魅せる実験の探索 -定時制高校における物理実験の試みから- Exploring How to be Inspired - Trial in the Physics Experiment at Night High School - 第40回 物理教育研究集会 2011.11.26.Sat 於 ハービスOSAKAオフィスタワー8F 大阪府立成城高等学校Ⅲ部 燈下 将樹 研究の動機と解決への道筋 成城高校(夜間)の生徒は疲れている → 惹きつける授業の必要性 • 大阪市大村田研との連携 透明大型真空箱、真空ポンプを拝借 • 清風 豊田先生に実験手法を学ぶ 高速度カメラ、プロジェクタの購入 今日の目次 1.水の減圧沸騰の実験 2.高速度カメラとプロジェクターによる 放物運動の解析 3.まとめと今後の展望 1.水の減圧沸騰の実験 ~水の状態図の理解のために~ 水の状態図(常温常圧付近) 固相線は難しそうなので、 液相線の作成からアプローチ 減圧・降温により、 0℃~100℃の範囲を追いかけた 1.水の減圧沸騰の実験 ~実験の様子~ アクリル製 透明大型減圧箱 湯を入れた 断熱容器 ベローズ型 圧力計 真空ポンプ 突沸したときの 圧力と温度を計測 1.水の減圧沸騰の実験 ~実験の概念図~ 1 気圧 圧 力 水 氷 水蒸気 突沸、温度圧力 記録点 0℃ • • • 温度 100 ℃ 一回数分の減圧の過程で6,7点のデータ。 繰り返し実験が容易。 突然沸騰する様子が生徒の興味を惹く。 1.水の減圧沸騰の実験 ~実験の結果~ 1.0 Vapor Pressure Curve Water Pressure (atm) 0.8 Gas 0.6 Wagner Eq. Measuring Point 0.4 Liquid 0.2 0 0 20 40 60 80 100 Teperature (℃) 文献値とおおよそ一致 2.高速度カメラとプロジェクターによる 放物運動の解析 実験の手法① ~撮影~ 参考文献 豊田將章, “ビデオ映像を使った放物運動の解析”, 大阪府高等学校理化教育研究会 第5回物理研究委員会, 2010. 2.高速度カメラとプロジェクターによる 放物運動の解析 実験の手法② ~運動をプロットする~ ホワイトボードにプロット プロジェクタで投影 カメラをコマ送り 2.高速度カメラとプロジェクターによる 放物運動の解析 ~実験の結果~ この部分の解析結果 (速さの様子について) X方向(水平方向) Y方向(縦方向) 100.00 70.00 50.00 60.00 50.00 0.00 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 -50.00 40.00 Y方向(縦方… X方向(水… 30.00 20.00 -100.00 -150.00 10.00 0.00 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 重力加速度と空気抵抗について 速度の1次まで考えると、水平方向の運動方程式は 解は まず空気抵抗を求めてから重力加速度が求められ る。 → 今後の課題 3.まとめと今後の展望 1.水の減圧沸騰の実験について ・ WagnerEq.の結果におおよそ一致 ・ 一回、数分の実験で6,7点のデータが取れ、繰り返しも容易 ・ 湯が突然沸騰する様子に生徒の興味 ・ 状態変化と状態図の科学的イメージ、それらの関係の理解 今後 アクリル製大型減圧箱の製作 2.高速度カメラとプロジェクタによる放物運動の解析 ・ ピンポン玉の放物運動のコマ送りに生徒の興味 ・ 軌跡の記録の反復から運動則を体得 ・ 生徒実験でも、水平方向の空気抵抗の検出精度 ・ 実験は短時間、結果も即明示、繰り返しも容易 今後 ピンポン玉をスーパーボール、テニスボールなどに代え、空気抵抗の 影響を観測する。 謝辞 大阪市立大学大学院理学研究科 超伝導物理学研究室 村田惠三 教授 横川敬一 客員研究員 清風学園 清風中学・高等学校 物理科 豊田將章 教諭 この研究は 財団法人武田科学振興財団 2009年度「高等学校理科教育振興奨励」 および 科学技術振興機構 「H22年度中高生の科学部活動振興事業」 の支援によって行われました。
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