水循環と水質環境 - 富山県立大学|TOYAMA

オープンキャンパス 2004/8/7
水循環と水質環境
富山県立大学短期大学部
環境システム工学科
奥川光治
1.環境システム工学科の4つの柱
水循環
エコロジー
水理学,水循環工学,
水質環境学,上下水道,
水処理,利水工学,
森林流域管理,環境施設設計
陸水生態学,汚水生態学,
ビオトープ論,環境緑化工学,
環境地質学,地球環境論,
環日本海環境論
リサイクル
環境政策
廃棄物処理,
大気環境管理,
環境材料学
環境政策,
地域環境計画,
環境マネジメント
共通基礎:応用数学,環境情報解析,工業物理学,環境化学,水質化学
構造力学,土質力学,測量学,土木施工管理
総合:環境システム実験,フィールド実習,特別研究
2.水循環分野
水理学
水循環工学
水質環境学
上下水道
水処理
利水工学
森林流域管理
環境施設設計
3.自然の
水循環と
人工の水循環
国土交通省
水資源部
水資源に関する
基礎データ
(H15年版
ベース)
4.健全な水循環と阻害要因
4.1 健全な水循環
「流域を中心とした一連の水の流れの過程に
おいて,人間社会の営みと環境の保全に果
たす水の機能が,適切なバランスの下に、と
もに確保されている状態」
(健全な水循環系構築に関する関係省庁連絡会議)
4.2 水循環を取り巻く問題
平常時の河川流量の減少
湧水の枯渇
各種排水による水質汚染
都市型水害
5.水質保全と水質基準
5.1 いろいろな水質基準
環境基準
水道水質基準
排水基準
5.2 新しい水道水質基準
基準項目 50項目

健康項目
病原微生物,無機物質・重金属,一般有機物質,オゾ
ン処理副生成物質・消毒剤不純物,塩素処理副生成
物質

性状項目
色,味,臭い,発泡,基礎的性状
水質管理目標設定項目 27項目
要検討項目 40項目
水道水質基準(2004/4/1施行)
基準項目
分類
健康項目
病原微生物
無機物質・重金属
一般有機物質
番号
基01
基02
基03
基04
基05
基06
基07
基08
基09
基10
基11
基12
基13
項目
基準値(mg/L)
一般細菌
100個/mL
大腸菌★
検出されないこと
カドミウムおよびその化合物
0.01
水銀およ びその化合物
0.0005
セレンおよびその化合物
0.01
鉛およ びその化合物
0.01
ヒ素およ びその化合物
0.01
六価クロム化合物
0.05
シアン化物イオンおよび塩化シアン
0.01
硝酸性窒素およ び亜硝酸性窒素
10
ふっ素およ びその化合物
0.8
ほう素およ びその化合物★
1.0
四塩化炭素
0.002
一般有機物質
塩素処理副生成物
性状項目
オゾ ン処理副生成
物・消毒剤不純物
色
基13
基17
基15
基16
基19
基18
基14
基20
基22
基28
基24
基29
基26
基21
基23
基27
基30
基25
四塩化炭素
ジクロロ メタン
1,1-ジクロロ エチレン
シス-1,2- ジクロロエ チレン
トリクロロ エチレン
テトラクロロ エチレン
1,4-ジオキサン★
ベン ゼン
クロロホルム
ブロ モジクロロメタン
ジブ ロモクロロメタン
ブロ モホルム
総トリハロメタン
クロロ酢酸★
ジクロロ 酢酸★
トリクロロ 酢酸★
ホルムアルデヒド★
臭素酸★
基31 亜鉛およ びその化合物
0.002
0.02
0.02
0.04
0.03
0.01
0.05
0.01
0.06
0.03
0.1
0.09
0.1
0.02
0.04
0.2
0.08
0.01
1.0
性状項目
色
味
臭い
発泡
基礎的性状
基31
基32
基33
基34
基36
基35
基37
基38
基39
基45
基41
基42
基44
基40
基43
基46
基47
基48
基49
基50
亜鉛およ びその化合物
アルミニウムおよび その化合物★
鉄およ びその化合物
銅およ びその化合物
マン ガンおよ びその化合物
ナトリウムおよびその化合物
塩化物イオン
Ca , Mg等(硬度)
蒸発残留物
有機物(TOC )★
ジェオスミン *1★
2-メチルイソボルネオ ール*2★
フェノール類
陰イオン界面活性剤
非イオン界面活性剤★
pH値
味
臭気
色度
濁度
分類,並べ替えは奥川による
★は新規項目
*1:(4S,4aS,8aR)-オクタヒドロ-4,8a-ジメチルナフタレン-4a(2H)-オール
*2:1,2,7,7-テトラメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン-2-オール
1.0
0.2
0.3
1.0
0.05
200
200
300
500
5
0.00001
0.00001
0.005
0.2
0.02
5.8-8.6
異常でないこと
異常でないこと
5度
2度
6.感覚指標による水質評価
水の濁りと凝集沈殿
水の色
水のにおいと活性炭吸着
7.おわりに
ほかの学問でもそうだと思いますが,とくに
環境システム工学について学ぼうとすると,
以上のように物理,化学,生物,数学など自
然科学について,さらには経済学など社会科
学や人文科学について,幅広い素養が必要
となります.高校生の間はこれらの基礎的な
学問をしっかり身につけられることを期待しま
す.