重力波検出のための 40m帯域可変型干渉計

帯域可変型干渉計開発の現状
(計画研究カ)
第4回TAMAシンポジウム @大阪市立大学
2005年2月17日
川村静児
国立天文台
研究項目(1)

天文台の4mプロトタイプ実験
⇒K. Somiya, et al., “Development of a frequency-detuned
interferometer”, accepted by Appl. Opt.

天文台の偏光型干渉計実験
⇒P. Beyersdorf, et al., “A prototype power-recycled RSE
interferometer using polarization detection”, accepted by
Appl. Opt.

帯域可変型干渉計の量子雑音
⇒K. Somiya, “Photodetection method using unbalanced
sidebands for squeezed quantum noise in a gravitational
wave interferometer”, Phys. Rev. D 67, 122001 (2003)
研究項目(2)

量子雑音の低減実験
⇒阪田紫帆理(ポスター)

信号取得法の最適化
⇒宗宮健太郎、川添史子、苔山圭以子(ポスター)

Caltech40mプロトタイプ実験(共同研究)
⇒本トーク
40m干渉計 @Caltech
 Advanced LIGO (及びLCGT、その他)の
ための帯域可変型干渉計のプロトタイプ
 目標
シグナル取得方式の確立
ロック・アクイジション方法の確立
その他
 世界のプロジェクトとの協力
(ビジター:TAMA,GEO,VIRGO,ACIGA)
“ほとんど”
ロックした!
帯域可変型干渉計
 パワー・リサイクルド・ファブリペロー・マイケルソン干渉計にシグナル・エク
ストラクション・ミラー(SEM)を追加
 SEMにより重力波信号を腕共振器内でキャンセルする前に抜き出す
 SEMをディチューンすることにより狭帯域で高感度化(LCGTはディチューン
しない)
パワーリサイクルド・
ファブリペロー・
マイケルソン干渉計
キャリアー
レーザー
重力波信号
SEM
RSE干渉計の5つの自由度
ETMy
L=( Lx Ly)/2
L= Lx Ly
l=( lx ly)/2
パワー・リサイクリング・キャビティー(PRC)長:
l = lx ly
マイケルソン差動:
シグナル・エクストラクション・キャビティー(SEC)長: ls=( lsx lsy)/2
腕キャビティー同相:
腕キャビティー差動:
Ly
ITMy
レーザー
ly
PRM
lx
lsy
ITMx
ETMx
BS
lsx
SEM
Lx
信号取得法
 2つの位相変調(f1=33 MHz and f2=166 MHz)
 腕の信号(L+, L-)はシングル・デモジュレーション(SDM)で取得
 中心部の信号(l+, l- , ls )はダブル・デモジュレーション(DDM)で
取得(キャリアーの影響を避けるため)
キャリアー
ITMy
腕の長さ信号
f2U
f1U
CA
f1L
f2L
BS
ITMx
-f2
-f1
+f1
PRM
SRM
中心部の長さ信号
+f2
信号取得マトリックス
ETMy
Port
復調*
L
L
l
l
ls
SP
f1
1
-3.8E-9
-1.2E-3
-1.3E-6
-2.3E-6
AP
f2
-4.8E-9
1
1.2E-8
1.3E-3
-1.7E-8
SP
f1  f2
-1.7E-3
-3.0E-4
1
-3.2E-2
-1.0E-1
AP
f1  f2
-6.2E-4
1.5E-3
7.5E-1
1
7.1E-2
PO
f1  f2
3.6E-3
2.7E-3
4.6E-1
-2.3E-2
1
(POはセットアップの簡
便さのためここに設置)
PO
ITMy
レーザー
BS
PRM
SEM
SP
AP
ITMx
ETMx
ロック・アクイジションの方針
1.中心部のロック
(アームの自由度によって乱されないこと)
ETMy
ITMy
PRM
BS
2.アームのロック
ITMx
ITMy
(例)
ステップ2
ステップ1
ステップ3
PRM
BS
SEM
SEM
ステップ1:自由度1をロック(残りの2つの自由度によって乱されないこと)
ステップ2:自由度2をロック(残りの1つの自由度によって乱されないこと)
ステップ3:自由度3をロック
ITMx
ETMx
DDM@SPによる l+ エラー信号
lsとl-が最終的な動作点にいるときはきれいな信号だが・・・。
DDM@SPによる l+ エラー信号
lsとl-が最終的な動作点からずれると乱されてしまう。
⇒ ロックがキープできない!
マイケルソン機械変調復調
(ディザー)信号
1
ITMy
PO
BS
ITMx
PRM
レーザー
SEM
AP


~
1.2 kHz
LPF
LPF
LPF
VPO (VPO)’
VAP/VPOのl-に
関する微分信号
VAP
LPF
(VAP)’
(VAP )'VPO  VAP (VPO )'
VPO
2
マイケルソン・
ディザー信号
ディザーによる l- 信号
l+には全く依存しない!
中心部のロックに成功!
0.アームをブロック
1.機械変調復調法によりl-をロック
2.SDM@SPによりl+をロック
3.DDM@SPによりlsをロック
4.l-とl+のロックをDDMに切り替える
ロックの様子(1)
ITMy
BS
Carrier
ITMx
Unbalanced
166MHz
PRM
33MHz
DDM PD
DDM PD
OSA
SRM
DDM PD
Belongs to
next carrier
Belongs to
next carrier
ロックの様子(2)




アラインメントが取れていればDDMで直接
ロックする
アクイジションに要する時間:~10秒
最長ロック時間:2.5時間
中心部の制御ゲインやリミッターの最適化に
よりアームを開けても中心部のロックは数秒
持つ
腕のロック
DCロック:
1
 offset
T ransmitte
d power
を用いて片腕
ずつロック
Resonant Lock
DC Lock point
ロックの様子



両腕ともDC
ロック可能
オフセット付
PO復調ロック
に移行可能
オフセットをと
るとロックが落
ちる
Arm power
Xarm lock
Yarm lock
Error signal
Ideal lock
point
Offset lock
Offset lock
まとめと今後の予定
完全ロックまでもう一息
ロック後は各種キャラクタリゼーション、アウ
トプットモードクリーナ、DCリードアウトなど
を行なう