危険物取扱講座 (新入社員研修)

危険物取扱講座
(新入社員研修)
2005年4月
○○○製油所
教育訓練センター
消防法
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目的:
この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から
の保護するとともに、火災又は地震などの災害に困る被害を軽減し、もって安寧秩序を保持
し社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。
<危険物とは>
下記別表に掲げる物品(消防法第2条(用語の例)⑦)
抜粋
種類
性質
品名
第1類
酸化性固体 塩素酸塩類・過塩素酸塩類・無機過酸物・亜塩素酸塩類他
第2類
可燃性固体 硫化リン・赤リン・硫黄・鉄粉・金属粉・マグネシウム他
第3類
自然発火
カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・黄リン他
禁水性物質
第4類
引火性液体 特殊引火物・第1石油類・アルコール類・第2石油類・
第3石油類・第4石油類・動植物
第5類 自己反応性物質 有機過酸化物・硝酸エステル類・ニトロ化合物他
第6類
酸化性液体 過塩素酸・過酸化水素・硝酸他
消防法で定められている危険物は主に火災危険につながる発火性又は引火性のあるもので火災の
発生、拡大の危険性が大きいもの又は火災の際における消火が困難であるものを「危険物」と指定し
製造、貯蔵、運搬及びその取扱いについて規制している。
危険物の貯蔵及び取扱いの制限
指定数量以上の危険物は、貯蔵所以外の場所でこれを貯蔵し、または製造所、貯蔵所
又は取扱所以外の場所でこれを取り扱ってはならない。また政令で定める技術上の基準に
従ってこれをしなければならない。製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備の技
術上の基準は政令で定める。(政令:第24条~第27条参照)
指定数量(例)
第2類 硫黄
100kg
第4類 第1石油類 200L(原油、ガソリン等)
第2石油類 1000L(灯油、軽油等)
第3石油類 2000L(重油等)
危険物施設
製造所:原料が危険物であるか非危険物であるかを問わず、種々の工程を経て製造した
最終製品が危険物である施設。
貯蔵所:危険物を貯蔵する施設⇒屋内/屋外貯蔵所、屋内/屋外タンク貯蔵所、
地下タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所(タンクローリー)簡易タンク貯蔵所
取扱所:給油/販売/移送取扱所、一般取扱い所
移送取扱とは、配管、ポンプ等の付属設備によって危険物を移送する取扱所
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危険物危害予防規定
○○○製油所:安全防災社規則「危険物予防規定」
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第7章
総則
保安管理組織⇒危険物保安統括者・危険物保安監督者(製造各課)
危険物施設保安員(工務課)・危険物保安管理組織
安全管理
⇒定期点検、日常点検、防災施設・資機材の定期点検
危険物の貯蔵及び取扱いの安全管理
製造施設等の運転に係る安全管理
工事の安全管理
構内の安全管理
災害対策組織⇒災害対策組織、災害時の応急活動、通報
保安教育・訓練
地震対策
⇒警戒宣言発令時の対策
地震発生時の対策
警備・消防業務の委託
雑則
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○○○製油所 危険物施設
製造所
○T/P常圧蒸留装置
□T/P常圧蒸留装置
△HR・×HD装置
ガソリン脱硫装置
一般取扱所
移送取扱所
屋内取扱所
屋外取扱所
少量取扱所
指定可燃物
危険物保安管理
○○○製油所組織
○○○製油所 保安管理組織製油所「危険物予防規定」(抜粋)
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危険物保安監督者の業務
危険物保安監督者の業務(第48条)
抜粋
法第13条第1項の規定より、製造所等の所有者、管理者または占有者が危険物保安
監督者に行わせなければならない業務は次のとおりとする。
一 危険物の取扱作業の実施に際し、当該作業が法第10条第三項の技術上の基準及
び予防規定などの保安に関する規定に適合するように作業者(当該作業に立ち会う
危険物取扱者を含む。次号において同じ)に対し必要な指示を与えること。
二 火災などの災害が発生した場合は作業者を指揮して応急の措置を講じるとともに直ち
に消防機関その他関係のあるものへ連絡すること。
三 危険物施設保安員を置く製造所にあっては、危険物施設保安員に必要は指示を行
い、その他の製造所にあっては第59条各号に掲げる業務を行うこと。
四 火災等の災害の防止に関し、当該製造所などの隣接する製造所等その他関連する施
設の関係者との間に連絡を保つこと。
五 前各号に掲げるものの他、危険物の取扱作業の保安に関し必要な業務
危険物施設 従業員の業務-1
例:日常点検 (危害予防規定、運転管理標準:SOP 抜粋)
<危害予防規定:日常点検>
危険物施設を管理する危険物保安監督者及び従業員は「運転管理標準」に基づき、施
設の維持管理、整理、整頓、清掃の状況及び火災予防上必要な事項について、日常点
検を行う。
<運転管理標準 SOP :第5編 設備点検標準_設備点検方法> 抜粋
概要:
一般に機器の保全点検には、運転停止時の点検と運転中の点検
a 運転停止時の点検(SDM)
機器の内容物を排除して開放し内部、外部を点検する。
b 運転中の点検(OSM)
装置運転中の状態で主として機器外部から点検を行うもので
運転管理部署が日常点検要領に基き行う「日常点検」と設備
管理部署が行う「運転中保全」、および運転と設備管理部署
が協力して行う「自主保安検査」がある。
安定安全運転による良好な生産活動を行うためには、これら
の機器の点検以外にも触媒の活性評価も重要な要因となる。
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危険物施設 従業員の業務-2
<運転管理標準 SOP :第5編 設備点検標準_設備点検方法> 抜粋
日常点検の目的:
装置連続運転が図れるよう、運転中における各種の点検方法について、
下記の観点から定める。
1.装置が正常に運転されていることを確認する。
2.装置に必要な機器、計器類を最良の条件で使用する。
3.漏洩等、装置内に発生した異常等の兆候を早期に発見し、装置の
生産活動を妨げることなく処置する。また、災害拡大防止および
二次災害発生の防止に努める。尚、機器補修時の作業環境設定に
関する操作は運転管理部門が行い、環境設定終了後工務課へ引
き渡し、補修工事終了(テスト含)後を引き取りとする。
点検項目および点検方法:
運転管理部門がおこなう日常点検の項目は次の通りである。
1.外観点検(変形、腐食、塗装、保温・保冷の剥離、異物の付着等)
2.振動
3.漏洩
4.温度、圧力、液面、流量
5.異常音
運転管理部門がおこなう日常点検の方法は次の通りである。
1.五感による点検(視覚、聴覚、臭覚、触覚)
2.機器付帯計器類による点検(温度計、圧力計、液面計、回転計等)
3.検査器具による点検(石鹸水、ガス検知器、PH計、振動計等)
点検パトロールには次のようなものがある。
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危険物施設 従業員の業務ー3
<運転管理標準 SOP :第5編 設備点検標準_設備点検方法> 抜粋
点検周期:
運転部署がおこなう点検パトロールには次のようなものがある。
1.日常パトロール
このパトロールは、日常点検の主体であり、点検周期については
5-0-7日常点検表に基づく点検周期を最長周期とし、各係
にて別途設定する。
2.定期パトロール
このパトロールは、各機器の点検項目に従った固有の点検・検査
で、日常パトロールより綿密なパトロールである。
3.非日常パトロール
このパトロールは、装置緊急時、通常運転開始・停止時、地震発生
時等に行うもので、必要の都度、適切なパトロールを行う。
報告及び異常時の処置:
装置運転員は日常点検の結果、当該機器等の異常の有無に関わらず、
直長にその旨を報告しなければならない。直長は日常点検等において
異常の報告を受けた場合は、直ちに係長(課長)に報告するとともに
速やかな措置を行う。
点検結果の記録:
日常点検表の内容に問題なければ運転記録表に異常の無いことを明示
し、異常があった場合は運転記録表、直長申送り帳に記載する。
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