新編日語第三冊 第3課 掃除 (言葉と表現) 2015/10/1 1 一、動詞連体形+までもない 【意味と用例】 「そこまでする必要はない」「しなくて もいい」という意味。 改めてご紹介するまでもありませんが、山 本先生は世界的に有名な建築家でいらっ しゃいます。 そんなことは考えるまでもなく、誰にでも分かる はずだ。 2015/10/1 2 【慣用句】「言うまでもない」 常識だから、言う必要がないという意味。 (不用说/不言而喻/不消说) 未成年者がお酒を飲んだり、タバコを人 間は本来孤独なものであることは言う までもない。 吸ったりすることは、言うまでもなく許され ることではない。 2015/10/1 3 【練習Ⅰ】 次の文を聞いて、該当するところを 「までもない」で言い換えなさい。 ①この程度の風邪なら、医者に行く必要 がない。うまいものを食べて、一日ぐっ すり眠れば直ります。 ②皆さんよくごぞんじのことですから、 わざわざ説明する必要がありません。 ③改めてご紹介する必要がありませんが、 こちらは世界的に有名なピアニストのリ チャードさんでいらっしゃいます。 2015/10/1 4 ④子供の頃、兄が大事にしていた万年筆を持 ち出して無くしてしまったことがある。後 でひどく怒られたことは当然のことだ。 ⑤結婚の相手は自分で見つけなければならな い事は、当たり前のことです。 2015/10/1 5 【練習Ⅱ】次の文を完成しなさい。 ①本箱の組み立て方なら、僕が分かるよ。 わざわざ説明書を( )。 ②( )ことですが、病院内では 携帯電話はお使いにならないようにお願 いいたします。 ③地図を見ながら行ったら、山田さんの家 は、( )すぐに分かった。 2015/10/1 6 【正解】 ①本箱の組み立て方なら、僕が分かるよ。 わざわざ説明書を(読む/見るまでもない)。 ②(申し上げるまでもない)ことですが、病院内で は携帯電話はお使いにならないようにお願い いたします。 ③地図を見ながら行ったら、山田さんの家は、 (さがすまでもなく)すぐに分かった。 2015/10/1 7 二、接尾語「中」 【意味と用法】 Ⅰ.中(ちゅう) 「そのものや範囲の中において」という意味。 ①「数字+中」 = 「…うち」 ▲三百人中第一位 ▲十中八九間違いない。 ②「物を指す名称+中」 = 「…の中」 ▲土中に住む生物 ▲空気中の有害物質 ▲海水中の塩分 2015/10/1 8 ③「期間を表す名詞+中」 「その期間のうちに」(よく「…ちゅうに」 の形で使う) ▲夏休み中に水泳の練習をするつもりだ。 ▲今月中に一度上京する予定だ。 ▲午前中は図書館にいて、午後は実験室に いる予定だ。 2015/10/1 9 ただし、 ★「午前ちゅう」はあるが、「午後ちゅう」 はないが、「午後じゅう」はたまにある。 ★「明日中/今年中/今日中」等の「じゅ う」で発音する例もある) 2015/10/1 10 ④「状態を表す名詞+中」 =「…の間」 ▲彼は在米中に学位をとった。 ▲これは不在中に起こった事件だ。 ⑤「動作を表す名詞+中 」 「…の進行中、…しているところ」 ▲試験中は静粛にすること。 ▲食事中はお行儀よくしなさい。 2015/10/1 11 Ⅱ.「中」(じゅう) 「その範囲の中すべて」という意味。 ①「範囲を表す名詞+中 」 「その中の全部」という意味。 ▲全国優勝で学校中が大騒ぎだ。 ▲東京じゅう/日本じゅう/国中 ②「時を表す名詞+中 」 「…の間ずっと」という意味。 ▲一日じゅう雨が降っていました。 ▲南極は年中寒い。 ただし、「…じゅう+に」の場合、=Ⅰの③ ▲午後中にお電話します。 2015/10/1 12 【比較】 ▲来週までに仕上げろ。 (今週でもいいし、来週までにいい) ▲来週じゅうに仕上げろ。 (今週はだめ、来週のうちに完成しなけれ ばなりません) 2015/10/1 13 【練習】次の( )のうちは「ちゅう」か 「じゅう」か を判断して入れなさい。 ①この製品は試用期間( )に故障したただで修理 してもらえる。 ②サイレンの音でアパート( )住人が外に飛び出した。 ③課長の休暇( )に一大事が起こった。 ④部屋( )捜したが、見つからなかった。 ⑤戦時( )、一家ばらばらになっていた。 ⑥十人( )三人までは反対の意見であった。 2015/10/1 14 ⑦彼女はダイエット( )のはずなのに、どうして あんなにたくさんの食べ物を買い込むのだろう。 ⑧双子の転校生が教室に入ってくると、クラス ( )、大騒ぎになった。 ⑨平均五本( )二本は腐って食べられなかった。 ⑩午後( )ずっと宣伝カーの音でうるさかった。 ⑪走行( )ばすの窓から手を出さないでください。 2015/10/1 15 【正解】 ①この製品は試用期間(ちゅう)に故障したら、 ただで修理してもらえる。 ②サイレンの音でアパート(じゅう)住人が外に飛び 出した。 ③課長の休暇(ちゅう)に一大事が起こった。 ④部屋(じゅう)捜したが、見つからなかった。 ⑤戦時(ちゅう)、一家ばらばらになっていた。 ⑥十人(ちゅう)三人までは反対の意見であっ た。 2015/10/1 16 ⑦彼女はダイエット(ちゅう)のはずなのに、ど うしてあんなにたくさんの食べ物を買い込むの だろう。 ⑧双子の転校生が教室に入ってくると、クラス (じゅう)、大騒ぎになった。 ⑨平均五本(ちゅう)二本は腐って食べられな かった。 ⑩午後(じゅう)ずっと宣伝カーの音でうるさ かった。 ⑪走行(ちゅう)の窓から手を出さないでください。 2015/10/1 17 三、「…とされている」 【意味】 「とする」の受身表現で、「…といわれ ている/…と考えられている/…と見なさ れている」とほぼ同じだ。 普通、報道文や論文など、あらたまった 文体に使う。 2015/10/1 18 【接続】 「文+とされてい る」 「名詞述語文(だ)+とされている」 【用例】 チョムスキーの理論では、言語能力は人間が生ま れつき持っている能力とされている。 地球の温暖化の一因として、大気中のオゾン層の 破壊が大きくかかわっているとされている。 2015/10/1 19 【練習】 次の文を「とされている」で言い換えなさい。 ①当時では歌舞伎は風俗を乱すものと言われて いたので、禁じられました。 ②暖冬の影響で、来年も桜が例年より早く咲く と言われている。 ③日本は今でも男性中心の社会だと考えられて いる。 2015/10/1 20 ④アジアから北アメリカを経て南アメリカに 文明が伝わったと言われている。 ⑤仏教で、生き物を殺すのは十悪の一つと見な されている。 ⑥早寝早起きの人は長生きだと言われている。 2015/10/1 21 四、「た」助動詞 1、「た」について ①過去、完了 ▲昨日は授業がありませんでした。 ▲食事はもうすみました。 ②感動したりした気持ち ▲いいお天気でよかった。 ▲こりゃ、驚いた! 2015/10/1 22 ③命令 ▲さあ、歩いた! ▲どいた、どいた、けが人を運ぶんだか。 ★タ形を用いた命令表現は、一般に話し手の差 し迫った気持ちを表す。 ④存在の発見 ▲こんなところに財布があった。 ▲やっぱりここにあった。 2015/10/1 23 2、想起 主に状態性の表現や無意志的な動作について、回 想を表す。 ①いったん忘れてしまったことを思い出す場合に使う。 ▲明日は定休日だったわ。 ▲A:「火曜日は暇ですか。」 B:「(手帳を見て)火曜日はだめです。 授業がありました。」 ★「授業があります」➜ただの主張でしかない 2015/10/1 24 ②「た」に、疑問や確認の終助詞(か/かしら /ね/かな等)をつけたら、確認の気持ちと なる。 ▲お宅に電話があったかな。 ▲明日試験があったかしら。 ▲火星に衛星があったかしら。 ▲あなたは山田さんでしたね。 ③接続 「名詞述語/ある/いる」のタ形 2015/10/1 25 【比較】 a、大隈さんは早稲田大学を建てた方ですね。 (主張の確認) b、大隈さんは早稲田大学を建てた方でしたね。 (想起による確かめ意識) c、会議は明日も2時からですか。(普通の疑問文) d、会議は明日も2時からでしたか。 (話し手の判断が正しいかどうかを確認する文) (何年ぶりかで見かけた時) e、「どちらでしたか。」(丁寧な言い方) f、「どなたですか。」(失礼になる) 2015/10/1 26 【練習】 次の会話文の線の部分は、「た」のどの用 法かを判断しなさい. (あるパーティーで) A ああ、やっぱりここにいたんですか。探していたん ですよ。 B 何か。 A (ある人を指差して)あそこにいる茶色のスーツを 着た方の名前をお聞きしたいんですが…。 B ああ、あの人ですか。世界商事の田中さんですよ。 A ああ、田中課長でしたね。 B いや、今は課長じゃなくて、部長ですよ。去年の四 月、昇格したんですよ。 A ああ、そうでしたか。それはぜんぜん知りませんで した。会社の者がいれば、聞くことができたんです が、…。今日は私一人なものですから。いや、渡辺 さんがいてくれて、助かりましたよ。 2015/10/1 27 五、「…だけでは」 【意味】 「… だけだと不十分なので、あまりよくな い状態になってしまう」ような表現が後件 に来る。後ろにはマイナス評価の表現が続 く。 →第一課の「だけで」 2015/10/1 28 【用例】 正しい発音を聞かせるだけでは足りませんから、一人 一人まねをさせます。 いくら体によくても、三食とも野菜だけでは栄養が偏っ てしまう。 ただ聞いているだけでは忘れてしまうから、メモを取っ ておこう。 2015/10/1 29 【比較】 a、私一人だけで( )やれます。 b、私一人だけで( )無理です。 (「だけでは」の後にマイナス評価が続く) 2015/10/1 30 【練習】 次の文を「だけでは」で訳しなさい。 (1) 体育运动光看就没劲了。 2015/10/1 31 【訳文】 (1)スポーツはただ見るだけでは面白くない。 2015/10/1 32 (2)去外国只是看风景就没意思 了,我是想和当地人尽可能 多地接触。 2015/10/1 33 【訳文】 (2)外国へ行ってただ景色を見るだけでは つまらない。そこの土地の人たちとちょっ とでも触れ合う旅にしたい。 2015/10/1 34 (3)光凭和他说几句话,是无法了解 他的优点的。 2015/10/1 35 【訳文】 (3)ただ話しただけでは、あの人の本当の良 さは分からない。 2015/10/1 36 六、「…てしまう」 1、「てしまう」について ① 完了 あの車は売ってしまったので、もうここにはいな い。 「ちょっとこの手紙を書いてしまうから、待ってくださ い。」 ② 感慨 (残念、後悔など) 家が三軒焼けてしまいました。 酔っ払って、ばかな事を言ってしまったと後悔し ている。 2015/10/1 37 2、「てしまう」はくだけた話し言葉では、 「ちゃう/じゃう」になることが多い. ①てしまう=ちゃう 仕事はもうみんな済ませちゃったから、あ とは寝るだけだ。 ②でしまう=じゃう A:「あれ、ここに置いといたコーラは?」 B:「もう全部飲んじゃったよ。おあいに くさま。」 2015/10/1 38 【練習Ⅰ】次の「てしまう」を「ちゃう/ じゃう」で言い換えなさい。 ①昨日はお金を一万円使ってしまった。 ②山田さんはビールを十本飲んでしまった。 ③今年は三回交通事故を起こしてしまった。 ④昨日は本を八冊買ってしまった。 ⑤雨の中を歩いて、風邪を引いてしまった。 ⑥朝から働いていたので、もうすっかり疲れてしまっ て、動けない。 2015/10/1 39 【練習Ⅱ】次の( )に、「ちゃう」かまたは 「じゃう」を持つ適当な言葉を入れなさい。 ①「田中さん、その本、借りてもいい?」 「すみません。まだ読んでいないんだ。 今月の終わりまでに( )から。」 ②「一緒にお昼ご飯を食べませんか。」 「すみません、もう( )。」 ③「このテストは、まだ見てはいけない。」 「もう( )。」 ④「まだ洗っていない服はありませんか。」 「もうみんな( )。」 2015/10/1 40 七、「…にする」 【意味】 「そう決める」という意味。 【用法と用例】 ①「名詞+にする」 A:「いい喫茶店ですね。何を頼みましょうか。」 B:「喉が渇いたから、コーラにします。」 A:「こちらのかばんはデザインが新しいんですよ。」 B:「きれいですね。じゃ、これにします。」 2015/10/1 41 ②「動作性の名詞+にする」 a、今日からタバコを止めることにします。 b、今日から禁煙にします。 ③「名詞+助詞+にする」 a、会議は五時から始めることにします。 b、会議は五時からにします。 2015/10/1 42 【練習】 次の「…ことにする」を「…にする」 に直しなさい。 ①ジョギングは明日から始めることにします。 ②これからはあまり甘い物は食べないことに しよう。 ③今度の代表は西田さんを選ぶことにしま しょ う。 ④急用があるので、飛行機で行くことにしま す。 ⑤風邪がよくならないので、旅行を止めるこ とにします。 2015/10/1 43 八、「いきますよ」について 【意味と用法】 ①物事がある仕方で行われる 。漢字を使わない。 (事情以某种方式进行) 【文型】 「主語が/は+(連用修飾語)+いく」 事は簡単にいった。 世の中のことは理屈どおりにはいかない。 2015/10/1 44 ②「次に移す」という意味。漢字を使わない。 (事情向下一阶段推进) 【文型】 「名詞に+いく」 今度は本文の読解にいきましょう。 じゃ、次の問題にいきましょうか。 2015/10/1 45 【練習】 次の文を聞いて、意味を考えなさい。 (1)仕事はうまくいくといいですが。 (2)簡単にできると思ったが、そうはいかなかった。 (3)研究は思うとおりに行きました。 (4)宝石を盗むことは案外簡単にいきました。 (5)もう一度初めからいきましょう。 (6)今日の試合はこの手でいこう。 (7)あの二人はうまくいっていないようだ。 (8)そこまでいくと後は楽だ。 2015/10/1 46 九、「かならずしも…ない」 【意味】 「Aなら、かならずBだ」という論理はいつま でもあてはまるわけではなく、そうでない場合も ある、という意味。書き言葉的。 (“A就是B”的理论,未必永远适用,也有例 外的时候) 2015/10/1 47 【用法と用例】 「かならずしも+打ち消しの述語 」 日本語の漢語の意味や用法は必ずしも中国語と同 じではありません。 2015/10/1 48 【慣用的な言い方】 ①「必ずしも…とはかぎらない」 (未必) 値段の高いものが、かならずしも品がいい とはかぎらない。 金持ちが必ずしも幸福だとは限らない。 ②「必ずしも…とはいえない 」(未必可以说) 成績のいい生徒は必ずしも頭がいいとは言え ない。 体が大きい子が相撲に強いとは必ずしもいえな い。 2015/10/1 49 ③「 かならずしも…とは思わない」 (不见得认为/想) 私は必ずしもそうとは思いません。 経済的に苦しいからといって、必ずしも不幸 せだとは思わない。 ④ 「 かならずしも…わけではない 」 (未必是事实) 政治家たちは国連は重要だと言う。しか し、必ずしも、常に尊重しなければなら ないものだと思っているわけではない。 2015/10/1 50 【練習】 次のa、b、cから適当なものを 選んで、( )に入れなさい。 ①私は人のうわさなど、( )気にしない性質 ですから、何といわれても平気です。 a、かならずしも b、すこしも c、まだ ②いい大学を卒業した者が( )成功するとは かぎらない。 a、あまり b、必ずしも c、夢にも ③一年浪人しても、( )有名な大学に入ると は言えない。 a、少しも b、まだ c、必ずしも ④あの強い台風は( )ないほどの被害をも たらした。 a、かつて b、必ずしも c、あまり 2015/10/1 51 ⑤子供の熱が( )高いので、母親は一晩中 眠れなかった。 a、あまり b、必ずしも c、かつて ⑥こんなに早く人間が月に行けるようになると は、( )思わなかった。 a、まだ b、必ずしも c、夢にも ⑦あんな恐ろしい事が起こるとは、( )思 わなかった。 a、夢にも b、必ずしも c、あまり ⑧あの元気な人が、こんなに若いうちに死ぬと は( )思わなかった。 a、まだ b、必ずしも c、夢にも 2015/10/1 52 【正解】 ①私は人のうわさなど、(b)気にしない性質 ですから、何といわれても平気です。 a、かならずしも b、すこしも c、まだ ②いい大学を卒業した者が(b)成功するとは かぎらない。 a、あまり b、必ずしも c、夢にも ③一年浪人しても、(c)有名な大学に入ると は言えない。 a、少しも b、まだ c、必ずしも ④あの強い台風は(a)ないほどの被害をもた らした。 a、かつて b、必ずしも c、あまり 2015/10/1 53 ⑤子供の熱が(a)高いので、母親は一晩中 眠れなかった。 a、あまり b、必ずしも c、かつて ⑥こんなに早く人間が月に行けるようになる とは、(c)思わなかった。 a、まだ b、必ずしも c、夢にも ⑦あんな恐ろしい事が起こるとは、(a)思 わなかった。 a、夢にも b、必ずしも c、あまり ⑧あの元気な人が、こんなに若いうちに死ぬ とは(c)思わなかった。 a、まだ b、必ずしも c、夢にも 2015/10/1 54
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