トレーニングの際はスライド, ノートの両方を確認してください 国際的に通用する 医療機関となるために 必要な予備知識 2015年5月作成 ※2015年7月、資料中のwebリンクを一部修正 1 目次 医薬品開発の国際化 1~2 ICHとは? 「ICH-GCP」と「我が国のGCP(J-GCP)」 「ICH-GCP」と「J-GCP」の主な相違点 1~3 日本以外の実施国/地域の規制準拠 参考)医薬品臨床試験の規制、日本及び米国、英国 実施国/地域の規制の違いにより必要となる文書 1~3 地理的要因 英語への対応 1~2 海外チーム主導の試験企画・運営による違い 1~3 文化的習慣の違いへの対応 国際共同治験における役割分担 2 医薬品開発の国際化 1/2 治験を取り巻く環境は変化を続けており、 複数国間で1つの治験実施計画書を同時に実施する 国際共同試験(MRCT:Multi Regional Clinical Trial)が増加 国際共同試験への 対応が必要! 医薬品開発における 日本の果たす役割 は大きい! 引用:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 平成26年度GCP研修会資料 3.治験計画届出、治験中副作用・不具合報告等について 3 実践 医薬品開発の国際化 2/2 国際共同試験では、 実施医療機関は以下のような点の対応が求められます ICH-GCPでの運用の違い 日本以外の実施地域/申請予定国の規制準拠の必要 各地域の規制への対応、書類が発生 地理的要因 標準言語は英語 海外チーム主導の試験企画・運営による違い 文化的習慣の違い 以降のスライドで順に説明します 4 実践 ICHとは? ICH(日米EU医薬品規制調和国際会議) International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use 日本・米国・EUそれぞれの医薬品規制当局と産業界代表で構成され た国際会議。他にオブザーバーとして3組織が参加 ICHの目的 各地域の規制当局による新薬承認審査の基準を国際的に統一し、 医薬品の特性を検討するための非臨床試験・臨床試験の実施方法 やルール、保存すべき文書または記録などを標準化することにより、 製薬企業による各種試験の不必要な繰り返しを防ぎ、 医薬品開発・承認申請の非効率を減らし、 結果としてよりよい医薬品をより早く患者のもとへ届けること ICHガイドラインの施行 ICHガイドラインは日本・米国・EUの間で段階的に協議され、 Step4で合意した後、Step5として日本・米国・EUの各地域ごと、 それぞれの手続きに従ってガイドラインが施行されます。 5 実践 「ICH-GCP」 と 「我が国のGCP(J-GCP)」 ICH-GCP [ICH E6(R1), Guideline for Good Clinical Practice] Efficacy(臨床に関するガイドライン)の一つで、医薬品の臨 床試験の実施の基準として1996年に最終合意された 日本での実施(GCP省令、GCPガイダンス) 我が国ではICH-GCPを反映させ、1997年に 「医薬品の臨床試験の実施に関する省令(GCP省令)」とし て公布・施行された 改正を経て、2015年現在はGCP省令と運用ガイドライン (以降スライドでは「J-GCP」と略称) 我が国のGCP省令・運用ガイドラインは ICH-GCPに準拠している 6 実践 「ICH-GCP」と「J-GCP」の主な相違点 1/3 (実施医療機関に影響する運用面の違い) 実施体制、契約 ICH-GCP 「治験責任医師/実施医療機関」と規定 J-GCP 「実施医療機関が治験依頼者と契約」を前提に、 治験責任医師に対する規定と、実施医療機関に関する規定 欧米では、治験責任医師が自らの責任において治験依頼者と直接契約を 結ぶことがあるが、日本では実施医療機関と治験依頼者が契約を結ぶ 「実施医療機関における業務委託に関する規定」はJ-GCP では明確にされているが、ICH-GCPでは明記されていない (ICH-GCP上ではSMOに関する記載がない) 7 実践 「ICH-GCP」と「J-GCP」の主な相違点 2/3 (実施医療機関に影響する運用面の違い) 治験審査委員会に関する規定 ICH-GCP 設置者に対する規定なし 治験責任医師又は実施医療機関がIRBから承認を得る J-GCP 設置者に対する規定あり 医療機関の長を通してIRBの意見を聴く 安全性情報は事前合意のもと治験依頼者から直接IRBに通知される場合あり 8 実践 「ICH-GCP」と「J-GCP」の主な相違点 3/3 (実施医療機関に影響する運用面の違い) 関連文書の保存期間 ICH-GCP ICH地域における最終の製造(輸入)承認後最低2年間 かつ ICH地域における製造(輸入)申請で審査中でなくなるまで または 臨床開発の公式中止後最低2年間、保存するものとする。 ただし、適用される規制要件又は治験依頼者によって必要とされる場合 は、これよりも長期間保存するものとする J-GCP 製造販売の承認を受ける日 または 治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日のうち いずれか遅い日までの期間保存しなければならない ICH-GCPとJ-GCPでは保存期間が異なり、 更に複数の国に関係する国際共同試験では 治験依頼者から各地域規制に従った保存期間を求められる 長期間保存の体制と、誤って廃棄しないよう注意が必要 9 実践 日本以外の実施国/地域の規制準拠 試験データを日本以外の実施国/地域への承認申請に 使用予定の場合は治験依頼者からの要望事項として 日本の実施医療機関もその国/地域の規制対応が求められる 対応が求められる具体例 【米国規制の例】 同意説明文書にClinicalTrials.govでの臨床試験登録・結果公開の記載 FCPA:Foreign Corrupt Practices Act(海外腐敗行為防止法) 【EU規制の例】 記録の保存:治験終了後25年間の保存 SAEの治験依頼者への報告期限:24時間以内 試験実施中にも各地域の規制要件の変更や、規制当局の指示により、治験実 施計画書改訂が行われることがある 実施国/地域の規制の違いにより必要となる文書がある 臨床研究、臨床試験、治験 を取り巻く規制は各地域ごとに異なります ⇒次スライドで日本、米国、英国の規制の違いを参考に示します 10 実践 (参考)医薬品臨床試験の規制:日本及び米国 研究の種類 根拠法 日 本 実施GL/規則 監視機関 研究の種類 米 国 治験外臨床試 験(研究者主導) 医薬品医療機器等法* 健康保険法 なし PMDA 厚生労働省医政 局 不要 届出 被験者保護/IRB 製造販売後 臨床試験 先進医療 B 治験 医薬品医療機器等法 GCP GCP/GPSP 被験者保護/IRB 厚生労働省医政局 ヒトに医薬品を実験的に投与する 臨床研究全て(右記の例外を除く) 21 CFR 312.2 (b) に規定される 臨床研究 連邦規則(21 CFR) 保健福祉省(HHS)食品医薬品局 (FDA) 不要 連邦規則(21 CFR 50, 56) 連邦規則(21 CFR 46) 実施GL/規則 監視機関 倫理指針(法的根拠なし) PMDA 根拠法 届出(IND) 倫理指針(法的根拠なし) GCP HHS FDA HHS 被験者保護局(OHRP) 出典:臨床評価 41巻3号 2014 実践 (参考)医薬品臨床試験の規制:英国 研究の種類 英 国 全ての臨床試験 根拠法 • EU DIRECTIVE 2001/20/EC※1 • Statutory Instruments The Medicines for Human Use (Clinical Trial) Regulations (イギリス臨床試験規則) 届出(CTA) 英国医薬品庁(MHRA)Licensing Division 被験者保護/IRB イギリス臨床試験規則 実施GL GCP 監視機関 MHRA※2 ※1Clinical Trial Regulationへの改正(16 April 2014 欧州議会通過、28 May 2016 適用開始予定) ※2 CTAは、各プロトコールについて臨床試験が実際に実施されるEU加盟国ごとに提出し、審査、 承認が必要であるが、Clinical Trial Regulation適用後は、 EMA(European Medicines Agency)が管理するEUポータルを窓口として、一括電子申請となる。 実践 実施国/地域の規制の違いにより 必要となる文書 1/3 資料名 作成者 医療 機関 参照資料 治験 依頼者 治験分担医師のCV (Curriculum Vitae) ○ ICH-GCP 1.56、8.2.10、 8.3.5 21CFR Part 312.23(a)(6)(ⅲ)(b) Form FDA 1572 Delegation list※ ○ ICH-GCP 4.1.5、8.3.24 Financial Disclosure ○ 21CFR Part 54➾スライド14参照 Form FDA1572/ Statement of the Investigator ○ Form FDA 1572 21 CFR PART 312.53 ➾スライド15参照 ※Delegation list:治験験責任医師がどの業務を誰に実施させているかを特定する資料 各文書の呼称や、使用書式は治験依頼者ごと異なることに注意する 13 実践 【参考】詳細説明: Financial Disclosure Financial Disclosure(財務状況の開示)は臨床試験結果の信頼性を担保す るために行われる。 この調査により研究者が研究の実施や報告の際、個人的な利益のために専 門的な判断を曲げてしまう(もしくは、曲げたと判断される)状況にないことを 提示する。(臨床試験の利益相反マネジメント) 米国の規制 21CFR Part54により求められ、試験データをFDA申請に用いる 予定がある、または提供する場合がある場合には、治験依頼者として確認す る必要がある。(国内試験であっても必要となることがある) 確認内容 研究者が臨床試験の対象となって製品に関する特許等の所有権または 金銭的利害関係を有していないこと 多額の依頼者株を有していないこと その他臨床試験以外の多額の報酬・謝礼等を受け取っていないことを証 明 (注:金銭的利害があるだけの理由で治験に参加できないということにはなりません)14 実践 【参考】詳細説明: Form FDA 1572 Statement of Investigator(Form 1572) 米国の規制(21CFR Part 312 Investigational New Drug Applications)で規定された文書 目的 治験を行うInvestigator(研究者:医師のみとは限らない)の氏名、 住所、経歴や、実施医療機関およびIRBの名称、住所等の情報を 文書で治験依頼者に提供し、その適格性を治験依頼者は確認す る 治験を行うInvestigatorに対しその責務を文書で通知し、FDA の関 連諸規制を遵守して治験を実施する旨の合意、陳述を得る 日本の規制上は不要であるが、Form 1572に含まれる情報の中に FDAに報告義務のある内容が含まれるため、治験依頼者が日本でも 提出を求める場合がある 15 実践 実施国/地域の規制の違いにより 必要となる文書 2/3 資料名 Training Log Site Initiation Visit Report 作成者 参照資料 医療 機関 治験 依頼者 ○ ○ ・21CFR Part 312、Part 11 ・EU Clinical Trials Directive 2001/20/EC revised on Jul.17, 2012 Article 46 ・EU Commission Directive2005/28/EC CHAPTER 2 SECTION 1 ・ICH-GCP2.8、4.1.1、4.2.4 ・GCP ガイダンス第42条、第43条 治験 依頼者 から 提供され 保管 ○ ICH -GCP 5.18.4、5.18.6 、8.2 、8.2.20 EU Clinical Trials Directive 2001/20/EC Article 10 EU GCP Directive 2005/28/EC Section 1 21 CFR Part 11、21 CFR 312, Subpart D 16 各文書の呼称や、使用書式は各治験依頼者ごとに異なることに注意する 実践 実施国/地域の規制の違いにより 必要となる文書 3/3 資料名 作成者 医療 機関 Confirmation Letter Relevant Communications Other Than Site Visit ○ Follow-up Letter Investigational Product Temperature Log ○ 参照資料 治験 依頼者 ○ Information Sheet Guidance for IRBs, Clinical Investigators, and Sponsors FDA Inspections of Clinical Investigators, IV GCPガイダンス第41条 ○ ICH-GCP 8.3.11 GCPガイダンス第41条 ○ ICH 5.18.6 (d) GCPガイダンス第41条 ICH-GCP 5.18.4 17 各文書の呼称や、使用書式は各治験依頼者ごとに異なることに注意する 実践 地理的要因 地理的要因が関係する例(検査に要する時間) 飛行機のフライトスケジュールや、外国の休日の関係で、 医療機関での検体集荷可能日や、集荷時間が制限されることがある 事前の手順確認/準備が大切 不明点はモニターに確認し 確実に実施 アメリカの 検査機関 日本の 医療機関 シンガポールの 検査機関 時差の考慮(サマータイムが適応される地域もある) 問い合わせの返答には時差の考慮が必要 日本-アメリカ :ニューヨーク(-14h), ロサンゼルス(-17h) 日本-ヨーロッパ:ベルリン(-8h),パリ(-8時間), ロンドン(-9h) 日本-アジア:デリー(-3.5h), シンガポール(-1h), 北京(-1h), ソウル(0h) 18 実践 英語への対応 1/2 複数国、地域で同一治験実施計画書で実施するうえで の標準言語は英語となる。 母国語が英語でない国・地域においては、 文書等は必要に応じて現地言語へ翻訳して提供される 治験実施計画書等は治験依頼者が翻訳版提供が一般的 被験者さん向けの資料(説明文書・同意文書案、日誌等) は翻訳版が提供される(母国語が使用されるべき) 医療機関からのデータ提出、検査結果レポート等は英語 CRF入力/クエリ対応、検査依頼書、検査報告書 国際共同治験に携わる医療機関の試験スタッフ (医師、CRC、治験事務局、検査担当 等)には 一定の英語力が求められる 実践 英語への対応 2/2 症例報告書の英語対応は最低限必要 治験・臨床試験で医療機関スタッフに求められる英語力(概念) STEP1 CRF入力・クエリ対応 最低限必要 STEP3 STEP2 英語資料読解・対応 全体研究会参加時、 電話会議等で英語で議論 「症例報告書を英語で記載する場合の留意点」 JPMA, 2011 http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/houkoku.html 国際共同治験の増加に伴い、英語で症例報告書を作成するケースが増えてきています。 そのため、データの内容ではなく、英語表現に対する治験依頼者からのクエリー(問合せ) が新たに発生しています。医療機関及び治験依頼者が英語を用いた症例報告書の経験を 積んだことで、予め知っておけば英語表現に対するクエリーを減らすことのできる「ちょっとしたこ と」も蓄積されてきました。 統計・DM部会 2010-11年度TF-9では、英語を用いて症例報告書を作成した時に経験 した記載内容やそれに対するクエリーを紹介し、そのような「ちょっとしたこと」についてまとめまし た。本資料を読んだ皆さんが、英語の症例報告書と聞いたときに感じる心理的障壁が少し でも低くなることを期待しています。 実践 海外チーム主導の試験企画・運営による違い 1/3 国際共同試験は海外チーム主導で企画・運営されることが多い 試験を、複数国で試験の質を均一に実施するため、各国をまたいだ手順 統一が必要となり、海外基準が適応されることがある 海外チームが中央機能となり、海外チームから全世界の医療機関に 情報/資材が同時発信/発送されたり、全世界の実施医療機関から 海外チームあてに情報収集/資材発送が必要になることがある 注:日本が中央機能を果たし国際共同治験をリードする場合もある 違いがあることを知り、背景を確認/理解して、違いに対応する 21 実践 海外チーム主導の試験企画・運営による違い 2/3 治験実施計画書が海外の基準で作成されるため(医療習慣の違い) インフラ面は海外の基準で求められるため 心電図、CTスキャン、MRI等の医療機器について、機種指定や、 ソフトウェアVerが規定される場合がある グローバルベンダーが使用される 日本では通常行われていない臨床検査項目や調査項目が規定されている 場合がある 日本で未承認の薬剤が対照薬として設定されている場合がある 日本ではなじまない併用薬/併用療法の制限が発生する場合がある 臨床検査会社、画像や心電図の中央判定会社、IVRSシステム、EDCシステム等は 海外会社、海外製システムとなる 治験薬包装形態・管理・配送が海外基準となる 海外の治験薬製造工場での製造、ボトル包装 IVRS/IWRSでの世界全体の在庫管理 治験薬の医療機関直送 違いがあることを知り、 背景を確認/理解して、 22 違いに対応する 実践 海外チーム主導の試験企画・運営による違い 3/3 治験依頼者が治験実施計画書や各検査手順に関しての 全体研究会を他の参加国とともに実施する 海外チームから医療機関スタッフに直接連絡される がある(英語E-mail/国際電話/EDCクエリ 等) 検査検体・画像に関する疑義問い合わせ 海外のデータマネジメントチームが担当することがある SAE報告は医療機関から海外に英語で直接報告となる 日本から海外の全体研究会に参加するケースもある 方法の例:EDC入力、E-mail ,FAX データ/品質確保のための治験依頼者のモニタリング手法は 海外と同一手法が採用される Risk-Based monitoring(Sampling SDVを含む) Off-site monitoring, Centralized monitoring 違いがあることを知り、 背景を確認/理解して、 23 違いに対応する 実践 文化的習慣の違いへの対応 1/3 業務分掌(Role and Responsibility)の意識 教育訓練(Training)の意識 Delegation List 業務実施に必要なトレーニングとトレーニング記録 証拠/証跡に関する意識 Signature Log, 記録文化 ベンダーの意識の違い ⇒「09_原資料の作成」を参照 原資料マネジメントは国際共同治験/国内試験関係なく重要 違いがあることを知り、背景を確認/理解して、違いに対応する 24 実践 文化的習慣の違いへの対応 2/3 業務分掌,教育訓練の考え方、証拠/証跡の考え方 業務実施までの流れ 適切な業務分掌 (Delegation Log) 業務分掌に基づいた トレーニング受講/記録 システム権限付与 以下の関係が 文書や記録で説明できることが重要 業務分掌に従い、 求められる手順に沿った 業務実施。署名で本人確認 Signature Log Delegation List 原資料 ✓Signature ✓Responsibility システム User list トレーニング記録 CV(履歴書) 25 実践 文化的習慣の違いへの対応 3/3 グローバルベンダーと日本のベンダーの意識の違いの例 例:検査会社での例 資材の包装内容にきめ細かな配慮が欠けるケース 資材が海外から医療機関に直送されるケース 大きな段ボール複数箱に過剰包装で届いたり、輸送中の破損も注意 キットの有効期限の管理、追加発注は医療機関で実施 小分けされていない。不足品があることも 管理責任、追加発注は医療機関対応という意識 検体の発送の際に、梱包作業を医療機関にて実施 検査依頼書や検査レポートは英語 検査会社から施設に直接英語で問い合わせ モニターを介さず直接問い合わせ 検体取扱いミス、検体取り違え、ラベル貼付ミス、発送ミス等は、 治験データに重大な悪影響を及ぼします。 事前の手順確認、準備を十分に実施し、 不明点はモニターに確認し確実に実施しましょう 26 実践 国際共同治験における役割分担 下記の日本製薬工業協会(JPMA)の資料もご活用ください 「国際共同治験における役割分担-治験依頼者へのアンケートをもとに-」 JPMA, 2010 http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/chiken_bunt an.html 国際共同治験が増えている近年では、医療機関及び治験依頼者から国際共同治験 特有の業務の負荷があるという意見がありますが、ICH-GCPとGCP省令の違いはごくわ ずかです。2010年度TF5では、規制要件ではなく実務上の課題を解決するために、治 験実施体制の現状を調査し、国際共同治験における医療機関と治験依頼者の適正 な役割分担をまとめました。報告書には、近年実施されるようになった業務の目的を理 解できるような記述も含め、国内治験との差や規制などの留意事項を付記したプロセス マップを手引き書として添付しました。国際共同治験が初めての方はもちろん、経験のあ る医療機関又は治験依頼者にもご一読いただき、適正な役割分担を考えるきっかけに なれば幸いです。 付録:国際共同治験の手引き 国際共同治験実施時に多く実施されている業務を一覧にし、 国内治験との違いや根拠となる規制を留意事項に記載 27 実践 まとめ 医薬品開発の国際化が進む中、 国際共同治験への日本参加は今後も加速する 国際的に通用する試験実施医療機関 であることが求められる 国際共同試験も国内試験も同じ「治験・臨床試験」 我が国のGCP省令・運用ガイドラインは ICH-GCPに準拠している 違いを知り、背景を確認/理解して、違いに対応する (地域間の規制、言語、地理、進め方、文化) 世界から日本へ 日本から世界へ 国際共同試験は医療機関の実力を世界へ示すチャンスです! 28 実践 End of Slide 29
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