6-1 ERP統合パッケージを 用いたシステム開発

6-1
ERP統合パッケージを
用いたシステム開発
ERP統合パッケージとは

ERP(Enterprise Resource Planning)
「企業資源管理」という意味で、企業のあ
らゆる経営資源を統合的にリアルタイムで
管理することが目的。

ERP統合パッケージ
ERPを取り入れたパッケージソフトウェア
ERP統合パッケージを導入してできること
ERP統合パッケージ
・・・意思決定の判断材料を提供するだけ
全社的な業務改革が必要不可欠
合理化投資ではなく戦略投資
ERP統合パッケージの導入手順(1)

ERP統合パッケージ導入の方法論
1. ERP統合パッケージの標準機能を前提に、分
析・設計工程を進める。
2.現状分析・新システムの要件を基本に、 ERP統
合パッケージへの実装を検討する。
ERP統合パッケージの導入手順(2)

フィット&ギャップ分析
「適合部分(フィット)」と「乖離部分(ギャッ
プ)」を調べる分析作業のこと。
開発に着手する前に、修正や追加開発
が必要な機能を洗い出しすることが目的。

業務設計
新しい業務プロセスをERP統合パッケージで
具体的な仕組みに設計する

システム開発
標準機能を利用する部分は、システムパラ
メータを用いて可変部分を実装する。
システム全体の検証が終わればシステム
開発は完了する。
ERP統合パッケージの導入効果
ERP統合パッケージの選択
<ERP統合パッケージの選択のポイント>
 パッケージの機能、特性
 パッケージ導入コスト、稼動実績、社会評価
 パッケージ提供会社、支援開発会社の体制、
信頼性、将来性
 導入ハードウェア・ネットワーク等環境での性能確認
 システムの追加機能開発の可否と方法
 システムの拡張性、保守性
 他社パッケージとの親和性
導入上の留意点
ERP統合パッケージ導入の目的・範囲の
明確化
 利用部門主体のプロジェクト体制
 上流工程の分析、システム設計に重点を置く
 関連システムとのインタフェース設計
 データ移行設計

6-2
オブジェクト指向
システム分析、設計
オブジェクト指向とは
オブジェクト指向=
データと手続きをひとかたまりにした「もの
(オブジェクト)」を単位としてソフトウェアを構
成
オブジェクト指向の適用範囲

システム開発の全般にわたる
 オブジェクト指向分析
 オブジェクト指向設計
 オブジェクト指向プログラミング
 オブジェクト指向データベース
 オブジェクト指向言語
オブジェクト指向での
システム分析設計
システム化要求
システム分析
システム設計
実装
オブジェクト指向によるシステム分析

ユーザからのシステム化要求の情報収集を
行い、システムの要件定義をしていく

UML(Unified Modeling Language )を用いるの
が一般的
オブジェクト指向によるシステム設計

オブジェクト指向によるシステム設計はシステ
ム分析と同様にUMLを用いる

画面設計、ヒューマンインタフェース設計、入
出力データに関する設計など、オブジェクト指
向の範囲外のシステム設計も適宜行う
UMLとは

UML(Unified Modeling Language )
 オブジェクト指向でのシステム開発のモデリング
における業界標準の表記法
 モデルの表記法であり、システム開発の方法論
ではない
オブジェクト指向技術の展開

現在のシステム開発において、オブジェクト
指向関連の技術は必要不可欠

基本概念として、オブジェクト指向はSEに
とっても必須の知識となる
6-3
Web技術を用いた
システム開発
Webコンピューティングとは

ユーザインターフェースとして、インターネット
上のWebブラウザを利用したシステムをWeb
コンピューティングと呼ぶ。

企業内向けのイントラネットや企業間のエク
ストラネットもWebコンピューティングの応用
例になる。
Webコンピューティングとは
<Webコンピューティングのメリット>
1.適用できる範囲が広い
2.操作が簡便
3.メンテナンスが容易
Webコンピューティングによる
システム開発(1)

Webコンピューティングでは、クライアント側
に必要なのは基本的にWebブラウザだけで
ある。
Webコンピューティングによる
システム開発(2)

サーバ側にはWebサーバのほかに各種処理
を実行するアプリケーションサーバやデータ
を格納するデータベースサーバが必要。

小規模なシステムで同時にアクセスするユー
ザ数が少なければ、1台のサーバですべての
機能をまかなうこともできる。
Webコンピューティングによる
システム開発(3)
<Webコンピューティングによるシステム開発の課題>

使いかってを左右する応答時間を保証するのが難しい

Webブラウザのユーザインターフェースが貧弱

既存のクライアント/サーバ型のシステムをそのまま移行
できない
Webサービス

システム開発の生産性を高める方法のひと
つに、ソフトウェアの再利用の考え方がある。

2000年から2001年にかけて新しく提唱され、
世界的な標準技術として注目を浴びているの
がWebサービスである。
Webサービス

Webサービスでは、その名が示すように
「サービス」を再利用する。

Webサービスはインターネットを介して、異な
る場所や環境で動作するソフトウェアを動的
に連動させる技術である。
Webサービスの技術(1)

Webサービスは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)、XML(Extensible MarkupLanguage)などすでに確立されているWeb技
術をベースに、次に示す3つの基本的なアー
キテクチャを技術標準としている。
Webサービスの技術(2)
<3つの基本的なアーキテクチャ>
1.SOAP(Simple Object Access Protocol):
サービスへの接続
2.UDDI(Universal Description,Discovery,
and Integration):サービスの検索・発見
3.WSDL(Web Service Description Language):サービスの記述
6-4 XP(エクストリーム・
プログラミング)
を用いたシステム開発
XP(Xtreme Programming)とは

注目を集めている新しいシステム開発の
スタイル

柔軟で拡張性のあるシステムを迅速に開発
するための手法

少人数の技術者がコミュニケーションを密に
して優先度の高い作業から全てを短期間で
行う
XPの特長(1)
最初からリスクや変化を受け入れるため
<4つの価値観>
1.コミュニケーション(Communication)
2.単純さ(Simplicity)
3.フィードバック(Feedback)
4.勇気(Courage)
XPの特徴(3)
単純さ(Simplicity)

“Simple is best”

ユーザが本当に必要としていることを短期間
に完成させる
XPの特徴(4)
フィードバック(Feedback)

常に最新の情報をフィードバックする

その都度細かく修正作業を行う
XPの特徴(5)
勇気(Courage)

コミュニケーション+単純さ+フィードバック
=勇気

自信を持って困難なシステムに立ち向かっ
ていく
XPによるシステム開発サイクル
12のプラクティス実施(1)

XPでは12のプラクティスを実施する

プラクティスには管理的なものと、技術的な
実施項目がある

すべてのプラクティスを実施したときに最大
の効果を発揮する
12のプラクティス実施(2)
<12のプラクティス>
1.計画ゲーム (The Planning Game)
2.小さなリリース (Small releases)
3.メタファ (Metaphor)
4.シンプルデザイン (Simple design)
5.テスティング (Testing)
6.リファクタリング (Refactoring)
12のプラクティス実施(3)
7.ペアプログラミング (Pair programming)
8.共同所有 (Collective ownership)
9.継続的インテグレーション
(Continuous integration)
10.週40時間労働 (40-hour week)
11.オンサイト顧客 (On-site customer)
12.コーディング標準 (Coding standard)
XPが目指すもの

無駄を省き、官僚的な管理はしない

最も重要なのはチームワーク

フラットな関係の開発チーム

ユーザにとって価値があり、必ず動くシステム
を短期間に開発する
6-5
システム自動開発
ツール GeneXus
システム自動開発ツール
GeneXusとは(1)
GeneXus
南米ウルグアイARTech社で開発された業務ア
プリケーション
 業務の純粋な知識に焦点をあてたツール
 要件定義の内容を業務知識として登録
⇒ GeneXusで作成されるプロトタイプ環境を用
いてユーザとの要件確認

システム自動開発ツール
GeneXusとは(2)
業務知識の登録内容
業務の処理
 帳票、レポートなど
の出力情報
 処理の手順
 作業パネル

Webオブジェクト
 メニュー
 データビュー
 スタイル
 データウェハウス
処理

システム自動開発ツール
GeneXusとは(3)
GeneXusシステム自動開発概念図
※システム要件定義の完成まで繰り返し
User
SE
「業務知識の登録」
システム設計
プログラム自動生成
プロトタイプでの
要件確認
プロットタイプ作成
業務アプリソフト制作
現状のシステム開発と
GeneXusでの開発(1)
現状システム開発の問題
システムテスト最終段階で発見される仕様確認
などによる仕様変更は問題解決に多大な工数
が発生
 ソフトウェア製作段階の継続中でもシステム仕
様は変動する
 システム仕様を無理に凍結すれば相対的に不
満足なシステム仕様のままシステム開発を進め
ることとなる

現状のシステム開発と
GeneXusでの開発(2)
GeneXusの開発手順
1.
2.
3.
4.
5.
ユーザの視点からみた「業務知識の登録」
業務アプリケーションの「プロトタイプ作成」
ユーザと「プロトタイプでの要件確認」
システム要件仕様の完成までの繰り返し
最後にプログラムを自動再生し、業務アプリ
ケーションのソフトウェアを製作
システム自動開発ツール
GeneXusの環境
GeneXusの環境
プラットフォーム:AS/400 UNIX
LINUX, Windows
 データベース: IBM DB2,Oracle
Informix, SQL server
 プログラム言語: RPG, COBOL
C/SQL, Visual Basic,
Visual For Pro,JAVA

システム開発へのインパクト


GeneXusを用いるとシステム開発全体を通した生産
性は公式数値として5倍向上
GeneXusを用いたシステム開発チームの構成規模は
最大でも5名程度、プログラマ不要