統計学

統計学入門2
第9回:統計的検定その2
統計学入門2 後期 第9回
1
科目コード
BT067
統計学入門2 後期 第9回
2
今日の内容

先週の練習問題の復習

検定の利用場面



製薬会社での新薬開発
超能力の存在の確認(?)
練習問題
統計学入門2 後期 第9回
3
練習問題
ある母集団において、番組Aの視聴率が30%であるかどう
かの検定を行う。いま、
帰無仮説:視聴率が30%以下である
対立仮説:視聴率が30%を超えている
とする。このとき、次の問題に答えなさい。
(1) この場合に第1種の過誤は、どのような状況でどのよう
な結論を下すときに生じるか。
視聴率が30%以下である場合に、30%を越していると
いう判断をする場合
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練習問題
ある母集団において、番組Aの視聴率が30%であるかどう
かの検定を行う。いま、
帰無仮説:視聴率が30%以下である
対立仮説:視聴率が30%を超えている
とする。このとき、次の問題に答えなさい。
(2) 同様に、第2種の過誤は、どのような状況でどのような
結論を下すときに生じるか。
視聴率が30%を越している場合に、30%以下であると
いう判断をする場合
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練習問題(つづき)
(3) 視聴率が30%を越えていれば広告を出したい
ということを考え、実際に調査を行った。そこで有
意水準5%で検定を行い、「帰無仮説を棄却」と
いう結論を得た。このとき、次の文章についてそ
れぞれコメントせよ。
(a) 帰無仮説が棄却されたので、視聴率は30%を
越えていることが証明された。

標本調査によるものであり、厳密な意味での証
明ではない
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練習問題(つづき)
(3) 視聴率が30%を越えていれば広告を出したい
ということを考え、実際に調査を行った。そこで有
意水準5%で検定を行い、「帰無仮説を棄却」と
いう結論を得た。このとき、次の文章についてそ
れぞれコメントせよ。
(b) 帰無仮説が棄却されたので、視聴率は30%を
超えていると判断し広告を出すことにした。

妥当な判断である
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練習問題(つづき)
(3) 視聴率が30%を越えていれば広告を出したいというこ
とを考え、実際に調査を行った。そこで有意水準5%で検
定を行い、「帰無仮説を棄却」という結論を得た。このとき、
次の文章についてそれぞれコメントせよ。
(c) 帰無仮説が棄却されたが、5%誤りの可能性があるの
で、広告を出すかどうかの判断を保留した。

5%の誤りを前提として検定を行った判断であるので、
5%に妥当性があれば、保留する必要はない。
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仮説




統計的に調べたいと思っている命題
平均が×××である
視聴率が○○○である
A薬とB薬は同じ有効率である
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9
2種類の過誤

第1種の過誤


仮説が正しいときに仮説が正しくないという結
論を出すこと
第2種の過誤

仮説が正しくないときに仮説が正しいという結
論を出すこと
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10
2種類の過誤
検定結果
仮
説
仮説は真
仮説は偽
真
○
第1種の過誤
偽
第2種の過誤
○
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2種類の過誤



過誤の可能性は小さい方が望ましい
2種類の過誤を(ある限界を超えて)同時に
小さくすることは不可能
過誤を一定水準まで認める立場をとる
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12
有意水準

第1種の過誤の確率を
一定水準に設定する
有意水準

慣例では、5% や 1%
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検定の利用場面

新薬は有効か?


母集団全体について調査は不可能
品質管理:不良率は?

母集団全体について調査は不可能
標本の情報で、判断しなければならない
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14
意外なところで:超能力の話

Professor Jessica Utts
UC Davis, Department of Statistics
http://anson.ucdavis.edu/~utts/

統計教育研究の専門家


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15
意外なところで:超能力の話

Professor Jessica Uttsからの話
AN ASSESSMENT OF THE EVIDENCE FOR PSYCHIC FUNCTIONING
<http://anson.ucdavis.edu/%7Eutts/air2.html>
テレパシーの存在についての実験
見えない文字を当てることができるかどうか
あたった割合が、偶然かどうかを検定する
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Professor Jessica Utts

She was one of two experts
commissioned by the CIA to review the
two-decade U.S. government psychic
research programme in the Summer of
1995.
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実験例:

離れた場所に、送り手と受け手がいる
4つの絵の中から選ばれた1つの絵を送り
手が念じる
受け手は、4つの絵のどれかを当てる

当たる確率は1/4だが、...


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実験結果

Honorton and Ferrari, the Journal of
Parapsychology


a 27% success rate.
Similar U.S. government experiments
have been revealed to have achieved
the same 27% success rate over
thousands of trials.
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この結果についての考察




標本誤差を考えても25%ではないことが
確認された(統計的に有意な差がある)
何らかの能力があることの証拠
しかし、
25%と27%に実際有益な差があるとは
考えにくい(実際上の有意な差とは...)
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練習問題1

検定についての説明文で適切なものはど
れか




検定では、標本についての結論を得る
検定では、間違えることを前提としている
帰無仮説とは標本についての仮説のことであ
る
有意水準とは、人が感じる最小の差のことで
ある
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練習問題2

標本誤差についての4つの説明で正しいものは
どれか。もし正しいものがない場合には、5を選
べ。





標本誤差は調査票の工夫によりなくすことができる
標本誤差の大きさは標本の大きさに比例して小さくな
る
母集団についての推論を行う場合、標本誤差は無視
する
検定を行う際には標本誤差を無視する
4つとも間違いである
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