第三回 線形計画法の解法(1) 標準最大値問題 2003.4.17 山梨大学 1 内容と目標 内容 LP問題のシンプレックス解法 Excelを用いてLP問題の解析をする 目標 スラック変数について復習 LP問題のシンプレックス解法を理解する ExcelでLP問題を解析する 2003.4.17 山梨大学 2 LP問題のシンプレックス解法 第一回の演習問題(4):生産計画問題 f = x1 +2 x2 ――> max (1) Subject to: 0.8x1+0.6 x2≦8.8 0.2x1+ 0.8 x2≦6.4 0.3x1 + 0.4 x2≦4.0 x1 , x2≧0 2003.4.17 (2) 山梨大学 3 スラック変数 式の左辺は原料a, b, cの使用量を表して いたが、各原料の残りをλ1, λ2, λ3とする。 原料の残りは1kgについて0万円の利益を 生むと考えると、このLP問題は次のように なった: 2003.4.17 山梨大学 4 f = x1 +2 x2+ 0λ1+ 0.8x1+0.6 x2+λ1 0.2x1+ 0.8 x2 +λ2 0.3x1 + 0.4 x2 0λ2+ 0λ3 =8.8 ➀ =6.4 ➁ +λ3=4.0 ➂ (3) (4) x1 , x2,λ1,λ2,λ3≧0 2003.4.17 山梨大学 5 結局、最初の問題は表現を変えて、x1 , x2,λ1,λ2,λ3を変数とする連立1次方程式(4)の解 で、(3)のfの値を最大にするものを求めるとい うことになる。 普通の連立1次方程式と異なる点は、変数 の値に負数が許されないことである。 2003.4.17 山梨大学 6 シンプレックス表 連立1次方程式の計算と同じように、係数と 定数のみを並べた表によって行うのがよい。この 表はシンプレックス表とよばれている。 ステップ1において基底列の変数と定数列の 数を等号で結び、基底列にない変数を0とおくと x1=0, x2=0,λ1=8.8,λ2=6.4,λ3=4.0 で、これは基底解である。 2003.4.17 山梨大学 7 ステップ1のf行はfの増減判定に役立つ。す なわち、f行の最小負数-2に対応している変数 x2 が、最も有効にfを増加させる変数であるか ら、次のステップではx2を基底に取り入れる。 θ列の最小値8に対する行の基底変数λ2 が基底 から追い出される変数である。 2003.4.17 山梨大学 8 λ2 を基底から追い出して、代わりにx 2 を取 り入れる計算、ステップ1からステップ2に移る 計算は、次のようになる。 1.基底列のλ2 をx 2 に変えたものをステップ 2の基底列にする。 2. 横ワク行の数をピボットの0.8で割ったも のを、ステップ2のx2行にする。 2003.4.17 山梨大学 9 3. (2)でできたx2行に0.6を掛けたものを、 ステップ1のλ1行から引いて、ステップ2の λ1行にする。 4. (2)でできたx2行に0.4を掛けたものを、 ステップ1のλ3 行から引いて、ステップ2の λ3行にする。 2003.4.17 山梨大学 10 5. (2)でできたx2行に2を掛けたものを、 ステップ1のf行と「fの値」に加えて、ス テップ2のf行と「fの値」にする。 基底列と定数列から、基底解は λ1=4, x2=8, λ3=0.8, x1=λ2=0 となり、それに対するfの値がf=16であるこ とも直に分かる。 2003.4.17 山梨大学 11 ステップ2のf行には負数が1つあり、変 数x1が対応しているから、x1の値が増加すると fの値も増加する。ゆえに、x1列に縦ワクをつ け、定数列の数を縦ワク列の数で割ってθ列を 作り、その最小値2が対応しているλ3行に横ワ クをつける。 2003.4.17 山梨大学 12 次はλ3 を基底から追い出し、代わりにx 1 を 基底に取り入れる計算である。その計算結果が ステップ3である。 ここで、基底変数はλ1, x2, x1で、基底解は λ1=1.4, x2=7, x1=4, λ2=λ3=0 であり、f=18である。 2003.4.17 山梨大学 13 ステップ3のf行には負数がないから、 どの変数を増加してもfが増加すること はない。したがって、この解がfの最大 値を与える唯一の解である。 このようにf行がすべて非負になると 最適解が得られたことになるので、f行 がすべで非負になることを最適条件とい うことにする。 2003.4.17 山梨大学 14 課 題 目的関数: 制約条件 Max. f=10x1+12x2 8x1+5x2≦3800 4x1+9x2≦4500 3x1+4x2≦3800 x1, x2 ≧0 解答: x1=225, x2=400, 2003.4.17 山梨大学 f=7050 15
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