著作権

4. 著作権
著作物
思想又は感情を創作的に表現した
ものであって、文芸、学術、美術
又は音楽の範囲に属するもの
最初に知的財産権の分類を復習してみよう
4.1 著作物の種類
著作物に該当するほどのものかどう
かの判断は難しい。
職業別電話帳は著作物だが、単純
な人名簿は著作物ではない(東京地
判大正8年6月21日)
言語の著作物(1)
• 言語とは「自然言語」を指す(プログラミン
グ言語ではない)。
• 著作物の中で最も典型的なもの。
• グーテンベルグの印刷術が発明され、聖
書の出版業者の保護要求によって、著作
権が出現するきっかけとなった。
• 内容が文芸・学術的なものが著作物。
言語の著作物(2)
• 日常の通信文程度では著作物とならない。
• 手紙でも文芸・学術的なものなら著作物と
なる。
• 芸術的に高度かどうかは問題にならない。
素人が書いたものにも著作権は成立する。
論文 講演内容 小説 脚本 詩歌 俳句
音楽の著作物
• 楽曲と楽曲に伴う歌詞
• 楽譜だけでなく即興演奏を含む
• 舞踊・無言劇・パントマイムの振り付け
• 演奏・歌唱・踊りそのものは著作隣接権
• ギャグそのものは著作物ではないが、それ
をまとめて編集した本は言語著作物。
美術の著作物
• 絵画,版画,彫刻その他の美術品。
• 漫画,書,活け花,舞台装置を含む。
• 美術工芸品。
• 美術工芸品以外のその他の応用美術は
意匠法の対象。
• 作風,書風,画風そのものは著作物では
ない。
建築物・地図・写真の著作物
• 建築図面。建物自体は複製物。
• 地図そのもの。建設省国土地理院作成の
地図を複製する場合は測量法に基づく手
続きが必要。
• 写真そのもの。肖像権,パブリシティ権と
のからみも考える必要がある。
プログラムの著作物(1)
• 電子計算機を機能させて一の結果を得る
ことができるようにこれに対する指令を組
み合わせたものとして表現したもの(著2Ⅰ
⑩の2)
• プログラミング言語そのものは著作権の対
象にはならないが、プログラミング言語プ
ロセッサはプログラムであるため著作権の
対象となる。
プログラムの著作物(2)
• 従業員が職務上作成するプログラムの場
合、「プログラム作成時の契約、勤務規則
その他に別段の定めがない限り、その法
人等」に著作権が認められる。
データベースの著作物(1)
• 論文,数値,図形,その他の情報の集合
物であって、それらの情報を電子計算機を
用いて検索することができるように体系的
に構成したもの。
• 情報の選択又は体系的な構成によって創
作性を有するもの(著12の2①)。
• 前項(著12の2①)の規定は、データベース
の部分を構成する著作物の著作者の権利
に影響を及ぼさない(著12の2②)。
データベースの著作物(2)
• データベースに利用される抄録は原文献
の内容の骨格だけを新たに表現したもの
が多く、原文献の著作権が及ばないことが
多い。
• データベース作成作業は、実際には企業
や大学で行われることが多いので、法人
著作になることが多い。
データベースの著作物(3)
• データベース作成に使用する原文献,原
資料に著作物性があっても(データベース
内に格納される個々の情報が言語の著作
物であっても)、全体は、データベースの著
作物として別個に規定される。
• データベースに利用される抄録は原文献
の内容の骨格だけを新たに表現したもの
が多く、原文献の著作権が及ばないことが
多い。