北海道における自殺について

北海道における
自殺の現状について
北海道立精神保健福祉センター
北海道地域自殺予防情報センター
2014年7月23日(水)
1
1.全国と北海道、
自殺者数の推移
2
統計データの違い
※厚生労働省の人口動態統計と警察庁の自殺統計の違い
人口動態統計
警察庁自殺統計
対象
日本人のみ
外国人を含む
計上方法
住所地
発見地
3
日本の自殺者数の推移
40000
毎日、約75人が
自殺で亡くなっている
35000
30000
25000
昭和61年
25,524人
20000
15000
10000
5000
平成10年
32,863人
総数
男性
女性
昭和53年
20,788人
平成25年
27,283人(警察庁)
0
S53 S55 S57 S59 S61 S63 H2 H4 H6 H8 H10 H12 H14 H16 H18 H20 H22 H24
警察庁 自殺統計資料
4
日本の自殺の推移
 1998年(平成10年)から急増
中高年・男性の増加
※内閣府では、~29歳を青少年、30歳~64歳までを中高年、65
歳以上を高齢者と定義
 年間2万7000人超
→1日あたり74~75人の自殺者
 男性:女性 = 7:3
5
北海道の自殺者数の推移
2000
1800
1600
1400
毎日、約3人が
自殺で亡くなっている
平成10年
1,604人
平成15年
1,745人
1200
総数
1000
男性
800
女性
600
400
200
平成25年
1,246人(警察庁)
0
S53 S55 S57 S59 S61 S63 H2 H4 H6 H8 H10 H12 H14 H16 H18 H20 H22 H24
警察庁 自殺統計資料
6
北海道の自殺の推移
 1,300人前後で推移
→
1日に3~4人の自殺者
(札幌市は全道の約3割を占める)
 全国とほぼ同様の傾向
・平成10年から急増
・中高年男性が多い
・男女比=7:3
男性: 866人
女性: 380人
総計:1,246人
(平成25年 警察庁資料より)
7
北海道の自殺死亡者数と
交通事故死亡者数の推移
自殺
2,000
1,745
1,800
1,726
交通事故
1,604
1,600
1,481
1,400
1,200 1,129
1,000
800
600
659
1,246
自殺死亡者数は
交通事故死亡者数の
1,106
613
6~7倍
533
516
391
400
228
184
200
0
H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
警察庁 自殺統計資料
8
北海道の完全失業率と自殺死亡率
30.0
10.0
28
26.7
24.3
25.0
9.0
23.6
22.2 8.0
7.0
20.0
5.9
16.3
15.3
15.0
6.0
5.2
5.1
4.9
5.0
4.2
4.0
10.0
2.9
3.0
2.1
2.0
5.0
自殺率
完全失業率
0.0
1.0
0.0
S S S S S S S S S S S S S S S H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H
4 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 6 6 6 6 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2
9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4
平成24年 厚生労働省人口動態統計より
9
2. 北海道の自殺の実態
10
年齢階級別自殺者数
180
159
160
147
139
140
126
119
120
100
92
男性
80
68
58
60
58
59
59
女性
65
44
40
20
26
17
8
2 0
0
20歳未満
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80歳以上
不詳
平成25年 警察庁 自殺統計資料
11
自殺の男女別・手段別
男性
不詳
0%
飛込み
0%
飛降り
その他
12%
13%
女性
その他
17%
5%
練炭等
飛込み
0%
不詳
0%
飛降り
9%
服毒
1%
首つり
69%
練炭等
6%
服毒
4%
首つり
64%
平成25年 警察庁 自殺統計資料
12
自殺場所別
山
3%
海(湖)・
河川等
6%
その他
19%
乗物
10%
自宅等
57%
高層ビル
5%
平成25年 警察庁 自殺統計資料
13
自殺の原因・動機
原因・動機の判断材料(H25・全国)
家庭問題
11%
該当
なし
24%
不詳
28%
遺書
33%
生前の
言動
39%
平成26年度版 自殺対策白書
健康問題
28%
その他
4%
自殺サ
イト、 学校問題
1%
メール
男女問題
等
4%
4%
勤務問題
9%
経済・生活
問題
15%
平成25年 警察庁 自殺統計資料
14
主要な動機の内訳
健康問題
経済・生活問題
・身体の病気
・うつ病
・統合失調症
・アルコール依存症
・薬物乱用
・その他の精神疾患
・身体障害の悩み
・その他の健康問題
・家庭問題
・勤務問題
・男女問題
・学校問題
・その他
・不詳
・倒産
・事業不振
・失業
・就職失敗
・生活苦
・負債
多重債務、連帯保証
人、その他
・借金の取り立て苦
・自殺による保証金支給
・その他の経済・生活問
題
平成23年 警察庁 自殺統計資料
15
職の有無
平成25年中における
自殺者の
39%は有職者
60%は無職者
平成25年 警察庁 自殺統計資料
16
同居人の有無
平成25年 警察庁 自殺統計資料
17
3.メディア・インターネットと自殺
18
マスメディアやインターネットには
自殺を促しかねない特質がある
 著名人の自殺やショッキングな自殺の配慮のない報道
→模倣自殺、群発自殺を誘発させる危険性
→S61、アイドル歌手の自殺をメディアが繰り返し放映。2週間で30余
名の青少年の連鎖自殺。
 ネット自殺
→若者に多い、見知らぬ者同士の複数同時自殺
→H12~H17で計40件
→H15年の事例がメディアに大きく取り上げられ、具体的な経緯・手
段が報道される。以降連鎖的なネット自殺が生じた。
 SNSなどを通しての、自殺をした人の画像や動画の拡散
19
メディアの報道の仕方によっては
自殺者数を減少させる効果もある
 ウィーンでは「メディアの自殺報道に関するガイドライン」
を徹底し、地下鉄自殺者数を減少させた
・WHOの「自殺予防 マスメディア関係者のための手引き(2008)
・電気通信関連団体による「インターネット上の自殺予告事案への
対応に関するガイドライン」(2005)
 インターネットやSNSが普及した現在、私達一人一人
が自殺を取り扱う際に注意する必要がある。
20
WHO「自殺予防 メディア関係者のための手引き」
(2008年改訂版日本語版) 訳 河西 千秋(横浜市立大医学部精神医学教室)
1.努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う。
2.自殺を、センセーショナルに扱わない。当然のことのように扱わない。
あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない。
3.自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない。
4.自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない。
5.自殺既遂や未遂の生じた場所について、詳しい情報を伝えない。
6.見出しのつけかたには慎重を期する。
7.写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する。
8.著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする。
9.自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする。
10.どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する。
11.メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る。
21
4.自死遺族について
22
自死遺族について
 1人の自殺者に
4.49人の自死遺族が生まれる(※)
平成25年の場合
→年間1,246人×4.49人=約5,557人
※ NPO法人ライフリンク:自殺実態解析プロジェクトチームが1993~2006年の
厚労省の人口動態調査を基に算出
23
自死遺族の感情的苦悩
 なぜ
 自責
 怒り
 罪悪感
 悲しみ
 苦しい
 死にたい
 その他
•
•
•
•
周りの人に知られたくない、言えない
自分のせいで自殺したんだ・・・
どうして止められなかったんだろう・・・
○○のせいで△△は自殺したんだ!!
etc…
24
自死遺族のためのグループ
遺族のためのグループへの参加は自尊心や
人生そのものを回復するために極めて有効
家族の自殺という問題
↓
同じ体験を持つ仲間との出会い
語り合うという作業が重要
25
北海道地域自殺予防情報センターの概要
 平成21年4月設置
 北海道立精神保健福祉センターの技術センターと
しての機能に加えて、自殺関連問題に特化した
有益な情報収集、管理、発信をしていく情報セン
ター機能を拡充するため
 心理職の非常勤2名配置
①地域自殺予防情報発信
②人材育成
③その他
自殺や自殺予防に
関する様々な業務
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自殺者をひとりでも減らそう!
北海道地域自殺予防情報センター
ホームページを開設しました!
・北海道における自殺の統計資料
・自殺予防CM
メールマガジンを配信しています!
・メールマガジン「Andante」の配信
・毎月末に配信
・登録は無料
URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisatutaisaku.htm
27
より多くの方に
自殺について知っていただき、
心を傾けていただいて、
ひとりでも多くの自殺者を
減らすことができるよう
取り組んでいます。
ご清聴ありがとうございました。
28