人生を経済学で考える

外部性
経済原論Ⅱ(ミクロ経済学)
第19回
畑農鋭矢
市場の役割と政府の役割
第1基本定理
成立せず
市場の失敗
(政府の役割)
考慮する
第2基本定理
(政府の役割)
成立
豊かさの分布
考慮せず
市場の役割
外部性とは?
財
消
費
者
対価
市場
公害
生
産
者
負の外部性:公害
社会的限界費用
価
格
F
公害の費用
供給曲線S
(限界費用)
E(市場均衡)
私的限界費用
需要曲線D
工場の生産
外部性と市場取引・社会的余剰
• 生産者は私的限界費用のみを考慮
⇒通常の供給曲線に従って取引
⇒市場均衡はE(需要曲線と供給曲線の交点)
• 社会全体の費用は・・・
=私的限界費用+公害の費用
• 社会的余剰=消費者余剰+生産者余剰
-公害の損失
負の外部性と死荷重損失
価
格
社会的限界費用 価
格
消費者余剰
F
F
S
生産者余剰
社会的限界費用
E
死荷重損失
消費者余剰
公害の損失
生産者余剰
公害の損失
S
E
市場均衡
D
D
工場の生産
工場の生産
正の外部性と死荷重損失
価
格
価
格
社会的限界便益
社会的限界便益
正の外部性
正の外部性
S
消費者余剰
生産者余剰
S
F
E
F
消費者余剰
負の消費者余剰
E
死荷重損失
生産者余剰
市場均衡
D
D
花壇
花壇
外部性の影響
• 負の外部性が存在する場合
取引量:過大
社会的余剰:最大にならない
(死荷重損失)
• 正の外部性が存在する場合
取引量:過小
社会的余剰:最大にならない
(死荷重損失)
外部性の私的解決策
• 所有権の割当の変更
例:企業が公害被害者を従業員に
⇒公害は企業自体の損害に(内部化)
• 当事者同士の交渉
例:企業と被害者の交渉⇒補償
• 交渉の費用
1.外部性に関する情報収集のコスト
2.所有権確定に関わる交渉の困難さ
3.交渉に関するただ乗り問題
外部性の公的解決策①:ピグー税
価
格
社会的限界費用
課税
消費者余剰
F(効率的)
税収
私的限界費用
公害の費用
E0(市場均衡)
公害の損失
生産者余剰
Q1
Q0
工場の生産
外部性の公的解決策②:外部性市場
• 公害排出権
公害を出すためには排出権の購入が必要
⇒公害を伴う財の限界費用が増加
• 効率性の条件
排出権価格=公害の限界費用
• 排出権の供給過大
排出権価格<公害の限界費用
被害者が排出権を購入すればよい
⇒被害者が多数の場合、ただ乗りが発生する
外部性の解決策:まとめ
• ピグー税
生産者に課税(=公害の費用)
生産者の費用=私的限界費用+税
=私的限界費用+公害の限界費用
=社会的限界費用
• 排出権取引
排出権(=公害の費用)購入を義務付け
生産者の費用=私的限界費用+排出権価格
=私的限界費用+公害の限界費用
=社会的限界費用