8章 オプション価格とオプション価値 12/06/07 1 <考慮する不確実性> 考慮する不確実性 =政策により変化する個人が直面する不確実性 =事象の発生確率が政策により変化 考慮しない不確実性 =アナリストが入手できる情報に関する不確実性 =事象の発生確率は政策により変化せず 12/06/07 2 不確実性を伴うプロジェクトと期待純便益 pi=状態iの発生確率( i 1, 2) p1 p2=1 I i0=政策(変化)前の状 態iの下での所得( income) I i1=政策(変化)後の状 態iの下での所得 Si I i1 I i0=政策による状態 iの下での所得の増分 E(S )= 2 i 1 pi Si:政策の期待便益( expectedsurplus) S {( p1 , S1 ), ( p2 , S2 )} 12/06/07 3 ダム事業のケース: <所得Iitの表( i 1, 2 ; t 0,1)> 政策 t ダムあり(1) ダムなし(0) 湿潤(1) 110 100 乾燥(2) 100 50 状態 12/06/07 p1 p2=0.5 i 4 橋事業のケース: <所得I itの表( i 1, 2 ; t 0,1)> 政策 t p1 p2=0.5 橋あり(1) 橋なし(0) 地震なし(1) 200 100 地震あり(2) 100 80 状態 12/06/07 i 5 (問題 8-1)「ダム事業のケース」で政策の期待便益 E (S ) を求めなさい。 p1=p2 0.5 S1 I11 I10 110 100 10 S2 I 21 I 20 100 50 50 E ( S )=i 1 pi Si 0.5 10 0.5 50 30 2 (問題 8-2) 「橋事業のケース」で、政策の期待便益 E (S ) を求めなさい。 p1=p2 0.5 S1 I11 I10 200 100 100 S2 I 21 I 20 100 80 20 E ( S )=i 1 pi Si 0.5 100 0.5 20 60 2 12/06/07 6 支払意思額曲線(willingness-to-pay locus) i=政策(変化)後の状 態iの下での支払い( payment) ci I i1 i=政策(変化)後の状 態iの下での純所得( net income) u U (c):期待効用関数 EU 0 i 1 piU ( I i0 ):政策前の期待効用 2 WTPL ( 1 , 2 ) i 1 piU ( I i1 i ) EU 0 2 WTPL(1 , 2 ) 0:支払意思額曲線 なお、 WTPL(S1 , S 2 ) 0だから (S1 , S 2 )は支払意思額曲線上に存在する。 12/06/07 7 支払意思額曲線と政策による所得の増分 2 WTPL(1 , 2 ) 0 S2 S1 12/06/07 1 8 期待純便益E(S)の図解 2 WTPL(1 , 2 ) 0 2 1 S2 p11 p2 2 E(S ) p1 p2 S1 12/06/07 E (S ) 1 9 オプション価格とオプション価値 オプション価格 OP( option price) =政策実施前に政策実施に対して支払っても 良いと思う最大金額 WTPL(OP, OP) 0 OV OP E(S ):オプション価値( option value) (注)OVはマイナスになる可能性がある。 12/06/07 10 OPとOVの図解 2 WTPL(1 , 2 ) 0 2 1 S2 OV S1 12/06/07 E (S ) OP p2 p1 1 11 状態依存支払金額の最大期待値 とオプション・プレミアム (1 , 2 ) 状態iのとき iだけ支払うという契約 FB* (政策導入前に締結可 能な)支払契約のなか での期待支払額の最大値 最適支払契約における 支払額の期待値 FB* max p1 1 p2 2 1 , 2 Fair Bet s.t. WTPL( 1 , 2 ) 0 OPM FB* E(S ):オプション・プレミ アム( optionpremium) なお、常に OPM 0が成立する。 12/06/07 12 FB*とOPMの図解 2 WTPL(1 , 2 ) 0 2 1 S2 2* Fair Bet Line OV S1 12/06/07 E (S ) OP OPM FB * p2 p1 1* p2 p1 1 13 便益の最も望ましい指標は? 1. 保険市場が整備されていない。 ⇒ 便益=OP(option price) 2. 保険市場が整備されている。 ⇒ 便益=max(OP, E(S)) 3. 保険市場と状態依存型契約が整備されている。 ⇒ 便益=FB* 12/06/07 14 「ダム事業のケース」で政 (問題 8-3)期待効用関数が u ln(c) であるととき、 策前の期待効用 EU 、支払意思額曲線 WTPL(1 , 2 ) 0 、オプション 0 価格 OP 、オプション価値 OV 、最適支払契約における支払額の期待値 FB * 、オプション・プレミアム OPM を求めなさい。 EU 0 1 ln 5000 2 WTPL(1 , 2 ) 0 (110 1 )(100 2 ) 5000 OP 105 5025 34.11 E ( S ) 30 ←(問題8-1) OV 34.11 30 4.11 FB * 1 * 1 1 2* 39.29 29.29 34.29 2 2 OPM 34.29 30 4.29 12/06/07 15 (問題 8-4)期待効用関数が u ln(c) であるととき、 「橋事業のケース」で政策 前の期待効用 EU 0 、支払意思額曲線 WTPL(1 , 2 ) 0 、オプション価 格 OP 、オプション価値 OV 、最適支払契約における支払額の期待値 FB * 、オプション・プレミアム OPM を求めなさい。 EU 0 1 ln 8000 2 WTPL(1 , 2 ) 0 (200 1 )(100 2 ) 8000 OP 150 10500 47.53 E ( S ) 60 ←(問題8-2) OV 47.53 60 12.47 FB * 1 * 1 1 2* 110 .56 10.56 60.56 2 2 OPM 60.56 60 0.56 12/06/07 16 (問題 8-2)期待効用関数が u ln(c) であるととき、「橋事業のケース」で政策前の期待効 用 EU 、支払意思額曲線 WTPL(1 , 2 ) 0 、政策の期待便益 E (S ) 、オプション 0 * 価格 OP 、オプション価値 OV 、最適支払契約における支払額の期待値 FB 、オ プション・プレミアム OPM を求めなさい。 EU 0 1 ln 8000 2 WTPL(1 , 2 ) 0 (200 1 )(100 2 ) 8000 E ( S ) 60 OP 150 10500 47.53 OV 12.47 FB * 1 * 1 1 2* 110 .56 10.56 60.56 2 2 OPM 60.56 60 0.56 12/06/07 17
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