実習Ⅱに臨むために - 東京都八王子市:せい

保育所の一日の流れ
~保育の現場から~
実習Ⅰに臨むにあたり
2014.12.3 5講時
子ども学科2年生
白梅学園大学・白梅学園短期大学
講義内容
1.
2.
3.
4.
保育園の一日の流れ
保育の内容と子どもの姿
保育者の役割と子どもの育ち
そのほか
1.
2.
3.
気になる子どもへのかかわり
食育の取り組み
地域の子育て支援
5. 実習にのぞむにあたり
1.保育所の一日の流れ
• 園の保育方針(保育の目標 保育内容 保育方法)
• 開園時間と保育時間 (保育所・幼稚園・認定こども園・・・)
• シフト勤務(週40時間勤務が上限 開園時間72時間以上・・・)
• 登園から~園生活(遊び・食事・休息・午睡)~降園まで デイリー
• 保護者との連携 (朝夕の会話・お便り帳・掲示・ドキュメント・HP・・)
• 一日の振り返りと明日の準備(朝会・打ち合わせ・会議・記録・・)
• 日常と連動した行事(水族館見学⇒水族館づくり・・・)
2.保育の内容と子どもの姿
• 保育を成立させている3つの要素(子ども・環境・保育者)
• 保育の両輪(園生活と家庭生活)二つの連携と生活の連続性
教育の三者関係
教師
学習指導
生活指導
教材研究
教育の三角形
学習
子ども
教材
保育界に足りないもの・・
それは「環境研究」(遊具研究)
もう一つは、少子
時代の中の子ども
援助
同士の関係経験
保育者
環境研究
保育の三角形
遊具
子ども
遊びと生活
環境
環境は「教材」である
• 環境を通して行うとは、子どもの身近な環境である幼
稚園(保育園)において、さまざまなものが置かれ、
子どもの活動を誘発することで成り立つもの。
• そのものとは教材と呼んでもよくて、保育者があらか
じめ潜在的な可能性を検討し、子どもがかかわるこ
とでその価値が引き出せるようなもののこと。
• それを子どもが選び、かかわる活動の仕方を工夫す
ることで、ものの価値を感じとり、学びへと進めること
が可能となる。
(無藤隆)
保育者
保護者
遊びと生活
子どもだけ
が両方の
環境を経験
園と家庭の人的環境
園の人的な環境
家庭の人的な環境
子どもたち
安全感の輪(遠藤)
保育者の役割について
子ども
安全感の輪
子ども
子ども
子ども
環境の構造化が必要
子ども
環境の構造化
子ども
子ども
子ども
環境の構造化が必要
子ども
環境の要素
①人的環境
②物
③空間
子ども
子ども
子ども
環境の構造化
子ども同士の関係を育てる
子ども
子どもが一緒
に遊ぶように
子ども
子ども
子ども
安全基地は複数つくられていく
子ども
子ども
子ども
子ども
3.保育者の役割と子どもの育ち
• 保育者の役割(子どもの発達を保障する・環境研究・チーム保育)
*実習Ⅰのねらい(A)
• 保育士の専門性(環境構成+人間関係構築=遊びの展開+生活
援助=発達の援助)保護者の子育てを支える支援
• 子どもとは、人間とは、子ども観の重要性*実習Ⅰのねらい(B)
• 保育の過程(プロセス) 子ども理解(See)⇒保育者の意図(Plan)
⇒実践(Do) ⇒振り返り(Ref)*実習Ⅰのねらい(C)
「保育の過程」にみられる判断
また新たに生起した状況の
なかで、子どもの行為や育
ち(学び)をどう読みとり振り
返るか
省察・
評価
どんな環境を準備あるいは
再構成し実践するのか=
子どもが選び取る経験
乳幼児
理解
判断
保育の
実践
子どもの姿からどんな意味
をよみとるのか(課題保育
のテーマ)
指導計
画
その姿からどんな援助内容
が必要なのかの予想(教育
上の意図=発達の保障)
例0 「すごろくのサイコロ」「氷ができてた!」
例1 「やぶいたら、もったいない」
「やぶいたら、もったいない」
「でも、きれいだよ(袋の中)」
今日の発見
紙を破いて遊んでいた子と、それを見て
いた子のやりとりです。
「紙やぶいちゃ、もったいないから、ダメ
だよ」
「でも、やぶくと、なんかきれいにみれる
んだよ」
袋の中をみせて
「ほんとだ! じゃあ、もっときれいにみ
えるようにしてみよう」
その後、上から落としてみたりしながら
「キレー♡」といいあっていました。
遊びの中の学びを発展させたい
切り絵?絵葉書?張子の何
か?
「保育ドキュメント」
やってみ
たらどう
だった?
やぶった折り紙できれいな
ものが作れないか??
子どもの
願いは?
判断
何をどう
準備す
る?
「やぶくと、もったいない」「でも、
こうするとキレイ♡」
先生の
意図
は?
この姿からなにかアイデアを思
いつきますか?
色紙を変える?高さを変える?
光をあてる?入れ物を変え
る?鏡の筒に入れてみる?そ
れって万華鏡?
この姿から話し合ってみまし
た!先生同士で。ゾーン日誌。
先生と相談してOK!
実践は料理や演奏の如くすすむ
デイリープログラムがある。遊びや食事や睡眠の時間はリズムを持ってやっ
てくる。
遊びの内容は子どもが選び、作りだす。思わず遊びたくなるような環境を用
意しておく。どんな様子で遊び出すかは予測できない。
例:砂、ザル、スコップ ⇒ 食べ物?
ある程度の予想ができる。 その前の経験、生活の流れがあるから。きっと、
こうしておけば、こういうことをやりたがるだろう。
こどもの興味・願い・発現するまえの心情。どう出合わせるのがいいのか。
例:近所にアイスクリーム屋さんができた。話題にしている。
子どもの育ちを支える 実習
①現場をよくみてみよう
•子どもの生活と遊びの流れは?
•先生たちはどうやっているのだろう?
•子どもは何をしたいのだろう?
• 子どもに聞いてみよう
• 先生と話し合ってみよう
②計画を立ててみよう
•環境を通して 人・もの・空間で状況を変える
•遊びがどう展開しそうか
•生活がどう展開しそうか
現場をよくみてみよう
• 子どもの生活と遊びの流れは? 園紹介のPPをつかって
• 先生はどうしているか?
• どうしたいのか子どもに聞いてみよう! ⇒ そのうえで先生と相談して
(例1)始まりは子どもから PP
○ お泊り会の水族館訪問から 水族館づくりへ
○ ビオトープ オタマジャクシ 虫さがし カブトムシ飼育
○ スカリーノからジャンボタケリーノへ
○ 運動会 リレー サーキット遊び ドンジャンケンチ・・
○ ボール遊び ドッチボール・・
○ 秋を探す どんぐり コマを作る 落ち葉 ステンドグラス
②計画を立ててみよう
• 環境を通して 人・もの・空間で状況を変える
• 遊びがどう展開しそうか
• チーム保育の一員としての「実習」 写真
○ もったいない から ちぎり絵 そして はがきづくり
(例)保育ドキュメント
○ 子ども理解 ⇒ 何をしたがっているのか
⇒ いくつか選択肢を用意してみる
・生活がどう展開しそうか そのプロセスの一場面を担ってみる
○ 大根を育てよう
4.そのほか
① 気になる子どもへのかかわり
② 食育の取り組み
③ 地域の子育て支援
こんな子どもたちが目立つ気がする?
• 友達とあそべない。一人遊びが多い。
• お集りに入らない。
• 言葉をあまり話さない。おうむ返しに話す。
• 思ったことをすぐ口にする。
• 同じことばかりしている。こだわりが強い。
• くるくる回る、そわそわしている、せわしない。
• 偏食がある。食べるのが遅い。
• 次々と遊び片付けない。
• 順番を待てない。
• 好きなものはよく知っている。
さらに、もしかすると、こんな子も?
• 自分の気に入らないことがあると、ささいなことでもパニックになる
• 年長組なのに落ち着いて人の話がきけない。
• 友達との関係がうまくつくれず、ちょっとしたことですぐにけんかになる。
• 保育者に対して「あっちいけ、このバカおんな!と暴言を吐く
• 「どうせぼくなんかしんでしまえばいいんだ」と投げやりな言葉を発する。
• 抱かれると体を硬直させ、あたかも人とふれあうことを拒むような乳児
『障がい児保育』(九州合研常任委員会編 かもがわ出版)より
インクルージョン
=インテグレーション+異年齢+ジェンダーフリー
• 自閉症スペクトラム(ASD)やADHDの子どもたちと一緒に生活を営む
ためには、その発達の特性を理解しなければなりません。
• 子ども理解が深まると、どんな保育環境(人・物・空間)がよいのか、
またどんな大人のスタンスが必要なのかがわかります。
• インクルーシブ(包摂的)な生活のためには、子どもをよく理解すると
同時に、大人も自分自身の偏りを理解することが大切です。
子どもの特徴を大まかに知っておく
1.障がいを人間(子ども)の個性・特性ととらえなおすこと。あまり知
的な遅れのないASDの発達支援を中心に。ADHDも含めて。どの保育
園・幼稚園・認定こども園にもいる子どもたち。
7つの特性をまず押さえます。
変わらなければならないのは「こちら
側」の意識と行動と環境であること。
2.
①対人関係が困難
人や集団との関わりが苦手
多数(集団)
一人(個人)
社会的な暗黙
のルールが理
解できない。空
気がよめない
あえて教えなくても日常生活のなかで自然
と身に付くようなことができない。あいさつ
の仕方、礼儀作法のような見よう見まねで
覚えるようなこと。なんとなくできている合意
事項。集団に不安感をもつ。集団として何
をしようとしているのかが分からない。周り
の状況が分からなくなる。
常識がない・しつけ
がなってない!
人間関係
(社会性)
が苦手
相手の気持ち
や考え、意図、
立場などが理
解できない
相手がいまどのように感じているか、
何を考えているのかを理解すること
が困難。気持ちの推察。「お友達が
いやがっているでしょ」が分からない。
「心の理論」を通過していない。
保育の場面で考えると(写真)
• 集団が苦手・不安なので・・一斉活動ではない生活
• 一人で居ていい場所を保障する。活動単位を小集団にする。遊び、食事、睡眠などを選
択できる。
• 個々の生活リズムを保障する。情緒が安定する。
• お集まりではできるだけ先生の近く。個別に理解できるように対応する。視覚優位な子
は、写真や絵を用意する。分かりやすさ、見通しをもたせることが安心感をうみ、生活し
やすくなる。
• 関わりを生む人や物、遊びを用意する
• 異年齢で生活する。ソーシャルスキルが身につく
• 環境を構造化して情報刺激を整理してあげる
• 協力遊びを増やす(伝統的あそびがよい)鬼ごっこ、はじめの一歩、新椅子取りゲーム
②コミュニケーションが苦手
集団の中で
・象徴あそび・見立て遊
び・役割のある遊びなど
をあまり好まない(できな
い)
頑固・反抗的・ふざけ
ている?
・お集りでの会話などで
TPOがわからない。
一人あそび中心。同じくらいの年齢で
遊べない。ごっこ遊びが発展しない。
相手の意図をよんだ展開をみたてられ
ない。「遅いねえ、おかあさん」「ほんと、
遅いねえ、おとうさん」(!?)
コミュニ
ケーション
に違和感
1対1では
言葉のキャッチボールがうまくい
なかい。ニュアンスが貧弱・文字
通り・抑揚が平板・一本調子・
持って回った言い方や過剰な説
明・ジェスチャーがない・比喩・皮
肉・言外の意味などがわからな
い。冗談がわからない
語用論的誤解「家まで足を延ばして」
「目が泳ぐ」「心が割れそう」。口論する
と終わらない。そこまでいわなくても、と
いうところまで一方的に畳み掛ける。
「ごめんね、ごめんね、ごめんね・・いい
よっていってくれないんだ!」
保育の場面で考えると
• 相手の気持ち・意図を推理できない・・とすると
• 相手がどんな気持ちなのかを説明する、実感できるような体験を計画する(例)ビオトー
プに餌のつもりで砂を入れて遊ぶ子に「お魚さんがかわいそうだよ」が通じないので、メ
ダカを飼って、赤ちゃんから育ててみる)
• 心情・意欲・態度の意味を改めて考える
• 教育の「ねらい」 (例)ありがとうといえる意味
• 表現できないでいる内面の声を聴く 心情に迫る保育
• (例)なかなか着替えないURくん。
• 自分から行うようなときに育ちがある。
• 「やりたい、でも、どうしよう」のときのちょっとした支え。声掛けに限らず、ちゃんと理解し
たり、納得できるよう。
③想像力⇒こだわり
イ こだわり
ア 想像力
象徴(シンボル)遊びは、だい
たいそうなっていると大まか
に了解できないと成り立たな
い。この「おおよそ」が苦手と
いう意味での想像力。豊かな
経験が想像力の素材だが、
その素材同士がうまく結びつ
かない
想像力というのは、目に見えない
ものを思い浮かべる能力のこと。
積み木が自動車に、棒が飛行機
に、木の根が人の顔に・・アニミ
ズム的想像力で楽しめない。
軌道修正がきかない。行動
順序の変更は不安になる。
見慣れたとおりでないと気が
済まない。臨機応変がむず
かしい。次の活動に移れない。
部屋に戻らない。見通しのた
たないことは苦手。
ウ 興味関心の偏り
カタログ的記憶。特定の物へ
の知識が並外れていることも
ある。好きなものへの執着心、
継続力、集中力。
想像力・こ
だわり・関
心の狭さ
数字・文字・乗り物・生き物・世界
地図・国旗・地名・城・恐竜・キャ
ラクターの名前・・・登場人物の喜
怒哀楽ある物語にはならない。
こだわりの種類
• 身近な特定のもの(タオルを口にする、耳たぶなど身体の一部、お気に
入りの物の一部、水、土・・)
• 物をきちんと並べる(積み木・ものなど)まっすぐでないと気が済まない
• 順序や手順にこだわる(一番でないと気が済まない、決まった道順、生
活の順番)
• 空間や場所(机の下、箱の中など特定の場所で落ち着く、ものを置く場
所にこだわる)
• 常同的行為(手をひらひら、ぐるぐる回る、同じ行動の繰り返し・・)
保育の場面で考えると
• 好きなこと、できること中心の生活と遊びの展開
• こだわっているものから、経験の質を高めていくことを考える。同じことばかり、のように
見えて、5領域が入っている。活動の種類が多ければいいという事ではない。その子らし
く発達が保障できることの意味をちゃんと考える。
• 誇りに思えること、自己肯定感が高まるように。
• 場面の切り替え
• 十分に満足できれば、自ずと次のことに移る。
• 大人側が活動にかかる時間の見通しを多めにとる。
• 意味もなく待たせない。次の展開を子どもに任せたり、子どもと一緒に考えたり、一緒に
作ったりという姿勢。
• 大人が子どもを見守ることができるかどうか。
③.子育て支援について
保育学会PP
a. 園の保護者に対して
a. 園での経験(育ちや学び)をどのように伝えているか
b. 家庭での子どもの生活(経験)をどうやって理解しているか
c. 園と家庭での経験全体を理解し見通す
b. 地域の保護者に対して
a. 地域独自の課題と対応のバリエーションを知ろう
b. 保育者の役割と専門性とは?
5.実習にのぞむにあたり① 子どもって・・
(1)一人ひとり異なること
①保育のスタート、根底にあること
②年齢・性別・障がいで区別しない
③インクルージョン保育
(2)意欲的であること 環境との関係
①子どもってこんなにも生命力の塊なのか!
②環境によって経験が大きく変わるのかあ!!
③子ども同士のかかわりがこんなにもあるのか!!!
5.実習にのぞむにあたり② 先生とは・・
1. チーム保育であること
1.
2.
3.
4.
5.
一人の先生だけでは保育はできない
保育士・教員・保育教諭・栄養士・調理員・看護婦・看護師・用務員・・
保護者、地域の方、ボランティア・・
小中学生、高校生、大学生・・
実習生
2. 発達を保障すること
1.
2.
3.
4.
5.
6.
子どもの安全基地としての役割
子どもと環境との関係で生起していることを見極めること
環境の準備と再構成がつねにおこなわれていること
実習でECECの実際を体感(一緒に見て・まねて・やってみる)しよう
教育のねらいと内容・振り返り
5つの専門性がまざりあっている