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税法特論 -プレゼンテーション-
テーマ:法人
経済学研究科
車地 ゆう
瀧口 奈央
辻 沙希
宮尾 貴和子
LLC(合同会社)とは
社員全員の有限責任が確保され、
会社の内部規律については組合的
規律が適用される会社類型
海外
有限責任・柔軟性の高い組織運営
日本
新しい時代にふさわしい事業体制度
米国の
LLCの特徴
出資者の
有限責任
出資者の経営参加
監視機関の設置
の非強制
パス・スルー
LLC創設の背景(米国)
ITをはじめとする高度産業技術の事業化が顕著
3つの特徴・メリットが活かされた事業体が望ましい
LLCの活用が盛んに
LLC創設の背景(日本)
バブル崩壊の不況
企業数の減少
企業環境を整える必要性
LLC導入の背景(日本)②
経団連
経済産業省
経産省内に
LLC研究会設立
財務省が
パス・スルーを
認めない
LLP
LLC
パス・スルー
法人課税
(論点)なぜ合同会社にパス・スルー課税で
はなく法人課税が適用されることと
なったのか。
⇒事業体に係る納税義務は、事業体の収益及び費用を
帰属させる実質が備わっていることが要件であるとし、
この前提の下、合同会社については、事業体に係る
納税義務に関する考え方や他の会社形態とのバラン
スを踏まえて、合同会社の法的な位置づけに沿った
適正な課税関係が構築される必要があるため。
(課税当局者による国会答弁より)
構想段階でのLLCの特徴
①法人格
LLC
②構成員の有限責任
③定款自治の拡大
④パス・スルー
LLP
LLCとLLPの比較
①法人格の有無
LLC
LLP
法人格あり
法人格なし
法人自身が契約主体となることができ、法人名
での不動産登記等が可能
etc.
LLCとLLPの比較
②組織変更
LLC
株式会社への
組織変更可
LLP
株式会社への
組織変更不可
将来的に事業拡大を念頭に置いた場合には
LLCが有利
LLCとLLPの比較
③課税方法
LLC
法人課税
LLP
パス・スルー課税
政府の見解
◇法人格を有するものには法人課税
◇パス・スルー税制を利用した租税回避行為に対する懸念
・二重課税が生じる
・構成員の所得と損益通算できない
LLCにはどのような課税をすべきか?
について検討
事業体を法人税の課税主体としつつ、支払い配当を損金に算入する方式
内部留保しない限り、パス・スルー課税と同様の経済的効果を得ることが
できる
二重課税が生じないので公平性・中立性が保たれる
損益通算を前提としていないため、租税回避を防止できる
しかし‥‥
LLCは人的資産を活用したハイリスク・ハイリターン型の
事業に活用することを想定して創設された
損益通算できることが重要
なぜなら‥‥
投資家は、投資した事業に損失が生じても、自身の所得と
相殺できるため、ハイリスクな事業にも投資しやすくなる
また、直接金融により十分な資金調達ができれば、銀行融資などの
間接金融に頼る必要がなくなり、構成員が個人保証を求められること
もなくなる
をすべきである
LLCを定着させるためには
パス・スルー課税が見送られたことにより、
LLCは、LLPや株式会社に対する優位性を
弱めたといえ、その普及が若干疑問視される
そのような状況の下でLLCを定着させるため
にはどのような活用法があるだろうか??
① 産学連携の手段として
② ジョイント・ベンチャーとして
① 産学連携
大学
企業
知的財産を多く
有しているが
研究費削減の
問題に直面
有能な技術や
ノウハウを生み
出す人材が必要
連携
産学連携にLLCが適する理由
LLCの特徴
出資比率で配当が決められるのではなく
契約で自由に配分することが可能とされている
ため、高度な技術や能力を有する社員に高い
配当を与えることができる
技術者に対して多くの報酬を与えることがで
き、個人の知的財産を産業化する役割を
果たすことになる
② ジョイント・ベンチャー
企業同士が新規分野に取り組む場合に、技術
交流やコスト削減を目的として、共同で事業を
行うことをいう
具体例
株式会社フジテレビジョン
伊藤忠商事株式会社
株式会社NTTドコモ
株式会社スカイパーフェクト・
コミュニケーションズ
株式会社ニッポン放送
5社共同で設立
マルチメディア放送企画合同会社
ジョイント・ベンチャーにLLCが適する理由
・ハイリスクを伴う最先端の研究を有限責任性
によりヘッジすることができる
・機関の簡素化により組織運営のコストを最低
限に抑えることができる
・事業が成功し拡大したい場合には株式会社
に組織変更することができる
おわりに
会社法創設とともに新たな会社形態として日本版
LLCが創設された。当初、わが国においてもアメリカ同
様、パス・スルー課税を適用することが想定されていた
が、財務省の要請により、結局法人課税が適用される
こととなった。
アメリカにおいては、内国歳入庁(IRS)が、公式に一
定の条件を満たしたLLCにパス・スルー課税を認めた
ことを受けて利用が拡大し、LLC法の制定が進み、飛
躍的な発展を遂げた。
したがって、日本版LLCの普及のためにはアメリカと
同様のパス・スルー課税制度を、わが国についても導
入すべきである。