京都大学 外国為替論 第1回講義

2000年代の米国の対外不均衡の拡大と
対外負債の持続可能性を再考する
~長期的持続性を支える構造~
日本国際経済学会、関西支部研究会
2012年6月9日
竹中正治
龍谷大学経済学部教授
(財)国際通貨研究所客員研究員
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1
発表の骨子
1. 米国の対外資産・負債のプラスの投資リターン格差を前提にす
ると、今後長期にわたって貿易赤字(含む経常移転収支)が
GDP比率で4%程度の赤字を持続しても、対外純負債のGDP比
率は安定的、あるいは緩やかな減少となる可能性が高い。
2. プラスの投資リターン格差が縮小、逆転に向かう兆候はいまだ
見られない。
3. 2000年代の貿易収支、経常収支に見る対外不均衡の拡大は、
対外ポジションからのキャピタルゲインの趨勢的な拡大を反映し
た米国の対外制約条件のシフト(より大きな赤字許容の方向へ
のシフト)により生じた可能性がある。
本件発表は「米国の対外不均衡の真実」(竹中正治、晃洋書房、2012年2月)の1章、並
びに2章に基づく。
1章:竹中(2009a、2010b)の2論文に加筆修正したもの。2010年5月日本金融学会春季
大会で報告
2章:竹中(2010c)がプロトタイプで2011年5月日本金融学会春季大会で報告、しかしそ
の後の再考で大幅に修正している。
2
Ⅰ、長期的に持続可能な貿易収支比率(STBR, Sustainable
Trade Balance Ratio)の提起
3
経常収支赤字とドル相場の推移
2006年(名目GDP比率6.0%)をピークに半減し、2010-11年平均は-3.2%、貿
易収支(含む経常移転収支)ベースでは同-4.5%。しかし縮小後も80年代のピ
ーク時に匹敵する水準。
4
対外ポジション(対GDP比率)の推移
GDP比で3%余の経常収支赤字が継続しているが、対外純負債は2000
年代に入って横ばい、ないしは微減の傾向
?
5
「対外純負債が持続可能」とはどういうことか?
小川・工藤(2004)による先行研究の整理
•
「対外債務が返済可能であるためには、貿易収支の輸出項目と輸入項目が共和分関係にある
ことが必要条件」であり、また「対外債務水準(の時系列値)が定常であることが、債務返済を
可能とすることにとっての十分条件になる。」→米国の経常収支赤字は長期的に持続不可能
諸変数の現在までの時系列データの形状から判定する手法。しかし「持続不可能」と判定した
結果、持続可能な状態に戻るためにはどのような与件の変化が起こり得るかを考え、さらに幾
つかの想定の基に対外純負債の将来動向の試算をすることには不向き。
発表者(竹中)の定義:
•
•
標準的な定義:異時点間の予算制約を満たす。すなわち経常収支赤字などの増加で対外純
負債がGDP比で拡大する時期があっても、将来的には経常収支の黒字、あるいは対外資産
の負債に対する相対的な拡大で、純負債がGDP比率で現状水準を維持する。
より強い制約条件による定義:上記の異時点間の予算制約条件を満たし、かつ将来時点にお
いて対外資産と負債の均衡(純負債の解消)が実現する。
経常収支赤字(フロー)の持続可能性の問題は、ストックとしての対外純負債の持続可能性
の問題に収斂する。
予算制約条件のタイムスパンとして、どの程度の期間の想定が妥当か。
理論的には無限期間の想定もあり得るが、現実には対米投資を行う海外投資家の判断に依
存している問題であり、無限期間の想定は非現実的だろう。推計は難しいが、5年では短すぎ
る。50年では長すぎる。 とりあえず20年と仮定を置いて進める。
6
経常収支の累積と対外ネットポジションの乖離が90年代以降拡大
←対外資産20.3兆ドル、対外負債22.8兆ドル(2010年末)が資産・負債評価益を発
生させている。 資産・負債の価格変動を含めた総合投資リターンとその格差を考
慮して考える必要がある。(対外資産負債の評価損益は、所得収支に含まれないの
で、経常収支にも含まれない。)
7
米国の貿易収支、ないしは経常収支赤字と対外純負債の持続可能性の
過去の議論と発表者の視点
1990年代までは経常収支赤字というフローの分析に焦点を当てたアプローチが一般的で
あり、「経常収支赤字の累積=対外純負債の増加分」という関係がそれまで成り立つ限りで
合理的だった。
また対外負債の持続性についても、対外純負債を1変数としてその負債コスト(利子率)を
考慮するだけだった。 Krugman (1985)(1989)
2000年代に入って、対外資産と負債のポートフォリオの相違、資産・負債の総合投資リター
ンの格差、これらの貿易収支以外の要因による対外純負債の変動に着目した視点が登場
した。 Gourinchas and Rey (2005)(2007), Garton (2007)
金融・投資活動のグローバル化に伴って、米国の対外資産と負債のグロス残高は、その絶
対額で見ても、名目GDPとの比率で見ても90年代以降に顕著な拡大を遂げた。
この結果、対外資産・負債が生み出す所得、並びに資産・負債評価損益の投資リターン、
資産と負債で通貨構成が非対称となる場合の為替評価損益などの諸要因が、貿易収支要
因に比較して、次第に影響度を上げてきた。
こうした新しい諸要因は当該分野の研究者の間では注目されるようになって来たが、対外
不均衡問題にそれがもたらすその含意はまだ十分に汲みつくされていないようである。
筆者の視点:こうした非貿易収支要因に注目して、米国の対外純負債の持続性を再検討
する。
8
対外純負債を試算する計算式
資産負債のリターンと貿易赤字のみで構成、新規フローを考慮しない場合
所得収支は資産負債の総合リターン(=所得リターン+キャピタル・リターン)に含ま
れる。
Dt+1=Bt+1+At(1+ra)-Lt(1+rl)
赤字はマイナス表示
①
Dt+1:t+1期末の対外純ポジション(純負債はマイナス表示)、 dt+1:同名目GDP比率
Bt+1:t+1期の貿易収支(赤字はマイナス表示)、 bt+1:同名目GDP比率
At:t期末の対外資産、 at:同名目GDP比率
Lt:t期末の対外負債、 lt:同名目GDP比率
ra:対外資産の総合利回り(含む評価損益)
rl:対外負債の総合利回りコスト(含む評価損益)
g:名目GDP成長率(各期一定の前提)
全て名目GDP比率で表示すると①は以下の通りとなる。
dt+1=bt+1+{at(1+ra) -lt(1+rl)}/(1+g)
②
9
持続可能な貿易収支比率(Sustainable Trade Balance Ratio: STBR)
STBR1:②式に基づき、タイムスパンを20年と仮定して、20年後の米国の対外純負債比率(対
GDP)が起点時点と同じ水準になる( d20 =d1 )貿易収支の名目GDP比率を計算する。
標準的な予算制約条件
STBR2:同様に20年後の米国の対外純負債比率がゼロになる(資産・負債均衡する:d20=0)
になる貿易収支比率を計算する。
より強い予算制約条件
対外純負債比率が前年比で増加しない条件:PTBR(Primary Trade
Balance Ratio)
dt+1-dt=0 (ネット負債はマイナス表示)これに②を代入して展開すると
bt+1+{at(1+ra)-lt(1+rl)}/(1+g) -(at-lt)=0
bt+1+at{(1+ra)/(1+g) -1}-lt{(1+rl)/(1+g) -1 }=0
③
総合投資収支(含む評価損益)黒字の条件:
atra-ltrl>0
a/l > rl/ra
④
(「総合投資収支」とは発表者の用語であり、所得収支とキャピタルゲイン・ロスの合計であるが、国際収支統
計上のカテゴリーにはない。)
10
以上の関係式の含意(読み解き)
対外資産・負債リターンの関係が ra>rlで一定であり、かつ対外資産の負債に対
する比率が関係式④(総合投資収支黒字条件)を満たす場合には、対外資
産のGDP比率(a)の拡大に連れて、対外予算制約条件としてのSTBR(赤字は
マイナス値)もマイナスが拡大する。
つまり持続可能な貿易収支赤字比率は大きくなる。
試算の都合上、算出するSTBRは貿易収支に経常移転収支(米国では政府対外
援助などにより通常は赤字)を加えたものとする(以後本稿で、「貿易収支赤
字比率」と記載した場合は全て経常移転収支を含む収支の名目GDP比率で
ある)。
これは経常収支のうち所得収支は、対外資産・負債の変化に連れて増減するた
め、対GDP比率で一定値と想定する変数は経常収支から所得収支を除いた
部分、つまり貿易収支と経常移転収支の合計とする方が、計算が簡単になる
ためである。
11
STBR計算の前提として対外資産・負債の総合投資リターンの計算
図表3、米国の対外資産・負債利回り
(%、年平均)
1989~01 2002~08
8.3%
11.2%
6.1%
4.7%
2.2%
6.5%
1.6%
1.7%
-0.8%
1.5%
1.3%
3.3%
5.6%
4.8%
4.7%
3.3%
1.0%
1.4%
1.8%
0.2%
-0.1%
0.2%
-0.8%
1.0%
2.7%
6.4%
1.5%
1.4%
1.2%
5.1%
1989~08
対外資産総合リターン ①=②+③
9.3%
受取インカム・リターン ②
5.6%
資産価格変動リターン ③
3.7%
価格変動要因
1.6%
為替相場変動要因
0.0%
その他要因
2.0%
対外負債総合リターン(コスト) ④=⑤+⑥
5.3%
支払インカム・リターン ⑤
4.2%
負債価格変動リターン ⑥
1.1%
価格変動要因
1.3%
為替相場変動要因
0.0%
その他要因
-0.1%
対外資産・負債総合リターン格差 ⑦=①-④
4.0%
受取・支払インカム・リターン格差 ⑧=②-⑤
1.4%
対外資産・負債価格変動リターン格差 ⑨=③-⑥
2.5%
データ:米国商務省に基づき筆者が算出
2009年6月公表データに基づく
注:計算の前提は以下の通り。
②=国際収支の経常勘定の受取インカム/対外資産(期初残と期末残の平均)
⑤=国際収支の経常勘定の支払インカム/対外負債(期初残と期末残の平均)
③=商務省推計の資産評価変化額/期初対外資産
⑥=商務省推計の負債評価変化額/期初対外負債
直接投資残高の評価はcurrent costベースのデータを使用
12
計算式②が現実の対外純
負債を近似することの検証
②に対象期間の平均実績値(右表
のb,g,a,ra,rl)を代入して計算すると
1989年を起点にした08年値は
d=-30.8%となり、実績値より純負
債比率が大きくなる。
これは新規のマネーフローで対外
資産負債が両建てで増加している
部分を勘案していないためである。
一致するための修正(新規マネーフ
ローの追加)
F+C=Fa=Fl
C:経常収支(赤字はマイナス表示)
Fa:ネット新規フローによる対外資
産の増加
Fl:同対外負債の増加
f+c=fa=fl (対名目GDP比で表示)
at+1=at(1+ra) +fa
l t+1=lt(1+rl)/(1+g) –bt+1+fl
d t+1= at+1 -l t+1
⑤
右表はその結果
ただし後で示す将来試算は②のま
ま行う。
1989年を起点にしたシミュレーション
fa
0.80% 調整項目として設定
fl
0.80% 同上
各変数並び 貿易収支(含む経常
b
に初期値
移転収支)比率
名目GDP成長率
g
対外資産比率(1989
a
年)
対外負債比率(1989
l
年)
対外資産総合投資リ
ra
ターン
対外負債総合投資リ
rl
ターン
対外純負
債比率推
計値: d
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
-4.3%
-6.3%
-8.3%
-10.1%
-11.9%
-13.5%
-15.1%
-16.5%
-17.9%
-19.1%
-20.2%
-21.2%
-22.1%
-22.8%
-23.4%
-23.9%
-24.2%
-24.4%
-24.4%
-24.2%
-3.45% 1989-08年平均値
5.16% 同上
37.8% 起点時点実績値
42.1% 同上
9.3% 1989-08年平均値
5.3% 同上
対外純負
対外資産比 対外負債比
債比率実
率推計値:a 率推計値:l
績値
37.8%
40.1%
42.5%
44.9%
47.5%
50.2%
53.0%
55.8%
58.8%
62.0%
65.2%
68.6%
72.1%
75.7%
79.5%
83.4%
87.5%
91.7%
96.1%
100.7%
42.1%
46.4%
50.7%
55.0%
59.4%
63.7%
68.0%
72.4%
76.7%
81.1%
85.4%
89.8%
94.2%
98.5%
102.9%
107.3%
111.7%
116.1%
120.5%
124.9%
-4.3%
-3.9%
-4.8%
-6.4%
-4.2%
-4.1%
-5.7%
-5.8%
-9.4%
-9.7%
-7.7%
-13.4%
-18.2%
-19.1%
-18.7%
-18.9%
-15.2%
-16.3%
-15.2%
-24.0%
データ:BEA Department of Commerce 2009年6月発表データに基づき筆者算出
13
持続可能な貿易収支比率(STBR1と2)の過去に遡った試算結果
(試算の前提となる変数として19890-08年の平均実績値を使用)
「持続可能な貿易収支比率(STBR)」の試算結果
過去実績値
いずれも対名目GDP比率
純ポジション
GDP比率
名目GDP
(マイナスは
(10億ドル)
純負債)(右
目盛)
S TBR2 : 将来
2 0 年間で純
負債解消
ベース
S TBR1 : 将来
2 0 年間で純
負債比率不
変ベース
1989 2,070,868
2,310,661
37.8%
42.1%
-4.4%
5,482
-2.2%
-1.4%
-1.8%
1990 2,178,978
2,402,383
37.6%
41.4%
-3.9%
5,801
-1.9%
-1.4%
-1.9%
1991 2,286,456
2,571,202
38.2%
42.9%
-4.8%
5,992
-0.4%
-1.4%
-1.9%
1992 2,331,696
2,735,980
36.8%
43.1%
-6.4%
6,342
-1.2%
-1.4%
-1.7%
1993 2,753,648
3,031,378
41.3%
45.5%
-4.2%
6,667
-1.7%
-1.6%
-2.1%
1994 2,987,118
3,278,423
42.2%
46.3%
-4.1%
7,085
-2.0%
-1.6%
-2.2%
1995 3,486,272
3,909,183
47.0%
52.7%
-5.7%
7,415
-1.8%
-1.8%
-2.3%
1996 4,032,307
4,488,600
51.4%
57.3%
-5.8%
7,839
-1.9%
-1.9%
-2.6%
1997 4,567,906
5,347,469
54.8%
64.2%
-9.4%
8,332
-1.8%
-2.1%
-2.6%
1998 5,095,546
5,947,010
57.9%
67.6%
-9.7%
8,794
-2.5%
-2.2%
-2.7%
1999 5,974,394
6,698,737
63.9%
71.6%
-7.7%
9,354
-3.4%
-2.4%
-3.2%
2000 6,238,785
7,569,415
62.7%
76.1%
-13.4%
9,952
-4.4%
-2.4%
-2.8%
2001 6,308,681
8,177,556
61.3%
79.5%
-18.2%
10,286
-4.2%
-2.3%
-2.5%
2002 6,649,079
8,687,049
62.5%
81.6%
-19.1%
10,642
-4.6%
-2.4%
-2.5%
2003 7,638,086
9,724,599
68.6%
87.3%
-18.7%
11,142
-5.1%
-2.6%
-2.9%
2004 9,340,634 11,586,051
78.7%
97.6%
-18.9%
11,868
-5.9%
-3.0%
-3.4%
2005 11,961,552 13,886,698
94.6%
109.9%
-15.2%
12,638
-6.5%
-3.6%
-4.5%
2006 14,428,137 16,612,419
107.7%
124.0%
-16.3%
13,399
-6.4%
-4.1%
-5.2%
2007 18,278,842 20,418,758
129.8%
145.0%
-15.2%
14,078
-5.8%
-4.9%
-6.5%
2008 19,888,158 23,357,404
137.7%
161.7%
-24.0%
14,441
-5.7%
-5.2%
-6.5%
過去実績データ:商務省
試算の想定:名目GDP伸び率5.16%、対外投資総合リターン9.3%、同負債5.3%(いずれも上記期間の平均実績値)
-2.1%
-2.1%
-2.1%
-2.0%
-2.3%
-2.3%
-2.6%
-2.8%
-3.0%
-3.2%
-3.5%
-3.4%
-3.3%
-3.4%
-3.7%
-4.3%
-5.2%
-5.9%
-7.2%
-7.5%
年
対外資産
対外資産(百 対外負債(百
GDP比率
万ドル)
万ドル)
(左目盛)
対外負債
GDP比率
(左目盛)
(貿易収支+
経常移転収
支)比率の実
績値
PTBR: 前年
比純負債比
率増減ゼロ
ベース
14
貿易収支比率実績値とSTBRの推移(前スライド計算値のグラフ化)
含意:1990年代から2000年代にかけての米国の対外不均衡の拡大は必ずしも無軌道なも
のではなく、対外資産・負債両建ての急速な拡大と対外投資リターン格差の存在による対
外予算制約条件の拡大を映したものだったという理解が可能になる。
ただし99年~2006年の
貿易赤字比率の拡大
は、STBR1と2双方の対
外制約条件を超える持
続不可能な域に達して
いた。
07年以降はその調整
局面と考えられ、米国
の貿易赤字比率は双
方の制約条件内に回
帰している。
貿易収支(含む経常移転収支)実績と
「持続可能貿易収支」理論値の推移
-8.0%
-7.0%
実績値
-6.0%
STBR1
-5.0%
STBR2
PTBR
-4.0%
-3.0%
-2.0%
-1.0%
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
0.0%
(貿易収支+経常移転収支)比率の実績値
PTBR:前年比純負債比率増減ゼロベース
STBR2:将来20年間で純負債解消ベース
STBR1:将来20年間で純負債比率不変ベース
15
貿易収支比率実績値とSTBR2
横軸:STBR2
1989年以降の米国の貿易収支比
率実績値(年間ベース)の変化は、
STBR1と2、あるいはPTBRを説明変
数にして単回帰するだけで、60%
から70%が説明できる。
-8.0%
-6.0%
-4.0%
-2.0%
t値 5.234878
p値 5.6E-05
貿易収支比率実績値とSTBR1
2008
-6.0%
y = 0.9925x + 0.0011
R² = 0.699
t値 6.465439
p値 4.41E-06
2008
-4.0%
-2.0%
0.0%
GDP
-8.0%
0.0%
貿
易
収
支
(
含
む
率経
常
移
転
収
支
)
の
y = 1.046x - 0.0022
R² = 0.6036
横軸:STBR1
縦
軸
GDP
貿
易
収
支
(
含
む
率経
常
移
転
収
支
)
の
縦
軸
比
貿易収支比率実績値とPTBR
横軸:PTBR
-6.0%
-5.0%
-4.0%
y = 1.4428x + 0.0013
R² = 0.7035
t値 6.535507
p値 3.84E-06
比
2008
-3.0%
-2.0%
-1.0%
0.0%
縦
軸
GDP
貿
易
収
支
(
含
む
経
常
移
転
収
支
)
の
比
率
16
投資リターン格差を考慮し
た対外純負債の3つの将来
コースの試算
(前掲②式に基づく対外ポジション
の将来試算)
その1:純資産転換コース
諸変数を過去20年間の平均値で
想定すると10年足らずで対外純負
債は純資産に転換する。
その2:資産・負債均衡コース
諸変数を過去20年間平均値より
やや不利に想定
その3:対外負債発散(膨張)コース
その2の条件からさらに投資リター
ンがフラットになる不利な想定
→含意:対外資産負債のプラスの
投資リターン格差と資産負債両建
ての増加基調は、対外不均衡のソ
フトランディング調整のための米国
の生命線
将来試算の想定
貿易収支(含む経常移転
収支)の名目GDP比率
名目GDP成長率
その1
1989-2008年
平均値
5.16% 同上
-3.45%
その2
その3
-4.00%
-4.00%
4.75%
4.75%
総合対外資産リターン
9.30% 同上
7.00%
5.00%
総合対外負債リターン
5.30% 同上
4.00%
5.00%
対外資産GDP比率
137.7% 2008年末実績
対外負債GDP比率
161.7% 同上
対外純負債GDP比率
-24.0% 同上
17
米国の対外予算制約条件を大幅に緩和した諸条件は継続するか?
①90年代以降急拡大した対外・対米投資フローとその結果としての対外
資産・負債両建ての拡張基調は今後も続くか?
リーマンショックで2008年は減少するも、その後は復調基調
18
対外・対米長期証券投資フロー:サブプライム危機(2007)、リーマンショック(
2008)ユーロ圏政府債務危機(2011年)など危機の局面では変調(双方向的資金引
き揚げ)が見られたが、変調は短期的なものにとどまっている。
19
対外資産・負債の投資リターン格差:2008年にはマイナスになったが、09年から
はプラスに戻っている。
米国の対外資産はFDI,株式の比率が高く、対外負債は債券比率が高いので、世界的なリス
ク性資産の価格下落はプラスの投資リターン格差の縮小、あるいはマイナスとなり、逆は逆とな
る。また名目ドル相場の下落はプラスの格差の縮小、あるいはマイナスとなり、逆は逆となる。
時間の制約のため、投資リターン格差の原因とその持続性分析については省略、詳しくは弊
著ご参照。
20
Ⅱ、米国の2000年代の対外不均衡拡大の要因
21
1、米国の経常収支の変化と要因をめぐる理論的な枠組みのレビュー
(1)マサチューセッツ・アベニュ
ー・モデル Krugman (1991)
本論と関わるポイント
• 実質為替相場の変化が貿易、経常
収支に影響を与え始めるまでに2年
ほどのタイムラグがある。
• 貿易収支の変数は当該国と貿易相
手国の所得変化、並びに実質為替
相場の2つである。
• この2年ほど(期間によっては2年半)
のタイムラグは、経常収支比率の水
準を被説明変数、実質実効為替相
場要因を説明変数として回帰した場
合に観測されるものである。経常収
支比率の階差(本論では四半期デ
ータを使用して前年同期比ベースの
階差)を被説明にすると、実質実効
相場要因との間にはタイムラグはほ
とんど確認できない。
22
(2)経常収支の趨勢的部分と循環的部分、小宮(1994)
•
経常収支の変動:趨勢的な部分と循環的な部分、主要変数間の因果関係の向きは逆にな
る。
•
趨勢的な部分:古典派のマクロモデルでは、完全に自由な資金移動の下で世界の実質金
利はひとつに収斂して決まる。その結果、各国の資本収支の決定→経常収支の決定という
方向で因果関係が働く。資本収支の赤字(資金の相手国への供給)=経常収支の黒字→
自国通貨安(円安)という方向の因果関係が働く。
•
循環的な部分:変動相場制下の開放経済では、金融緩和→利子率下落圧力→資本流出
→自国の実質為替相場の減価→輸出増加・輸入減少→経常収支黒字の増加(あるいは赤
字の減少)(逆は逆)という因果関係が働く。(マンデル・フレミング・モデルを踏襲)
•
日本や米国を対象に趨勢的部分と循環的な部分の具体的な推計は行っていない。理論モ
デルを構築した上での推計の試み → 松林(2010)
23
(3)異時点間の資源配分の最適化
行動としての経常収支不均衡
「自由な国際資本移動が可能な開放経済で
は、経常収支不均衡は各国の経済主体が異
時点間の効用最大を目指して、生涯所得を
各期の消費に振り向けた結果生じるものと解
釈する」萩原(2008)
筆者見解:一国の経済の場合も無限に対外
純負債を(対GDP比率で)拡大することは不
可能であり、対外的な予算制約下に置かれて
いる。 しかしその予算制約とは有限の生涯
を持つミクロの経済主体とは異なり「一定のタ
イムスパンの下で必ず均衡しなければならな
い」という厳格なものではない。
当該国の対外負債全般が利払いと償還を持
続し(債券の場合)、あるいは配当と証券の売
買の流動性を維持し(株式等の場合)、「対外
負債が長期的に持続可能な範囲に留まって
いる」という認識が市場参加者の間で共有さ
れることが、対外的ファイナンスの持続可能性
の要件。(「持続不可能」との認識が広がった
ケース:PIIGS諸国の現状)
24
構造的経常収支の推移(対完全雇用GDP比)(破線)
(4)理論モデルの設定に基づ
いた推計
経常収支の
①構造的部分
②循環的部分
③その他要因部分
松林(2010)
その他経常収支の推移(対完全雇用GDP比)
(バブル要因)
循環的経常収支の推移(対完全雇用GDP比)
25
松林(2010)の結果に関する疑問点
(1)「その他要因部分」が1980年以来2005年の赤字のピークまで一貫して赤字拡
大トレンドを示しているのはなぜか?
米国の「その他要因」として採用された住宅価格の適正値からの乖離率は、バブル的な
プラスの乖離は2003年~07年に見られるに過ぎない。しかしながら、推計された「その他
要因部分」は1980年から一貫したトレンドで経常収支黒字比率の縮小、赤字比率の拡大
を辿っている。 すなわち、住宅価格の変数と推計結果が整合しないように見える。これは
非構造的部分の回帰による推計値と現実値の乖離部分(残差)を、「その他の要因による
経常収支」に含めてしまっている結果ではなかろうか。
(2)循環的要因部分が2000年代に黒字を示していることの奇妙さ
住宅価格の高騰が経常収支に影響を与える経路は、主要には「正の資産効果による家
計消費の増加(貯蓄率の低下)→内需成長率の上昇→輸入の増加」、並びに「住宅投資
の拡大」の2つであるはずだ。その結果、国内の貯蓄投資バランスの変化(貯蓄過小・投
資超過方向)と経常収支の変化(赤字拡大)が一致することになる(逆は逆)。
そうであるならば、住宅資産価格のバブルとその崩壊といえども、米国の内需成長率の
変化という形で循環的な要因として反映されているはずではなかろうか。そう考えると、住
宅資産価格の適正値からの乖離を循環的要因とは別の変数として回帰分析の説明変数
に加える必然性がよく理解できない。
26
2、筆者の仮説と検証
•
為替相場(実質実効ベース)要因や所得成長(貿易相手国との成長率格差)要因
の標準的な2要因では、2000年代の対外不均衡の拡大を説明し切れない(どのよ
うに回帰分析しても結果が悪い。←後ほど示す。)
•
住宅バブル(正の資産効果→消費と住宅投資の増加→国内貯蓄投資バランスの
貯蓄不足へのシフト)という一時的、中期的な要因を加えても、説明し切れない。
(住宅バブルが明らかに崩壊した2007年以降、不均衡の水準はGDP比率で半減
したが、それでも80年代のピークに匹敵する不均衡が持続している)
•
•
趨勢的な対外不均衡の水準をシフトさせた要因が働いている。
その要因として、対外ポジションが生み出すキャピタルゲインに注目する。
→趨勢的に拡大傾向した対外ポジションの評価益が米国の対外予算制約条件を
赤字拡大方向にシフトさせた。
27
対外ポジションから生じるネット評価益は変動は激しいが、名目金額のみならず、
対GDP比でも趨勢的な対外不均衡の水準を目立って変えるほどの規模に拡大し
ている。 一方、所得収支は対外純負債にもかかわらずプラスであると同時に安定
している。
28
対外ポジションの評価損益の発生による対外予算制約条件の右方シフト
が対外不均衡にもたらす効果
評価益発生前と発生後の2期
(今期と来期に分けて考える
(「期」自体が長期のタイムスパンで
あると想定)
新接点がBよりも左方の場合:
今期貯蓄増加 ケース1
今期は消費減少、貿易赤字減少
(あるいは黒字転換)
来期は消費増加、貿易黒字減少
(あるいは赤字転換)
新接点がBとCの間の場合:
今期貯蓄減少 ケース2
今期は消費増加(C1→C1’)
貿易赤字拡大
来季も消費増加(C2→C2’)
貿易黒字減少
(あるいは赤字転換)
図はケース2を表示
新接点がC点より右方の場合:
今期貯蓄減少 ケース3
今期は消費増加、 貿易赤字拡大
来期は消費減少、貿易黒字増加
29
推測:米国の2000年代のケースはケース2、あるいはケース3の可能性が高い
•
最終的には実証によって検証される問題であるが、推測は可能
•
所得が増加した場合、異なる2財に対する消費配分の変化
消費の配分が増加する財:正常財、 減少する財:劣等財
これを異時点間の問題に応用する。
•
•
代表的な米国の経済主体にとって今期の消費財が来期の消費財に対して相対
的に正常財であるか劣等財であるか?
•
今期の消費財が来期の消費財に対して正常財であるならば、所得の増加(対外
ポジションの評価益の発生)は、今期の消費を増加させ、今期の貿易収支赤字を
増加させる。逆は逆で、劣後財なら消費減、貯蓄増となる。
•
2000年代の住宅価格の高騰で、そのキャピタルゲインをホーム・エクイティー・ロ
ーンによってキャッシュ化し、そのかなりの部分を消費に投じた米国家計部門の
行動パターンが示唆的である。現在の消費の対象を将来の消費との比較で劣後
財だと考えて貯蓄を増加させるものだとは考えがたい。
30
対外不均衡の趨勢的部分と循環的部分に分ける
•
•
•
•
•
前半で提示したSTBRとは、長期的に対外ポジションのGDP比率を一定に維持
する(STBR1)、あるいは対外ポジションを均衡化させる(STBR2)という対外制
約条件の下で、貿易収支比率がどれだけ収支均衡から乖離し得るかをGDP比
率で示したもの。 その乖離幅は想定された期間(本稿では20年間)に生じる所
得収支と対外ポジションから生じる評価損益の総額に依存している。
米国の場合、前掲図のE点より右方で無差別曲線が対外制約線と接している
ため、今期(長期のタイムスパン)の貿易赤字はSTBRが示す赤字の水準を中
心に振れていると考えられる。
貿易収支赤字比率の発散は事実上不可能である以上、短期・中期には貿易
収支比率はSTBRから乖離するものの、長期ではその水準に回帰する。
すなわち、STBRは小宮(1994)や松林(2010)の定義した趨勢的(あるいは構
造的)部分とは異なるものの、一定の諸条件の下で趨勢的に持続可能な貿易
収支比率であるという意味において、「趨勢的な貿易収支部分」と考えることが
できよう。
そこで貿易収支比率のSTBRからの乖離部分を説明変数とし、標準的に考え
られる循環的2要因(所得成長格差要因X1と実質実効為替相場要因X2)を説
明変数とした回帰分析を行い、有効な結果が出るか検証する。
31
回帰分析の変数の設定
•
•
対象期間:1989-2009
被説明変数、TB:四半期ベースの貿易収支(含む経常移転収支)の名目GDP比率
-STBR2
(STBR1でも回帰した結果、僅かながらSTBR2を使った場合の方が回帰結果が良かった)
•
説明変数X1(所得成長率要因):g /g
usa
g
:米国の実質内需(GDP-純輸出)成長率/米国の実質潜在成長率
f
g :貿易相手諸国の実質GDP成長率/貿易相手諸国の実質潜在成長率
貿易相手諸国:FRBが貿易ウエイトで作成するドル実効相場指数(broad)の26
の国と地域のうち、ウエイトの大きい9つの国と地域(全体の75~80%占める)
潜在成長率:10年単位のGDP成長率実績値の平均値
•
説明変数X2(為替相場要因):e/e
-1
e:FRBの公表する実質実効ドル相場指数(broad)(四半期ベース)
average
e
:上記指数の前後5年(計10年)の移動平均
米国の為替相場の変化と貿易収支の変化の間に観測されるタイムラグとして8
期(2年間)のタイムラグを設定
usa
f
average
X1、X2ともにAugmented Dickey-Fuller検定、並びにPhillips-Perron検定の双方、あるいはいずれかで5
32
%以内ベースで単位根を持つ(非定常)可能性が棄却できている。
所得成長率要因(変数X1)と為替相場要因(変数X2)の推移
33
回帰結果
被説明変数を「貿易収支-STBR2」に設定した方が、回帰結果が向上
回帰結果その1:被説明変数は貿易収支比率-STBR2、→推計値その1
変数
期間
観測数
2変数
1989-2009
84
重相関 R
0.7276
重決定係数
R2
0.5294
補正 R2
0.5178
標準誤差
0.009546
推計値
係数
標準誤差
p値
t値
定数項
0.209626
0.062948
3.330160
0.001309
X1
-0.213833
0.063040
-3.392003
0.001075
X2
-0.203503
0.023020
-8.840255
1.64E-13
定数項
-0.316089
0.091798
-3.443325
0.000912
X1
0.2797462
0.091933
3.042947
0.003158
X2
-0.266737
0.03357
-7.94558
9.62E-12
回帰結果その2:被説明変数は貿易収支比率、→推計値その2
2変数
推計値
1980-2009
84
0.6842
0.4681
0.4550
0.013921
想定と正負が逆
34
推計値の比較
35
ベクトル自己回帰(VAR)モデルによる分析結果(インパルス反応)
変数の設定は前掲その1と全く同じ X1とX2に2標準偏差の変化が生じた場合のTBの変
化の方向は前掲回帰分析その1と同様の結果を得た。 ↓
TB,X1,X2のグレンジャー因果関係
の計測結果:
X1→TB, X2→TBという方向の関係性
が確認できる。想定通り。
グレジャー因果関係がないという帰無仮説が
成り立つ確率は1%未満
同時により低い信頼度において
TB→X1, TB→X2という逆方向の関係
性も見られた。変数間の関係性がある
程度は双方向的である可能性を示唆。
実際、理論モデルの示唆するところは、
短期・中期ではX2→TB、長期では
TB→X2である。
なお、X1とX2の間では関係性は見られ
なかった。
36
Congressional Budget Office 2005, “Why does US Investment Abroad Earn Higher Return than Foreign Investment in
the United States?”, Economic and Budget Issue Brief, Nov.30 2005 p.3
参考文献Ⅰ
Francis E. Warnock and Veronica C. Warnock (2005), “International Capital Flows and U.S. Interest Rates,” Board of
Governors of Federal Reserve System, International Finance Discussion Paper No. 840.p.3
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Gourinchas, Pierr-Olivier and Helene, Rey “From World Bankers to World venture Capitalist, U.S. External Adjustment
and the Exorbitant Privilege ” NBER Conference in G7 Current Account Imbalances, 2007 p.11
Gourinchas, Pierr-Olivier and Helene, Rey “International Financial Adjustment” Journal of Political Economy, 2007
vol.115, no.4 p.665
Juann H. Hung and Angelo Mascaro, Return on Cross-Border Investment : Why Does U.S. Investment Abroad Do
Better?
CBO Technical Paper 2004-17 (December 2004)
McKinsey & Company(2008), “Mapping Global Capital Markets, Fourth Annual Report, Jan.2008”
Paul R. Krugman “Is the Strong Dollar Sustainable?” National Bureau of Economic Research working paper No.1644,
1985 p.19
Paul R. Krugman “Exchange –Rate Instability” Massachusetts Institute of Technology,1989 (邦訳、伊藤隆敏「為替レ
ートの謎を解く」東洋経済新報社、1990 年 p.134)
Phil Garton “Asymmetric Investment Returns and the Sustainability of US External Imbalance”
Treasury Working Paper 2007-1 Feb.2007 p.6
Stephanie E. Curcuru, Tomas Dvorak, Francis E. Warnock: “Cross-border Returns Differentials” Working Paper 13768
NBER February 2008. P.2-5
小川英治、工藤健「アメリカへの資金流入の変化と世界経済への影響」アメリカ経済研究会提出論文、財務省財務総
合政策研究所、2004 年
竹中正治「21 世紀型複合金融危機の教訓」政策研究フォーラム「改革者」2008 年 12 月
竹中正治「米国が金融危機に襲われてもドルが暴落しない理由」毎日新聞社「エコノミスト」2008 年 12 月臨
時増刊号 p.72-73
37
参考文献Ⅱ
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Journal of Political Economy, 115(4), 2007a, pp.665-703
Gourinchas, Pierre-Olivier, and Helene Rey, “From World Banker to World Venture
Capitalist: US External Adjustment and the Exorbitant Privilege,” in R.H. Clarida, ed.
G7 Current Account Imbalances: Sustainability and Adjustment, The University of
Chicago Press, 2007b, pp.11-55
Pole Krugman “Has The Adjustment Process Worked?” 1991
邦訳ポール・クルーグマン、林康史&河野龍太郎訳「通貨政策の経済学」1998 年、東洋
経済新報社、p.119-122
小宮隆太郎「貿易黒字・赤字の経済学」東洋経済新報社、1994 年、p.111-144, p.145-248, p.177,
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2009 年
竹中正治「グローバル・インバランスとドル基軸通貨体制の行方」日本総合研究所 Business
& Economic Review、2010 年 2 月号
竹中正治「米国の経常収支不均衡の趨勢的シフトとその要因」(財)国際通貨研究所、国際経
済金融論考、2010 年第 3 号、2010 年 9 月
萩原景子「経常収支不均衡の調整過程:近年の理論的分析の展望」日本銀行金融研究所、
「金
融研究」2008 年 12 月 p.90-92
松林洋一「対外不均衡とマクロ経済」東洋経済新報社、2010 年、pp.215-264
38