LMSを利用した情報演習のトラッキング分析

授業評価アンケート結果の分析
福井県立大学 学術教養センター
菊沢 正裕
[email protected]
1
アウトライン

目 的

アンケートの概要

質問特性の分析

授業改善効果の分析

まとめ
キーワード
授業研究 授業分析 授業スキル
教育評価 データ解析 教育統計
2
目 的
1. アンケートの多くの質問の関係を分析する
 質問数を減じたい,質問数が多いと・・・


部局や全学的観点からは改善の効果を判断
しづらい ・・・
学生の負担が多く,回答の信頼性も低くなる
2. 重要な質問について,授業改善効果を経年的に分
析する
3
目 的
アンケートの概要

全学,3年6学期分のアンケート

前半3学期は質問の数や内容を変更

後半3学期は若干の修正のみ

総数18問
アンケートの
概要
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
まとめ
 学生自身に関するもの 4問
 担当教員に関するもの 5問
 設備・環境に関するもの3問
 授業内容に関するもの5問
 授業全体・授業固有のもの4問
4
目 的
質問分析の方法

科目データ
 個別データを使うと回答者の特徴を取り込
むことが出来るが,少人数講義の特性が
アンケートの
概要
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
まとめ
埋もれやすい

因子抽出(主因法)

共分散構造分析
 主因子を構成概念,主因子に係わる
質問を観測変数とする
5
目 的
質問分析の方法

個別データ
 回答者の特徴を取り込むことが出来
るが,少人数講義の特性が埋もれる

アンケートの
概要
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
まとめ
科目でまとめたデータ
 個別特性が埋もれるが,小規模講義
の特性が埋もれない
6
目 的
対象データ
アンケートの
概要
(2006年後期)
回答数
質問特性の
分析
7855(5899)
(欠損処理後)
授業改善効
果の分析
まとめ
回収率
出席者のほぼ全員
回答形式
マークシート(4件法)
科目数
346
参加教員数
(割合)
157名(92.4%)
実施期間
学期末の授業時間中
7
質問番号
質問内容(簡略化している)
質問略語
Q3
授業に意欲的に取組んだか
意欲
Q4
担当教員に質問したか?
質問した
Q5
先生の積極的な取組み・工夫を感じた?
積極的
Q6
質問し易い雰囲気だったか?
質問受入
Q7
学生に対する先生の態度は公平?
公平
Q8
先生の時間の使い方や速度は適切?
速度
Q9
授業の方法(話し方,板書,道具)適切?
方法
Q15
授業内容を理解できたか?
理解
Q16
自分の学力到達度に満足したか?
満足
Q17
この分野への関心が高まったか?
関心
Q18
授業を総合的に評価せよ
総合
8
質問項目
第1因子
第2因子
総合
0.834
0.022
積極的
0.765
-0.03
方法
0.746
0.069
公平
0.707
-0.074
速度
0.688
0.042
満足
-0.109
0.789
理解
0.016
0.747
意欲
-0.012
0.663
アンケートの
概要
パターン行列
(主因子法)
目 的
質問した
0.008
0.603
質問特性の
分析
質問受入
0.278
0.547
授業改善効
果の分析
関心
0.340
0.512
まとめ9
目 的
共分散構造分析(AMOS)

構成概念「授業の質」
 観測変数:総合,積極的,方法,公
平,速度

アンケートの
概要
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
まとめ
構成概念「学生の充実感」
 観測変数:満足,理解,意欲,質問
した,質問受入,関心
10
e5
e4
e3
e2
e1
e11
e10
e9
e8
e7
e6
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
共分散構造分析
総合
積極的
方法
公平
速度
0.85
0.74
0.80
1
0.64
授業の質
0.73
0.83
満足
理解
0.74
目 的
意欲
0.67
0.63
質問した
0.61
0.70
1
質問受入
関心
0.81
学 生の充実感
アンケートの
概要
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
11
まとめ
目 的
授業改善効果の分析

2004,2005,2006の前後期

専門科目( 3学部),一般教育科目

質問項目
アンケートの
概要
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
まとめ
「総合評価」と「関心が高まった」
12
全学
3.4
3.3
全学
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
総合
関心
2.7
2004S 2004F 2005S 2005F 2006S 2006F
13
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
全学前期
関心
総合
2004
3.4
3.3
3.2
3.1
全学
(学期別)
2005
2006
目 的
全額後期
アンケートの
概要
3.0
2.9
2.8
2.7
関心
総合
2004
2005
2006
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
14
まとめ
20
06
F
20
06
S
20
05
F
20
05
S
関心
総合
20
04
F
一般教育
20
06
F
関心
総合
20
05
F
20
06
S
20
04
S
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
B学部
20
04
F
20
05
S
20
06
F
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
20
04
S
20
06
F
20
06
S
20
05
S
20
04
F
20
05
F
関心
総合
N学部
20
05
F
20
06
S
20
04
S
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
関心
総合
E学部
20
04
F
20
05
S
20
04
S
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
15
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
2004
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
関心
総合
E学部前期
2005
2006
B学部前期
関心
総合
2004
2005
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
2006
2004
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
関心
総合
E学部後期
2005
2006
B学部後期
関心
総合
2004
2005
2006
16
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
N学部前期
関心
総合
2004
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
2005
2006
一般教育前期
関心
総合
2004
2005
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
2006
関心
総合
N学部後期
2004
3.6
3.5
3.4
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
2.7
2005
2006
一般教育後期
関心
総合
2004
2005
2006
17
授業改善特性(考察)



N学部(医療系)は,現在までに総合,
関心とも最大限まで改善されている
目 的
アンケートの
概要
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
まとめ
一般に関心が低いとされる一般教
育や大教室講義でも相当の向上が
みられる.
授業の改善を表す「総合」の向上と
ともに,学生の関心が高まっている.
18
授業改善考察(つづき)

部局と学期によって3年間の上がり方に
違いがあるが,2005年後期から2006年
前期に大きな改善がみられる

要因としては,2004年以来の成果が現れ
てきたこと,2005年に部会長はじめ担当
者が代わり活動を活発化したこと,などが
考えられる

この3年間について教員がどのように改
善の工夫をしたかについてアンケート調
査をする予定.
目 的
アンケートの
概要
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
まとめ
19
目 的
差の検定


2005年と2006年の差を検定
全科目を対象,同一学期でも両年の科
目は完全には対応しないので独立とし
た

t 検定(片側,分散が等しくない)

前期,後期,「関心」,「総合」ともに
アンケートの
概要
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
まとめ
 2006>2005
 後期の「関心」の p 値=0.017,それ以外は
すべて p 値<0.01
20
目 的
まとめ

構成概念と設問
 「授業の質」 ← 「総合的に評価できる」
 「学生の充実感」←「関心が高まった」

アンケートの
概要
質問特性の
分析
授業改善効
果の分析
まとめ
「総合」と「関心」について分析
 専門科目(3学部)と一般教育科目
 改善効果あり

4学期目にとくに大きな改善あり
21