妊産婦等の喫煙行動に関する研究 ○ 宇佐美実紀、岩田眞美(横浜市衛生研究所) 五十嵐吉光(横浜市港北区福祉保健センター) 原田久(藤沢市保健所) 目的 母子をたばこの煙害から守るため、妊産婦等 の喫煙行動に関する実態を把握し、効果的な 妊産婦への禁煙・防煙教育プログラムを開発 評価すること 方法 調査資料 4か月児健康診査の問診票、妊娠連絡票 母親(両親)教室受講者台帳 対象者 <実態把握> ・中区、保土ケ谷区、磯子区、港北区の在住者 ・平成18年1~12月の4か月児健康診査受診者 ・同意書にて情報の利用に同意が得られた者 <介入評価> ・中区、港北区における実態把握の対象者 ・母親(両親)教室の受講者 対象者の内訳(実態把握) 全体 健診回数 中 保土ケ谷 磯子 港北 104 24 23 23 34 受診者総数 6,408 1,055 1,358 1,291 2,704 対象者数 2,909 469 744 593 1,103 (45.4%) (44.4%) (54.8%) (45.9%) (40.8%) 解析対象者数 2,848 460 728 582 1,078 (喫煙について回答あり) (44.4%) (43.6%) (53.6%) (45.1%) (39.9%) すべての多胎出産のデータは除いた。 中区、港北区については、介入群のデータも除いた。 母親の喫煙率の変化(実態把握) 中 (460人) 保土ケ谷 (728人) 磯子 (582人) 港北 (1,078人) 妊娠連絡票 (妊娠中) 4か月児健康診査 (産後) 3.3% 4.8% 4.0% 4.1% 4.3% 6.0% 2.7% 3.3% 母親の喫煙行動に影響を与える因子(実態把握) <4区の共通点> 喫煙率 禁煙成功率※1 (妊娠中、産後) 母 親 の 因 子 年齢※2 仕事 20~24歳>他の年齢階級 - 有<無 有>無 p<0.05 出産経験※3 第1子<第2子以降 p<0.05 父親の喫煙行動 ※1 ち、 : 吸う>吸わない 第1子>第2子以降 p<0.05 吸う<吸わない 妊娠中に喫煙していたもしくは喫煙をやめた者のう 産後に喫煙していない者の割合(禁煙成功率) ※2、3: 中区で例外あり 20~24歳の母親の喫煙率が高い <磯子区> 妊娠中 産後 94.7 100.0 40歳~(19人) 35~39歳(127人) 15.7 30~34歳(269人) 21.9 25~29歳(145人) 27.6 20~24歳(20人) 20.0 80.3 74.3 68.3 30.0 50.0 15~19歳(2人) 吸う 94.5 やめた 50.0 50.0 (%) 吸わない 96.7 7.6 92.4 40.0 60.0 100.0 吸う 吸わない (%) 考察(実態把握) 情報の利用に同意した者のみが解析対象者 結果は区の妊産婦等の喫煙行動すべてを反 映したものではない しかし 得られた妊産婦等の喫煙行動の傾向を踏ま え、禁煙・防煙教育の計画をたてていくことは 重要 禁煙・防煙教育プログラム(介入評価) 平成17年に、衛生局(現 健康福祉局)、子育て支援 事業本部(現 こども青少年局)、福祉保健センター 職員で作成 受動喫煙について考慮して作成 教育ビデオ「妊娠・子育てと“タバコ”」(13分)と配布物 で構成 <配布物> 妊娠・子育てと 妊娠・子育てと ““タ タバコ バコ”” 制作:横浜市衛生研究所感染症・疫学情報課 制作:横浜市衛生研究所感染症・疫学情報課 ・教育ビデオの概要(A4用紙1枚) ・カイワレ大根の実験方法(A4用紙1枚) ・カイワレ大根の実験キット (カイワレ大根の種、コップ、カット綿) 対象者の内訳(介入評価) ・中区、港北区の在住者 ・母親(両親)教室受講者 ・平成18年1~12月の4か月児健康診査受診者 ・同意書にて情報の利用に同意が得られた者 介入群 全体 実施回数 (中,港北) 非介入群 全体 (中,港北) 6 ( 3, 3) 6 ( 3, 3) 対象者数 137 (41,96) 136 (41,95) 解析対象者数 137 (41,96) 135 (41,94) (喫煙について回答あり) ※ すべての多胎出産のデータは除い た。 結果(介入評価) 介入群 (137人) 喫煙率 介入前 母 親 (妊娠中) 介入後 (産後) 非介入群 (135人) 2.2% 2.2% 0.7% 2.2% 禁煙成功率 94.4% > 80.0% 父親の喫煙率 24.1% < 33.3% (介入後) p<0.05※ ※父親の介入前の喫煙率が不明であるため、介入による喫煙率 の差か判断できない。 考察 (介入評価) 背景として・・・ 実態把握によると、母親教室を受講する母親の喫 煙率0.7%、父親の喫煙率30.8%である 母子をタバコの煙害から守るためには母親だけでな く父親の喫煙率を下げることも重要 禁煙・防煙教育プログラムは・・・ 受動喫煙について考慮して作成 妊産婦の禁煙の持続や父親の喫煙率の低下の 一助となる可能性が示唆された 区の事業等での利用を促し、教育プログラムへの 意見を集めていきたい
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