欧米企業に負けるな!日系化粧品企業の課題

2007年度 公開ゼミナール 報告
欧米企業に負けるな!日系化
粧品企業の課題
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目次
 第1章 なぜ、化粧品は平成不況の中にも成長し、注目されているか
1-1.化粧品人口の伸びと日本化粧品の人気化
1-2.女性スタイルの変化と日本市場での成熟で中国市場に展開
 第2章 日本市場での化粧品ブランド戦略――担当者:宋亮
2-1 化粧品業界動向
2-2 売上シェアと大手メーカー
2-3 スキンケアは成功の鍵
2-4 激変する流通別構成比
2-5 外資系ブランドの動向
 第3章 中国市場での化粧品ブランド戦略――担当者:朱ギョクバイ
3-1 中国化粧品市場の現状と見通し
3-2 主なブランド企業の市場調査とその分析
3-3 化粧品の販売チャネルと企業別から見る流通戦略
3-3-1.フランス・ロレアルグループの場合
3-3-2.日本・資生堂グループの場合
 第4章 結論
・日本市場でのスキンケアと男性化粧品の拡大
・中国市場での販売チャネルの確保とブランド戦略の必要性
第1章
なぜ、化粧品は平成不況の中にも成長し、
注目されているか
化粧品人口の伸び
人気が高まる日本製化粧品
女性ライフスタイルの変化
日本市場の成熟で中国市場に展開
第2章 日本化粧品市場現状
『日経産業新聞』によれば、2005年の化
粧品の国内出荷額は前年比6.0%増の1兆
3146億円であり、各社とも高付加価値型商
品が好調であった。
一方、化粧品の輸出入額については、日
本の大手各社は海外市場に販路を拡大し、
販売を強化している。国内だけでなく海外に
おけるマーケティング投資によって、収益性
改善の期待が高まっている。
2-2. 売上シェアと大手メーカー
資生堂:化粧品業界の盟主の
座を守り続ける
カネボウ:2004年5月、新し
くカネボウ化粧品として再ス
タートする
コーセー:ブランド戦略を得
意で絶好調である
花王:百貨店向けの高級ブラ
ンド品にも進出する
2005年 化粧品業界シェア
その他
44
資生堂
17.5
カネボウ
化粧品
14.3
コーセー
P&G
花王 12.2
4
8
出典:「市場占用率2005年度」P 333
2-3.スキンケアは成功の鍵
商品
スキンケア
メイクアップ
ヘアケア
メンズ
ボディケア
フレグランス
販売額(百万円)
構成比(%)
905.300
481.700
307.400
110.300
67.350
38.750
47.4
25.2
16.1
5.8
3.5
2.0
出典:「化粧品マーケティング2005」
2-4.激変する流通別構成比
販売額
(百万円)
構成比
(%)
専門店
専門店
437.470
22.9
ドラッグストア
301.100
15.8
ドラッグスト
ア
GMS
GMS
239.450
12.5
百貨店
百貨店
201.750
10.6
訪問販売
238.390
12.5
通信販売
184.710
9.7
その他
307.930
16.1
出典:「化粧品業界のことよく分かる」本
訪問販売
通信販売
その他
2-5.外資系ブランドの劣勢
世界のベスト化粧品企業は、
殆ど日本に進出済み、百貨店
を販売拠点としている
外資系劣勢
国産化粧品会社は対応して、
百貨店ブランドを開発した
日本系優勢
発売日の延期や在庫切れと
いう事態の頻発
基礎化粧品でブランドを支え
る固定顧客をつくり
新製品や限定品の乱発
美容えることなく、じっくり商
品を開発
第3章.中国市場での化粧品ブランド戦略
3-1.中国化粧品市場の現状と未来
① 1996年~2005年における中国化粧品市場規模推移
出所:http://www.cjcci.biz/sansi_pdf_2004/2_3_3.htm
http://www2.mdbnet.com/chinainfo2/databank/kagaku_gomu/012.html
第3章.中国市場での化粧品ブランド戦略
3-1.中国化粧品市場の現状と未来
化粧品総販売額から見れば
1996年 220億元
に対して
2001年 410億元
2005年 960億元 対前年比は12.9%の増加
2004年~2007年
•売上の平均伸び率は約10%
経済学者によると
2010年
•売上は1500億元
円に換算すれば
•日本に迫る約1兆2000億円
3-2. 主なブランド企業の市場調査と結果
資生堂
世
界
4
大
化
粧
品
会
社
スキンケア
(特に美白)
が中心
し
か
し
ロレアル
P&G
エスティロー
ダ
メリット
ブランド構築の
絶好のチャンス
である
フレグランス
が中心
優れた条件があっ
ても、完全に欧米企
業に勝つとは言えな
い
2003年中国16都市女性に対する化粧品のイメージ調査
女性計
(%)
MAYBEELINE
AVON
ZA
L'OREAL
LANCOME
SHISEIDO
KOSE
VICHY
SK-Ⅱ
RED EARTH
AUPRES
39.5
35.0
17.3
28.5
25.8
16.7
15.2
26.1
27.6
18.8
13.3



N=504
複数回答
ロ資P
レ生&
ア堂G
ルググ
グ ル
ルル
ー
ー
ー プ
ププ
3-3.中国における化粧品販売チャネルと
企業別の流通戦略
販売チャネル:
1. プレステージクラス(外資系超優良百貨店、優良百貨店)
2. ミドルクラス(国営の一般百貨店、化粧品店)
3. マスクラス(大型量販店、svc)
流通戦略:
1.買収および提携先の現地企業が持つ販路の活用
2.既存流通を整備・組織化する
1.買収および提携先の現地企業が持つ販路の活用
中国に進出の手遅れの政策
200 • 「小護士」
買収
3年
200 • 「羽西」買
収
4年
ブランドの充実
市場の拡大―マス・ミドルの確定
売り上げの増加
「小護士」53億円+「羽西」51億円
=100億円
2.既存流通を整備・組織化する
日本・資生堂の場合
高級百貨店未進出の地方都市には
・個人経営化粧品店と契約を結び
・2003年9月
「煥采空間」の展開
・2004年3月
「オプレ専門店」の設立
―国民的ブランド
こうすることによって
・ 高級からミドル・マスまでブランドの充
実化
・より多くの消費者の獲得
資生堂(株) 2001年~2006年 売上と利益
単位:万円
年度
総売上高
2001
2002
2003
2004
2005
2006
589,962
621,250
624,248
639,828
670,957
694,594
海外地域/Asia・Oceania
売上高 占める割合 営業利益
39,355
6.67%
3,365
45,807
7.37%
4,671
48,485
7.77%
5,925
56,465
8.83%
7,208
69,319
10.33%
7,667
91,503
13.17%
11,212
•資生堂各年の決算短信とアニュアルレポートから集計したデータ
出所: http://www.shiseido.co.jp/ir/library/library.htm
・2003年から2006年のアジア売上
急成長期でほぼ4,500万円を増加した
・各年度の総売上に占める割合の増加
2006年 13.17%と高い数値となり
・2006年 営業利益も2001年と比べれば約3倍
第4章 結論
・消費者関心の高まりスキンケア市場の構成比は
年々拡大
・男性は「美的意識の変化により、大手メーカーは
「メンズ化粧品」に注力
・経済発展とともに化粧品消費の増加と市場の拡大
・メインチャネルである百貨店は勝つ為のポイント
そのため、
・提携や買収によって、販売チャンネルの確保が重要
・「美白」という共通テーマに合致したブランド戦略も必要