情報処理学会・経営情報学会 連続セミナー第3回 情報システム構築アプローチ 主旨 2006年 9月 5日 原田 騎郎、小池 俊弘、手島 歩三 NPO法人技術データ管理支援協会 はじめに 連続セミナー第3回「情報システムアプローチ」の目的 セッションの予定 1.概念形成と問題解決 2.ビジネス・アーキテクチャ 3.概念データモデル設計 4.アプリケーション・アーキテク チャ 利用者の責任において 情報技術活用の仕組を 企画・構築する 情報技術者の能力を 適正に活用する 利用者の立場から 日本のソフトウェア産業の 構造改革を方向づけする 問題意識と解決方向 問題1:ビジネスの事実を十分に 表現しないデータ仕様 成り行きで設計された伝票 や書式はビジネスの事実を 必ずしも捉えていない! 問題2:ソフトウェア再利用の遅れ 工数ビジネスで収益増を図 る大手システムインテグレー タ 腕の良い技術者がソフトウェ ア産業から排除される 未完成品を納めて保守費用 で稼ぐソフトウェアハウス 失敗の理由:要求の曖昧と変動 これに対処できなければ専 門家と言えない! ソフトウエア工学の基本技を 十分には学んでいないソフト ウエア技術者群! 対策1:要の「もの」、「こと」を捉え るデータ=概念データモデル 情報システムの目標成果 物! 利用者の側から必要最小限 のソフトウエア要求を設定 変更・拡張が容易な情報シス テム構造導出 → 永遠の青 年のような情報システム 対策2:情報システム工学確立 利用者とソフトウエア技術者 が互いに有限の責任を持っ て協力し、情報システムを構 築 プロセスで構造を作り込む! 学習目標-1. ビジネス情報システムとは何か 「ビジネス情報」を取り扱うシステ ム ディジタル化された記号(音声、 図形、言葉、数値etc) ・意味情報(文章など):電子メー ルや文書作成ソフトで扱う ・計数データ:事務処理で扱う 利用者に意味が分かるデータ でなければならない ビジネスが関心を持つ対象世 界の「事実」を表現する情報 取り扱う手段として人手と情報 技術を利用する ビジネスの事実を捉える仕組 が重要であるが、従来は軽視され てきた 情報システムの使命=ビジネス に関与する人々の「意思疎通支 援」 「ビジネス活動」に情報を利用す る仕組み ← 学界では経営と情報技術に関 して語っているが、ビジネスの 実務を忘れる傾向がある ← 教育と産業構造を変えなけれ ば、問題が起き続ける! 情報システムが取り扱う「情報」 ビジネスの現場、現物、現実を データに写し取る = 概念データモデル 「データと情報は違う」と語ら れるようなデータでは困る! データこそ、情報システムの 目標成果物! データ構造に基づくアプリケー ション導出と、情報基盤構想 これは重要だが手段であ る! 学習目標-2. 情報システムを構築・維持する方法 情報システムのオープン性 ビジネス情報システムは様々 な箇所で外部と繋がっている 閉じた組織内で仕組みを自 由に変えることは許されない 利用者との相互作用 情報システムは利用者の事 実認識と意思決定に大きな 影響を及ぼす 利用者の能力や関心によっ て情報対象が異なり、情報シ ステムの構造が異なる 利用者中心の情報システム構 築方法 余計な情報技術を利用者 に要求してはいけない 例:エンドユーザ開発 変わり続ける情報システム ソフトウェア開発と異なり、情 報システム構築は保守(変 更・拡張)作業の繰り返しであ る 変更拡張の必要性を利用者 が認識し、主体性を持って情 報システム構築に取り組む 利用者たちががビジネスの仕 組を的確に捉え、理解し、組 織として改革の必要性を認知 する 情報技術者の専門性を認識 し、その能力をフル活用する ビジネス上急ぐ、明確な所か ら短期間で情報システム構 成要素を構築(変更・拡張) する 本日の予定 9:30- 9:40 1.はじめに:「情報システム構築アプローチ」主旨 9:40-11:05 2.概念形成と問題解決 人々が問題の存在を認識し、「為すべき」ことに気付き、組織として問題解決に取り組むア プローチ(A.D.Hallのシステム工学概論をベースに) 11:20-12:45 3.ビジネス・アーキテクチャ 科学・技術が発達した現在のビジネス組織はハイテクのジェット機よりも複雑な構造を持っ ている 13:45-15:10 4.概念データモデル設計法 ビジネスの関心対象世界の構造を写し取るデータ設計方法 15:25-16:50 5.アプリケーション・アーキテクチャ 現在の情報技術を用いてビジネス情報を取り扱う仕組を設計する考え方 機動的な情報システム構築の進め方 16:50-17:00 6.まとめ:本日のセミナーの要点
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