Fast Radio Bursts and Axion Stars 二松学舎大 岩崎愛一 Phys. Rev. D, (2015) hep-ph/1412.7825 高速電波バースト(Fast Radio Bursts ) パークス天文台(オーストラリア) 2007(1例)、2013(4例)、2014(2例) アレシボ天文台(プエリトリコ) 2014(1例) 電波振動数~1.4GHz 200 MHz , X線、ガンマ線はない (残光も見つかっていない) 持続時間~ミリ秒 発生頻度~ 103 / year in a galaxy 大きなDispersion measure( > 500pc/cm^3);0.3 < Z < 1 43 40 発生エネルギー~10 GeV ( ~ 10 erg ) 円偏光の存在 高速電波バーストの発生機構 暗黒物質(アクシオン星)と中性子星の衝突 アクシオン? あるいは アクシオン星? QCD(グル―オンの力学)におけるCPの破れを 救う対称性; Peccei-Quinn 対称性 の破れに伴う南部・ゴールドストーンボソン、 θ 宇宙初期1GeV 以上の温度では massless アクシオン 温度~1GeV で ポテンシャル(質量)項が発生 ~cos(θ) θ=0のまわりでコヒーレントな振動(運動量ゼロのモード) 因果的に結びついていない領域では、振動の位相は それぞれ異なる 時間が経ち、それぞれが因果的に結びつくと 空間的な密度揺らぎが発生 M a 1012 M sun 密度揺らぎが成長ー>アクシオン・ミニクラスター Kolb, Tkachev 1993, 1996 アクシオン・ミニクラスターがさらに凝縮ー>アクシオン星 アクシオン星 アクシオン星 = 重力で作られるボソン星 a f a , アクシオン場 ( 実数場) アクシオン星 1012 GeV fa ma 6 106 eV ma ; axion mass a a0 f a exp( r / Ra ) cos(ma t ) f a ; Breaking scale of Peccei-Quinn symmetry 2 5 10 km 10 eV 6 a0 0.9 10 Ra ma 2 Planck mass 半径 105 eV Ra 2 260km ma M a ma m 2 pl 2 M a アクシオン星 1012 M sun Ma の質量 アクシオン星 アクシオンの質量 理論のパラメーター アクシオン星の質量(半径) ma M a ( Ra ) 観測値から決まるもの アクシオン星が発する 電磁波の振動数 (観測値は、赤方偏移を 受ける) アクシオン星と中性子星の衝突頻度 ma ma 2.4GHz 5 2 10 eV 12 M a 10 M sun アクシオン星 1 a 軽い星(大きな半径) Ra m 2 2 m 2 2 2 2 aa V (a ) f a ma cos(a / f a ) f a ma , 2 for a f a 弱い重力 ds2 (1 ht )dt2 (1 hr )dr2 r 2 (d 2 sin d 2 ) ht , hr 1 固有モードで展開 a(t, r ) a( r ) cos( t ) a1 ( r ) cos(3 t ), , , ht ,r (t, r ) ht0,r ( r ) ht1,r ( r ) cos(2 t ), , , アクシオン星 アクシオン場の運動方程式( に関する固有値方程式) k2 1 2 2 r a(r ) r a ( r ) ma ( r )a ( r ) 2ma 2ma r 重力ポテンシャル 2 2 r 2 2 0 ( r ) 2 Gm a ( r ) / 2 h r a t /2 r k 2 ma2 2 , G 1/ m2pl アクシオン星の質量 時間平均 1 3 M a d x ( t a (t , r ))2 ( r a (t , r ))2 ma2a (t , r ) 2 2 d 3 x ma2a ( r ) 2 / 2 アクシオン星 アクシオン場の運動方程式( に関する固有値方程式) k2 1 a(r) 2ma 2ma 2 2 r r a ( r ) ma ( r )a ( r ) r k2 1 2 2 r Gma M a a(r) a(r ) r a ( r ) 2ma r r r 2ma a(r) exp(kr); k Ra1 Gma2 M a 10 eV Ra 2 260km ma M a ma m 2 pl k 2 ma2 ma 5 2 1012 M sun Ma アクシオン星と中性子星の衝突 仮定:ハローはアクシオン星の集まり 0.5 1024 g cm3 アクシオン星の数密度 na Ma 9 仮定:銀河あたりの中性子星の数 Nns 10 衝突断面積 S ( Ra Rns )2 1 2G 1.4M sun /(v2 ( Ra Rns )) 2 v 3 10 km / s, 仮定:相対速度 仮定:中性子星の質量・半径 M ns 1.4 M sun , Rns 10km アクシオン星と中性子星の衝突 銀河あたりの年間衝突頻度=バーストの頻度 Rcollison Rcollision na N ns S v 1 year 10 5 eV 10 12 M sun 10km 260km 12 ma M a M sun 3 10 10 10km 260km Ma アクシオン星の質量 と半径 Ra 2 10 km 2 M a 1012 M sun アクシオン・ミニクラスター の質量と一致 ! ! 磁場中のアクシオン星 電磁場とアクシオンの相互作用 2 2 2 a (t , r ) E B E B e 1 L k , k O(1) , f a 2 4 137 E :電場 B :磁場 ガウスの法則 解 E a(t, r)B / fa “電荷密度” E a(t, r)B / fa cos(mat ) アクシオン星上で、磁場に平行な振動する電場発生 Iwazaki 1997 (位相は、場所によらない) 電場の強さ 磁場 B 1010 G の下で 2 5 10 km 10 eV B 2 4 E 0.4 1eV ( 2 10 eV / cm) 10 Ra ma 10 G 2 中性子星大気中の電子が 3 コヒーレントな振動;電子数= ne 電子数密度×(波長)^3 105 eV 12cm ma コヒーレントな電磁波放射 放射エネルギーの大きな理由 大気中の電子数密度 10 22 cm3 中性子星大気からの電磁放射 双極子放射 振動数= 電場 E B ma 2 磁場 電子1つが放射するエネルギー 10 km 2e (eE ) 9 GeV w 0.7 10 2 s 3me Ra 2 電子の振動 磁場の影響なし 2 2 2 10 eV ma 5 2 B 10 10 G 2 N ne3 個の電子がコヒーレントに放射するエネルギー 105 eV 2 12cm ma ma w N 2 w ( ne3 )2 : ne (電子密度), 厚さd=0.1cmの大気からの放射 12 cm w N w ( ne d ) d 2 2 2 2 中性子星内部 d 0.1cm 大気 アクシオン星の中で、 中性子星大気からの電磁放射 電波放射 大気の 厚さ1mm 電波放射 中性子星 放射電波の周波数=アクシオンの質量 で 放射電波の周波数の測定で、 アクシオンの質量が決定できる。 中性子星大気からの電磁放射 領域(体積 2d )からの全放射エネルギー W w N 2 w ( ne2d )2 大気中の電子密度 ne 10 GeV s 22 3 10 cm 37 ne n0 exp(r / 0.1cm) 2 10 km Ra 2 4 n0 1024 cm3 10 eV ma 5 4 B 10 10 G 2 領域(体積 2d )に含まれるアクシオンのエネルギー 2 d 12 10 M sun 3 4 R a 3 d / v 0.1cm /(1010 cm / s) 1011 s 24 11 26 10 GeV W 10 s 10 GeV アクシオン星が領域( 2d )通過する 際の放射エネルギー 中性子星大気からの電磁放射 領域(体積 2d )に含まれるアクシオンのエネルギー アクシオン星が通過する際、領域からの放射エネルギー こちらの方が大きい 大気に接すると、接した部分のアクシオン星 のエネルギーはすべて電波放射 アクシオン星 全放射エネルギー 2 中性子星 10km 10 M sun 2 1043 GeV (1040 erg ) 10 km 12 中性子星大気からの電磁放射が 単色光でない理由 観測される振動数が幅を持つ理由 1.4GHz 200 MHz 中性子星とアクシオン星との衝突時の速度 M a 1012 M sun , Ra 200km M a M ns 速度 v1 2GM ns Rns Ra M ns 1.4 M sun , Rns 10km 速度 v2 2GM ns Rns 6.5 101 1.4 101 v1 ma 1 1 v12 2 ma 0.99 2 アクシオン星 v2 ma 2 1 v22 2 ma 0.76 2 中性子星の 静止系からの 見た電磁波の 振動数 観測される振動数の幅の比 (重力的、宇宙論的赤方偏移の影響なし) 観測される電波の振動数 最大値 最小値 1 2 1 2 2GM ns 1 Rns 2GM ns 1 Rns M ns 1.4 M sun , Rns 10km 0.13 この観測値から 2GMns / Rns が決まる flux 単色光でなく 観測される振動数に幅がある理由 2 1.2GHz 1 1.6GHz 振動数 高速電波バーストの持続時間 200km 中性子星 速度 アクシオン星 v ~ 100000km/s 中性子星の通過時間 200km/(100000km/s)=2ms 中性子星大気の透明さ 磁場 r Potekhin, Chabrier 2003 optical depth for transverse polarizations (free-free absorption) ( r ) dr ( r)ne (r) 1, 大気 r even for ne ( r 0) 1024 cm 3 r0 温度 10 K fully ionized hydrogen gas 5 中性子星内部 eB eB 10 10 eV , , for B 10 G me M p 5 大気が透明な理由 電波の振動数が、電子、陽子のサイクロトロン振動数より十分小さい 左 左 eB( r ) me 左 左 吸収 左 左 右 eB( r ) 右 me 円偏光 左 右 磁場 左 磁場 磁場 中性子星 サイクロトロン共鳴 ma eB( r ) 2 me at r~3000km 共鳴条件が満たされるところで 右偏光の吸収; B 103 G 10km B 10 G r 10 右偏光と左偏光で吸収率が異なる ので、電波に偏光が生まれる 3 結論 高速電波バーストが、暗黒物質である アクシオン星と中性子星の衝突で発生 観測される電波の振動数からアクシオン の質量が決定される 電波バーストの発生頻度から アクシオン星の質量が決定される アクシオン・ ミニクラスター の質量と一致 バーストの持続時間、全エネルギー、円偏光 の存在、残光ないこと等観測値を説明しうる 重力的、宇宙論的赤方偏移 M ns 1.4 M sun , Rns 10km 中性子星の重力 知ることができれば 1 2GM ns 0.76 Rns 2GM ns 0 1 0.760 , 0 中性子星表面での振動数 Rns 2GM ns 振動数高い、 低い 宇宙膨張 0 1 Rns 0.760 0 1 , 2 observed 1 z 1 z 1 z 例えば FRB 110220, Zが決まれば、Z=0.8 1 observed 0.761 1.6GHz 1 0.8 1 0.8 5 Axion mass ma 21 1.6 10 eV 実際の衝突 flux 2 observed エネルギー保存 1 observed 2 observed 衝突始めの速度 b2 b1 V1 0 1 V12 1 2GM ns Rns 1 z 0 1 V22 1 2 observed Ma Ma GM ns M a Ra Ma GM ns M a b2 1.6GHz 1 observed 1 observed 1 V12 1 V22 アクシオン星 1.2GHz Ma 1 z 2GM ns Rns 2GM ns Rns 1 z 0 1 V2 b2> Rns から M ns Rns の下限が決まる 1 2 observed observed GM ns 2 observed Rns 2 observed 2 1 V 2 1 observed
© Copyright 2024 ExpyDoc