滋賀県市町村職員研修センター係長級研修 2010.7.2 第2部 調査研究の取り組み事例 政策とは… 理 想 目標 ギ ャ ッ プ 問 題 解 決 策 政 策 現 状 問題の解決策を「政策」とする 2010/7/2 戸田市政策研究所 2 政策形成の流れ • • • • • • • • 2010/7/2 ①問題の発見 ②目標の設定 ③問題の分析・構造化 ④政策課題の設定 研究所の守備範囲 ⑤政策案の検討・選定 ⑥政策案の提案 ⑦政策の決定 ⑧政策の実施 ※問題の解決策が“政策”である 戸田市政策研究所 3 第2部 調査研究の取り組み事例 1 戸田ボートコースの水質浄化 ~イケチョウ貝の不思議な力とは~ 目 次 1 戸田ボートコースの現状と課題 2 「戸田ボートコースの水質に関するアンケート」調査結果 3 埼玉県ボート協会の水質浄化活動 4 内閣府「地方の元気再生事業」(概要) 5 各取組の概要 6 本研究の目的及び成果と今後の展望 2010/7/2 戸田市政策研究所 5 戸田ボートコースの現状と課題 戸田ボートコースの概要 東京オリンピック(1964年)のボート競技会場 ・全長2,400M 幅員90M 水深2.5M ・水と緑に溢れ潤いと安らぎを与えてくれるシンボル 約43年間水の入れ替えをし ていない 水質が汚濁し、特に夏にア オコや悪臭が発生 近隣住民やボート競技者か ら水質改善を望む声 2010/7/2 2008.8 全国高等学校総合体育大会 戸田市政策研究所 6 「戸田ボートコースの水質に関するアンケート」 調査結果 ○ 実施日及び場所 2008年8月4日(月) 於:戸田ボートコース ○ 回答数 299名(男性:159名 女性:140名) ○ 調査結果 1 水質に関する質問 「かなり汚れている」(19.7%) 「汚れている」(53.8%) 2 水質状況を漢字で表すとしたらの質問 「濁」(52.5%) 「汚」(16.1%) 3 においに関する質問 「くさい」(29.8%) 4 自由意見 「ボート競技者にとって貴重な施設であるため、水質浄化してほしい」 2010/7/2 戸田市政策研究所 7 埼玉県ボート協会の水質浄化活動 「イケチョウ貝」は、 ・琵琶湖淀川水系の固有種の二枚貝で、絶滅危惧Ⅰ類 ・水質浄化能力が高いと言われている ・淡水産真珠が採取できる 1,400個(2006年4月~2008年3月)を投入 実証実験中のイケチョウ貝 イケチョウ貝から採取された淡水産真珠 実証実験 2010/7/2 戸田市政策研究所 本格稼働 8 内閣府「地方の元気再生事業」(概要) ・応募総数 全国1,186件うち採択120件(9.88倍) ・タイトル 「戸田オリンピックボートコースの水質浄化を目指して」 ・委託関係 埼玉県ボート協会と関東地方環境事務所 ・委託金額 7,122,900円(2008年9月8日委託契約締結) ・委託内容 (1) 国立大学法人埼玉大学科学分析支援センターによる調査 イケチョウ貝を科学的・生物学的に分析 § 現場環境 水質及び底質調査 § 浄化能力 水槽試験 (750個×2回) (2) 里親制度の制度設計 ピアス 携帯用ストラップ (3) 淡水産真珠のPR活動 2010/7/2 戸田市政策研究所 9 2010/7/2 戸田市政策研究所 10 各取組の概要(その1) (1) 国立大学法人埼玉大学科学分析支援センターによる調査 2009年1月26日(月)速報発表 資料提供:埼玉大学科学分析支援センター ( 1 水質結果 濁度の時間変化 10 (1) カドミウム、鉛などの有害重金属は検出されない 8 (2) 多数のプランクトンが生息し、水質汚濁の一因と 6 なっている。⇒貝でろ過が可能。 濁 貝なし 度 4 2 底質分析結果 2 (1) 腐敗有機物が沈殿したヘドロ状態にはな 貝あり 0 っていない 0 1 2 3 4 5 6 7 3 イケチョウ貝のろ過速度と能力の測定結果 時間 (1) ろ過速度は1時間あたり約300ml(100gの貝1個)⇒コースの濁度を5年で半減するには、 約21,000個の貝が必要。(現在約3000個生息) (2) ビーカー実験によりクロロフィル量の減少が認められた 貝なし 貝あり 貝なし 貝あり 6時間後 (水温15℃) 2010/7/2 戸田市政策研究所 10 各取組の概要(その2) (2) 里親制度の制度設計 「戸田ボートコース水質浄化クラブ規約」を制定 ・ 戸田ボートコース水質浄化クラブは、埼玉県ボート協会の進めているイケチョウ貝を 活用した水質浄化活動の趣旨に賛同した者で組織 ・ 会員は、淡水産真珠の分配やイケチョウ貝の生育確認作業に参加 (3) 淡水産真珠のPR活動 「淡水産真珠のアクセサリー教室」を開催 日時:2008年12月14日(日) 午後1時30分から午後3時 場所:埼玉県戸田公園事務所 参加人数:横浜市や練馬区など市外県外 から52名が参加 内容:イケチョウ貝の開貝と戸田ボート コースから採取された淡水産真珠で ピアスや携帯用ストラップを作成 2010/7/2 戸田市政策研究所 熱心に作成する参加者 11 本研究の成果と展望 目的1 イケチョウ貝は水質浄化に効果があるのか。 [成果] 埼玉大学科学分析支援センターの調査により、イケチョウ貝単体の一定の効果が明らかとなった。 [展望] 特に、夏季の大規模実験を現地で実施する必要がある。 目的2 イケチョウ貝による水質浄化活動のシステムや、イケチョウ貝から採取される 淡水産真珠が、今後、戸田市の地域ブランドとして活用できるのか。 [成果] テレビ、ラジオ、新聞の各メディアにより報道されることで、戸田市の都市イメージ向上に貢献した。 [展望] 真珠や貝のブランド化、都市イメージの向上など、シティセールスでの活用可能性。 目的3 水質浄化活動に市民や企業など様々な主体をどう参加させるか [成果] 「戸田ボートコース水質浄化クラブ」が組織化された。 「戸田ボートコース水質浄化実行委員会(県ボート協会、戸田市、埼玉大学)」を結成、県「地域元気アッ プ推進事業」補助金を取得 [展望] 水質浄化クラブの本格活動への移行と、協賛団体の増加。 2010/7/2 戸田市政策研究所 12 ご清聴ありがとうございました。 2010/7/2 戸田市政策研究所 14
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