Relativistic Brane Woeld Cosmology

TIT宇宙コロキウム
ブレーンの国から 2002
白水徹也
Outline
1. 導入
2.ブレーン宇宙
3.ブレーンワールドブラックホール
4.ここまでのまとめ
5.最近の進展から(黒板)
1.導入
超紐理論からブレーンワールド

D-ブレーン
ブレーンワールド

Horava-Wittenモデル
M理論
E 8  E 8 混合紐理論
モデル
Large extra dimension
Randall-Sundrum モデル
Warped compactification(two branes model)
Infinite extra dimension(single brane model)
・簡単な発想で常識を塗り替えるシナリオを提出
・検証可能な模型
Arkani-Hamed et al 1998
Large extra dimensions
n=4+d dimensions
brane
階層性問題への解
Fundamental scale M * が弱スケールに
M  Vd M
2
pl
2 d
*
Vd :
余剰次元の体積
M pl :
Planckスケール
Example:
Bulk
d  2,Vd  (1mm)2
M *  TeV
重力定数間の関係
( d  4)
( 4)
( 4)
M (dd24)  d d 4 x R ~ M (dd24) Ld  dx4 R ~ M 2  dx4 R
Randall-Sundrumモデル
小さな次元の大きな驚き
1つの余剰次元+ブレーン
Randall,Sundrum 1999
Randall-SundrumモデルI
Warped compactification
Hidden brane
Visible brane
M e
2
pl
anti-deSitter Bulk

2d / 
M
: anti-deSitter曲率半径
d /   37,   TeV 1
y
-d
0
ds2  dy2  e2 y /  dx dx (anti deSitter)
Minkowski metric
3
*
M *  TeV
Randall,Sundrum 1999
Randall-Sundrum model II
・Single brane
・Infinite extra dimension
y
anti-deSitter bulk
brane
y
ds2  dy2  e2 y /  dx dx
コンパクト化不要
余剰次元の安定化不要!
これまでの高次元宇宙論
(Kaluza-Klein理論)
・余剰次元はプランクスケール
4次元方向
問題点
・あの世の話(実験検証が不可能)
・余剰次元のサイズはどのように決
まっているのか?
プランクスケール
2.ブレーン宇宙
もっぱらRSIIモデル(ブレーン一枚)
1999年夏ケンブリッジで
5&6月 Randall and Sundrum
8月 余剰次元、暗黒エネルギーの研究会で
RandallがRSモデルの講演@Newton研究所
9月 RSモデルの一般化(白水、前田、佐々木)
RSIモデルの一般化
バルク
ブレーン上の物質あ
るいは重力子
全作用
 1

S   dyd 4 x  det(g MN )  2 (5) R      d 4 x  det(g  )    L 
 2 5

バルク
ブレーン作用
バルク重力子
ブレーン張力
Shiromizu,Maeda,Sasaki 2000
ブレーン上のEinstein方程式
補正項
1
R  g  R  8GT  E      4 g 
2
4dim Einstein equation
 54 1 2
G
  5 G5
48 6
4次元の重力定数
T
ブレーン上の物質のエネルギー運動量テンソル
   O(T 2 )
E :(5)CMN nM n N
1 
1

 4   52   bulk   52 2 
2 
6

KKモードからの寄与
正味の宇宙項
Randall,Sundrum 1999, Garriga,Tanaka 2000
線形理論
R 
ブレーン上の重力ポテンシャル
GM   2 
1  2   ...
V (r )  
r  r 
1
g  R  8GT  E  ...
2
5次元KKモードからの小さな補正項
Binetruy et al 2000, Kraus 1999, Shiromizu, Maeda, Sasaki 2000,
Ida 2000, Kanti,Kogan,Olive,Pospelov 2000, Mukohyama 2000
Flanagan, Tye, Wasserman 2000, Mukoyama,Shiromizu,Maeda 2000
一様等方宇宙
ブレーンの運動 = 宇宙膨張
Friedmann方程式
2
2
 
a
8

G
4



 2
 




 
 a 
3
 3 
 
8G   

 1  
3  
.
Anti-deSitter bulk
補正
ブレーン張力
  
通常の4次元宇宙になる
一様等方宇宙(2)
Einstein方程式
1
R  g  R  8GT     E
2
Friedmann方程式
2
2
 
 4  2
 a  8G
 a   3    3  
 
.
厳密にantideSitter時空
バルク中にブラックホールがあると
ブレーン
一様等方宇宙(3)
BHの質量パラメーター
2
2
 
M
 4  2
 a  8G
 4
 a   3    3  
a
 
.
暗黒輻射
Garriga and
Sasaki(00)
暗黒輻射のエントロピー
R 
1
g  R  8GT     E
2
=BHエントロピー
一様等方宇宙(4)
ブレーン
ブラックホール
Hawking輻射
Garriga,Sasaki 2000, Gubser 2001, Shiromizu,Ida 2001
ブレーンワールドホログラ
フィー
暗黒輻射(4次元) = ブラックホール(5次元)
adS/CFT対応から
ブレーン上の共形場のエネル
ギー運動量テンソル
1
R  g  R  8GT  E   
2
トレースアノマリー
宇宙論的摂動論
定式化
Kodama,Ishibashi,Seto 2000, Mukohyama 2000,
van de Bruck, Dorca,Brandenberger 2000,….huge
number!
長波長ではKKモードは無視できる
deSitterブレーン上の摂動
R. Maartens et al 2000, Wands et al 2000, Langlois et al 2000
Garriga,Sasaki 2000, Langlois et al 2000
新しい素過程? ブレーン衝突
bubble
Bigbang?????????
?????????????????
?????????????????
Inflating brane
Khoury, Ovrut, Steinhardt, Turok 2002
Brane-brane collision
Gen,Ishibashi,Tanaka 2001
Bubble-brane collision
3.ブレーンワールド
ブラックホール
~余剰次元からの信号~
Chamblin,Hawking,Reall 2000,
Dadhich et al 2000
Shiromizu,Shibata 2000,
Chamblin,Reall,Shinaki,Shiromizu 2001
ブラックホール解
数値解?Kudoh, Tanaka and
Nakamura @秋の物理学会2002
「厳密解は未だに見つかっていない!」

ds2  dy2  e2 y / L  f (r )dt2  f 1 (r )dr2  r 2 (d 2  sin 2 d 2 )

f ( r )  1  2M / r
不安定
不安定モードは存在す
るが規格化不可能
adS Black string解
ブラックホールの分裂
(量子論レベル)
試行錯誤(1)
ブレーンを「初期値」だと思っ
て、 バルク発展を解く
「初期値」の満足すべき方程式:
Hamiltonian拘束条件
( 4)
R0
(真空ブレーンの場合)
運動量拘束条件は自動的に満足
・Schwarzshild解
Black string
・Reissner-Nordstrom解
?
試行錯誤(2)
ブレーン上で一様塵星の崩壊
外部解が静的にならない。
解釈? “ たとえ古典的な高次元ブラックホールを
構成したとしても、adS/CFT対応からブレーン上でみ
ると「4次元ブラックホール+量子場」となる筈。この
「量子場」はホーキング輻射に対応していると考えら
れるので、静的なブラックホール解は得られない。”
(Emparan et al, 2002, Tanaka 2002)
バーコフの定理がない!
・バーコフの定理
「真空球対称な解はSchwarzshild解に限られる」
・ブレーン上のバーコフの定理?
ブラックホールの中の情報はバルクを通じて外
に伝播するので、定理は成立しない
( 4)
G  E
4次元から5次元へ

大きなブラックホールは4次元的
G4 M  

小さなブラックホールは5次元的
G4 M  
ブラックホール形成条件
Schwarzshild radius
2GM
size  2  rg
c
陽子 ~ 1013 cm
BH forms/exists
>>
10
太陽 ~ 7 10 cm >>
rg  1052 cm
rg ~ 3km
地上でブラックホール形成
重力ポテンシャル
V(r)


GM
r
GM
r
r
n:時空全体の次元
L:余剰次元のサイズ

GM
 4  n r n 3
高次元ブラックホール

解の唯一性
・定常の場合は、反例有
安心
(Black Ring解、Emparan and Reall, 2002)
・静的な場合は、唯一定理が成立(Gibbons, Ida and Shiromizu, 2002)

形成条件
断面積
・指標となるサイズの定義を吟味(Ida and Nakao,2002、Yoshino
and Nambu 2002)

宇宙検閲仮説(裸の特異点を許さない)
・未開拓ではるがあまり魅力的な課題ではない
Gibbons, Ida and Shiromizu(2002)
唯一性定理
「漸近的平坦、真空、静的、正則なブラックホー
ル解は(高次元)Schwarzshild解に限られる。」
4次元の証明では、地平面が2次元であることの特殊性
が使われている。
安直な拡張で証明は不可能
4.ここまでのまとめ
豊富な洞察





宇宙:高次元ドメイン壁の運動
宇宙論的摂動の評価
ホログラフィー
ブラックホールを通した余剰次元の検証
新しい素過程(ブレーン衝突)?
バルクを解く!
時空の境界のダイナミクス
E ?
超紐理論におけるブレーンダイナミクスの記述にもいずれ貢
献?
5.最近の進展から
Kanno and Soda(2002), Gen and Sasaki(2001), Kudoh and Tanaka(2001),
Shiromizu and Ida(2001)
バルクをGradient Expansionで解く
ある近似法(低エネルギー近似)
・ブレーンの内的曲率スケール
L
・バルクの曲率スケール


 1
L
RSIモデル(ブレーン2枚)の
低エネルギー有効理論の導出
Shiromizu,Maeda,Sasaki流導出
in preparation
黒板へ