女性と職場における育児支援制度

職種で異なる育児支援制度の利用のしやすさ
ー専門的・技術的従事者と事務従事者に着目して
10530068
富山大学経済学部経済学科
滝川智子
はじめに

2006年11月22日日経新聞の記事より一
部抜粋
「次世代育成支援対策法の施法を受けて企業
間では育児制度の拡充が広がっている。
しかし、制度があっても気軽に利用できない
女性が多い。」
図1、
職場の育児支援制度をためらったことがあるか?
はい
44%
いいえ
56%
(2006年、日経新聞が働く母親200人に調査)
図2、
育児制度利用でうしろめたい思いをすることはあ
るか?(既婚女性・子有りを対象)
その他
3.3%
わからない
3.3%
かなり ある
14.8%
ほとんどない
31.1%
少しある
47.5%
(2001年、CSG連合・ゼンセン同盟、育児に関するアンケートより)
図1、図2より、実際に育児制度を利用し
にくい雰囲気があることがわかる。
それは特にどの職種に観察されるのか?
取得しにくい雰囲気はどの職種が強いか?
<専門的・技術的従事者>
・外部機会が豊富
(技術があるので他の所でも雇ってもらえる)
・個人作業の傾向が強い
(仲間に対する迷惑や気兼ねが少なくなる)
例)技術士、美容師、デザイナー、芸能人など
<事務従事者>
・専門の技術を持たない
(企業内特殊熟練が他企業でも有利になるか
は不確実)
・チームワーク作業が多い
(仲間に対する迷惑、気兼ねを意識しやすい)
例)OL など
出生半年後に常勤である母の育児休業の
取得状況
8.8
72.2
14.6
専門的・技術的従事者
0.2
2.91.3
0.1 15.1
61.2
16.5
事務従事者
0.4
4.6 2.2
0%
既に取得した
制度はあるが取得しない
不詳
10%
20%
30%
40%
現在取得中
職場に制度が無い
50%
60%
70%
80%
90% 100%
これから取得予定
制度があるかどうかわからない
(厚生労働省、平成15年人口動態調査特殊報告より)
育児休業を取得しない理由
専門的・技術的従事者
46.2
事務従事者
27.4
61
0%
職場の雰囲気や仕事の状況から
20%
12.8
19.2
40%
経済的なことから
60%
9.3
80%
仕事に早く復帰したいから
(厚生労働省、平成15年人口動態調査特殊報告より)
12.8
その他
0.9
9.3 1.1
100%
不詳
結論・今後の課題

技術的・専門的従事者より事務従事者のほ
うが育児休暇を取りにくい雰囲気がある。

職場には、子を持つ女性に対する理解がよ
り必要である。
ひとりひとりの意識で変えていける問題