ORT・LGSについて 担当者:明間、喜多 <原因・背景> 開発途上国の子供たちは慢性的に栄養不良にかかっており 体に抵抗力がなく、非衛生下にある水や食べ物がしばしば 下痢を引き起こし、それが原因で脱水症状が起こり、年間 最大500万人が命を奪われている。 脱水症状とは、体に必要な水分が大量に体外から出ていく ことであり、多くの子供たちの命を奪っているのです。 しかし、激しい脱水症状は別として、これは家庭で対応・ 治療ができます。その治療法が、からだに吸収されやすい 水を作って飲ませる「経口補水療法(ORT)」なのです。 <下痢について> ー下痢で死亡する?- 子供、特に乳児は胎内の水分が多い(80%前後)。大人に較べ、 子供達は発汗、排泄、呼吸などで排出する水分も多く、環境にも 左右されやすい。特に下痢の場合は普通便より5~10倍の水分 が排出される。呼吸数の増加や発熱も伴うと、2~5倍以上の水分 が、呼気や汗として排出する。水分摂取がないまま、この状態が 続くと、意識が低下し、痙攣を起こし、死へと近ずいていく。 <ORTって何?> •経口補水療法(ORT)とは(Oral Rehydrat ion Therapy)の略でありORS(経口補水塩) という粉末を水にまぜて飲ませることにより、体の補水能力 を高めて脱水症状を回復させようとする治療法の事である。 •ORTとは、脱水症状を起こさせなくすることで命を守る。 また、ORTはすでに起こっている脱水症状を止めることも 出来ます。下痢が始まったらすぐに充分な水分を取れば、子 どもは衰弱したり干上がったりしない。また、その後、子ど もの体が脱水症状を起こしていなければ、その子どもは助か ります。 •下痢の子ども達に与えられる良い水分は、以下の通り。 ・ORT ・塩を混ぜたおかゆ ・グリーンココナッツ水 ・清潔な飲料水 ・LGS <なぜORS・LGSが有効か?> •ORSの成分は、ブドウ糖20g、塩3.5g、重曹2.5g、カリウム5g、の 一包を1リットルの水に溶かして使用する。下痢便や発汗の中には 水だけではなく塩分や、カリウム、クロール等の電解質と言われるも のも含まれている。だからそのような成分の含まれた水を飲ませるこ とが必要となってくる。 •LGSとは基本的には、“水分を補給する”最も確実で容易な方 法であるORSが経済的などの理由で用意できない場合に有効な ものである。従って、さほど用途としての違いはない。 •これは“下痢”を止めるワケではありません。“脱水症状” を止めるの最善の水です。子供に与え続けることが重要なので す。 •ORSやLGSのような糖分の含まれた水は、ただの水、塩水よ りも25倍の早さで体に吸収される。 <ORS・LGSの特徴、メリット> ○自然な生理的方法で水分電解質が補給できる。 ○専門的な医療技術を必要としない。 ○特殊な器具を必要としない。 ○経費がかからない。 ○家庭で実施可能である。 ○下痢脱水に90%近く有効である。 <問題点> •お粥を使った現地調達の出来るORTが開発されているのにもか かわらず、ユニセフはORSパケットを推奨している。ORSパケットや LGSを使う問題点は衛生とは言えない水でこれらを作ると逆効果 になってしまうのではないのか?
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