慶應テクノモール2005

嗅覚モデルに基づいた
香り呈示手法の研究開発
Okada Lab. EVE
研究背景
• 嗅覚情報を用いると、感性的・感覚
的な情報を伝えやすい
• 映像や音声とともに香りを利用する
ことによって臨場感を高める
映画のシーンに合わせて香り呈示
問題点
• 呈示したい嗅覚情報と受け手の感覚が不一致
– 次々と切り替わる香りを感じられない(残り香の影響)
– 長時間香りを感じていられない(順応効果)
研究目的
持続的な長時間呈示
時間
離散的な長時間呈示
時間
• 香りのパルス射出呈示による香料の少量化
• パルス射出に対する人間の嗅覚特性の測定
• 嗅覚モデルの構築
嗅覚モデルに基づき
受け手に合わせた香り呈示の実現
本研究は総務省,SCOPEの支援により行われました.
慶應義塾大学理工学部
岡田研究室 (26-205, 14-305)
門脇亜美([email protected])
佐藤淳太([email protected])
大津香織([email protected])
岡田謙一
芳香発生装置と
香りのパルス射出について
Okada Lab. EVE
芳香発生装置
主な特徴
① 射出制御時間
0,1秒単位(最小呈示時間:0.1秒)
② 射出量
256段階(pℓオーダー)
③ 風速
0.8m/s~1.8m/sの10段階
④ 香料の種類
12種類
全体図
香りのパルス射出
微小時間(0.1秒)での香り呈示
メリット
• 香料の少量化により空間に香りが残らない
– 次々と切り替わる香りを感じられる
• 離散的に刺激を与えることにより、順応効果を軽減
– 長時間香りを感じていられる
パルス射出に対する嗅覚特性の測定
•
•
•
•
パルス射出の最小時間:0.1秒
検知閾値、認知閾値
分離2点閾値(2回のパルス射出を区別できる時間間隔):1.2秒
毎吸気において1回のパルス呈示により連続的に香りを感じる
呼吸と同期した香り呈示
Okada Lab. EVE
a) 呼吸センサ c) 芳香発生装置
A/D
コンバータ
&
電気回路
b) 制御PC
サーミスタ
呼吸同期の必要性
• パルス射出と呼吸のタイミングを合わせることが重要
– 人間は吸気のみで香りを感じる
呼吸センサの導入
a) 呼吸センサで鼻息の温度変化をセンシング
– サーミスタを使用して温度差より息の吸い始めを検出
b) 制御PCで呼吸情報を0.1秒ごとに取得し、香り呈示信号を送信
c) 芳香発生装置は信号を受け、香りのパルス呈示
しかし
センサを常に装着しているのは実用的でない
呼吸センサをつけない香り呈示手法の構築
パルス射出のインターバル⊿tの決定
⊿t
⊿tの条件
• 連続的に香りを感じる
• できる限り射出量を抑える
⊿t = 吸気時間全体の66.7%
呼気
(吸気開始から香りを認知できるまでの時間)
吸気
パルス射出のインターバルを⊿tにすれば
毎呼吸で嗅覚情報を与えることが可能