スライド 1

【まちづくり公開セミナー 資料】
まちづくり三法の見直しと
地域の課題
~「コミュニティの再生と共生によるまちづくり」に向けて~
平成18年7月27日
日本商工会議所
常務理事 篠原 徹
1
目 次
Ⅰ.まちづくり3法見直しの趣旨
・・・・・・・・
3
Ⅱ.まちづくり3法見直しのポイント
1.今後の中心市街地活性化策の方向
2.改正中心市街地活性化法の概要
3.改正都市計画法・建築基準法の概要
4.大店立地法関連
・・・・・・・・ 8~16
Ⅲ.今後のスケジュール(予定)
・・・・・・・・ 17
Ⅳ.共生のまちづくりに向けた当面の課題
・・・・・・・・ 18
Ⅴ.新しいまちづくりに向けた地域の取り組み・・・・・・・・ 19
2
Ⅰ.まちづくり3法見直しの趣旨
まちづくり3法(中心市街地活性化法・大店立地法・改正都市計画法)制
定後7年が経過したが、中心市街地は活性化するどころか全国的に空洞化
が一層深刻化。これに伴い、様々な社会問題が増大。
○雇用機会の喪失
○高齢者が暮らしづらい街 ○コミュニティの衰退
○伝統・文化の喪失 ○治安の悪化 ○青少年への悪影響 ○景観・環境の悪化
○優良農地・田園景観の喪失 など
中心市街地活性化法
(平成10年6月公布、経産・国交・総務省共管)
市町村が策定する中心市街地活性化基本計画によって、市街地
の整備改善及び商業等の活性化を一体的に推進する。
×
連携
×
連携
整合性
改正都市計画法
(平成10年5月公布、国交省所管)
大規模小売店舗の立地の適否を判断し、計画的
な土地利用を行うため、きめ細かなゾーニングを
行う。
※平成12年にも改正
連携
×
整合性
農 振 法
(昭和44年7月公布、農水省所
管)
連携
整合性
大規模小売店舗立地法
(平成10年6月公布、経産省所管)
立地場所が決まった大規模小売店舗の立地周
辺地域の生活環境(交通渋滞、騒音問題、悪臭・
廃棄物問題など)を保持する。
×
整合性
農業振興が必要な地域を計
画的に整備する。
農 地 法
(昭和27年7月公布、農水省所管)
農地等の権利移動、農地転用
などを規制。
(日本商工会議所作成)
現行のまちづくり3法と農地・農振法はタテ割り的にバラバラに運用。
また、都道府県知事に広域調整の権限がない。
3
(参考1)全国のまちを取り巻く現状
シャッター通りと化す中心商店街(東北
地方のある都市・平日午後)
中心市街地に廃墟として残る大型空き店舗
(東北地方のある都市)
大規模商業施設の出店が計画された郊外の優良
農地(中国地方のある都市の郊外)
工場跡地(準工業地域)への出店で慢性的な交通
渋滞が発生(近畿地方のある都市・日曜日午後)
4
(参考2)小売業における売り場面積、従業者数、坪効率等
の推移
130
全国合計
小売売場面積
小売
従業者数
120
指数(1991=H3=100)
110
小売
販売額
100
国民総所得
(名目値)
90
小売販売額
÷小売 売場面積 (坪効率)
80
70
1988
1991
1994
1997
1999
2002
2004
(出所:日本政策投資銀行・藻谷参事役資料より抜粋)
※ 1997→1999年の間に調査対象店舗が増強されている。
※ 2004年については、平成16年商業統計に基づき日商が追加して作成。
5
(参考4)一般世帯に占める独居
老人の割合
(参考3)総人口等の将来推計
総人口等の将来推計
(%)
40.0
(千人)
総人口のピーク
12,770万人(2005年)
ピーク(最大)
36.0%(2055年)
140,000
高齢者比率
35.0
30.0
12,762万人
(2004年)
6,414万人(2100年)
総人口
19.9%(2005年)
60,000
15.0
0.0
年少人口比率
13.9%(2005年)
ピーク(最小)
10.7%(2055年)
全国
9.5
8
80,000
5.0
10
7.6
100,000
20.0
指定都市
120,000
10,059万人(2050年)
25.0
10.0
大阪市
(%)
4
40,000
20,000
0
200020052010201520202025203020352040204520502055206020652070207520802085209020952100
※高齢者比率は65歳以上、年少人口比率は14歳以下の
(日本の将来推計人口(平成14年1月推計))
総人口に占める割合。
中位推計
6.2
6
4.2
4
5.2
5.0
6.9
6.5
2
0
平成2年
平成7年
平成12年
(出所:平成12年国勢調査、大阪市資料)
6
郊外に行くほど厳しくなる土地利用体系への移行
を前提とした「コンパクトなまちづくり」
(1)都市の構造改革
・人口減少時代の社会に対応した拡散型都市から集約型都市への転換
・「アクセル」(中心市街地の活性化支援)と「ブレーキ」(計画的な
土地利用規制)によりコンパクトなまちづくりを実現(商業対策や需
給調整ではない)
(2)計画的な土地利用規制
・欧米並みの土地利用規制のレベル(グローバルスタンダード)・手続
の確立
・広域調整メカニズムの導入
(3)共生のまちづくり
・商店街と大型店・ナショナルチェーン店等の両立・共生による
コミュニティの再生と共生のまちづくり
7
Ⅱ.まちづくり3法見直しのポイント
1.今後の中心市街地活性化策の方向
基本的な方向性
コンパクトでにぎわいあふれるまちづくり
人口減少社会の到来
(早ければ2005年から現実に)
高齢化の加速化
持続的な自治体財政
コミュニティーの維持
(→将来的なインフラ維持コストを含
めた中長期的な都市構造の全体像
を描く必要性有)
(→商業のみならず、歴史・文化、
防犯・防災、介護・保育教育・環
境等を含めた価値創造が重要)
施策の方向性
(1)様々な都市機能の市街地集約
まちのコンパクト化
(2)中心市街地のにぎわい回復
コミュニティーとしての魅力向上
(3) 一体的推進
(→まちづくりに関する環境変化に対応した新たな制度設計)
8
(出所:経済産業省資料)
これまでの都市づくり
「コンパクトな都市」づくり
9
(国土交通省資料から作成)
9
2.改正中心市街地活性化法の概要
(現行法)
目
【目
的
的】中心市街地における市街地の整備改
善と商業等の活性化の一体的推進
支援スキーム
基
本
※主務大臣による告示
(基本方針に基づき市町村が作成)
本
計
画
基本計画に対する支援措置
・土地区画整理事業の保
留地特例
市街地の
・中心市街地整備推進機
整備改善
構の指定
・路外駐車場の特例
特定事業計画
商業の
・中小企業基盤整備機構
活性化等
の業務特例
市町村経由
(改正法)
目的・基本理念・責務
【目
的】少子高齢化、消費生活等の状況変化に対応して、中心市街地における都市機能の増進
及び経済の活力の向上を総合的かつ一体的に推進
【基本理念】快適で魅力ある生活環境の形成、都市機能の集積、創造的な事業活動の促進を基本と
し、地域の関係者が主体的に取組み、それに対し国が集中的に支援を行う。
【責務規定】国、地方公共団体及び事業者の中心市街地活性化のための責務規定を新設。
支援スキーム
方 針
基
市町村認定※ TMO構想
市町村経由
(事業実施者
は主務大臣
に認定申 経済産業大臣認定※ TMO計画
請)
・信用保険の特例
特定事業計画
・課税の特例
・地方税の不均一課
※主務大臣認定
税
中心市街地活性化本部(本部長:内閣総理大臣、構成員:全ての閣僚)
(基本方針の案の作成)
(新)
基
・中小企業基盤整備機構の業務特例
・食品流通構造改善機構の業務特例
・道路運送法の特例
・貨物利用運送事業法・貨物自動車
運送事業法の特例
・課税の特例
・信用保険法の特例
本
※閣議決定
方
(基本計画
への意
見)
認定基本計画への支援措置
針
市街地の
整備改善
(基本方針に基づ
き市町村が作
成)
(新)基本計画
※内閣総理
大臣認定
(事業の
実施者
等で組
織)
都市福利施設
の整備
(事業実施者は協議会 市町村経由
での議論を経て、主務
大臣に認定申請)
・路外駐車場の特例
・中心市街地公共空地等に係る樹木保存法の特
例[新設]
・事業用地適正化計画の認定の特例[新設]
・土地区画整理事業の保留地の特例[拡充]
・共同住宅供給事業に対する支援制度[新設]
まちなか居住 ・地方住宅供給公社の設立・業務の特例[新
の推進
設]
商業の
活性化等
中心市街地活性化協議会
・大店立地法の特例[新設]
・中小企業基盤整備機構の業務特例
(上記事業と一体的に行う事業)
公共交通機関 ・共通乗車船券制度に係る届出の簡素化[新
設]
の利便増進
認定特定民間中心市街地活性化事業計画への支援措置
認定特定民間中心市街地
活性化事業計画
特定事業に対する支援措置
特定事業
(出所:経済産業省資料)
※主務大臣認定
その他の支援措置
市街地の
整備改善
商業の
活性化等
・中心市街地整備推進機
構の対象の拡大
・大店立地法の特例の創
設(特区措置の全国展
開)
商業の
活性化等
・中小企業基盤整備機構の業務特例
・信用保険法の特例
・地方税の不均一課税
(上記事業と一体的に行う事業)
特定事業
・信用保険の特例
・食品流通構造改善促進機構の業務特例
・道路運送法の特例
10
・貨物利用運送事業法/貨物自動車運送事業法の
特例
10
(参考1)基本計画の記載内容と認定要件
(参考2)改正中心市街地活性化法に位置づけら
れる事業の整理
基本計画の記載内容
①中心市街地の活性化に関する基本的な方針
②中心市街地の位置及び区域
③中心市街地の活性化の目標
④中心市街地の活性化を図るために必要な事業及び措置に関する事項
・市街地の整備改善のための事業
・都市福利施設を整備する事業
・住宅の供給のための事業及び一体的に行われる居住環境の向上の
ための事業
・商業の活性化のための事業及び措置
⑤ ④の事業と一体的に推進する公共交通機関の利用者の利便の増進
を図るための事業及び特定事業に関する事項
⑥ ④⑤の事業及び措置の総合的かつ一体的推進に関する事項
⑦ 中心市街地における都市機能の集積の促進を図るための措置に関
する事項
⑧ その他中心市街地の活性化のために必要な事項
⑨ 計画期間
基本計画の認定要件
市街地の整備改善
のための事業
都市福利施設の
整備のための事業
住宅供給や
居住環境向上
のための事業
商業の活性化
のための事業
1.基本方針に適合するものであること
※特に地方都市においては、特別用途地区の活用による準工業地域に
おける大規模集客施設の立地抑制が条件の一つとなる予定。
※大規模集客施設とは床面積1万m²超の店舗、映画館、アミューズ
メント施設、展示場等。
2.当該基本計画の実施が中心市街地の活性化を実現する
上で相当程度寄与するものであること
3.当該基本計画が円滑かつ確実に実施されると見込まれ
るものであること
●土地区画整理事業
●市街地再開発事業
●道路、公園、駐車場等の公共の用に供する施設の
整備
●その他(空地契約)
●都市福利施設の整備のための事業
※都市福利施設
都市の中核的機能を担う教育文化施設(学校、図書館など)、
医療施設(診療所など)、社会福祉zzz施設(保育所xど)等
●中心市街地共同住宅整備事業
●その他(地方住宅供給公社等)
●中小小売商業高度化事業 ※特定商業施設等整備事業
商業基盤施設又は相当
●特定商業施設等整備事業
●その他
規模の商業施設を整備
する事業
(独立行政法人中小企業基盤整備機構事業等)
特定民間
中心市街地
活性化事業
主務大臣認定
(中小企業庁資料から作成)
上記4事業と一体的に
推進する事業
●特定事業
・都市型新事業の立地促進事業
・食品流通円滑化事業
・旅客自動車運送事業
・貨物運送効率化事業
11
●公共交通機関の利用者の利便の増進
を図るための事業
11
(参考3)TMOと中心市街地活性化協議会の比較
区
分
認
定
等
対
象
者
役
割
認定構想推進事業者
(TMO)
中心市街地活性化協議会
○市町村による認定
(下記に掲げる者が中小小売商
業高度化事業構想を作成し、市
町村が認定(NPOについては
商工会、商工会議所と共同で申
請する場合に限る))
○規約を定め公表
(下記①及び②に掲げる者が共同で規約を
定め公表)
①商工会
②商工会議所
③特定会社又は公益法人であっ
て政令で定める要件に該当する
もの(政令では地方公共団体に
よる出資要件等を規定)
④その他中小小売商業高度化事
業の総合的な推進を図るのにふ
さわしい者として政令で定める
者(政令でNPOを規定)
①都市機能の増進を総合的に推進するため
の調整を図るのにふさわしい者として次に
掲げるもののうちいずれか一以上の者
ⅰ中心市街地整備推進機構
ⅱ良好な市街地を形成するためのまちづく
りの推進を図る事業活動を行うことを目的
として設立された会社であって政令で定め
る要件に該当するもの
②経済活力の向上を総合的に推進するため
の調整を図るのにふわしい者として次に掲
げるもののうちいずれか一以上の者
ⅰ商工会又は商工会議所
ⅱ商業等の活性化を図る事業活動を行うこ
とを目的として設立された公益法人又は特
定会社であって政令で定める要件に該当す
るもの
※協議会に参加することができる者
1) 中心市街地活性化事業を実施する民間事
業者
2) 中心市街地活性化事業に密接な関係を有
する者(地権者等)
3) 市町村
①中小小売商業高度化事業構想
の作成
②中小小売商業高度化事業計画
の作成及び当該事業の実施
(参考4)中心市街地活性化協議会のイメージ
①市町村が作成しようとする基本計画並び
に認定基本計画及びその実施に関し必要な
事項に係る協議及び当該市町村に対する意
見の提出
②上記以外の中心市街地の活性化の総合的
かつ一体的な推進に関し必要な事項に係る
協議
③特定民間中心市街地活性化事業計画に係
る協議
規 約
中心市街地活性化協議会
都市機能の増進を総
合的に推進するため
の調整を図るのにふ
の調整を図るのにふ
さわしい
さわしい者
経済活力の向上を総
合的に推進するため
の調整を図るのにふ
の調整を図るのにふ
さわしい者
( (
●中心市街地整備
推進機構
●良好な市街地を
形成するための
まちづくり会社
(政令で定める要件を
満たすもの)
)
( (
●商工会・
商工会議所
)
( (
)
(政令で定める要件
を満たすもの)
( (
※中心市街地活性化事業を )
実施する民間事業者
( (
)
※中心市街地活性化事業に
密接な関係を有する者
( (
)
( (
)
●市町村
コンパクトでにぎわいあふれるまちづくり
都市機能
集 約
住宅の整備
●民間事業者
(商業者、NPO等)
●地権者等
●商業等の活性化を
図る特定会社等
中心市街地
+
病院の整備
賑わい
回 復
商業核施設の整備
託児所等の運営
空き店舗活用
協議会に
参加できる者
商業基盤施設の整備
空き地集約
12
(中小企業庁資料から作成)
3.改正都市計画法・建築基準法の概要
広域的に都市構造やインフラに影響を与える大規模集客施設(床面積1万㎡超
の店舗、映画館、アミューズメント施設、展示場等)について、広く立地可能
とされるこれまでの土地利用の原則を逆転し、一旦立地を制限した上で、その
立地について都市計画手続を経ることで地域が適正に判断。
○市街化区域、用途地域における立地規制
大規模集客施設が立地可能な用途地域を見直し、現行の6から3へ限定。
○非線引き白地地域等における立地規制
非線引き都市計画区域、準都市計画区域内の白地地域では大規模集客施設は原則立地不可。
○準都市計画区域制度の拡充
農地を含む土地利用の整序が必要な区域等に広く指定できるよう、準都市計画区域の要件を緩和
するとともに、指定権者を都道府県に変更。
○開発許可制度の見直し
市街化調整区域内の大規模開発を許可できる基準を廃止する。
病院、福祉施設、学校、庁舎等の公共公益施設を開発許可等の対象とする。
(国土交通省資料から作成)
13
改正都市計画法・建築基準法のポイント
都市計画法・建築基準法
〈郊外に行くほど規制が厳しくなる体系への移行〉
ゾーニング強化(ブレーキ)
(13.8%)
都
市
計
画
区
域
線
引
き
都
市
計
画
区
域
(26.3%)
市街化区域(3.8%)
市街化調整区域
用
用
(4.6%) ★大規模集客施設※1につ
途
計画的
大規模開発
(20ha以上)
(1.4%)
いては、用途地域の変更又
は用途を緩和する地区計画
決定により立地可能
市街化区域
途
線
引
き
都
市
計
画
区
域
(3.9%)
用途地域
(1.4%)
非
線
引
き
都
市
計
画
区
域
(4.0%)
※2
地
用途地域
(10.8%)
(5.5%)
★(同上)
域
域
白地地域
白地地域
(11.1%)
(12.5%)
準
都
市
計
画
区
域
地
用途
地域
都
市
計
画
区
域
非
線
引
き
都
市
計
画
区
域
用途地域
白地地域
(0.0004%)
(73.7%)
都
市
計
画
区
域
外
( )内は用途地域に占める割合
(平成16年3月31日現在)
市街化調整区域
(10.0%)
制限なし
※1については、
非線引き都市計画区域の 大規模集客施設
用途地域の指定又は用途を緩和
白地地域
する地区計画決定により立地可能。
制限なし
準都市計画区域の
白地地域
大規模集客施設※1については、
用途地域の指定により立地可能。
※1 大規模集客施設(法律では「特定大規模建築物」と定義):床面積1万㎡超の店舗、
映画館、アミューズメント施設、展示場等。
※2 準工業地域では、特別用途地区を活用。特に地方都市においては、これを中活法の
基本計画の国による認定の条件とすることを基本方針で明記。
(注) ( )内は国土面積に占める割合。
(平成16年3月31日現在)
○特別用途地区(都市計画法第9条13項)
地域の実情に即して用途をきめ細かく規
制していくため、用途地域に「上塗り」する
形で、特別の目的のために用途制限を加
重(もしくは緩和)することができる。市町村
の条例で定める。
○用途を緩和する地区計画(開発整備促進区)
第二種住居地域、準住居地域若しくは工業地域が定められている土地
の区域又は用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域
を除く)において、特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の
利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施
すべき区域(開発整備促進区)を都市計画に定めることができる(市町村
が都道府県知事の同意を得て決定)。
開発許可制度の見直し
広域調整のしくみの創設
用途変更、地区計画策定の
際の都道府県知事による協
議同意のメカニズムを活用し
た広域調整
関係市町村の意見を
求めることができる
準都市計画区域指定権者の
見直し
広域的視点から指定できるよ
う市町村から都道府県に変更
都道府県が準都市計画区域を
指定しない地域(山林・原野・湖
沼・急傾斜地等)
都市計画提案制度の拡充
病院等の公共公益施設
開発許可の対象とする
地方公共団体等による開発
開発許可権者との協議
農地関連規制の強化
農地転用許可・公共転用
白地地域
都道府県が農地も含め土
地利用の整序が必要な区
域等を広く指定できる。
準
都
市
計 都
画
区 市
域 計
画
区
域
外
適正かつ厳格な運用の徹底
地域住民等の都市計画に対する能動的な参加を
促進するための制度。対象地域は、都市計画区
域又は準都市計画区域で、土地所有者等やまち
づくりの推進を目的とするNPO法人などが提
案主体となることができる。今回の見直しによ
り、①提案主体に開発事業者等を追加、②処理
期間も1年以内とする、などの改善が図られる。
参
議
れ地五 院 局三
るの、
等
よ保都 国 と都
う全道 土 連道
努に府 交 携府
め資県 通 を県
るすに 委 図の
こるよ 員 る準
と観る 会 こ都
。点準 ( と市
か都 平 に計
ら市 成 よ画
農計 十 り区
地画 八 、域
関区 年 準の
係域 五 都指
部の 月 市定
局指 二 計に
等定 十 画当
とに 三 区た
のつ 日 域っ
積い ) 制て
極て
度は
的、
の、
な秩
活秩
連序
用序
携あ
があ
・る
図る
協土
ら土
力地
れ地
の利
る利
下用
よ用
にを
うを
、促
努図
そす
める
のと
るた
活と
こめ
用も
と、
がに
。農
十、
地
分優
関
図良
係
ら農
部
衆
議
院
国
土
交
通
委
員
会
(
平
成
十
八
年
四
月
十
一
日
)
14
(日本商工会議所作成)
都
市
の
秩
序
あ
る
整
備
を
図
る
た
め
の
都
市
計
画
法
等
の
一
部
を
改
正
す
る
法
律
案
に
対
す
る
附
帯
決
議
(
抜
粋
)
14
4.大店立地法関連
対象施設の商業施設からサービス施設への拡大について
○大規模小売店舗と一体として併設されているサービス施設については、物販部
分とサービス部分との切り分けが困難といった運用上の問題もあることから、実
態把握を十分行なった上で、大店立地法第4条1項に基づく指針の改定により実
質的に対応。
15
(出所:経済産業省資料)
事業者の社会的責任について
○中心市街地活性化法において、中心市街地活性化のための「事業者の責務」に関する訓辞
規定を新設。
○この訓辞規定も受けて、退店時の対応等について業界が自主的に社会的責任を果たすよう、
経済産業省が関連業界団体に対し、業界ガイドラインの作成などを強力に指導。
※日本チェーンストア協会は「地域商業者等との連携・協働のためのガイドライン」を作成し、公表。(平成18年6月20日)
中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案に対する
附帯決議(抜粋)
衆議院経済産業委員会(平成18年4月21日)
六 改正後の法律第六条の「事業者の責務」を具体化する観点から、地権者が空き店舗対策などまちづくりに積極的に協力するよう求めること。
また、地域の事業者が、退店・撤退時の対応などについて、自らの社会的責任の一環として自主的に取り組むよう求めること。
参議院経済産業委員会(平成18年5月30日)
五 本法における「事業者の責務」に関する規定を踏まえ、大規模小売業者を始め地域の事業者が、退店時の対応等、地域におけるまちづくり
への協力について、自ら社会的責任の一環として自主的に取り組むよう求めること。
※熊本県では、大型店に対して企業の社会的責任としての主体的な地域貢献などを求める「大型店の立地に関するガイドライン」
を平成17年12月施行(対象施設は店舗面積1万㎡以上の大型店)。
〔熊本県が大型店に求める具体的な地域貢献策〕
・地域づくりの取組みへの協力
・地域防災への協力
・地域と連携した地域経済活性化の推進
・ユニバーサルデザイン普及への協力
・核テナント撤退や店舗閉鎖時の対策
・情報公開の推進
・県産品の販売促進・需要拡大への協力
・環境対策の推進
・省エネルギー対策の推進
・地域雇用確保への協力
・交通対策の実施
・防犯・青少年非行防止対策の推進
・景観形成、街並みづくりへの協力
・その他の対策
今後、日商としてもこうした条例制定を支援し、普及・促進を図る。
また、経済産業省に対して大型店の地域貢献活動状況のチェック&レ16
ビューを求めていく予定。
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Ⅲ:今後のスケジュール(予定)
○平成18年2月6日
中心市街地活性化法改正案、都市計画法・建築基準法改正案閣議決定、2月8日に国会提出
○平成18年5月24日
都市計画法、建築基準法改正案参議院本会議で可決成立。
○平成18年5月31日
中心市街地活性化法改正案参議院本会議で可決成立。
改正都市計画法・建築基準法公布。一部施行。
*①大規模集客施設の立地を認める新たな地区計画制度の創設(開発整備促進区)、②白地地域における大規模集客施設の立地規制、の円滑な
実施を確保するため、都道府県又は市町村が用途地域及び地区計画に関する都市計画の決定又は変更のために必要な土地利用の状況に関す
る情報収集、提供、その他必要な準備を行う
○平成18年6月7日
改正中心市街地活性化法公布
【以下は見込み】
(改正中心市街地活性化法)
○平成18年8月22日
○平成18年8月22日以降
○平成18年9月中旬頃
○平成18年10月上旬頃~
法施行、政令施行
中心市街地活性化本部設置、基本方針案作成
(9月中旬頃まで基本方針案パブリックコメント予定)
基本方針案を本部が了解、公表
基本計画認定申請の受付が可能
(改正都市計画法・建築基準法)
○平成18年8月下旬
一部施行(都市計画提案権者の範囲の拡大など)
○平成18年10月~11月頃まで 一部施行(準都市計画区域の拡充、広域調整の強化など)
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○平成19年10月~11月頃まで 全面施行
Ⅳ:共生のまちづくりに向けた当面の課題
基本コンセプトは「地域の自己努力が『まち』を変える」
各地域に求められる取り組み
=== 地域ぐるみの話し合いをスタート
===
都市計画法関係
○大規模集客施設の駆け込み出店・開発を防ぐための自治体による「凍結宣言」の要望。
○準工業地域で大規模集客施設の立地を抑制する「特別用途地区」指定の働きかけ。
○都道府県に対する「準都市計画区域」として指定すべき区域の要望や、法施行後早期の「準都市計画区域」
指定の働きかけ。
○広域調整を行うために必要となる基準(基本方針など)づくりの働きかけ。
など
中心市街地活性化法関係
○中心市街地活性化基本計画改定(または新たに作成)の働きかけ。
○中心市街地活性化協議会の構成メンバー等の検討・設立準備。
○中心市街地活性化支援措置を活用することの検討・申請準備。
など
大店立地法関係
○大型店に求める地域貢献の内容についての検討。
など
日商の取り組み
○まちづくり3法改正に関する説明会等を開催し、各地商工会議所における法施行に向けた準備を支援。
○まちづくり特別委員会においてまちづくり推進のための方策を引き続き検討。
○「まちづくり条例研究センター」を通じたまちづくり条例の制定支援。
など
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Ⅴ.新しいまちづくりに向けた地域の動き
1.都道府県の広域調整等に向けた動き
(1)大型店の広域調整・地域貢献に関する条例・ガイドライン等の制定
①北海道 ②福島県 ③京都府 ④福岡県
(2)大型店の広域調整等に関する条例・ガイドラインの制定
①山形県 ②茨城県 ③埼玉県 ④兵庫県 ⑤九州地方知事会
(3)大型店の地域貢献に関するガイドラインの制定
①熊本県
(4)中心市街地活性化のための研究会の設置・提言づくり
①岩手県 ②富山県
2.郊外出店規制と中心市街地の活性化促進に向けた市町村の動き
(1)郊外出店規制
①能代市 ②長野市 ③静岡市 ④佐世保市 ⑤熊本市 ⑥宇佐市
(2)中心市街地の活性化促進
①所沢市 ②浜松市
3.商工会議所等の法改正の趣旨に反した出店・開発防止に向けた動き
(1)岩手県商工会議所連合会 (2)茨城県商工会議所連合会
(3)栃木県商工会議所連合会 (4)藤枝商工会議所 (5)福井商工会議所
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1.都道府県の広域調整等に向けた動き
(1)大型店の広域調整・地域貢献に関する条例・ガイドライン等の制定
①北海道 ②福島県 ③京都府 ④福岡県
①北海道
「コンパクトなまちづくりに向けた基本方針(素案)
~安全で快適な都市生活を持続可能とする地域社会を
目指して~」を取りまとめ、その一部として①市町村
に対して準工業地域におけるゾーニングの活用、②床
面積1万㎡超の商業施設に対して地域貢献計画書の届
出などを求める「大規模集客施設の立地に関するガイ
ドライン」を作成。
平成18年4月/北海道
②福島県
「福島県商業まちづくりの推進に関する条例」(平成17年10月1日公布、平成18年10月1日施行)に基づく商業まち
づくり基本方針(平成18年6月30日公表)において、特定小売商業施設(店舗面積の合計が6,000㎡以上の小
売商業施設)の立地を誘導する地域と立地を抑制する地域に関する事項等を明記。また、地域貢献活
動ガイドラインでは、特定小売商業施設に対して、地域づくりの取り組みへの協力、地産地消の推進、
撤退時の対策等の地域貢献活動計画等の報告を求め、毎年度、地域貢献活動計画及び実施状況の報告
を義務づける。
〔福島県が大型店に求める具体的な地域貢献策〕
・交通対策の実施 ・地域づくりの取組みへの協力 ・地産地消の推進 ・地域雇用確保への協力 ・少子高齢化対策
・災害等発生時及び地域防災への協力 ・防犯・青少年非行防止対策の推進 ・環境対策
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・景観形成、街並みづくりへの協力 ・撤退時の対策 ・教育訓練への協力 ・地域貢献活動担当部署等の設置
(2)大型店の広域調整等に関する条例・ガイドラインの制定
①山形県 ②茨城県 ③埼玉県 ④兵庫県 ⑤九州地方知事会
①山形県
床面積1万㎡超の大規模集客施設を対象に、県が広域的な視点から立地調整を行う「市町村土地利用計
画の広域調整要綱」を策定し、平成18年4月1日から施行。施設を立地するため農振法や都計法に基づ
く土地利用に関する計画を策定または変更する市町村に対し、知事への同意を求める手続き前の段階で知
事への報告を義務付けている。報告を受けた知事は、立地市町村や周辺市町村、総合支庁や県などをメン
バーとする関係市町村等連絡調整会議を開催し、意見の調整・取りまとめを行う。
(3)大型店の地域貢献に関するガイドラインの制定
①熊本県
①熊本県
「大型店の立地に関するガイドライン」を策定し、平成17年
12月26日から施行した。店舗面積1万㎡以上の大型店に対し、
①大店立地法に基づく届出の6ヵ月前までに出店計画書を知事に
届出し、地域住民への説明会を開催する、②地域づくりの取組み、
県産品の販売促進などへの協力、③核テナント撤退や店舗閉鎖時
の対策、などを盛り込んだ「地域貢献計画書」の提出などを求め
る。1万㎡未満の店舗については、届出や計画書提出等の手続は
定めないが、地域の実情に即した地域貢献活動の実施を求める。
〔熊本県が大型店に求める具体的な地域貢献策〕
◆対象:店舗面積1万㎡以上の大型店 (平成17年12月26日施行)
・地域づくりの取組みへの協力
・地域と連携した地域経済活性化の推進 ・県産品の販売促進・需要拡大への協力
・地域雇用確保への協力 ・防犯・青少年非行防止対策の推進 ・地域防災への協力
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・ユニバーサルデザイン普及への協力 ・環境対策の推進 ・省エネルギー対策の推進 ・交通対策の実施
・景観形成、街並みづくりへの協力 ・核テナント撤退や店舗閉鎖時の対策 ・情報公開の推進 ・その他の対策
2.郊外出店規制と中心市街地の活性化促進に向けた市町村の動き
(1)郊外出店規制
①能代市 ②長野市
③静岡市
④佐世保市
⑤熊本市
⑥宇佐市
①能代市
平成17年11月に、大型ショッピングセンター(敷地面積約66,000㎡)の建設を予定して
いる都市計画区域内(非線引き)の農業振興地域内の農用地区域について、農振解除を行なわない
旨を正式に文書で事業者に回答。
農業振興地域整備計画の変更の申し出について(回答)
平成17年10月11日付けで申し出のあった下記土地については、市としては、限りある財源の中で効率的
なまちづくりを進めるために、すでに整備されている都市基盤を最大限に有効活用したコンパクトなまちづくり
の推進が必要と考えており、これ以上の郊外への大型小売店の出店は、さらなる市街地の拡大につながり、新た
な社会資本の整備や新たな行政需要を生じさせること、それぞれの地域で高齢者が暮らして行けるまちづくりや
商業施設が集積された中心市街地の活性化を目指すまちづくりを阻害すること、地元商店及び地元商業に大きな
打撃を与えることなどから、貴社の申出に沿った農業振興地域整備計画の変更は行なわない旨を回答いたします。
平成17年11月16日
能代市長
豊澤
有兄
⑤熊本市
熊本市の幸山政史市長は5月10日、佐土原で建設を計画して
いる九州最大級の大型ショッピングセンター(市街化調整区域
内の農業振興地域、店舗面積73,000㎡)について、
「(開発区域にあたる)市街化調整区域の土地利用と市のマス
タープランとの整合性がとれない」として事前審査の段階で開
発を不許可にしたと発表した。
大型商業施設進出予定地
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(2)中心市街地の活性化促進
①所沢市 ②浜松市
①所沢市
所沢商工会議所の要望を受け、商業活性化に向けた「所沢市商業振興条例」を平成18年4月に施行。
商店街を「地域の賑わいと交流の場」と位置づけ、市民の生活環境と調和した健全で魅力あるまちづ
くりを進める。商業者に、自らの創意工夫により経営基盤の強化、人材の育成及び従業員の福利厚生
の向上等に努め、地域環境との調和、消費生活の安定及び安全確保への配慮を求める。特に、商店街
において事業を営む者には、商店会への加入や、商店街が行う活性化事業への応分の負担に努力を求
める。また、所沢商工会議所等の産業団体は、市と協力して商業者の事業活動を積極的に支援するこ
ととし、市民にも、商業振興事業への理解と協力を求める。
②浜松市
中心市街地へ大型商業施設(売場面積1,000㎡超)を誘致するため、平成18年6月、「特定都
心機能集積支援事業」を創設。中心市街地区域のうち、JR浜松駅周辺の約41haを大型商業施設支
援区域とし、新設・変更届出手続き期間の短縮など大店立地法の規制緩和を図るとともに、内装工事
費を補助する(補助率:2分の1、上限5億円)。また、固定資産税(償却資産)・法人事業所税を
5年間軽減する(3年目まで3分の1、5年目まで2分の1)。10年以上経営することや従業員を
10人以上新規雇用することが条件で、平成28年3月まで継続する。
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3.商工会議所等の法改正の趣旨に反した出店・開発防止に向けた動き
①岩手県商工会議所連合会
②茨城県商工会議所連合会
③栃木県商工会議所連合会
④藤枝商工会議所
⑤福井商工会議所
③栃木県商工会議所連合会
栃木県商工会議所連合会は、まちづくり3法が成立したことを受け、平成18年7月10日、栃木県知
事及び県議会議長に対し、「改正まちづくり3法による魅力ある市街地の形成について」とする要望書
を提出した。
要望書では、改正まちづくり三法の全面施行を控え、①法改正の趣旨に反した大規模集客施設の「駆け
込み出店・開発」を許さない仕組みづくり、②大規模集客施設の広域調整のために必要な基準づくり、
③改正法に基づく中心市街地活性化基本計画に係る研究などへの積極的な取り組み、④大型店・ナショ
ナルチェーン店等が地域貢献活動に参加する仕組みづくり、を求めている。
⑤福井商工会議所
平成18年6月、「まちづくり3法の改正に向けた取組みに関する要望~改正法の積極活用と改正趣旨
を踏まえた的確な判断・独自の取組み~」を市長に提出。要望書では、まちづくり3法改正の効果が十
分に発揮された実効あるまちづくりを実現するため、①郊外部における大規模集客施設などの開発抑制
(凍結)宣言、②中心市街地再生本部(仮称)の設置と現中心市街地活性化基本計画改定の早期着手、
③都市計画マスタープランの土地利用の方針の実現に向けた都市計画制度の実効ある活用、④広域的な
まちづくりに向けた周辺市町との連携強化、リーダーシップの発揮、の4点を強く求めている。
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