2010年7月3日 社会福祉士実習指導者フォローアップ研修 実習プログラミング論 (社)日本社会福祉士会の資料より抜粋 皇學館大學 守本友美 1 実習プログラム作成の重要性 相談援助実習は、「ソーシャルワーカーたる社会 福祉士養成のための実習」であるという前提 場当たりな日程・行事の体験や、実習生個人の 課題・関心に揺らいではならない 業務や実習生の希望・力量は考慮はするものの、 実習プログラムの基本的内容や展開の大枠に 変更がないことが求められる。 =「学びたいこと」の前提に「伝えるべきもの」の 確立が必要 2 相談援助実習ではソーシャルワークを科学的 実践・形式知として伝達する SW理論と実践がかみ合わない隔靴掻痒感 SWの経験主義や職人芸的技術の重視 伝達共有化が困難な勘、暗黙知への依存 経験、職人芸、勘だけでは実践科学とは言えない。意 味づけや基底となる理論や技術が必要 入門的学習段階の実習生に「超人的職人芸」を見せて も「凄いなー」で終わり。それよりも基本的内容を 「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、褒めてや らねば、人は動かじ」(山本五十六)・・・・実習にも当てはまるのでは? 3 実習プログラミング=SWの形式知化 社会福祉士は自分達の専門的力量を形式知化し、人に伝え、 発揮できる場づくりに取り組む必要 ①業務の中に埋没しているソーシャルワーク実践の意 識化・抽出 ②抽出したソーシャルワーク実践への理論付(他者へ の説得・説明力の向上) ③抽出したソーシャルワーク援助過程のマニュアル化( 流れ、手続き、原則、配慮点など明文化) ④施設・機関内におけるソーシャルワーク部署・部門の 創設や、職名としてのソーシャルワーカーの配置の促 進 4 相談援助実習の組み立て① 日本社会福祉士会実習指導者養成 研究会では、SW実習を行うために、 SWが発揮される職場・組織、職種業 務(仕組み・環境)についても前提的 に学んでおく必要があると提言 分野・種別>施設・機関>職場>職 種>業務>ソーシャルワーク 職場 職種 SW (※「概論」スライドNo44参照) 概ね第1週目 分野・施設機関・職場(組織)に関する学び 概ね第2週目 社会福祉士が担当している職種や担当業務の 学び 概ね第3週目~ ソーシャルワーク実践についての学び 5 相談援助実習の組み立て② 職場実習 職種実習 [例] [例] ・職場のミッショ ン、理念 ・生活相談員、生 活支援員、児童 指導員の仕事の 理解 ・施設の運営管 理の方針 ・各職種の役割、 チーム運営 ・カンファレンス ・地域との連携 等 (概ね第1週) ・その他、介護、 保育等の仕事の 理解 ・電話応対、記 録・書類管理、 会議等 (概ね第2週) SW実習 [例] ・ニーズ把握の ための手立て、 調査 ・相談面接 ・アセスメント ・支援計画 ・モニタリング ・権利擁護 ・第三者評価 ・地域支援 ・ボランティア支援 ・カンファレンス 等々 (概ね第3-4週) 6 相談援助実習の組み立て③ 1週目 2週目 3週目 4週目 5週目 職場実習 職種実習 ソーシャルワーク実習 厳密に段階を踏んで・・・というものではなく、現場の状況 や行事・相談等のタイミングに合わせて、緩やかに移行し ていってもよい。 7 職場実習の概要(概ね第1週目) 「職場実習」は、その施設・機関が、どのような地域に、 どのような人々を対象として、何を目的に設置され、ど のような外部資源と連携をとり、どのような体制で援助 が行われているのかを理解する段階である。 事前学習成果の確認の段階でもある。 設置根拠や地域性、職場の使命や援助方針。 機関施設の運営管理(年次目標、事業計画、予算、役職員組織、職員研修体 系、利用者権利擁護の取り組みや苦情解決のしくみなど)。 全職種(介護職ばかりでなく、看護師、栄養士、調理士その他職員の目から見 た利用者理解も)の役割と、それらからの「利用者理解」と専門職同士の相互 理解。 職場内異職種連携(チーム理解)・密接な関連のある地域他資源とその連携 の理解。 説明・観察が中心 8 職種実習の概要(概ね第2週目) 「職種実習」は、ソーシャルワーカーが職種として担っている業務 全般を体験する段階である。資格制度と現実の任用制度の乖離 を確認する場面でもあります。 この段階では、ソーシャルワーカーが現場で働く上で関連・派生 する諸業務にスポットをあて、ソーシャルワーク業務との関連性 (あるいは非関連性)について学ぶ。 施設の生活相談員や生活指導員、社協の福祉活動専門員や 地域福祉コーディネーター、行政機関の○○福祉司、等が担当 する業務全般(職種によっては =SW実習 に) たとえば介護,掃除,修理,運転,書類管理,電話応対,見学受 入・説明,起案等事務手続など 同席,同行,説明・タイムスタディ など 観察が中心 9 ソーシャルワーク実習の概要(第3週目 ~) 「ソーシャルワーク実習」では、ニーズ把握、アセスメン ト、ニーズの構造化、援助目標・計画の作成、契約、 サービスマネジメント、資源開発、家族・地域関係調整、 モニタリング、評価、苦情解決、代弁、運営管理、行事、 スーパービジョン、職場内研修の企画実施といったソー シャルワークの専門的業務を学ぶ。 ソーシャルワークとは?、ソーシャルワーク実習の具体的内容 とは?については以下で詳しく・・・・ 10 施設型SWと機関型SW レジデンシャルSW・フィールドSW ソーシャルワークを学ぶといっても、入所型・通所型 の施設と地域の相談援助機関ではソーシャルワー カーの視点や役割(SW表出の仕方)が大きく違う そこで、 前者をレジデンシャル(施設型)・ソーシャルワーク 後者をフィールド(地域機関型)・ソーシャルワーク と分け、それぞれの特徴と実習体験項目を整理 11 施設型SWと機関型SWの特徴 《 施設型》 主に入所・利用(申請・受付)し 始めたところから援助が始まる。 SW援助の中心は利用者の権 利保障や自己選択権の拡大、 QOLの向上(環境整備、職員 資質向上、SV、情報開示、利 用者参加、苦情解決、社会参 加と自己実現保障等)などに向 けられる。退所・卒園支援など フィールド・ソーシャルワークに 跨る部分もある 特別養護老人ホーム、老人デイサー ビスセンター、児童養護施設、障害者 入所・通所施設、更生保護施設、等 《地域相談機関型》 地域に潜在化しているニーズ の発見(システムづくり)から援 助が始まる。援助計画立案か ら様々な資源の調整、提供、評 価といった個別援助の展開と、 それと関連付いたインフォーマ ル資源開発、当事者組織化、 啓発やソーシャルアクション等 間接援助へと展開・派生・拡大 していく 福祉事務所、児童相談所、地域包括 支援センター、市町村社会福祉協議 会、病院、障害者地域生活支援事業、 独立型社会福祉士事務所、障害者就 業・生活支援センター、等 12 レジデンシャル・ソーシャルワークの主な内容 例 ニーズ・問題の明確化と構造化、カンファレンス 援助目標・計画作成、サービスマネジメント 職員研修、スーパービジョン 施設サービス評価・効果測定・サービス改善 利用者権利擁護・苦情解決、関係諸機関との連携 利用者の組織化、利用者参加、自己決定支援 QOL(サービス・アメニティ等)およびCSの向上 施設(機関)運営、情報開示 労働環境整備(QWL向上)、リスクマネジメント 地域住民、ボランティア、家族との交流 など 13 フィールド・ソーシャルワークの主な内容例 アウトリーチや問題発見システムづくり 問題把握からニーズの確定、緊急対応 アセスメント、カンファレンス 援助目標・計画作成、サービスマネジメント プログラムの実行、モニタリング、サービス評価 コンサルテーション、スーパービジョン 地域諸機関との連携(連絡会議、ケア会議) 地域組織化、ボランティア養成・組織化 当事者組織化とソーシャルアクション 苦情解決、権利擁護、成年後見、自組織機能強化など 14 フィールドソーシャルワーク実践のフロー マ ク ロ メ ゾ ミ ク ロ 住民への福祉教育・啓発、V育成、地域組織化 キャッチ システム 構築 グループワーク 当事者の仲間づくり ニーズ ・資源の 分析 システ ム論 ソーシャルアクション 制度化 ・ 社会資源 の拡大 地域アセスメント ニーズ の 検証 個別 ニーズ の キャッチ 計画策定参加 インフォーマル 資源の開発 事業化 コミュニティワーク 機関間連携・地域ケアシステム構築(効率的問題解決/多問題対応力強化) エコシステム視点 のアセスメント ネットワーキング 援助目標の設定・計画の策定 (既存サービスの調整) アセスメント 個別援助 (人と環境の交互 作用・関係調整) ケアマネジメント/コーディネーション エンパワメント 権利擁護 15 通知にみる実習のエッセンス 「大学等において開講する社会福祉士に関する科目の確認に係る指針ついて」 (平成20年3月28日文科省高等教育局長・厚労省社援局長通知) 相談援助実習の内容 ア 利用者やその関係者、施設・事業者・機関・団体等の職員、地域住民やボラン ティア等との基本的なコミュニケーションや人との付き合い方などの円滑な人間関係 の形成 イ 利用者理解とその需要の把握及び支援計画の作成 ウ 利用者やその関係者(家族・親族・友人等)との援助関係の形成 エ 利用者やその関係者(家族・親族・友人等)への権利擁護及び支援(エンパワメ ントを含む)とその評価 オ 多職種連携をはじめとする支援におけるチームアプローチの実際 カ 社会福祉士としての職業倫理、施設・事業者・機関・団体等の職員の就業などに 関する規定への理解と組織の一員としての役割と責任への理解 キ 施設・事業者・機関・団体等の経営やサービスの管理運営の実際 ク 当該実習先が地域社会の中の施設・事業者・機関・団体等であることへの理解と 具体的な地域社会への働きかけとしてのアウトリーチ、ネットワーキング、社会資源 16 の活用・調整・開発に関する理解 実習プログラミングとは 実習プログラミングとは 実習プログラムを作成する行為あるいは過程 ソーシャルワークの価値・知識・技術を社会福祉士自身の働 く環境と具体的業務と関連づけ、限られた実習時間内でその エッセンスとなる体験項目を順序立てて配置すること。 実習プログラミングの主体 実習指導者が中心となって作成 養成校教 員の協力 職場の 協力 職能団体 等の協力 17 実習プログラミングの留意点 単にRSW・FSWの項目を散りばめればよいという ものではない。 実習プログラムの考え方・枠組みを踏まえて、各現 場/各人のSW実践を抽出し、意味づけ/順序づ け/体系化/理論化し、どのように伝えるかを明文 化すること。 職場の条件、利用者の意思、管理者や他職員の意 向、養成校教員の要請、実習生の希望など様々な 要素を踏まえ、調整や確認作業を行いながら作成。 18 「基本プログラム」と「個別プログラム」 実習指導者は、基本プログラムを作り、職場 内の受入・指導体制を確立しておく 職場内でのプログラムの調整は、「社会福祉 士である自分のSW専門性はこの部分であ る」ということの表明・説明でもある 基本プログラムは、実習生の個別研究課題 や力量に沿って部分的に変更され得る(=個 別プログラム) 19 実習プログラミングの過程① ①SWの価値・知識・技術、様々な実践理論の理解 ②実習指導者自身の業務分析の中からSW実践の 抽出・分析・整理 ③SW実習体験項目の選定・列挙、それらを通じて 伝えるべき価値・知識・技術、実践理論の関連付け 20 実習プログラミングの過程② ④SW実習の前提となる職場実習・職種実習の内容 を吟味し、時間配分を行い、体験項目を配置 伝達方法(場所、内容、 協力者、資源等)の検討 ⑤組織内・利用者・関連機関等にプログラムについ ての合意形成=基本プログラム完成 21 実習プログラミングの過程③ ⑥⑦配属された実習生との事前面接で、実習生の 力量、実習生の個人的関心等を踏まえて実習生個 別のプログラムを作成「個別プログラム」の完成 ⑧プログラムの実施(=実習中)、スーパービジョン・ 進行管理 ⑨実習プログラムの評価 22 プログラミングのツボ ②実習指導者自身の業務分析の中からSW実践の抽出・分 析・整理 ③SW実習体験項目の選定・列挙、それらを通じて伝えるべ き価値・知識・技術、実践理論の関連付け 「抽出は出来たけれども意味づけができない」 「順位付けや流れをつくれない」 「プログラム上の配置はしたけれど、どう指導・説 明したら良いか分からない」 23 協働でのプログラミング 繰り返しになるが、プログラミングは、実習指導者一 人が抱え込んで取り組むのではなく、養成校教員と連 携しながら作成していくとよい。教員個人という方法も あるが、各支部単位の社会福祉士会と地元養成校と の実習に関する交流・研究という形で進めるのも可。 都道府県・ブロックの種別協議会等の会合で情報交 換・相談。 研究会を組織してプログラミングしてみる。また、都道 府県社会福祉士会のフォローアップ研修を活用して みる。実習指導者サポート事業(順次設置中)に相談 してみてもよい。 24 段取り九分 基本プログラム作成には、相当の時間とエネルギー が必要。 そこまで実習指導者が請け負わなければならない のか? 確かに大変な作業だが、一度パターンを作り上げ、合 意を得ておけば、その後何度も受け入れる実習が楽に なる。実習中の指導も当たり外れが減り、受入時ごとの 不安軽減される。長期的に見れば効果大。下拵え、段 取りが大切 25 基本プログラムの要素 ①抽出したSW体験と、その体験の前提となる職場・職 種実習体験とを吟味(内容) ②それぞれの体験にどれくらいの時間をかけるのか( 時間) ③どこでさせるのか(場所) ③誰に協力を求めるのか、教材として何を使用するの か(資源) ④どの程度理解できればよいのか(確認・評価) を明確化し、組織内コンセンサス(合意)を得る プログラミングシートに反映 26 180時間(23 日)以上を前 提に考える プログラミングシート (日本社会福祉士会HPからDL可能) 月 実習課題 日 (ねらい) 事前 訪問 1日目 2日目 具体的実習 内容 (実習経験) 実際に実習経 験させる内容。 たとえば、 「○○に関する 同行訪問」 「○○会議へ の同席」「○○ 事業について の説明」 「その体験をなぜさせたいの か」「なぜさせる必要がある のか」「その体験を通じて何 を学ばせたいのか」という意 図を記入 必要な 価値・知識・技術 その体験内容をする 際に必要となる価値・ 知識・技術です。価値 としては、IFSWの定義 や倫理綱領の該当項 目を、知識としては、 利用者・地域・制度・事 業・制度外資源に関す る知識、などが考えら れます。技術としては、 モデルやアプローチ、 「コミュニケーションス キル」「面接技術」「会 議運営・進行技術」ア セスメントシート活用 技術」など 指導方法 ・留意点 実習中の定期的 (一週間程度毎)な スーパービジョン 時に使用 教材 チ ェ ッ ク 話す、読ま せる、やって みせる、させ るなどの指 導方法や誰 が、誰をなど を記入 それぞれの実習 体験をさせるため に必要な準備物 です。事業実績報 告書、パンフレット、 地図、法令集、レ ジュメ、車など 27 実習プログラミングの留意点① 事前訪問・実習前指導に盛り込むもの ①事前訪問時に実習生の関心や課題を聴取したうえで、個 別プログラムの作成 ②基本的実習プログラムの中に事前訪問時に示す課題(実 習初日までの宿題)を盛り込んでおくことが望ましい。 ③事前学習課題の例: ●対象となるニーズ・利用者の特性等について数的・質的に理解してお くこと ●実習機関・施設の設置根拠や対象となる分野の制度・サービスについ て理解しておくこと ●実習機関・施設の地域概況(ニーズ、資源)を理解しておくこと ●実習機関・施設のパンフレット、事業報告書等により組織概況を理解 しておくこと、等 28 実習プログラミングの留意点② 職場実習に盛り込むもの ①各部署・専門職の役割を体系立てて把握できるよう配慮。 ②各部署では「説明+体験・観察」という組立。 ③各部署・専門職の役割を、利用者との関係(援助や関わり の視点・内容)で理解できるよう、説明時だけでなく体験・観 察時にも助言するなど配慮。 ④説明方法は具体的に、視覚に訴えて行うと効果的。 ⑤職場体験を終えたところで、組織の現状と課題について 概括的説明や意見交換を盛り込むと効果的。 29 実習プログラミングの留意点②ー2 職場実習(つづき) ⑥施設でいう各部署とは、看護師、栄養士・調理師、リハビ リ職、等の各専門職および事務や併設施設など。 ⑦その他の機関・施設の場合も、上記に準じた形で ⑧管轄・担当地区を視察してまわるプログラムを盛り込み、 地域アセスメントを行わせる。 ⑨実習指導者である社会福祉士の業務については、「職種 実習」以降で体験するので、「職場実習」段階では触れない か、必要最小限にとどめる。 30 実習プログラミングの留意点③ー2 職種実習(つづき) ⑤施設であれば、相談員・指導員業務の概要説明、相談員 ・指導員への終日帯同と全業務の観察・タイムスタディ、日 報・記録や申請書類等の体験、関係機関・関係者からの相 談員・指導員の役割に対する感想・意見等インタビュー、な ど。 ⑥機関では、○○福祉司や福祉活動専門員業務の概要説 明、○○福祉司や福祉活動専門員への終日帯同と全業務 の観察・タイムスタディ、日報・記録や申請書類等の体験、 関係機関・関係者からの○○福祉司や福祉活動専門員の 役割に対する感想・意見等インタビュー、など ⑦ソーシャルワークの業務については、ソーシャルワーク実 習の段階で 31 実習プログラミングの留意点③ 職種実習に盛り込むもの ①実習指導者に実習生を付き添わせ、業務の全貌と機関・ 施設の中における役割を理解させます。 ②「体験・観察中心+助言」「説明+体験・観察」「説明中心 +体験・観察少々」などの方法を工夫。 ③利用者の不同意や業務上どうしても同行・同席が困難な 場合は、提示した資料の閲覧や利用者・関係者との交流に 代えてもよい。 ④社会福祉士が、どのような関係性のなかで仕事をしてい るのかを知ることも重要なので、利用者、他職種、地域住民 等から見た生活指導員・相談員・○○福祉司・福祉活動専 門員像を把握するようなプログラムを盛り込むことも可能。 32 実習プログラミングの留意点④ ソーシャルワーク実習に盛り込むもの ①RSW・FSWに該当する実習指導者の実際の業務を盛り込む。 ②機関・施設に共通的なSW実習経験項目として、インテーク面 接(電話など)とその対応、記録・マッピング(エコマップやジェノ グラム)、利用者ニーズのアセスメント、ケースカンファレンス、援 助目標・計画の作成、サービスマネジメント・専門機関への橋渡 し、利用手続き、モニタリング・利用者満足度の向上・サービス 評価・苦情解決、当事者参加・利用者参加、内部連携・チームマ ネジメント、スーパービジョン・研修システム、などを盛り込むこと ができる。 これらは、実際の利用者(当事者)との関わりを通じての体験で も結構ですし、過去の事例を用いた模擬的体験、ロールプレイ、 シミュレーション等も考えられます。可能な限り説明だけで終わ ることのないよう指導方法を工夫しましょう。 33 実習プログラミングの留意点④ー2 ソーシャルワーク実習(つづき) ③フィールド・ソーシャルワーク実習体験の項目として、ニー ズキャッチシステムや出前相談・電話相談などの説明・体験 、判定会議やケース会議への同席、当事者組織化やその支 援・連携に関する説明・体験・交流、オンブズマン・第三者評 価・地域福祉権利擁護等の取り組み状況の説明・体験、調 査や計画策定に関する説明と実際的・模擬的な体験、広報・ 啓発活動やイベント等に関する説明と体験、協力員やボラン ティア育成・組織化・活動支援に関する説明・体験、などを盛 り込むことができます。これらについても説明のみで終わる のではなく実体験、模擬体験、シミュレーションなどを可能な 限り盛り込みましょう。 34 実習プログラミングの留意点④ー3 ソーシャルワーク実習(つづき) ④レジデンシャル・ソーシャルワーク実習体験項目として、利 用者満足度(CS)向上や利用者権利擁護の視点をもった援 助水準の向上や、施設内のシステムづくりの説明・体験(例: 意見箱設置、苦情対応窓口設置、利用者自治会、利用者参 加、苦情処理記録閲覧、利用者間トラブル調整、サービス向 上委員会設置、プライバシー配慮、施設設備改造などの環 境改善、職員研修やQC、レクプログラムや行事の企画実施 、地域交流など)、家族対応(面接、家族会等)に関する説明 ・体験・交流(インタビューや懇談など)、他職種との連携や チームマネジメント、ボランティアの受け入れ、業務日誌・援 助記録、などを盛り込むことができます。これらについても説 明のみで終わるのではなく実体験、模擬体験、シミュレーシ ョンなどを可能な限り盛り込みましょう。 35 実習プログラミングの留意点④ー4 ソーシャルワーク実習(つづき) ⑤公的機関においても「制度の適用・運用」場面だけを伝える のではなく、自立支援的な関わりや制度対象外となったニー ズへの関わり(フォロー)など、ソーシャルワーカーとしてどの ように援助しているかの説明・体験を盛り込む必要。 ⑥ソーシャルワーク実習を通じて伝えるのは「制度の適用」「 枠内での援助」を提供するソーシャルワーカーの姿ではなく、 利用者との信頼関係に立って「全人的視点と総合的な生活支 援」「利用者満足向上」「権利擁護・権利拡大」に取り組んでい る姿です。 ⑦「社会福祉士像」「専門職能団体」、自己研鑽等について触 れる。 36
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