実施・分析・報告段階 - 大阪大学 経済学

実施・分析・報告段階
実施・分析・報告段階
1.
2.
3.
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5.
6.
7.
調査の実施
収集データの整理
集計計画
データの統計的分析
分析とコメントの作成
報告書の作成
口頭プレゼンテーション
1.調査の実施
1-1 合同会議
発注企業体
リサーチ会社
合同会議で確認すべき事項
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
調査目的、調査項目、日程、費用など
調査手法、地域、対象者条件、サンプル数
製品テストの場合、テスト製品の総数、テスト製品の入手方法
調査票、呈示カード類
インタビュアの稼動予定人数と調査経験年数
初票点検、最終回収の日程と開催場所
挨拶状の文面、謝礼品の種類、事後検査法
1-2 調査員説明会
調査会社の実査責任者または調査企画担当者が調査員に対して、これから
行う調査内容について指示・説明する会議。
目的: 1.内容の理解度を統一し、面接現場でのインタビュア間のバイアスを
軽減すること。
2.インタビュアの士気を高めること。
基本的な内容説明
1.調査目的
2.調査方法
3.調査票
4.提示物
5.上記に対する質疑応答
1-2 調査員説明会
調査員の面接上の注意事項
 適切な服装や言葉使い
 指定された対象者だけに面接すること
 対象者の回答の秘密厳守
 自由回答の正しいプロービングと誘導質問の禁止
 チーティングなどの不正行為の禁止
1-2 調査員説明会
模擬面接…インタビュアに調査内容をさらに理解してもらうために、面接
現場を体験してもらう。
インタビュアに配布する物件
 調査票、呈示カード類
 テスト物件
 調査員手引書
 対象者名簿
 地点割当表、地図
 挨拶状
 謝礼品
 身分証明書
 その他実査管理シート
1-3 初票点検
初票点検…調査説明会で説明した内容が正しく理解されてい
るか、2~3票回収した時点で、中身を点検する作業
である。
 徹底すべき事項が生じたら、電話またはファックスで、全調
査員に通知する。
1-4 調査票の回収と事後検査
事後調査の目的
1. インタビュアが実際に訪問したかどうかを確認する。
2. インタビュアの不正行為を発見し、不良調査票を廃棄する。
2.収集データの整理
2-1 エディティング
エディティング…回収した個票を点検し、不備があれば訂正する
作業。
点検箇所
 論理的整合性があるか
 回答に不明確なところがないか
 回答に無記入や欠陥部分はないか
 記入した文字は正しく読めるか
 インタビュアの不正回答がないか
2-2 コーディング
コーディング…コンピューターに入力可能なように、データを数
字またはアルファベット記号に符号化すること。
2-3 データクリーニング
データクリーニング…人手によるエディティングやコーディング
でも修正しえなかった不備をコンピュータ
内でチェックし、すべてのデータを浄化する。
3.集計計画
3-1集計計画とは
集計計画…計算によってアウトプットする統計
数値表の内容を決めることである。
3-2 相関表
X 番組を
見ている
見ていな
い
計
男
132
67
199
女
93
108
201
計
225
175
400
(A)
X 番組を
見ている
見ていな
い
計
35歳未満
131
67
198
35歳以上
94
108
202
計
225
175
400
(B)
3-2 相関表
(C)
X 番組を
男
女
見ている
見ていな
い
計
35歳未満
41
58
99
35歳以上
91
9
100
35歳未満
90
9
99
35歳以上
3
99
102
計
225
175
400
4.データの統計的分析
4-1 一変量解析
比例尺度/間
隔尺度
順序尺度
名義尺度
■代表値
平均値
中央値
最頻値
■散布度
標準偏差
レンジ
度数分布
4-2 二変量解析
比例尺度/間隔尺度
順序尺度
相関係数
順位相関係数
単回帰係数
5.分析とコメントの作成
5-1 分析とは
定量調査の分析…集計された情報について、事実の発見と仮
説の検証をし、論理性や整合性を追及し、データの状態を科
学的に析出する。
例:大小関係・優劣関係・順位、相関関係、因果関係、規則性・
傾向
分析を的確に行うための諸条件
分析者の常識
豊富な関連情報
論理性・整合性の追及姿勢
マーケティング知識
マーケティングリサーチの知識・体験
5-2 分析手順
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
調査目的と分析視点の再確認
統計数表の数値とアウトプットのチェック
質問方法の確認
統計検定
調査結果に対するコメント書き
数表と図表の作成
要約コメント
5-3 論理の組立の事例
(1)大小・優劣関係
製品P,Qの満足度比較
第1子が中学生またはそれ以下のこどもが;
合計
いる世帯
いない世帯
(300)
(126)
(174)
製品P
41%
76%
16%
製品Q
59
24
84
5-3 論理の組立の事例
(2)増減傾向
製品特徴理解 <その1>
助成銘柄知名者
製品を正しく答えた人
3月時点
(223)
72%
9月時点
(337)
65%
製品特徴理解 <その2>
全対象者
製品を正しく答えた人
3月時点
(450)
36%
9月時点
(450)
49%
5-3 論理の組立の事例
(3)新しい関係の発見
視聴回数と再視聴興味度 <その1>
再視聴興味あり
合計
1~4回
5~9回
10回以上
(350)
(72)
(168)
(110)
24%
14%
25%
29%
視聴回数と再視聴興味度 <その2>
再視聴興味あり
合計
1~4回
5~9回
10~14回
15回以
上
(350)
(72)
(168)
(110)
(50)
24%
14%
25%
29%
20%
5-4 コメント作成のPASS
• 分析結果をいかに正確に表現するか (Preciseness)
• 読者をいかに惹きつけるか (Attractiveness)
• 分析結果をいかに単純明快に表現するか (Simplicity)
• いかに意味のある内容を書くか (Significance)
5-5 文章化のポイント
① 全体から述べる。
② 事実の記述と分析者の解釈を混同しない。
③ 文章の密度を濃くし、書く枚数を少なくする。
④ 念頭に置いた一人の読者に向かって語りかけるよ
うに説得性をもって書く。
6.報告書の作成
6-1 報告書の構成
I. 基本概要
1.
2.
3.
4.
5.
調査目的
調査方法
調査項目
調査日程
実施調査会社名
II. 結果の要約
III. 主要結果
IV.主要統計表
付録: (1)使用した調査票、呈示したカード・写真類
(2)呈示した製品の写真や広告のストーリーボード
(3)技術解説書、その他
7.口頭プレゼンテーション
9-1プレンゼンテーションの準備
①
プレンゼンテーションの目的と自分の役割を明確にしておく。
②
聞く相手を分析しておく。
③
必要なデータを揃えておく。
④
提示するマテリアルを準備する。
⑤
結果をビジュアル化する。
⑥
話す内容を決め、一つのストーリーを構成する。
⑦
リハーサルをする。
9-2 聞く相手の分析
① 聴く相手は、だれとだれか。
② 聴く相手に共通することは何か。
③ 聴く相手の人数。
④ 聴く相手は、なぜ自分の説明を聞こうとしているのか。
⑤ 相手の予備知識はどれほど深いか。
⑥ 聴く相手のなかで、だれが意思決定者か。
9-3 話しぶり
① ジェスチャー
② 顔の表情
③ 声の調子
④ 話す速さ
⑤ 誤りの訂正