
筋萎縮性側索硬化症
シャイ・
ドレーガー症候群
0%
10%
20%
30%
40%
自立
一部介助
50%
全面介助
60%
70%
80%
90%
100%
難病患者の失業率
就労
回答者
数
雇用
自営・福祉
求職中
雇用等
非労働力人口
潜在的
潜在的求
雇用者 潜在的 雇用者
それ以外 失業率
職者
失業率 失業率* 失業率*
8.3%
33.3%
4.8%
6.3%
16.7%
21.1%
13.3%
53.0%
7.1%
9.5%
33.3%
40.6%
2.6%
31.6% 12.0%
25.0%
15.4%
30.8%
22.2%
5.6% 15.4%
18.2%
35.3%
40.0%
11.8%
20.0% 17.2%
20.4%
29.4%
33.9%
6.9%
13.1% 10.0%
11.3%
17.2%
19.2%
12.2%
6.1% 32.5%
40.6%
41.3%
50.0%
15.0%
20.0%
7.7%
10.0%
25.0%
30.8%
7.0%
14.0%
5.9%
7.7%
13.5%
17.2%
0.0%
9.1% 20.0%
40.0%
20.0%
40.0%
8.0%
42.0%
6.8%
9.7%
19.6%
26.3%
10.3%
32.8% 12.1%
21.1%
25.6%
40.0%
8.5%
21.3%
3.0%
4.8%
13.5%
20.0%
8.1%
16.2%
4.0%
5.1%
13.3%
16.4%
5.8%
17.3%
7.5%
9.7%
14.0%
17.6%
10.0%
6.7% 20.0%
26.3%
28.6%
36.4%
9.0%
22.8% 10.8%
14.0%
21.3%
26.5%
ベーチェット病
36
41.7%
13.9%
2.8%
多発性硬化症
83
22.9%
8.4%
2.4%
スモン
38
23.7%
34.2%
7.9%
特発性血小板減少性紫斑病
18
50.0%
11.1% 11.1%
潰瘍性大腸炎
85
45.9%
10.6% 11.8%
クローン病
274
63.1%
8.8%
8.0%
ウィリス動脈輪閉塞症
49
38.8%
16.3% 26.5%
表皮水疱症
20
45.0%
15.0%
5.0%
網膜色素変性症
43
55.8%
18.6%
4.7%
先天性免疫不全症候群
11
27.3%
45.5% 18.2%
肝臓病
88
31.8%
14.8%
3.4%
進行性筋ジストロフィー
58
25.9%
24.1%
6.9%
強直性脊椎炎
47
42.6%
25.5%
2.1%
神経繊維腫症
99
56.6%
16.2%
3.0%
糖尿病
52
53.8%
17.3%
5.8%
先天性代謝異常
30
46.7%
20.0% 16.7%
回答者全体
1,084
45.5%
15.3%
7.4%
雇用:正社員、パート、アルバイト
自営、福祉雇用等:自営業、福祉的就労、その他の仕事形態
求職中:医師から就労を禁止されていない、かつ仕事をしたいと思っている、かつ現在仕事を探している
潜在的求職者:医師から就労を禁止されていない、かつ仕事をしたいと思っている、かつ現在仕事を探していないが、探したこ
とがある
難病者が仕事に就いていない理由
仕事に就いていない理由(複数回答)
治療に 通勤が 経済的 学生/ 適職が
時間が 困難だ に困ら 職業訓 みつか
かかる から
ないか 練中だ らない
から
ら
から
から
ベーチェット病
多発性硬化症
特発性血小板減少性紫斑病
潰瘍性大腸炎
クローン病
ウィリス動脈輪閉塞症
表皮水疱症
網膜色素変性症
先天性免疫不全症候群
肝臓病
進行性筋ジストロフィー
強直性脊椎炎
神経繊維腫症
糖尿病
先天性代謝異常
その他
全体
26.7
37.3
14.3
31.4
22.7
13.6
50.0
11.1
33.3
15.9
14.8
21.4
16.7
33.3
43.1
14.3
17.1
17.3
9.1
62.5
44.4
20.0
60.0
40.0
26.1
22.9
6.8
51.9
35.7
4.2
33.3
25.5
57.1
34.3
22.7
18.2
44.4
33.3
27.3
11.1
14.3
12.5
7.1
10.0
20.0
22.9
6.7
13.7
25.7
30.7
27.3
50.0
33.3
33.3
2.3
11.1
7.1
29.2
35.7
20.0
40.0
19.1
33.3
52.9
57.1
57.1
62.7
72.7
87.5
55.6
33.3
29.5
59.3
57.1
45.8
21.4
90.0
40.0
53.5
採用面
接等に
困難が
あるか
ら
13.3
25.5
57.1
14.3
32.0
27.3
37.5
44.4
33.3
4.5
29.6
14.3
50.0
21.4
30.0
20.0
26.4
社会的
な理解
が不十
分だか
ら
40.0
43.1
42.9
28.6
42.7
45.5
50.0
44.4
33.3
6.8
48.1
28.6
33.3
21.4
70.0
40.0
37.2
仕事に
就いて
いない
理由・そ
の他
仕事に
就いて
いない
合計
33.3
21.6
28.6
31.4
22.7
9.1
12.5
44.4
33.3
29.5
29.6
28.6
37.5
21.4
30.0
40.0
26.6
(
網掛け数字/下線数字:正規化された標準カイ二乗残差で5%未満の危険率で統計的に多い/少ない。)
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
中途発病による職業への影響
退職/転職
解雇
ベーチェット病
多発性硬化症
スモン
特発性血小板減少性紫斑病
潰瘍性大腸炎
クローン病
ウィリス動脈輪閉塞症
表皮水疱症
網膜色素変性症
先天性免疫不全症候群
肝臓病
進行性筋ジストロフィー
強直性脊椎炎
神経繊維腫症
糖尿病
先天性代謝異常
回答者全体
61.1%
76.7%
54.3%
46.2%
52.4%
41.8%
61.0%
30.8%
34.1%
25.0%
45.6%
44.7%
51.1%
35.9%
26.8%
37.0%
47.7%
5.6%
5.5%
5.7%
0.0%
1.2%
3.8%
19.5%
0.0%
0.0%
0.0%
2.9%
0.0%
6.4%
5.4%
2.4%
7.4%
4.6%
現在まで仕事を継続
就労継続の
その他の変
配置転換
化
退職その
自主退職
他
52.8%
68.5%
42.9%
38.5%
45.2%
36.0%
36.6%
30.8%
31.8%
25.0%
27.9%
42.1%
36.2%
25.0%
22.0%
18.5%
38.2%
2.8%
2.7%
5.7%
7.7%
6.0%
1.9%
4.9%
0.0%
2.3%
0.0%
14.7%
2.6%
8.5%
5.4%
2.4%
11.1%
4.9%
38.9%
23.3%
45.7%
53.8%
47.6%
58.2%
39.0%
69.2%
65.9%
75.0%
54.4%
55.3%
48.9%
64.1%
73.2%
63.0%
52.3%
8.3%
1.4%
5.7%
7.7%
11.9%
11.5%
2.4%
0.0%
4.5%
0.0%
8.8%
10.5%
8.5%
3.3%
2.4%
0.0%
7.3%
2.8%
1.4%
5.7%
0.0%
4.8%
5.0%
0.0%
0.0%
6.8%
25.0%
4.4%
10.5%
8.5%
2.2%
4.9%
3.7%
4.0%
変化なし
27.8%
20.5%
34.3%
46.2%
31.0%
41.8%
36.6%
69.2%
54.5%
50.0%
41.2%
34.2%
31.9%
58.7%
65.9%
59.3%
41.0%
合計
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
発病時に退職した者のその後の状況
無職 再就職
再就職までの期間(再就職者=100%)
1ヶ月
以内
ベーチェット病
多発性硬化症
スモン
特発性血小板減少性紫斑病
潰瘍性大腸炎
クローン病
ウィリス動脈輪閉塞症
表皮水疱症
網膜色素変性症
先天性免疫不全症候群
肝臓病
進行性筋ジストロフィー
強直性脊椎炎
神経繊維腫症
糖尿病
先天性代謝異常
66.7 33.3
76.1 23.9
52.9 47.1
66.7 33.3
70.0 30.0
38.3 61.7
100.0
0.0
25.0 75.0
63.6 36.4
0.0 100.0
85.3 14.7
42.9 57.1
100.0
0.0
56.3 43.8
27.3 72.7
0.0 100.0
33.3
9.1
25.0
100.0
11.1
14.0
0.0
0.0
0.0
20.0
12.5
14.3
0.0
0.0
2ヶ月 7ヶ月
~6ヶ ~1年 2年以
月
11ヶ月
上
無回答
16.7
9.1
0.0
0.0
44.4
22.0
100.0
0.0
0.0
60.0
12.5
14.3
37.5
0.0
16.7
18.2
0.0
0.0
0.0
26.0
0.0
25.0
50.0
0.0
25.0
21.4
50.0
0.0
33.3
18.2
50.0
0.0
33.3
30.0
0.0
75.0
50.0
0.0
12.5
21.4
12.5
100.0
0.0
45.5
25.0
0.0
11.1
8.0
0.0
0.0
0.0
20.0
37.5
28.6
0.0
0.0
難病の症状の安定性
進行性筋ジストロフィー
網膜色素変性症
神経繊維腫症
スモン
強直性脊椎炎
表皮水疱症
多発性硬化症
糖尿病
肝臓病
クローン病
潰瘍性大腸炎
ベーチェット病
先天性代謝異常
先天性免疫不全症候群
特発性血小板減少性紫斑病
ウィリス動脈輪閉塞病
0%
軽快傾向
20%
変化はない
40%
60%
軽快と増悪の繰り返し
80%
100%
増悪傾向
就労に関して医師からの注意
就労は原 座ってで 軽作業程 残業は避 勤務時間 ストレスを 医師から
則禁止 きる作業 度なら可
ける
中の安
避ける のその他
に限る
静・休憩
の注意
ベーチェット病
多発性硬化症
スモン
特発性血小板減少性紫斑病
潰瘍性大腸炎
クローン病
ウィリス動脈輪閉塞病
表皮水疱症
網膜色素変性症
先天性免疫不全症候群
肝臓病
進行性筋ジストロフィー
強直性脊椎炎
神経繊維腫症
糖尿病
先天性代謝異常
回答者全体
13.0
10.6
18.8
0.0
1.4
1.2
2.4
6.7
5.1
0.0
16.7
9.5
5.7
1.2
0.0
4.0
3.8
10.0
9.8
7.7
11.8
5.3
4.8
7.7
6.7
5.1
0.0
16.3
35.7
18.8
2.4
0.0
34.6
6.9
39.1
30.2
18.5
22.2
19.2
19.9
38.1
23.5
7.7
20.0
44.0
30.8
29.4
10.6
2.3
28.0
17.8
25.0
15.0
11.5
16.7
22.4
16.5
38.5
20.0
7.7
11.1
34.1
22.2
25.8
2.4
4.4
8.0
12.9
25.0
19.4
18.5
5.9
17.1
10.5
23.7
20.0
10.0
0.0
38.3
13.2
26.7
2.4
2.3
20.0
11.0
95.7
67.6
24.1
36.8
83.1
63.6
47.5
23.5
26.8
11.1
63.6
16.2
35.5
10.8
38.0
20.0
40.0
36.4
18.5
7.1
14.3
40.7
19.8
12.5
0.0
16.0
33.3
35.0
17.4
25.0
7.0
21.1
21.4
7.7
治療・通院時間による就労状況
への影響
1
週
間
の
平
均
的
通
院
時
間
4
3.5
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
25ハ ゚ー セ ンタイル
50ハ ゚ー セ ンタイル
75ハ ゚ー セ ンタイル
1
5
日
以
上
労
働
1
4
日
未
満
労
働
求
職
中
就
労
希
望
職で
か
つ
て
求
未
求
職
だ
が
就
労
希
望
就
労
非
希
望
難病種類別の治療・通院時間
1週間の治療・通院に要する時間(時間)
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
網
膜
色
素
変
性
症
進
行
性
筋
ジ
ス
ト
ロ
フ
ィ
ー
神
経
繊
維
腫
症
先
天
性
代
謝
異
常
ウ
ィ
リ
ス
動
脈
輪
閉
塞
症
特
発
性
血
小
板
減
少
性
紫
斑
病
強
直
性
脊
椎
炎
糖
尿
病
ス
モ
ン
ベ
ー
チ
ェ
ッ
ト
病
潰
瘍
性
大
腸
炎
ク
ロ
ー
ン
病
多
発
性
硬
化
症
肝
臓
病
先
天
性
免
疫
不
全
症
候
群
表
皮
水
疱
症
事業主への病名の告知
事業主に病名を告げていますか
告げている
告げていない
告知後の状況(告知者総数に対
「告げていない」場合の
する%)
理由(告げていない者に
対する%)
不当な 勤務条 気分 病名を
必要 不利な その他
合計
差別を 件等に 的に 告げて
がない 扱いを受
受ける 配慮して 楽に よかっ
から ける恐れ
ように もらえる なった た
があるか
なった ように
ら
なった
正社員
75.0
3.5
46.2
47.9
53.5
25.0
63.5
32.3
5.2 100
パート
58.3
0.0
37.1
48.6
45.7
41.7
68.0
12.0
16.0 100
アルバイト
52.4
0.0
77.3
63.6
50.0
47.6
65.0
35.0
0.0 100
自営業
福祉的就労
70.1
84.6
1.9
0.0
44.4
27.3
48.1
36.4
61.1
54.5
29.9
69.6
15.4 100.0
26.1
0.0
13.0 100
50.0 100
その他
58.8
0.0
70.0
75.0
55.0
41.2
71.4
0.0
28.6 100
合計
70.5
2.6
47.4
49.8
53.7
29.5
66.1
26.1
9.4 100
難病患者の戦略?
• 就職時には病名を隠して入社
– 病名だけで不採用になる
• 就職後の発病によって初めて病
名を告知する
– 職業能力をアピールする期間があ
る
「難病患者の就労」への取り組
みの視点



職業上の対策は病気が治ってから?
就労事例があるのか?
雇用の困難性を明らかにするだけで
終わらないか?
従来の障害のある人の就業支援の枠組
「障害のある人は働けないことを前提とした社会的支援」
機能障害
能力障害
社会的不利
仕事ができない
仕事に就けない
連携のポイント:
•働ける人/働けない人の判定
•競争的雇用と福祉的就労の区別
働けるか、働けないか?









車椅子の人
毎週3回、1回2~3時間の透析治療を要する人
精神年齢が10歳程度の知的障害者
難病患者でストレスによって再発の恐れがある人
肺の大部分を失い、常時、チューブで酸素補給を要
する人
HIVに感染している人
全身麻痺で眼だけしか動かせない人
顔面に腫瘍がある人
精神障害で薬物治療が継続している人
DPIによる社会モデル)
機能障害
インペアメント
をもつ人を閉
め出す社会
能力障害
物理的・社会
的障壁
社会的不利
?
職場環境整備による職業関連活動の
実行状況への影響
学習
職業関連活動
コミュニ
セルフケ
知識の応
対人関係 社会生活
職務遂行 ケーショ
ア
用
ン
マンツー
作業補助 工程の単
声かけ 通勤指導
相談員
マン実務
純化
者
指導
機
個別レ
健常者と
能
ベル
安全設備
のグルー
反復指導
障
プ作業
環
害
境
( 単純化
因
知 職員研修 職員研修 マニュア 職員研修 家族との レクリ 送迎バス
サービ 子
エーショ
連携
ル化
的
スレベ
健康状態
職務再設
機
ル
チェック
計
能
生活寮
)
制度レ
助成金、雇用率
ベル
医学モデル vs. 社会モデル
障害=個人の問題
福祉・保健政策
父権主義
障害者のリハビリ
障害=社会の問題
機会均等政策
消費者主義
社会側の環境改善
ICF=相互作用モデル
医学モデルと社会モデルの統合
障害=個人と環境の相互作用
 職業選択の後に障害対策を行う
 選択可能な専門的雇用支援サービス
 職場環境整備を前提とした障害者支援

ICFの合意モデル
International Classification of Functioning, Disability and Health
健康状態
心身機能・
構造
環境因子
活動
参加
個人因子
ICF:「活動と参加」分類(大分類)
領域
d1
d2
d3
d4
d5
d6
d7
d8
d9
学習と知識の応用
一般的な課題と遂行要求
コミュニケーション
運動
セルフケア
家庭生活
対人関係
主要場面での生活
地域・社会・市民生活
評価点
構成要素
能力 実際状況
活動
個人レベル
社会レベル
参加
「標準(促進的)環境」
(standard facilitating environment), WHO (ICF, 2001)
現実環境における実行状況
環境改善
Performance
標準環境における最高能力
Capacity
人が最大能力を発揮できる環境
国際的に共通
環境因子分類によって、具体的に
定義する→今後の課題
個々人に
対する能力
開発
障
害
の
な
い
人
の
標
準
的
能
力
視覚障害者への職場環境整備の効果
問題
職業関連活 必要な整備の実行状況によって、当該領域の問 大問題発生率
環境整 環境整 発生率
題発生に有意な差が生じる環境整備項目
動の領域
備なし 備あり の比
ストレスや責 本人の体力や集中力に合わせた職務割当
50.0%
3.4% 14.8
任への対処 積極的な対話、声かけ
50.0%
3.7% 13.5
コミュニケー 業務計画や作業環境の改善に障害者の意
37.5%
1.8% 20.6
ション
見を取り入れた
ゆっくりと時間をかけたコミュニケーションを
28.6%
2.5% 11.4
心がけている
セルフケア 冷房・
暖房・
湿度調節・
空気清浄の設備
50.0%
1.9% 26.5
通院や治療、服薬に便宜をはかっている
50.0%
1.9% 26.0
危険性のある作業を行わせない
25.0%
1.3% 19.3
職場内の対 積極的な対話、声かけ
33.3%
1.6% 21.3
人関係
冷房・
暖房・
湿度調節・
空気清浄の設備
33.3%
1.8% 18.7
本人の体力や集中力に合わせた職務割当
20.0%
1.5% 13.6
危険性のある作業を行わせない
25.0%
2.4% 10.4
知的障害者への職場環境整備の効果

「コミュニケーション」問題
大問題発生率
問題
必要な整備の実行状況によって、当該領域の
発生率
問題発生に有意な差が生じる環境整備項目 環境整 環境整
備なし 備あり の比
同僚や上司が、必要に応じて作業補助し 100.0% 18.9%
5.3
ている
業務計画や作業環境の改善に障害者の
25.0%
9.8%
2.5
意見を取り入れた
レクリエーションや懇親会、クラブ活動、
36.5% 16.2%
2.3
点字・
手話サークル等で親睦をはかって
あいさつ、返事、その他の社会的ルール
41.2% 18.8%
2.2
を指導している
「援助付き雇用」
• 競争的雇用に受け入れられなかった重度
障害者、もしくは障害が重すぎるため競争
的雇用が断続的であったり中止されてきた
障害者で、仕事をこなすためには、障害故
に継続したサービスが必要なものを対象と
する統合された状態の下での雇用
「援助付き雇用」
生産性
雇用管理上の配慮・支援
援助付き雇用
最低賃金水準
最低賃金除外時
障
害
閾
値
保護雇用
福祉的就労
競争的一般雇用
雇用の下での福祉的就業
機能状態
ナチュラル・サポート
(Natural Support)

職場や地域での、自然な人的支援。





必要に応じた介助
コミュニケーションのスキル
疾患や障害への理解や、偏見の打破
障害や病気をもつ人と一緒に働いた経験から
自然に形成されることもある。
専門家が職場に入って、職場の上司や同僚を
トレーニングして、形成することもある。
健康問題における「機会均等」

他の問題での機会均等



性、年齢、人種、国籍・・・・
差別禁止法
差別禁止だけでは健康問題は不十分


環境が整備されていないと、能力が発揮でき
ない → 「合理的配慮」
社会側の費用負担の原則が必要 → 「過
大な負担」の除外
事業主の責務
(障害者の雇用の促進等に関する法律)



すべて事業主は、障害者の雇用に関し、社
会連帯の理念に基づき、障害者である労働
者が有為な職業人として自立しようとする努
力に対して協力する責務を有するものであっ
て、
その有する能力を正当に評価し、適当な雇
用の場を与えるとともに
適正な雇用管理を行うことによりその雇用の
安定を図るように努めなければならない。
整備率が高い環境整備
(必要な場合に最大80%以上)

マンツーマン個別実務指導、同僚や上司の作
業補助、体力や集中力に応じた職務割当、危
険作業の禁止、毎日の健康状態チェック、社
会的ルールの指導、対話・声かけ、健康相談、
ミスが起こりうる業務の禁止、通院・治療・服
薬の便宜、職務再設計、エアコン設備、管理
職・職員啓蒙、偏見解消教育、親睦活動、食
事・運動・休養などの指導、残業規制、時間を
かけたコミュニケーション
整備率が高い環境整備
(必要な場合に最大50%~80%)

専任補助者・指導員の配置、従業員参加QCサークル、
自家用車通勤許可、作業・職務の簡易化、専用駐車ス
ペース設置、専任の相談担当者配置、安全装置の取り
付け、ファックス・電子メールの使用、メモ・黒板・ホワイト
ボード・OHPの活用、コミュニケーション支援者の配置、
障害者用/車椅子用トイレ、障害者が多い職場に配置、
事故対処手順や器具等の整備、障害者の家族との密
な連絡、スロープ設置・段差解消、研修条件の配慮、マ
ニュアルやテキストの作成、マニュアルやテキストの障
害者対応、手すり・ドアの改善、床面の平坦化、職場の
整理整頓、通路拡張、関係者による職務内容の検討、
トイレ・洗面所の改造
合理的配慮
(Reasonable Accommodation)



1990年米国の「障害のあるアメリカ人法
(ADA)」で導入。
その後、EUでも導入。現在、国連障害者
権利条約の草案に含まれる。
その欠如は「障害を理由とした差別」の
一つであるとみなされる。
合理的配慮の具体的内容


(A)従業員によって使用される現存する施設
を障害者に容易に利用できかつ使用可能に
すること、
(B)職務再設計、パートタイムや勤務日程の
変更、空き職位への配置転換、機器や装置
の獲得や改造、試験・訓練教材・ポリシーの
適切な調整や変更、資格のある朗読者や(手
話)通訳者の提供、その他の障害者のための
調整、を含む
過大な負担
(Undue Hardship)


配慮や支援は、企業にとって「過大な負
担」とならない範囲でよい。
具体的には:


米国では、判例が蓄積してきている。
国際的には、定義されていない。
職場環境整備に対する企業の負担感
60
建築物の改造
専任の支援者
予測上 の負担感 (0-10 0)
55
50
支援機器の整
備
45
自立生活支援
40
他の従業員に
よる介助
35
30
管理職の啓発
20
安全面
給与労働条件
地域連携
25
作業設備の改
善
職場配置
教育訓練
健康管理
従業員の啓発
15
10
10
15
20
25
実際の負担感(0-100)
30
35
企業側が「行いたいが実際にはし
ていない」職場環境整備の例

視覚障害


聴覚障害


避難設備の障害対応(20.8%)、職員啓発、避難介
助者設定、段差解消、点字ブロック・・・
コミュニケーション支援者(17.1%)、時間をかけたコ
ミュニケーション、コミュニケーション支援機器、避難
設備・・・
知的障害

事故対策や器具の整備(15.7%)、時間をかけたコ
ミュニケーション、マニュアルの障害対応、仕事内容
検討への本人参加・・・
事例検討:Stephen Hawking教授
•筋萎縮性側策硬化症(発症から
35年以上;人工呼吸器使用)
•物理学者
•研究、執筆、講演(海外を含む)
Hawking教授は何故働けるのか?
健康状態(ALS)
機能障害
(全身の筋麻痺、呼
吸、心臓機能障害、
発声機能障害)
職業関連
活動
職業的目標
(物理学者、講義
の免除)
環境因子
個人因子
・職住近接、段差のない家の提供、人的支
・興味
・スキル
・知識や経験
援(公的援助サービス、私的な看護婦)、人
工呼吸器(車椅子据付)、電動車椅子、特
殊な入力機器、コンピュータ読み上げ機
カスタム化雇用(米国の取り組み)
Customized Employment


カスタム化雇用は、援助付き雇用の土台の
上に建つ。
カスタム化雇用は、複雑な人生を送るあらゆ
る人を対象とすることで、援助付き雇用を超
える。

障害、健康、貧困、ホームレス、家庭の責任、経
験やスキルの不足、セルフエスティーム低下、文
化、年齢、マイノリティ、教育の不足、習慣
21世紀の労働



労働者は、自律性、自由、雇用条件のカスタ
ム化を要求するようになっている。
全ての人々の才能と創造性を引き出すこと
が重要。
グローバル経済の下では、9時から5時まで
働いたり、職場で働いたりする必要のない仕
事が生じている。
「カスタム化雇用」のコンセプト


障害のある人の、強み、ニーズ、興味に
ついての個別的把握に基づく。
加えて、雇用者それぞれのニーズに適
合するようにデザインされる。
カスタム化雇用の例1

両腕を欠損、車椅子、認知障害、弱視、特殊学校中退、・・・。
雇用は無理!!
(事務的仕事に興味がある
が・・・。)
カスタム化雇用
(支援機器、義装具、職務再設計、
労働時間の変更、再教育・・・)
カスタム化雇用の例2




23歳男性、特殊高校卒。自閉症で会話はほとんどなく、「雇用は無
理」とされてきた。
音楽が好きで、音楽を聴いている時には問題行動がなくなることに
注目し、カスタム化雇用チーム(本人、教師、リハカウンセラー、
ケースマネジャー、両親、教会メンバー、ジョブコーチ、音楽家)が
ブレインストーミング。
知り合いのコーヒー店長が、店内で音楽バンドに演奏させていた
ので、音楽業界での小規模事業を試すことに決定。店長に仕事内
容(バンドの録音をしてそれを売る)を説明し、条件を交渉(店の使
用料は無料。必要機器の購入費用70万円は、いろんな支援制度
を使って調達する、等。)
店長はアイデアを気に入り、小規模ベンチャー「The Music
Man」開業。
ICFに基づく個別的就業支援の枠組
「職業的目標の自己決定を重視した個別的支援が重要。」
健康状態
機能障害
職業関連
活動
環境因子
・職場環境整備
・地域の支援
・社会資源の活用
職業的目標
(職種、働き方)
個人因子
・興味
・スキル
・知識や経験
現在/今後の取り組みの紹介



難病患者の雇用管理に関する調査・
研究会
ユニバーサル・ワーク・データベース
労働と医療の新たな連携モデルの開
発
難病患者の就職支援の流れ
医療、保健福祉等の関係機関(病院、相談・支援センター等)
労働関係機関
難
病
患
者
で
あ
る
求
職
者
公共職業安定所
●障害者求職登録
○職業相談
○求人開拓・求人事業所
への雇用推奨
○職業紹介
○雇用施行事業(トライア
ル雇用)
○職場定着指導
職業能力開発校
○職業訓練
地域障害者職業センター
[専門的職リハ実施]
●職業相談・評価
○職業リハ計画(支援計画)の
策定
○職業カウンセリング
○職業準備支援
○ジョブコーチによる職場適応
支援
障害者就業・生活支援センター
[身近な地域における就業面、生活面との一体的な相談・支援]
○関係機関が行う職号準備訓練等各種支援へのあっせん等
就
職
・
職
業
生
活
の
安
定
JANのサービスの原則




カスタム化:どんなに似ている事例にも、
テーラーメイドの支援を提案する。
現時点で最新の情報を、今日提供する。
懇切丁寧なサービス
専門領域別のコンサルタントのチームによる
プロフェッショナルサービス。


企業のビジネスセンスに合致( ADAによる強制ではなく、
障害者が生産的に働きやすい環境を作るアドバイス)
完全な守秘
現在/今後の取り組みの紹介



難病患者の雇用管理に関する調査・
研究会
ユニバーサル・ワーク・データベース
労働と医療の新たな連携モデルの開
発
急性疾患と慢性疾患でのリハビリテー
ションの位置づけ
急性疾患
感
染
等
潜
伏
期
予
防
早
期
発
見
1次予防
死亡
発
症
診
断
2次予防
治
癒
治
療
後
遺
症
慢性疾患
再
燃
発
症
再
発
疾患の慢性化
(長期の経過)
ーリ
シハ
ョビ
ンリ
テ
・自己管理、再発予防
・経過観察、継続的受療
・職場復帰、環境整備、リ
ハビリテーション
3次予防
(4次予防)
“Rehabilitation”



Re- Habilitation: 権利回復、復権
いわゆる「リハビリ(=機能回復訓練)」より
も、はるかに広い概念
「身体的・精神的・社会的に最も適した機能
水準の達成を可能にすることで、各個人が
自らの人生を変革していく手段の提供を目
指し、かつ、時間を限定したプロセス」
リハビリテーション
医療
急性疾患、軽度な疾患
リハビリテーション
脳卒中
難病
専門的な解決を提供
精神障害
脳外傷
人工呼吸器
肝炎・・・
労働/
社会生活
新しい健康管理/リハビリテー
ションのモデルの必要性


2005年度から、労働と医療等の連携によ
る社会的支援の3ヵ年の研究開始
新しいモデル的支援の実施と検証



難病
精神障害
高次脳機能障害、等