スライド タイトルなし

2005.3.22
稲美町教育委員会の在り方
平成17年3月
稲美町教育委員 中西 孝
By T.Nakanishi
2005.3.22
教育委員会制度の今日における意義・役割
①教育に求められる要件
・政治的中立性の確保
教育=個人の精神的な価値の形成に直接影響を与える営み
公正な民主主義の
維持にかかわる
学校の基本的運営方針の決定、教職員の人事等
学校教育においては中立性の確保が強く求められる
子どもの健全な成長発達のため一貫した
方針の下安定的に行われることが必要
・継続性、安定性の確保
・地域住民の意向の反映
②教育行政に求められるもの
特定の見方や教育理論
の過度の偏りないよう
改革、改善は
漸進的に
専門家のみでなく
首長への権限の集中を防止し中立的な行政運営を担保
・首長からの独立性 : 教育の中立性、安定性、継続性の確保のため
・合議性 : 複数の委員による 地域住民の意見を幅広く代表
・住民による意思決定 : レイマンコントロール
教育の専門家や行政官ではない
住民が専門的な行政官で構成され
る事務局を指揮コントロールする
③教育委員会制度の必要性
教育機関の管理運営における「首長からの独立性」
教育行政への要請 「合議性」「レイマンコントロール」の実現に応えるため
教育委員会制度は必要
By T.Nakanishi
2005.3.22
稲美町教育委員会の問題点とその要因
要因
問題点
・実質的な意思決定を行っていない
(事務局が提出する案を追認するのみ)
・住民から遠い存在、何をしているか
余り認知されていない
・情報不足または勉強不足のため課題
となっている事柄が国や県の意向か
又は町独自のものか判然としない
教育委員会の組織・運営
・地域の実情に応じた工夫がされていない
・委員会が月1回程度、短時間で十分な議論がなされず、適時
迅速な意思決定ができない
・委員に対し、十分な情報が提供されない、また学校等の情報
を得られない
・委員が職務上住民と接する機会が少なく、また委員会の広報
活動や会議の公開も十分でない
要因
首長と教育委員会との関係
・意思疎通が十分行われず、相互の理解が十分でない
・教委に財政的な権限がないため、財政支出を伴う施策は独立
して企画、実施できない
要因
教育長、教育委員会事務局との関係
・教育長や事務局学校教育関係ポストが、教育出身者によって
占められ教員の立場を強く意識するものとなっている
要因
都道府県と市町村との関係
・教職員の人事権は都道府県教育委員会の権限とされている
By T.Nakanishi
2005.3.22
○ 教育委員会議の運営改善・公開
会議の開催回数を増やす・開催時間の工夫、案件内容の事前説明
活発な議論
委員による議論の機会を最大限確保する
適切な意思決定
会議開催の広報、傍聴を促す 会議録の公開(インターネット等にて)
住民に見えやすく
○ 地域住民の意向や所管機関の状況等の積極的な把握
住民広聴会の開催、移動教育委員会の開催、学校への
訪問。警察、PTA、経済団体、大学等との意見交換
研究会、研修会の開催、情報交換、研究
協議の場の確保⇒教育委員の資質を高める
◎ 教育委員会の使命の明確化
地域の教育課題に応じた基本的な教育の方針・計画の策定
教育長、事務局の事務執行状況を監視、評価すること
教育委員会の使命
教育委員会と教育長及び事務局が適度な緊張関係を保ちながら、教育事務を執行すること
△教育委員会と教育長との関係の明確化
現在の状況では
教育長は執行機関としての事務局のトップ
としか見えない
By T.Nakanishi
2005.3.22
教育委員会自身がその活動について
目標を設定し実施結果を評価していくことが必要
教育行政の自己評価
教育委員会が主体となって、教育長以下の業務の状況を評価
教育委員会事務局の体制強化
「教育」の
重要性に鑑み
公開
教育委員も自ら外部より
評価をうけることが必要
課題は山積
教委事務局が人手不足というならば、人的補強(量 or 質?)を考慮すべし
目標の設定
sample
「稲美町の教育」のビジョン、中長期計画を策定する
平成17年度 稲美町 教育委員会 目標
1.平成18年度教育計画の実質的設定
2.教育委員と町長の定期協議会の開催 4回
3.「目標の設定と結果の評価」
4.住民に対する積極的説明の実施
5.学校の自主的教育活動の推進とバックアッフ
教育長目標
平成17年度 稲美町 教育委員 目標
1.各校校長との面談 全7回
2.「2学期制」の勉強とそのまとめ
3.研究授業、校内研修の積極的参加
4.直接先生や子ども、保護者と話し合い、意見を聞く
教育政策部長目標 教育課長目標
教育事務局目標
By T.Nakanishi
夢・理想
「目標設定と評価」の手順
狙い・目的
希望・願望
2005.3.22
期待・ニーズ
<教育>のあるべき姿
懸案・課題
もしなければ作る
稲美町の中長期教育計画
国や県の示す方向性
稲美町の当面の課題
教育委員会の目標
あるべき姿や目標、標準
教育委員の目標
教育長の目標
ギャップ(問題)
教育委員会事務局の目標
・今最も実現させたい、あるいは 緊急の
課題をテーマとする
・テーマを目標とする
・そのテーマと現状とのギャップを問題点
として列挙する
・問題を分析する
・問題点発生のメカニズムを明らかにする
・メカニズムの要素に対応した対策を作る
・対策を実施する
現状レベル
四次原因
実
現
を
妨
げ
て
い
る
原
因
連関分析
原因
原因
三次原因
現象
条件
原因
原因
原因
二次原因
一次原因
問題
一次原因
問題
現象
条件
現象
原因
原因
条件
原因
By T.Nakanishi
2005.3.21
首長と教育委員会との関係
教育委員会は首長と役割を分担して教育事務を実施
:行政責任は教育委員会、首長は委員選任や予算編成面で間接責任
教育行政に関心のある首長の創意工夫を、教育行政に反映させる仕組みを積極的に導入するよう検討
教育委員と首長との協議会の定期開催、首長の学校訪問、教育に関する審議会の設置、基本構想の活用
予算の編成・執行にあたり首長部局が教育委員会に総枠を示し、その枠内では教育委員会の判断に委ねる
・市町村が責任をもって教育行政に当たる:基本的に人事異動(同一市町村内)は市町村が主体的に行う
市町村の常勤教職員任用制度を全国的に実施できるよう要検討
By T.Nakanishi
2005.3.21
学校と教育委員会との関係の改善
(1)学校と教育委員会との関係の在り方
生徒・保護者の要請や地域の状況に応じた教育を主体的に行い、
保護者や地域住民に対して直接に説明責任を果たしていくために
・ 学校に権限を与え、校長のリーダーシップの下、自主的な学校運営ができるようにする
教育委員会
・教育方針を定め、各学校の自主的な教育活動を支援する
・各学校間、学校地域間の連携の橋渡し役となる ・教員の意欲を高めていく
教職員の配置に対する校長の権限を更に拡大し、
校長は教職員の能力や業績を適切に評価し、その結果を処遇に反映する
各承認事項
教育課程の編成、休業日設定は現在承認から届出・報告に改善されている
使途は校長に委ねる
学校予算の裁量権拡大も
(3)学校評価の改善
教 育 活 動 活動内容
その評価
教育内容等の学校裁量拡大が望まれる 「教職員配置の見直し」「学校組織の強化」
等、条件整備も必要
教育活動の自律的・継続的改善
学校評価は重要
公表
フィードバック
保護者
地域住民
外部評価も
結果:学校が単純に比較され
序列化されないように注意すべき
多面的評価を
学校の自主的な教育活動(特に授業改善)に=研究授業や校内研修などに対する派遣、定期的な
教育委員会 学校訪問の実施等/学校経営・評価に対しても/研究団体の育成、カリキュラムや教材開発等
の支援
学校事故や生徒指導上の問題に対する支援、学校現場の意見の吸い上げ(⇒施策に反映)も
By T.Nakanishi
保護者・地域住民と教育委員会・学校との関係の改善
2005.3.21
(1)保護者・地域住民の参画
①保護者・地域住民の意向の反映
保護者・地域住民に対し
学
学校の管理運営や教育行政への参画を積極的に求めていくこと
H12 スタート
学校評議員制度
時に評議員の
意見をきく
H16 スタート
学校運営協議会
校
育てる
地
域
住民が一定の権限・責任をもって
学校運営に参画
保護者・市民の代表
自律的な学校運営の定着
②保護者・地域住民の学校への協力
学校に求められるもの
学校外の協力が必要なもの
教育委員会の
政策立案
教育活動
団体代表
審議会・研究会
有識者
以前より多くのことが求められるようになっている
学校安全の徹底、食の指導 etc.
総合的な学習の時間、インターンシップ(就業)体験
学校は保護者・地域住民に、自らの教育活動について
情報提供し理解を求め協力を求めることが必要
保護者・地域住民・企業・大学等の協力が必要
学 校
情報提供し協力を依頼
地域住民
-11-
子どもを育てる
進路先
協 力
地元
企業・大学等
保護者
By T.Nakanishi
保護者・地域住民と教育委員会・学校との関係の改善
2005.3.21
(1)保護者・地域住民の参画
③PTA活動の充実
学
校
PTA
・学校の教育方針
・教育の実施活動
・学校評価結果の説明
・学校評価への
協力/参画を促す
地域住民を取り込み
保護者・地域住民の
学校教育への協力や
参画を促す
有志の親の会
結成
・学校に協力
・各家庭で
教育の充実に
取り組む
保護者
学校支援
ボランティアの組織化
(2)保護者・地域住民への情報発信と要望への対応
地域住民が
参画しやすくなるよう
今後
保護者・地域住民
広範な情報提供、住民の意見や要望を受ける体制をとる
①積極的な情報発信
委員会の実施状況、
学校の教育活動の状況
教育委員会 相互理解・信頼
学
校
教育委員会
条例による「教育の日」の制定や教育週間の設定
By テレビ、ラジオ 公開研究授業の実施、学校開放週間の設定等
インターネット
②保護者・地域住民の要望への対応
様々な要望や苦情に対応
=
行政相談窓口
の設置
+
ホームページ掲示
Eメール、FAXで意見等
By T.Nakanishi
2005.3.22
稲美町教育委員会の在り方
おわり
By T.Nakanishi