高校での 「英語の授業は英語で」がベストか?

高校での
「英語の授業は英語で」
がベストか?
A11LA165
世森 由美子
前提
• このプレゼンにおいて「英語の授業は英語
で」の目的は、
「英語が使える(話せる)人間の養成」
であると仮定している
「英語で授業」=フル・イングリッシュ
であるのが理想とされるが、
現実的には難しく、実行に移している学校も少
ない(Hall,G&Cook,G 2013)
また、(Lee&Macoro 2012、2013)等で
母語を交えた方が効果的、適切との報告が
多々見られる
⇒部分的に使う方が理に適っている
それではどこで英語を使うべきか?
⇔現在の高校英語の授業は主にgrammarと
reading、writing
listening、speakingはあまりない
つまり文法、英文読解、英作文が大半を占め
ている
「英語で授業」において一番不安の声が上
がっているのが文法
(ex.文法用語の説明をいかにするか)
また、読解と英作文に日本語をはさまないの
は不可能
⇒「英語で授業」を行うには、新しい授業形態
が必要!
今より英語を活用しやすく、
さらに英語が使える人間の養成も考えると、
コミュニケーションを重視した形が望ましい
→一例としてはTBLT方式(Task-based
Language Teaching)
TBLTの流れ
プレ・タスク→タスク活動→発表
→フィードバック→文法などをつめ、正確さを
磨く
実践→文法という流れのため、
形式や正確さにとらわれない英語活用術を
身につけられる
ただし、問題点も多い
・時間がかかりすぎる
→あまり英語に時間を割くと、他教科に影響
が
・中間言語の化石化を促進する恐れがある
→さらに、自分で考えて出したがゆえに間
違った答えが記憶に残りやすい
また、アウトプットを行うにおいて、十分なイン
プットがないと効果があまり発揮されないとい
う報告がされている
中学終了時点で、コミュニケーションをするの
に十分なインプットが完了しているだろうか
(ex.仮定法などの文法)
→高校におけるTBLTは時期尚早か?
最大のネックは、高校生の一番身近な英語は
「受験英語」であること
日本の受験英語は現在readingとlistening、
writingが主である
(特にreadingの比重が大きい)
また、減点方式で正確さが重視される
→話す英語は評価されない
そのため、文法や正確な発音等に自然と力を
入れざるをえない
→話す英語に割ける時間が少なくなる
⇒結局英語を話す能力が身につかない
それでは高校で「英語の授業を英語で」する
意義があるのだろうか?
しかしながら、今年の10月に
・2021年度入試からセンター試験にかわる「大
学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の導入
・その試験では「読む・書く・聞く・話す」の4技能
を評価する方針
・また、TOEFLなど外部の資格試験の活用も
検討
との旨が発表された
→これからは話す英語も評価されるかも?
結論
現在、高校において「英語の授業を英語で」
行うのは得策ではない
しかし、この先大学入試の体制が変化し、話
す英語が評価される環境が整えば、ベストま
でとはいかないがベターとなりうる可能性は
大きい