スライド タイトルなし

社会の安全・安心と技術者
-実践的な考え方とコツ-
工学を学ぶあなたの幸せのために
Q.工学 (Engineering)とは?
Q:技術者(Engineer)とは?
Q:自転車を買うとき、
何を重視して選びますか?
Q:買ったばかりの自転車のフレーム
が折れて転び、ケガをしたらどう
しますか?
あなたは安全が保証された環境で育ってきた
窓の手すりの写真
固定されたサッカー
ゴールの写真
通学路の歩道の写真
学生と社会人の違い
小
中
高
大学
社会人
• 授業料を払って
教えてもらう
• 給料をもらって
仕事をする
• サービスを受ける側
• サービスを提供する側
• 使う立場
• つくる立場
• 安全を保証される立場
• 安全を保証する立場
卒業時に切り替えができますか?
Q.あなたはプロ?
プロフェッショナル:専門的、職業的(広辞苑)
Q.あなたは調理師、歌手、野球選手など
になった同級生をプロと見なしますか?
Q:DVDレコーダーを買ってきたが、
店員の説明ではできるはずだった
2番組同時録画ができなかった。
あなたはどうしますか?
あなた 店員をプロとして信頼している。
店員
不確かな知識で対応し、信頼を裏切った。
市民、ユーザーはあなたをプロとして信頼する
牛乳の食中毒事件
• 2000年6月~7月 近畿地方を中心に13,420人の発症者
• 原因は脱脂粉乳製造時の汚染
• エンテロトキシンが加熱しても毒性を失わないことを知らなかった
• 1955年の同じ事故の教訓が活かされなかった
大樹工場の製造工程
クリーム分離工程
生乳
加熱
分離機
脱脂乳
冷却機
クリーム
濃縮工程
冷却機
回収乳
タンク
加熱
濃縮
乾燥後、脱脂粉乳に
貯乳
タンク
事故を防ぐ(防げる)のはあなた
技術者がプロとしてすべきことせず、
知るべきことを知らなかったことが原因
• エンテロトキシンについての基本知識の欠如
• 雑菌の増殖、毒素の生産を予測できなかった
→ 食品を扱う者の常識
• 1955年の同じ事故の教訓が活かされなかった
→ 自社・同業他社の事故事例を知ることは必須
技術者には消費者の信頼に応える責務がある
生鮮食料品
服
可能
低い
台所用品
レトルト食品
ユーザー自身が吟味できるか
用いられる技術
パソコン
自動車
不可能
高い
技術が高度化するほどユーザーは技術者を信頼するしかなくなる
PL法(製造物責任法)
民法709条
PL: Product Liability
故意または過失によって他人の権利を侵害した者は、
これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる
製造業者に故意または過失があったことを被害
者が証明しなければならなかった。
PL法第3条
製造業者等は、製造物の欠陥によって他人の生命、
身体または財産 を侵害した時、これによって生じ
た損害を賠償する責めに任ずる。
被害の事実があれば、製造業者に過失があった
ことを証明する必要はなくなった。
Q:医師と技術者、どちらの責任が重い?
医師と患者
技術者とユーザー
直接
間接
特定小数
不特定多数
例 : Sony Energy Devices社が
リコールしたバッテリーは960万個
患者に応じた対応
患者の知識に合わ
せた説明
あらゆるユーザーと
使用状況を想定しな
ければならない
新しいものを創造する = 新たな危険源の創出
小
中
高
大学
定常業務
危険源のほとんどは既に
対策が講じられている
社会人
非定常業務
危険源には自分で対処
しなければならない
• 指導される立場
• 指導する立場
• ルールに従う立場
• ルールを作る立場
• 段取りをしてもらう立場
• 段取りをする立場
(社会システムをつくる立場)
• 安全を保証される立場
• 安全を保証する立場
在学中に安全と組織運営に対する感性を磨く
Q.誰もが安全・安心を求めている
のに事故・不祥事がなくならな
いのはなぜ?
不安全・不誠実であることに
 気づくべき人が気づいていない
→ 自らの責務に気づく
 気づいていても軽視している
→ 結果の重大性を考える
 気づいていても対処法を知らない
→ 対処法を学び、在学中に実践する
社会の安全・安心と技術者
-実践的な考え方とコツ-
1.社会の安全・安心に貢献するために
知っておくべきこと、考えておくべきこと
2.危険予知の考え方とコツ
3.不幸な技術者にならないために
Q.あなたが期待する安全性の水準は?
あなたはある製品でケガをしました。メーカー側は
安全基準は満たしているとして賠償に応じません。
しかし、あなたが調べてみると、
(1) 他社製品には安全装置がついていた
(2) 過去に同様の被害を受けた人がいた
(3) 専門誌に危険性を警告する論文が出ていた
あなたはどうしますか?
安全性の水準と技術者が知るべき要件
高
安全性の水準
技術者が知る
べき要件
Q:あなたが今から
できることは?
その時点で可能
な最高の水準
世界的視野で
の技術情報
あなたの研究はどのよう
なリスクをもたらすか?
(専門誌の警告)
予想可能な誤使
用での安全性
これまでの事
故例,判例
研究における事故例
(過去の被害)
標準的な使用で
の安全性
他社の安全レベル 研究で使う機器や
業界の基準
材料の安全な取扱い
(他社の安全装置)
低
公的な安全基準
法令,JIS
研究に関係する法令
化学物質関連法規
毒物及び劇物取締法
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律
薬事法
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)
ダイオキシン類対策特別措置法
麻薬及び向精神薬取締法
大気汚染防止法
水質汚濁防止法 (重金属、有機化学物質など)
土壌汚染対策法 (特定有害物質)
高圧ガス保安法
労働安全衛生法 (特定化学物質、有機溶剤、石綿)
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
消防法、危険物の規制に関する規則 (危険物、有機溶媒など)
火薬類取締法
爆発物取締罰則
特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
扱う薬品のMSDS (Material Safety Data Sheet)を見る
「MSDS」で検索
安全性の水準と技術者が知るべき要件
高
安全性の水準
技術者が知る
べき要件
Q:あなたが今から
できることは?
その時点で可能
な最高の水準
世界的視野で
の技術情報
あなたの研究はどのよう
なリスクをもたらすか?
(専門誌の警告)
予想可能な誤使
用での安全性
これまでの事
故例,判例
研究における事故例
(過去の被害)
標準的な使用で
の安全性
他社の安全レベル 研究で使う機器や
業界の基準
材料の安全な取扱い
(他社の安全装置)
低
公的な安全基準
法令,JIS
研究に関係する法令
Q:家電製品を買った時、取扱説明書の
安全上の注意を必ず読みますか?
Q:あなたは実験に使う装置の取扱説明
書を必ず読みますか?
専門家と一般ユーザーの考え方の違い
Q 電子レンジでは水を含まないものは
温められないこと、金属を入れては
いけないことを知っていますか?
専門家
水の分子を2450 MHzの電磁波で
振動させて加熱する装置
一般ユーザー
ものを暖める器具
家電製品と研究に用いる機器の違い
家電製品
(一般向け)
安全装置
使用上の注意
使用状況
業務用機器
(プロ仕様)
正常使用
安全装置
予見可能な
誤使用
使用上の注意
非常識な使用
研究に使う機器はフールプルーフ(fool proof)に
なっていないプロ仕様のものが多い
間違った使い方=事故
安全性の水準と技術者が知るべき要件
高
安全性の水準
技術者が知る
べき要件
Q:あなたが今から
できることは?
その時点で可能
な最高の水準
世界的視野で
の技術情報
あなたの研究はどのよう
なリスクをもたらすか?
(専門誌の警告)
予想可能な誤使
用での安全性
これまでの事
故例,判例
研究における事故例
(過去の被害)
標準的な使用で
の安全性
他社の安全レベル 研究で使う機器や
業界の基準
材料の安全な取扱い
(他社の安全装置)
低
公的な安全基準
法令,JIS
研究に関係する法令
失敗事例、事故事例の収集
「失敗知識」または「事故事例」で検索
失敗知識データベース
http://www.sozogaku.com/fkd/
さまざまな事故事例:製品 (経済産業省)
http://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/defend.html
職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (厚生労働省)
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_FND.aspx
自動車事故事例 (国土交通省)
https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_gian/hian/jiko_jirei.html
安全性の水準と技術者が知るべき要件
高
安全性の水準
技術者が知る
べき要件
その時点で可能
な最高の水準
世界的視野で
の技術情報
Q:あなたが今から
できることは?
あなたの研究はどのよう
なリスクをもたらすか?
(専門誌の警告)
予想可能な誤使
用での安全性
これまでの事
故例,判例
研究における事故例
(過去の被害)
標準的な使用で
の安全性
他社の安全レベル 研究で使う機器や
業界の基準
材料の安全な取扱い
(他社の安全装置)
低
公的な安全基準
法令,JIS
研究に関係する法令
Q:あなたはブレーキを踏みますか?
Q:あなたはブレーキを踏みますか?
危険検出思想と安全検出思想
危険検出思想
安全検出思想
危険が検出できない限り安全
安全が確認できない限り危険
歩行者が見えないのでブレーキ
を踏まない
歩行者がいないことが確認
できないのでブレーキを踏む
危ないと聞いていないから安全
安全が確信できないので調べる
教えてもらっていない
自分で調べる
・日常生活では安全検出思想
でも研究開発では危険検出
思想になりがち
社会の安全・安心と技術者
-実践的な考え方とコツ-
1.社会の安全・安心に貢献するために
知っておくべきこと、考えておくべきこと
2.危険予知の考え方とコツ
3.不幸な技術者にならないために
人も動物も痛い目に遭った時に学ぶが・・・
動物  その個体がその状況を危険と認知
伝聞
I was hit
by a car
過去の失敗に学ぶ
ヒヤリハット
報告システム
類推
安全システム
Buses and motorcycles
are also dangerous
You must follow
traffic signals
イベントツリー
フォルトツリー
外挿
連想術
危険源と危険状態
守れるルール
の作り方
伝聞
I was hit
by a car
過去の失敗に学ぶ
ヒヤリハット
報告システム
類推
安全システム
Buses and motorcycles
are also dangerous
You must follow
traffic signals
イベントツリー
フォルトツリー
外挿
連想術
危険源と危険状態
守れるルール
の作り方
ハインリッヒの法則
重大事故
1
29
300
軽微な事故
事故に至らない
ヒヤリハット
ヒヤリハットと重大事故の原因は共通
伝聞
I was hit
by a car
過去の失敗に学ぶ
ヒヤリハット
報告システム
類推
安全システム
Buses and motorcycles
are also dangerous
You must follow
traffic signals
イベントツリー
フォルトツリー
外挿
連想術
危険源と危険状態
守れるルール
の作り方
「失敗知識」で検索
あなたにも今日からできる報告システム
旋盤に巻き込まれそ
うになりました
さわるな
さわるな
!
手を巻き込まれて
骨折した人がいます。
ミーティングで
張り紙で
報告システムを作る時のポイント
(1) システムの意義を理解してもらう
• 人は皆、自分の失敗を知られたくない
(2) 必要な人に必要な情報を伝える
• 人は皆、忙しい。
• 基本は研究分野(専攻)単位で
• 具体的な再発防止策を含めて
(3) 絶対に責任の追究、批判をしない
• 人は皆、責められたくない。
• 情報は原因の解明と事故防止のみに使用
• 「叱責」ではなく、原因と再発防止策を考えさせる「指導」
(ただし、報告を怠った場合は厳しく叱責)
• 「ばかなことを」の一言で以降の報告をためらう
学生へのアンケート結果(1)
積極的なチャレンジ
100%
80%
60%
40%
失敗することに抵抗が
できるだけ
したくない
100%
どちらかと
いえばいや
どちらかと
いえばする
80%
積極的にする
40%
とてもある
20%
20%
0%
0%
入学時
2年次
どちらかと
いえばある
60%
どちらかと
いえばない
抵抗はない
入学時
2年次
失敗したくないんですが・・・
ダメです。失敗して下さい。
 失敗しない人はいない
 失敗したことがない人は社会で役に立たない
 失敗したことがない=何もしたことがない
 失敗を乗り切ったという経験値が重要
 「ごめんなさい」で済む学生の間に失敗の練習を
悪い失敗さえしなければよい
• 前科がついてしまう失敗
• 何も学べない(次に活かすものがない)失敗
伝聞
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by a car
過去の失敗に学ぶ
ヒヤリハット
報告システム
類推
安全システム
Buses and motorcycles
are also dangerous
You must follow
traffic signals
イベントツリー
フォルトツリー
外挿
連想術
危険源と危険状態
守れるルール
の作り方
イベントツリーによる重大事故の予測(1)
後部衝突
の確率
燃料漏れ
の確率
P2
P1
スパーク
して引火
する確率
P3
ドアが開か
ない確率
P4
1-P4
1-P3
1-P2
1-P1
衝突+火災+死傷
衝突+火災
衝突+燃料漏れ
衝突のダメージ
被害なし
・重い火傷を負い死傷する確率=P1P2P3P4
・設計者が操作可能な確率は?
軽微な事故、ヒヤリハットはどのような
場合に重大事故につながるかを考える。
イベントツリーによる重大事故の予測(2)
異物が目
に飛んで
くる確率
P1
異物が強ア 手当が遅
ルカリなど れる確率
メガネを である確率
P4
していな
P3
い確率
1-P4
P2
1-P3
1-P2
1-P1
失明
重傷
軽傷
被害なし
被害なし
・失明する確率=P1・P2・P3・P4
・実験者が操作可能な確率は?
軽微な事故、ヒヤリハットはどのような
場合に重大事故につながるかを考える。
フォルトツリーによる危険予知 (1)
ソフトウエア会社の事故
情報流出
死傷事故
大きな機械
関係者から
の流出
外部からの
ハッキング
医療器具
パスワード
管理の不備
Fire wall
の不備
・誤操作
・警告の不備
動作部分が露出
している機械
バグによる
誤作動
好ましくない事象を想定し、それが何に
よって(どんな状況で)生じるかを考える。
フォルトツリーによる危険予知 (2)
食品会社の事故
食中毒
異物混入
製造工程
雑菌が増殖
食材から
温度上昇
外部から
従業員の
手指の傷
従業員の
持ち物
機械部品
の破損
原料
金属探知
器の故障
空調
不備
好ましくない事象を想定し、それが何に
よって(どんな状況で)生じるかを考える。
イベントツリー
軽微な事故、ヒヤリハットはどのような
場合に重大事故につながるかを考える。
フォルトツリー
ある望ましくない事象を想定し、
それが何によって生じるかを考える。
しかし、実際にツリーを作るのは難しい
・ 事故、ヒヤリハットの事例を知る。
・ 外挿、連想術、危険状態の分析など
危険予知のテクニックを駆使する。
伝聞
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by a car
過去の失敗に学ぶ
ヒヤリハット
報告システム
類推
安全システム
Buses and motorcycles
are also dangerous
You must follow
traffic signals
イベントツリー
フォルトツリー
外挿
連想術
危険源と危険状態
守れるルール
の作り方
外挿による危険予知
観
測
値
8
7
6
5
4
3
2
1
外挿
1 2 3 4 5 6 7 8
操作変数
ウォーターバスでサンプルを加熱する
37C
1時間後
ヒーター
100C
1週間後
外挿による危険予知
サンプルを37℃のウォーターバスで1時間インキュベートする
50℃ウォーターバスで1ヶ月保つ
100℃で1日ボイルする
極端な条件を考える
水が蒸発する
水位が低下する
ヒーターが水から露出する
現象が極端に進んだ
状況をイメージする
空焚きになる
火災 !
53
練習問題:氷とスイカがシーソーに乗っている。
最終的にどうなるか?
伝聞
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過去の失敗に学ぶ
ヒヤリハット
報告システム
類推
安全システム
Buses and motorcycles
are also dangerous
You must follow
traffic signals
イベントツリー
フォルトツリー
外挿
連想術
危険源と危険状態
守れるルール
の作り方
連想術による危険予知
ガラスのコップの用途をできるだけたくさん挙げよ
(どんな非現実的な用途でも良い)
花瓶
金魚鉢
雪
スキー、氷、北国、
冬、かまくら・・・
過去の経験や知識によって
既に関連づけられている
危険予知
紙、砂糖・・・
雪
白い
紙、砂糖
まだ経験していない事故の予測
「雪」から「紙」や「砂糖」を連想する必要がある
「連想しりとりゲーム」を分析すると
雪
冷たい
雪
物理的性質
かき氷
甘い
かき氷
化学的性質 形容詞
砂糖
白い
海の家
×
物理的性質
ウサギ
跳ねる
冷たい
動詞
「海+家」の複合
ガラスのコップ
ガラス
割れる
破片は鋭い
花瓶、ペン立て、金魚鉢
粉々にして研磨剤に
ナイフ、泥棒返し
透明
水中眼鏡、レンズ、イミテーション
重い
重石、文鎮
珪素
珪素の原料
高温で溶ける
形を変えて使う
固い
肩たたき、殴る
楽器
コップ
円筒形
コロ、麺棒、台
丸い
円を描く
「風が吹けば桶屋が儲かる」式の発想
風が吹く
雪国に春が訪れると・・・
砂埃が舞う
昼間は暖かく屋根の雪が溶ける
目に砂埃が入る
夜はしずくが凍りツララができる
目の病気が流行る
繰り返すとツララが大きくなる
失明する
ツララ落ちて下の屋根を突き破る
三味線を弾いて生計
を立てるしかない
雨漏りして電気配線がショートする
猫が減る
ネズミが増える
桶がかじられる
桶屋が儲かる
停電して冷却機が止まる
牛乳が冷やせない
黄色ブドウ球菌が増殖し
エンテロトキシンを生産する
1万人以上が食中毒
イベントツリー
フォルトツリー
雪国に春が訪れると・・・
食品会社の重大事故
昼間は暖かくなる
食中毒
屋根の雪が溶ける
微生物が増殖する時
夜はしずくが凍りツララができる
食品の温度が上がった時
繰り返すとツララが大きくなる
冷却機が止まった時
ツララ落ちて下の屋根を突き破る
停電した時
雨漏り
電気配線がショートした時
危険予知のポイント(1)
日常のありふれた事象
最も不都合な事象
イベントツリー
(重大事故の予想)
フォルトツリー
(事故要因の予想)
逆・裏・対偶、
外挿
(危険認知)
事故事例、ヒヤリハット
(失敗に学ぶ)
危険の予知
各ステップでは
対象
装置、操作、
材料、・・・
構成要素に分解
物理的、化学的、
形状的な特徴、形容詞、
個々に連想
伝聞
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過去の失敗に学ぶ
ヒヤリハット
報告システム
類推
安全システム
Buses and motorcycles
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traffic signals
イベントツリー
フォルトツリー
外挿
連想術
危険源と危険状態
守れるルール
の作り方
危険源と危険状態
危険源
危険状態
危険源はいたるところにあるが、
隔離されていれば危険ではない
危険源の隔離
空間的な隔離
時間的な隔離
危険予知のポイント(2)
(1) 危険源をリストアップする
(2) 危険源はどのように隔離されているかを見る
(3) その隔離はどのような要因が重なった時に崩
壊するかを考える
演習
実習室・研究室にある危険源を5つ以上挙げよ
その危険源は現在どのように隔離されているか?
その隔離が崩壊する状況を想定せよ
高温のもの、低温のもの、高圧のもの、強い光、
大きな運動エネルギー、大きな位置エネルギー、
鋭利なもの、固いもの、電気、薬品、可燃物、ガス・・・
伝聞
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過去の失敗に学ぶ
ヒヤリハット
報告システム
類推
安全システム
Buses and motorcycles
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traffic signals
イベントツリー
フォルトツリー
逆、裏、対偶
外挿
連想術
守れるルール
の作り方
Q:あなたがルールを破って、それをとがめ
られた時、どんな言い訳をしましたか?
• そんなに神経質にならなくても大丈夫だよ。
• なぜそんな面倒なことしなきゃならないの。
• ルール通りやっていたら効率が悪いよ。
• 原則としてだから例外があってもいいよ。
• そんな昔の規則は現状に合わないよ。
• そんな規則あったの?
•
•
•
•
理由とリスクが説明されていない。
「部分最善、全体最悪」が理解できない。
状況に応じたメインテナンスがされていない。
関係者全員に継続的に周知されていない。
ルールを作る人と守る人が異なる。
新たにルールを作る時のポイント
ルールを守る人と一緒にルールを作る。
・ルールが必要な理由を説明する。
・部分最善が全体最悪にならないように。
作業員は部分しか見えない。
あなたが全体を見回す立場にある。
・作業が面倒にならないような工夫も同時に行う。
一番ルールを破りそうな人に相談する
一番注意しにくい人に相談する
既にルールがある時
(ルールを守らせる立場にある時)
1.ルール、理由、リスクを3点セットで説明する
どんな不利益があるかを知らせる
2.ルールを守る人の事情を知る。
あなたは守れても・・・
3.あなたの常識はみんなの常識ではない。
ルールを守る人との対話が必須。
わかりやすく(中学生でも理解できるように)
例え話しで(身近な例で)
何度も(表現を変えて)
ルールの作りっぱなしはダメ
・年に1回はルールの講習をする
新人研修(旧人にローテーションで講師をさせる)
・メンバー全員にルールを守る工夫をさせる
注意書きに目を引く工夫
・状況の変化への対応を怠らない
作りっぱなし
じゃだめニャ
不便さはないか
新たなヒヤリハットへの対応
子猫の写真
実験中は保護メガネ着用
ネコの顔
保護メガネしてますか?
1.社会の安全・安心に貢献するために
知っておくべきこと、考えておくべきこと
• 専門教育を受けたあなたはプロとみなされる
• 社会の安全・安心を担えるのはあなた
• 信頼を裏切らないような知識を
専門知識+法令+正しい使い方+事故例
2.危険予知の考え方とコツ
• 安全検出思想で
• 失敗に学ぶ
• 外挿と連想術でツリーをつなぐ
• 危険源との隔離を考える
• 守れるルールを作る
3.不幸な技術者にならないために