科学的視点の重要性と メディアリテラシー 国際連合大学 安井 至 http://www.yasuienv.net/ 紙節約のため、 デジタルファイルを請求してください。 第一部 原理原則編 一般社会と専門家との情報乖離 乖離の状況は一部で改善されているもの の、一部では却って悪化している。 理由 個人主義的な発想が強まっている ノスィズム的な傾向も テレビメディアの偏重 情報を得る時間的余裕の欠落 新聞を読まない層の出現 科学的情報の理解能力の喪失 環境情報伝達の重要性 市民社会と「価値の共有」をするため 以前は、「社会受容性」という言葉が使われ た それ以前は、「説得」という言葉が使われた その作業の根幹を成すのは「情報伝達」であ る。 技術などの拒絶とその理由 1.原子力発電 →厳密すぎる要求 2.臓器移植 →社会文化的な違和感 3.遺伝子組換 →未知の副次的影響 4.再生可能エネルギー →既存システム 5.自動化 →雇用の喪失 6.製造拠点海外移転 →雇用の喪失 7.最終処分地、リサイクル →自己中心 8.BSE →リスクの無理解、リスクゼロ 「共有」すべき広義の情報 共有できる条件 情報の共有がまず第一 提供側から出すべき情報 価値 知識 意味 動機 責任 リスクベネフィット 完全開示 社会貢献、明確性 なぜ今かの明確な説明 大きな視点からの倫理観 受領側のスタンス ノスィズム回避 価値:リスクベネフィットの例 水道水の塩素消毒 水道水の役割、塩素の必要性 若干のリスクはある:トリハロメタン 途上国の平均余命と水道 ミネラルウォータの規制はなぜ5倍も緩い のか GDP vs. Life Expectancy 知識:完全開示の例 遺伝子組換え食品 食べるだけなら、通常の食品より安全 しかし、環境の中で何が起きるか=未知 環境改変の可能性があっても、餓死を救う遺 伝子組換え食品なら受容するか? BSEのリスク 意味:社会的貢献、明確に 京都議定書を守ったところで、地球温暖化 は解決されない=本当 だから意味がない=間違 世界的規模の食糧供給の問題 動機:なぜ今なのか メディアが騒ぐからは、動機か??? ダイオキシン 環境ホルモン 国際的な約束(ex.京都議定書)は、動機 になるのか??? 責任:大きな視点からの倫理観 最終処分地は、現状だと必須 しかし、現世代にも、将来世代にも負担に ならないような最終処分地を作る責任 徐々に最終処分地を必要とない社会に転 換する責任 エコタウンであれば、リスクベネフィット論も あり得る。 「共有」するための協同作業 過去の事例を十分に検討・評価する リスクの科学的な解明を十分に行う 大きな時の流れの中で、現在を把握する 未来を見通した議論を行う 未来社会からどのように評価されるか、という視 点で、現在を見る お互いの了解事項 宗教戦争にやらないこと。特に、一神教。 「正しい情報を共有する」ことがスタート 第二部 有害性誤認編 ヨーロッパの予防原則 とポピュリズムの台頭 RoHS型問題 EUの毒性物質規制 重金属4種 臭素系難燃剤2種 Cd、Hg、Pb、Cr6+ PBDE、PBB 2006年7月、電子電気機器へ使用禁止 被害者は居るか ソニーPSOne摘発問題。 2001年12月:コントローラ塩ビケーブル 中のカドミウム使用が判明。オランダの基 準を超している。基準値は、製品重量の0. 01%。130万台が出荷停止に。 もし、RoHSを破れば、 ビジネスリスクは大きい。 健康被害者は居るのか 鉛に限れば、過去最大の環境問題は、ガソ リン中の四エチル鉛 米国では、総量で700万トンの鉛が大気に 放出されたとか 日本では、牛込柳町の鉛中毒事件 日本の土壌中の鉛汚染は、順調に低下中。 現在世界での鉛生産量500万トン。0.6% がはんだ。3万トン程度。 Sonyの某幹部 RoHS規制は欧州の先進的規制である。 中国ですら同様のものを作ろうとしている のに、日本の対応の遅れは情けない。 反論: RoHSによって生じるリスクは、ビジネスリ スクでしかない。ビジネスリスクの存在を理 由に規制を求めることは、筋違いである。 鉛で公園の土、砂汚染 2004年2月1日 朝日新聞1面 東大:吉永淳助教授 国環研:田中敦主任研究員 砂場:25.4ppm、表土:67.3ppm 150ppmを超す表土も 「すぐに危険なレベルではないが、身近な 場所で乳幼児が鉛汚染にさらされやすく なっている」、吉永談。 Current Demand and Supply (1000tons) 7100 7000 6900 6800 6700 6600 6500 6400 6300 6200 2000 2001 Year 2002 2003 2004 After International Lead and Zinc Study Group (ILZSG) End Use of Lead, World The International Lead and Zinc Study Group (ILZSG) http://www.ilzsg.org/ End Use of Lead in USA http://minerals.usgs.gov/ds/2005/140/lead-use.pdf Performance vs. Human Health Risk Ecological Risk Depletion Risk Risky Acceptable Minimum Performance Desirable Performance Risk Human Health Risk by Product A Human Health Risk + Other Risks by Product B Safe Performance Performance vs. Human Health Risk Ecological Risk Depletion Risk Risky Acceptable Minimum Performance Desirable Performance Risk Human Health Risk by Product A Safe Performance Human Health Risk by Product B Performance vs. Human Health Risk Ecological Risk Depletion Risk Risky Acceptable Minimum Performance Desirable Performance Risk Human Health Risk +Other Risks by Product B Human Health Risk by Product A Safe Performance Human Health Risk by Product B Human Health Risk vs. Others Risky Risk Human Health Risk Other Risk Solution Safe Stage of Development 鉛の情報 ○鉛がヒトの必須元素であると確定はしていない。議論 があるところ。 ○ヒトは、鉛を食物・飲み物などから多少暴露を受けるが、 大部分は、高温状態の鉛のガスあるいは古くなったペン キからの微粒子などから摂る。 ○鉛精錬、鋳造、などの職種にあるヒトの血中濃度は、 一般人よりも高い。 ○以前は、有鉛ガソリン中の四エチル鉛が大気中の微 粒子の原因であった。途上国ではまだ使用されているが、 日本では、1975年にレギュラーガソリンへの四エチル 鉛添加が禁止され、その後、ハイオクガソリンへの添加も なくなった。 ○EUでは、2000年1月1日に有鉛ガソリンの販売を禁 止したが、イタリアは、古い車が多く、そのため、2年間延 期。 ○鉛は、水道水の配管として使われてきた。若干水道水に 溶け込む。そのため、今でも、鉛管を使っている家では、朝 一番のヤカン一杯の水は飲むべきでない。 ○鉛白と呼ばれる顔料(化学物質名は塩基性炭酸鉛)など は、以前、壁に塗るペンキに使用されていた。厚く塗られた ペンキの剥げ落ちた破片を食べると、子供の血中濃度は 上がる。 ○鉛は散弾として狩猟に使用される。この鉛は、小石を飲 み込む習性をもった鳥類の一部にとって有害である。 ○猛禽類は、散弾を受けて死んだ動物を食べるため、鉛 中毒になる可能性がある。 ○EPAは、ペンキ中の鉛白が原因の子供への影響をもっ とも深刻なものとして捉えている。 ○地殻中の存在量は13ppm。自然なレベルは、15~30 ppm。以前は、道路の脇などにおける鉛は多いとされてい た。例えば、5000ppm。 ODCEの対応 1997年 子どもの血中鉛濃度が 10μg/dL 以下になるよう、 さらなる方策をとるべき注意を喚起する。血中鉛 濃度がこのレベルを超える場合には、さらなる方 策が必要。 加鉛ガソリン使用の削減と廃止、子ども用製品 中の鉛の除去、塗料及びさび止め剤での鉛の不 使用、食物及び飲料水を通じて体内に取り込ま れる元となる製品中の鉛の制限、及び、これらを 源とする鉛の除去と低減のために、スケジュール と戦略を設定することを表明する。 鉛の血中濃度 子供の知能の発達などに悪影響があるとされ ている。10μg/dLあたり、IQが7.4下がるとす る論文がある。それに対する反論もあるようだ。 さらに、3μg/dL以下でも女児の性徴の発達 に影響が無いとは言えないとする発表もある。 血中濃度とガソリン中の四エチル鉛の濃度との 相関が非常に高い。ガソリン中の四エチル鉛を ゼロにすると、血中濃度は、3.1μg/dLぐらい になる。 米国EPAの発表によれば、 「5歳児以下の子どもの血中の鉛濃度平均値は、 1976年~1980年の15μg/dLから 1999年~2000年の2.2μg/dLへと 約85%も減少した」. 第3部 基本的な環境リテラシー編 化学物質の毒性 コア知識 物質が毒かどうかは、量が決める。 量を多く摂れば、すべての物質は天然食 品を含めて毒物である。 生物は、毒物を摂取することを前提として 防御システムを備えている。 動物の中では、ヒトはもっとも精緻な防御 システムをもっている。しかも、大脳の判断 で、リスクを避ける能力がある。 物質が毒かどうかは量が決める 通称:パラケルスス 本名:アウレオルス・フィリップス・テオフ ラストス・ボンバストス・フォン・ホーヘン ハイム(1493ー1541) スイス人医師。錬金術師。後にバーゼ ル大学教授。 環境問題は正しく認識されているか 環境問題の認識 ・身の回りの環境は20~30年前に比べて よくなっているか 悪くなっているか この問題の答えのみ、YesもNoもあり得るが、 以下の質問の正解はすべてYes ・大気汚染は ・水質汚濁は ・ダイオキシン汚染は 同上の質問 同上の質問 同上の質問 健康問題の認識 ・乳児死亡率は ・死産率は ・平均寿命は 同上の質問 同上の質問 同上の質問 性別による違い(環境問題の認識) 環境問題の正しい認識率は男性の方が高い 1.000 0.800 0.73 正答率 0.67 0.600 0.400 0.200 0.64 0.48 0.50 0.31 0.39 男性 女性 0.21 0.000 Q1 環境は 良くなっている Q3 大気汚染は よくなっている Q4 水環境は よくなっている Q5 ダイオキシン汚染は よくなっている χ2検定(有意水準1%)でいずれの問も差あり 性別による違い(健康問題の認識) 健康問題の正しい認識率は男女間で差がない 1.000 0.82 0.800 正答率 0.73 0.600 0.400 0.52 0.52 0.50 0.47 0.200 男性 女性 0.000 Q6 乳児死亡率 Q7 死産率 Q8 平均寿命 χ2検定(有意水準1%)でQ6、Q7は差なし、Q8は差あり 年令による違い(環境問題) 1 年令が高くなるにつれ正しい認識率が高くなる 0.8 正答率 0.6 Q1 環境は 良くなっている Q3 大気汚染は よくなっている Q4 水環境は よくなっている Q5 ダイオキシン汚染は よくなっている 0.4 0.2 0 15歳以下 16-25歳 26-35歳 36-45歳 46-55歳 56-65歳 66歳以上 χ2検定(有意水準1%)でいずれの問も差あり 年令による違い(健康問題) 1 年令が高くなるにつれ正しい認識率が高くなる 0.8 正答率 0.6 0.4 Q6 乳児死亡率 Q7 死産率 Q8 平均寿命 0.2 0 15歳以下 16-25歳 26-35歳 36-45歳 46-55歳 56-65歳 66歳以上 χ2検定(有意水準1%)でいずれの問も差あり 職業による違い(環境問題) 1 0.8 Q1 環境は 良くなっている Q3 大気汚染は よくなっている Q4 水環境は よくなっている Q5 ダイオキシン汚染は よくなっている 正答率 0.6 0.4 0.2 0 小 学 生 中 学 生 高 校 生 大 学 生 会 社 員 会 社 員 管 理 職 会 社 役 員 ・ 経 営 者 自 営 業 ・ 自 由 業 家 事 専 業 小 中 高 教 員 大 学 教 員 環 境 研 究 者 そ の 他 全 平 均 χ2検定(有意水準1%)でいずれの問も差あり 職業による違い(健康問題) 1 0.8 正答率 0.6 0.4 Q6 乳児死亡率 Q7 死産率 Q8 平均寿命 0.2 0 小 学 生 中 学 生 高 校 生 大 学 生 会 社 員 会 社 員 管 理 職 会 社 役 員 ・ 経 営 者 自 営 業 ・ 自 由 業 家 事 専 業 小 中 高 教 員 大 学 教 員 環 境 研 究 者 そ の 他 全 平 均 χ2検定(有意水準1%)でいずれの問も差あり 職業による違い 環境問題、健康問題ともに 職業の違いにより 正しい認識率が異なる傾向が見られた 環境問題 健康問題 認識率 高 認識率 低 環境研究者 大学教員 会社員管理職 会社役員 教員 大学生 環境研究者 小学生 中学生 高校生 教員 小学生 中学生 会社員 第4部 情報伝達実験 環境問題としてのライフスタイル なぜ問題解決が困難か? 日本人は 世界で最も 健康で長生きです (C)Material World / ユニフォトプレス 健康寿命とは: 病気やけがなく健康に 暮らしていける年齢のことです 平均寿命 1日 本 2 オーストラリア 3 スウェーデン 4 スイス 5 フランス 6 モナコ 7 カナダ 8 アンドラ 9 イタリア 10 スペイン : : 182 マ リ 183 エチオピア 184 ウガンダ 185 ルワンダ 186 ジンバブエ 187 ボツワナ 188 ニジェール 189 ザンビア 190 マラウイ 191 シエラレオネ (歳) 80.9 79.5 79.5 79.3 79.3 79.1 79.1 78.8 78.7 78.7 42.7 42.3 42.2 41.8 40.5 39.4 38.9 38.5 37.9 34.3 健康寿命 1日 本 2 オーストラリア 3 フランス 4 スウェーデン 5 スペイン 6 イタリア 7 ギリシャ 8 スイス 9 モナコ 10 アンドラ : : 182エチオピア 183マ リ 184ジンバブエ 185ルワンダ 186ウガンダ 187ボツワナ 188ザンビア 189マラウイ 190ニジェール 191シエラレオネ (歳) 74.5 73.2 73.1 73.0 72.8 72.7 72.5 72.5 72.4 72.3 33.5 33.1 32.9 32.8 32.7 32.3 30.3 29.4 29.1 25.9 WHO 日常的なリスクによる損失余命比較 損失余命とはそのリスクが無くなったときに、期待できる寿命の増加量を指します。 低体重 鉄欠乏 VA欠乏 亜鉛欠乏 高血圧 コレステロール 体重オーバー 野菜果物不足 運動不足 危険な性交渉 避妊の欠落 たばこ 酒 ドラッグ 不衛生な水 大気汚染 煙の室内汚染 鉛暴露 気候変動 怪我(職業上) 発がん物質 SPM ストレス 騒音 注射 幼児虐待 世界 20.73 4.22 4.25 4.35 9.07 5.71 3.78 3.83 2.59 12.57 0.69 7.45 5.34 0.79 8.04 1.05 5.74 0.46 0.81 1.16 0.22 0.24 0.00 0.00 1.50 0.28 日本+ 0.01 0.05 0.00 0.00 5.94 3.01 1.92 1.87 1.78 0.23 0.00 6.15 1.61 0.49 0.03 0.54 0.00 0.05 0.00 0.23 0.23 0.06 0.00 0.00 0.00 0.16 世界的に 大きな健康リスクは 低体重(栄養不足) と HIV(エイズ) 日本でのリスクは小さい 日本では 大気汚染や 水質汚濁の 健康リスクは 世界と比べて小さい (単位・年) このグラフは、健康リスクを表しています。上にあるものほど健康に悪いものです。 >1000:喫煙(全死因) 1000 370:喫煙(肺がん) 120:受動喫煙(虚血性心疾患) 100 58:ディーゼル粒子(上限値) 14:ディーゼル粒子 12:受動喫煙(肺がん) 10 4.1:ホルムアルデヒド 1.3:ダイオキシン類 1 0.87:カドミウム 0.62:ヒ素 0.31:トルエン 0.1 0.29:クロルピリフォス(シロアリ駆除剤) 0.16:ベンゼン 0.12:メチル水銀 0.01 0.001 単位:損失余命(日) 大気汚染物質や 0.075:キシレン 0.016:DDT類 有害化学物質の健康リスクは 0.009:クロルデン(シロアリ駆除剤) タバコの 10分の1 ~ 100分の1以下 乳児死亡率、死産率推移 日本人の平均余命推移 日本は世界で一番安全な国 身の回りの健康リスクは重大ではない (大気汚染、水質汚染、食品の有害物) 先進国の人間としてもっと考えることがある 温暖化・エネルギー使用の問題 ゴミ処理の問題 地球的規模で、将来世代のことも 少しだけ考えてみよう この20年間でも気温の上昇は続いています 温暖化の原因となる二酸化炭素は急激に増えています。 日本は世界で4番目に多く二酸化炭素を出しています 上位4カ国で世界の半分近くを占めています 温暖化は先進国が率先して取り組むべき問題です 世界の人口と一人あたりのエネルギー消費量(1995年) 日本人のひとりあたりのエネルギー消費量は アジア諸国の アフリカ諸国の 5.5倍 13倍 地球の歴史上、一瞬の間に 大量の化石燃料が使い尽くされようとしています。 エネルギー使用量の長期推移 石油 石炭 天然ガス エ ジ プ ト 鉄器 中期 石器 文明 時代 時代 青銅器時代 ギリシャ文明 アメリカ独立 コロンブスの航海 ルネッサンス ロ ー マ帝国 衰退 (出典:オレゴン州政府、1975年) クウェート 8人家族 リビング、寝室4、居間、バスルーム4、食堂、キッチン、 使用人部屋、地下室(事務所)、バー、室内プール 床面積 437㎡ 主な所有品 ラジオ 4台 テレビ 2台 電話 5台 車 4台 PC 1台 ビデオ 2台 1週間の労働時間 父 50時間 長女 60時間 次女 45時間 一人当たりの年間所得 17535 USドル (約175万円) ブータン 13人家族 3階建て 床面積 65㎡ 主な所有品 ラジオ 1台 1週間の労働時間 大人 49時間 (7時間×7日) 一人当たりの年間所得 186 USドル (約2万円) (C)Material World / ユニフォトプレス アメリカ 4人家族 床面積 144㎡ 主な所有品 ラジオ(3) テレビ(2) 電話(5) 自転車(1) バイク(3) 車(3) PC(1) ステレオ(3) 冷蔵庫(1) ミシン(1) 洗濯機(1) レンジ(1) ドライヤー(1) フードプロセッサー(1) コーヒーメーカー(1) ポット(1) アイロン(1) 電子レンジ(1) 1週間の労働時間 父 40時間 母 20時間 (家事含まず) (C)Material World / ユニフォトプレス 一人当たりの年間所得 29240 USドル (約292万円) 日本 4人家族 リビング、食堂、キッチン、バス 床面積 128㎡ 主な所有品 ラジオ(3) テレビ(1) 電話(1) 車(1) 自転車(1) PC(1) ビデオ・ゲーム機(1) 電子ピアノ(1) 冷蔵庫(1) 電子レンジ(1) トースター(1) 洗濯乾燥機(1) 炊飯器(1) こたつ(1) 1週間の労働時間 父 40時間 母 60時間 (C)Material World / ユニフォトプレス 一人当たりの年間所得 32350 USドル (約324万円) 研究の背景・目的 “リターナブルびん”の環境負荷は小さい 飲料容器のうち、“リターナブルびん”は年々減少 「LCA手法による容器間比較報告書<改訂版>」2001.08 容器間比較研究会 飲料容器の環境影響は比較的小さい が、生活者のライフスタイルの変化を鋭敏に反映 生活者レベルでの環境情報の普及が課題 生活者への環境情報提供とその効果の把握を目的 として、身近な「ビール容器」を取り上げた 飲料容器の市場・コスト等について 飲料容器のLCAデータについて 飲料容器のLCAデータについて 事前と事後で選ばれたカードは 120 ( N) W E B 調 査 120 ( N) 1番目_ pr e 2番目_ pr e 1番目_ af t 100 100 2番目に選択 1番目に選択 80 2番目_ af t 80 カイ二乗値=19.88** 60 カイ二乗値=15.43* 60 40 40 20 20 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 ( CARD NO. ) 1 2 3 4 5 6 7 8 ( CARD NO. ) 「カード番号3」が減り、「カード番号1」が増加 20 ( N) 20 ( N) 1番目_ pr e C L T 調 査 15 1番目に選択 カイ二乗値=18.60** 10 2番目_ 1番目_ pr e 1番目_ af t 5 15 2番目_ af t 1番目_ 1番目に選択 【容器情報のみ】 2番目に選択 カイ二乗値=14.85* 10 5 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 ( CARD NO. ) 1 2 3 4 5 6 【カイ二乗検定:自由度7、**=有意水準1%、*=有意水準5%】 7 8 ( CARD NO. ) カード番号1とカード番号3の内容 増 ガラスびん リユース(60g-CO2/本) 200円/本 お店→資源回収 メーカー負担 > 減 アルミ缶 リサイクル(120g-CO2/本) 200円/本 お店→資源回収 メーカー負担 第5部 食に関する場合 基本的な情報は? 地球上における人類の存在 人類史における生存 特に、食料というものは何か 他の生命を頂くということ 人類用に準備されたものではないこと したがって、食は、人類にとってチャレンジ 命の価値の変遷 普段の不摂生を補う方法は無い 粗食+サプリメント → 駄目 タバコ+サプリメント → やはり有害 ビタミンも取りすぎに注意 ミネラルは毒物ゆえに効果あり 脂溶性のビタミン 亜鉛の許容範囲の狭さ 都合のよい魔法のような話はウソ 社会制度の欠陥 有効という主張を完全否定は不可能 =自然科学というものの限界 これが、怪しい健康食品の存在理由 有効という主張は、販売者が証明すべき:法制 化が必要。 しかし、一般的には中途半端な経験談程度 すべては、リスクとベネフィットを自己判断すべ きこと メディアの偽情報提供に歯止めがない 食品以外にも、マイナスイオンなど例が多数 第6部 信頼できる情報の獲得法 環境情報のリテラシー メディアリテラシー メディアによって伝達できる情報と伝達できな い情報があることを知る 情報の確度も、メディアによって違うことを理 解する 基本的に、情報は「有価」であることを知る 最後に信用できるものは、個人であることを知 る。信用できないものも、同様に個人である。 メディアの優劣 最下位:民放のTV TBSの白いんげん事件と筑紫哲也氏 最下位:フリージャーナル 理由1:両者とも広告に依存している。すなわ ち、スポンサーの意向が、正しい情報伝達より も重要な要素である。 理由2:スポンサーを獲得するには、視聴率・ 発行部数が重要である。いきおい、センセー ショナルな表現になりがち。 紙メディア 最下位:新聞 理由1:やはり広告が最大の収入源である。 理由2:記事の大きさよりも、広告の方の占める面積 が大きいことが証拠。 理由3:関西系のメーカーは、そんな記事を書いたら、 もう情報をやらないぞ、という脅迫を記者に対してする という。 理由4:業界紙は、基本的に「ちょうちん記事」でもって いる。 例外:科学面の長い記事は比較的信頼できる。 紙メディア2 新聞と変わらない:週刊誌 理由1:センセーショナリズムの極致である。 理由2:記者の質が若干疑問。 理由3:広告への依存度がまだ大きい。 新聞よりまし:月刊誌 理由1:広告への依存度がやや下がる。 理由2:じっくり読ませる記事が掲載可能。 理由3:外部の筆者の記事が多くなる。 紙メディア3: 単行本:最良であるが、屑も多い。 理由1:やはり売れることが第一条件。 理由2:著者が様々。 しかし、著者の履歴や、過去にどのような本を 書いたか、その歴史が分かりやすい。 例:船瀬俊介氏。最近は、地球温暖化の本ま で出版しているが、自分のHPで自己紹介して いるように、もともと日本消費者連盟。 インターネット 以前は、屑情報からなる宇宙、などと表現 された。 したがって、自分で情報の真贋を見極める ことが可能な人々にとっては、最大の情報 源である。 特に、検索エンジンというものの存在が、こ の世界の有用性を決定的なものにした。 インターネット2 Googleの存在は特に大きい。 GoogleバーのPageRankのすごさ。 インターネット3 無署名のHP Google PageRankが60%以上あれば信 用できる?? 署名入りのHP 筆者への連絡先があることが条件だが Page Rankが40%以上あれば信用できる 結論 その1 安全と安心は違う。安心は、「確信」 and/or 「悟り」、によって得られる。 「確信」、「悟り」は、いずれも、情報の適切な 伝達、恐らく、「人→人」の伝達が必要。 文書などによる情報伝達では、不十分。 となると、擬人的なメディアであるテレビの影 響は非常に大きい。 結論 その2 「確信」によって得た安心は、不信によって 揺らぎやすい。 特に、行政、企業の僅かな不法行為が扇動 者によって拡大され、不信を招きやすい。 「悟り」によって得た安心は、比較的安定。 「ゼロリスク」が存在しないことを分かる。 それには、俯瞰的な情報を与えることが重 要。 リスクの比較を可能にする。 結論 その3 メディアリテラシーを教えることが重要か? 「メディアは商売である」 世の中を脅かすことがメディアにとって最 大の「手柄」である。 「スポンサー」が最大のステークホルダー であって、「正義のために報道」などをして いない。 結論 その4 市民に与えるべき情報 「自ら情報の判断できる能力を備えること」 がもっとも重要である。 本当に市民の安全を考慮しているのが、 実は、政府・自治体(のはずである)。 それは、市民が本当ステークホルダーだ から(しかし、そうなっているか?? 縦割 り行政が多くはないか!?)。
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