スライド 1

50. 加工・通電熱処理による
アルミニウム合金板の機械的特性の向上
塑性加工学研究室 石黒 農
地球規模での環境保全
車両の軽量化
燃費向上
自動車運動性能向上
高比強度
アルミ合金,高張力鋼
リサイクル性,
比重が鉄の1/3という利点
深絞り表面の縞模様
焼付き硬化特性
6000系熱処理硬化型
機械的特性向上
成形性向上
現状の6000系合金板の製造工程
大型炉
鋳造
均質化
圧延方向
熱間分塊圧延
熱間多段圧延
結晶微細化
中間焼鈍し
(コイルフォーム)
冷間多段圧延
溶体化・人工時効
組織粗大化 = 成形性低下
組織微細化のための提案する製造工程
大型炉
鋳造
均質化
圧延方向
熱間分塊圧延
熱間多段圧延
本研究
結晶微細化
通電加熱
水冷
急速熱処理
溶体化
冷間多段圧延
結晶粒微細化 = 成形性向上
組織微細化のための加工・通電熱処理の工程
対象材: A6061 Mg 0.77,Si 0.61
温度
溶体化
加熱温度:540℃
保持時間:4h
初期寸法
5t×50W×50L
4時間
通電加熱 t:~2s
加熱温度 T :室温~620℃
水冷
時間
30 分
多段冷間圧延
5t→0.5t
急速加熱方法
赤外線温度計
通電
通電時最高加熱温度を
余熱による 圧延後の試験片
加熱温度Tと定義
組織粗大化防止0.5t×50W×450L
電極
100A/mm2
8V,2500A
光学顕微鏡による組織の比較
板
厚
方
向
圧延方向
60 μm
(a) 従来熱処理材
粒径 60μm
60 μm
(b) 開発熱処理材 T= 620℃
粒径 17μm
大量生産での組織微細化の可能性
ビッカース硬さ
/ HV0.2
通電加熱処理後の硬さの上昇
125
T6 (人工時効)
100
ta=96h
75
T4 (自然時効)
50
ta= 12h
ta= 0h
O材 (焼鈍材)
T=420℃以上
時効硬化
25
0
ta= 72h
0
200
400
加熱温度 T / ℃
600
引張強さ,破断伸びと加熱温度の関係
400
T6 T4 O材
300
T4
T6
200
引張強さ
伸び
O材
10
100
時効硬化
再結晶
0
100
200
300
400
加熱温度 T / ℃
500
600
0
破断伸び / %
引張強さ / MPa
20
絞り比と加熱温度との関係
O 材, T4
2.0
T6
絞り比
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
通電加工熱処理による
成形性向上の可能性
100
200 300
加熱温度
400 500
T/ ℃
600
耳率と加熱温度の関係
耳が発生
10㎜
耳率
/%
耳山
耳谷
20
(a) 390 ℃
(b) 480 ℃
10
耳率 =
平均山高さ – 平均谷高さ
平均容器高さ
0
100
200
300
加熱温度
400
T/ ℃
500
600
r値の変化と加熱温度の関係
2
0.0
-0.3
-0.6
-0.9
-1.2
-1.5
-1.8
w
1
370℃
620℃
420℃
0
Δr 値
r値
290℃ r = ε
εt
500℃
45
90
圧延方向との角度 / °
r0  2r45  r90
Δr
2
100 200 300 400 500 600
加熱温度 T / ℃
A6061の加工・通電熱処理の適用結果
 結晶粒径17μm程の微細組織が得られた.
 硬さおよび引張強さはT4に相当し、伸びはT4
およびO材に相当する板材が得られた.
 加熱温度480~560℃において,従来熱処理材に
比べ深絞り性が若干向上した.
 加熱温度T=440℃以上では,面内異方性の極めて
小さい板材が得られた.
加工・通電熱処理を変化させることによって
更なる機械的特性の向上が期待される