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J A PA N VA C U U M I N D U S T R Y A S S O C I AT I O N
JVIA新環境自主行動計画2011
JVIA New Voluntary Action Plan on the Environment 2011
2002
環境委員会
Doc.No.735B11201 Rev.0
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目次
1.はじめに
2. 2002年度版の評価
2-1 計画時の背景(設定項目、目標値の根拠)
2-2 達成度
① CO2排出量
② 産業廃棄物最終処分量
③ EMSの普及
2-3 評価
2-4 今後の提言
3.
3-1
3-2
3-3
2011年度版の策定
新設定項目
設定項目、目標値の根拠
目標達成への施策
4.おわりに
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1.はじめに
日本真空工業会(JVIA)は、真空機器の製造・販売・アフター
を通じて,開発・生産・流通・保全・廃棄にわたる環境保全活動
に取り組み,循環型・低炭素社会の形成に貢献することを社会
的使命と考えています。
2002年には、会員企業の環境活動の推進・啓発を図るため,
「JVIA環境自主行動計画」を掲げ日々活動してきました。
本編では,上記計画の実施結果を総括して問題点を明確にし,
あわせて今後の世界、国内、産業界など総合的な情勢を見つつ,
新たな中期計画として「JVIA新環境自主行動計画2011」の策
定を行いました。
本計画をもとに,会員各社の環境活動がいっそう促進されること
を期待します。
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2.2002年度版の評価
2-1 計画時の背景(設定項目、目標値の根拠)
1) 設定項目と目標値
① 地球温暖化対策
2010年度にCO2排出量を1990年レベル以下に抑制する。
② 産業廃棄物削減対策
2010年度に産業廃棄物最終処分量を2000年度の25%以下とする。
③ 環境マネジメントシステム
EMS導入による環境問題の自主的取り組みと継続的改善の啓発
を行う。
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2) 項目の選定と目標値の根拠
・項目の選定理由
21世紀に入り,地球温暖化に伴う気温の上昇により,熱波・砂漠化・
大干ばつ・海面の上昇・食物の不作など,予想を超えた被害が発生し
てきている。
また,有害化学物質による環境汚染・食物汚染が進み,未来の世代
を担う子供たちの安全と,地球上の動植物の存続が脅かされている。
EMS導入については,会員会社の環境活動の推進には欠かせない
手法になると考え推奨した。
・目標値の根拠
CO2排出量については経団連を参考とし,基準年,目標値とも
同じ値とした。
産業廃棄物最終処分量については,基準年度は異なるものの
(経団連:1990年度,JVIA:2000年度),経団連の値を勘案
して目標値を決定した。
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2-2 達成度
① CO2排出量
1990年度(基準年度)に対して,2009年度時点で+102%となっており,
2010年度は景気の若干の好転により,多少増加するものと予想する。
全エネルギー換算CO 2 排出量と売上高原単位
120,000
40.95
100,000
売上高原単位 (t-CO2/億円)
46.08
45.66
45
38.83
40
CO 2 排出量(t)
33.07
35
80,000
26.28
30
60,000
106,003
114,223
25
103,704
101,665
20
82,715
40,000
20,000
50
15
10
40,868
売上高原単位(t‐CO 2 /億円)
CO2排出量 (t)
5
0
0
1990
2005
2006
2007
2008
2009
年度
2001年度の購入電力によるCO2排出量は、前年度比約1万t(5%)減少しました。
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2000年度(基準年度)に対して,2009年度時点で19%と
なっており,目標の25%以下をすでに達成している。
2010年度は多少の増加はあるものの,25%以下を維持す
るものと予想する。
② 産業廃棄物最終処分量
(ton)
汚泥
18000
16000
14000
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
廃油
目標値
金属くず
廃液(酸・アルカリ)
ガラスくず
木材・木くず
度
09
年
度
08
年
度
07
年
度
06
年
度
05
年
度
04
年
度
03
年
度
年
02
01
年
度
紙・段ボール
度
年
00
廃プラ
その他
全体
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20
20
20
20
20
20
20
20
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2001年度の購入電力によるCO2排出量は、前年度比約1万t(5%)減少しました。
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③ 環境マネジメントシステム(EMS)の導入
導入率
(%)
1997年度で10%程度であったEMS導入率が,2009年度では
81%となっている。(アンケート回答53社中,43社が導入済)
導入率(%)
100
100
50
50
0
0
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
年度
年度
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2-3 評価
① CO2排出量
(0.4kg-CO2/kWhとして計算)
絶対排出量 :1990年度 40,868ton→2009年度 82,715ton
約2.0倍
売上高原単位: 同 26.28千Kwh/億円→ 同
45.66千Kwh/億円 約1.7倍
目標値の1990年度レベル以下にはほど遠い結果となっている。
半導体、液晶関連業界において,真空機器の大幅な使用拡大があり,絶対排出量の増加は
やむおえない部分もあるが,売上高原単位でも1.7倍と増加しているのは,会員各社の
CO2削減への取り組み,工夫等が不十分であり,また啓発活動も不足していたと言える。
② 産業廃棄物最終処分量
絶対排出量 :2000年度 17,192ton→2009年度 3,237ton 基準年の約19%
、 目標値の2000年度の25%以下を達成し,本目標については会員各社の資源のリサイ
クルの促進等の企業努力により,十分な成果が得られた。
③ 環境マネジメントシステム(EMS)の導入
EMS導入率
:1997年度 10% → 2009年度 81%
本件に関しても,会員会社の導入努力と毎年発行の環境活動報告書等の啓発活動もあり,
2001年度の廃棄物処分量は、前年度比約1,600t(20%)増加しました。
毎年導入率は着実に増加し,目標は達成されたと言える。
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2-4 今後の提言
1)設定項目と目標値
CO2排出量は達成できなかったものの,他の2項目の達成は,JVIA会員各社の
環境問題への真剣な取り組みの成果である。
今後も世界,国内,経済界とも連携して,本「新環境自主行動計画」のような中期
計画を継続して立て,適切な設定項目と目標値を掲げていくことが重要である。
2)目標値未達成項目のフォロー
計画途中で未達成の事実と今後の予測値を会員各社に伝え,対策を促す必要が
ある。具体的には,毎年の環境活動報告書において問題点を明記して改善を促し,
また経営トップへも,対策の早期着手を促す等の活動が必要である。
3)具体策の提示
改善を促すには,より具体的な施策の提案が必要である。もちろん今回の新計画
にも提示し,さらにはセミナー等で,会員各社の有用な施策を紹介し,即展開可能な
アイデア,少しの投資は必要だが2~3年後には成果がでるもの等の情報をいち早く
伝え,全体のレベルアップにつなげることが必要である。
また,常に異業種の情報収集にも努め,役立つ内容の伝達,展開を図ることも重要
である。
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3.2011年度版の策定
3-1 新設定項目
1) 設定項目と目標値
① 地球温暖化対策
2020年度にCO2排出量を2005年度比30%削減する。
(106,000ton → 74,200ton) (0.4kg-CO2/kWhの場合)
② 産業廃棄物削減
2020年度に産業廃棄物最終処分量を2000年度の10%以下とする。
(17,192ton → 1,700ton)
③ 有害化学物質の管理
各種規制、規則(RoHs,REACH,PFOSなど)の遵守により,
JVIAとして管理に努める。
*上記の設定項目と目標値については,今後10年の世界,国内の各種情勢の変化をみつつ、
見直しの必要性があれば適宜行っていくものとする。
2002年度は、取得済み企業を含め、70%の企業がISO14001へ認証取得を検討しています。
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主3項目と関連マター
代替フロン等3ガス対策
地球温暖化対策
京都メカニズム
クレジットの活用
CO2排出量削減
LCA、エコデザイン
再生可能エネルギー推進
(太陽光、風力など)
生物多様性の保全
グリーン調達
産業廃棄物削減
廃棄物リサイクル率向上
(90%以上)
製品の再利用、再資源化
有害化学物質管
理RoHS,REACH,
PFOSなど
各種規制,規則の遵守
水資源の保護
汚染物質の管理
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3-2 設定項目、目標値の根拠
・項目の選定理由
現在から未来を通じ,環境問題の最大のテーマは,地球温暖化対策と有害化学
物質規制である。
地球温暖化はこの10年でさらに進行し,氷山融解,亜熱帯化の現象が顕著に
見られるようになっている。また,有害化学物質による環境汚染・食物汚染も,特
に対策が不十分である途上国で進行しており,汚染の広がりをみせている。
この2点の問題は,生物多様性にも悪影響を与えており,地球上の動植物の存
続が脅かされている。
以上より設定項目としては,まず地球温暖化対策として,引き続きCO2排出量
削減を掲げた。
また,有害化学物質規制についても,廃棄物の管理という観点から引き続き
数値の追える産業廃棄物最終処分量を掲げた。
さらに各種規制,規則を遵守することで,JVIAとして有害化学物質の管理を行って
いくというメッセージを掲げた。
・目標値の根拠
CO2排出量については,世界,国内,産業界の動向を鑑み,また会員各社の
実現可能な目標値として,2005年度を基準年とし,2020年度に30%削減とした。
産業廃棄物最終処分量については,2010年にJVIAが達成した2000年度の
25%以下をさらに押し進め,2000年度を基準年とし,2020年度に10%以下とした。
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◆世界、国内、産業界のCO2排出量削減目標
国、団体、企業
海外
企業
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2020年 削減目標
EU
1990
20~30%
ロシア
1990
20~25%
豪州
2000
5~25%
ニュージーランド
2000
10~20%
アメリカ
2005
17%
中国
2005
GDP比
40~45%
インド
2005
GDP比
20~25%
カナダ
2006
20%
1990 (2005)
25% (30%)
A社
1990
30%
B社
2012
2025年に10%
C社
2005
15%
D社
2005
自社ライフサイクル全体の 30%
E社
毎年
日本
国内
基準年
経団連→各業界団体で
設定
4700ton
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3-3 目標達成への施策
① CO2排出量削減
・工場生産設備の断電を含む省電力化
・同上の各ユーティリティ(水,空調等)の省力化
・再生可能エネルギーの導入推進
(太陽光,太陽熱,風力,ヒートポンプ,バイオ燃料など)
・屋根や壁への断熱塗装、屋上緑化による省エネ化
・EV車,LED照明の導入
・代替フロン等3ガス(HFCs・PFCs・SF6)を使用する機器・洗浄システム
の対策(温暖化係数の低いガスに変更または除害装置の設置等)
・事務所内OA機器の省エネ化
・輸送手段の変更(トラックから鉄道へ)
・京都メカニズムクレジット(CO2排出量取引)の活用
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② 産業廃棄物処分量削減
・分別回収の徹底
廃棄物のリサイクル率を90%以上に
・使用済製品の再利用、再資源化
・製品の長寿命化設計
・製品,部品の通い箱使用
・廃棄物処理時の省エネ化,CO2排出量低減化
③ 有害化学物質の管理
・各種規制,規則(RoHS,REACH,PFOSなど)の遵守に向け,
1)各種規制,規則の内容の理解度向上
2)対応組織の構築
3)必要最小限のドキュメント作成要領の情報入手
4)ドキュメントのデータベース化
を順次進める必要があり,JVIAとしても支援していく。
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④ 製品の環境負荷低減
①では生産設備のCO2排出量削減の施策であるが、製品自体の
環境負荷低減も重要なマターであり、下記の推進を行う。
・LCA,エコデザインを考慮した製品,部品の製造
(例:真空ポンプおよび真空機装置の低消費電力化,待機電力の削減)
・グリーン調達の徹底
⑤ 生物多様性の保全
地球温暖化と有害化学物質汚染は,生物多様性にも著しく悪影響を
与えており,我々や未来の世代を担う子供たちの安全と,地球上の
動植物の存続のために,生物多様性の保全を推進する。
・事業活動:動植物の乱獲防止,水資源の保護,汚染物質の徹底管理
・啓発活動:企業,学校,地域社会などへの教育
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4.おわりに
私たちが作り出す真空は,現在世界が推進している太陽光発電の製造装置をはじめ,
半導体・家電・自動車・医療など多くの分野で役立っています。
また,保温・断熱などの省エネルギー効果が大きく,酸化・腐敗防止による省資源化お
よび資源の延命化にもつながり,その応用技術は地球環境保全に大きく貢献しています。
今回策定しました「JVIA新環境自主行動計画2011」は,その貢献度をさらにアップさ
せていくための指針となるものです。けっして達成容易な目標値ではありませんが,真剣
かつ早急な環境対策が必須であるなか,JVIAとして達成していくのは大きな責務である
と同時に,他の産業界のリード役となるよう努力すべきものと考えています。
達成に向け,CO2排出量削減,廃棄物削減,有害化学物質管理のための有効な施策
や政府関連(経済産業省、環境省)の情報など,必要情報を適宜提供し,啓発活動を推
進して参ります。
会員各社におかれましても厳しい経営状況はしばらく続くと予想されますが,この
新計画の目標値についても,是非達成されるよう努力していただきたいと思います。
今後ともJVIA環境活動に皆様の一層のご協力とご支援をお願い申し上げます。
日本真空工業会
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