小林克己 前川先生勉強会からの続き /2010-4-6 1 頻度データ FOB, 尿検査および病理所見 1. 所見アリ・ナシの匹数の計算 カイ二乗検定: 2×2, 4舛中,ゼロ~5程度の小さい 数値は適用できない/昔使用/パソコンが無い フィッシャーの検定: 2×2のみ,計算によって直接 確率が計算される/現在使用/パソコンが必要 2. 所見のグレート分け 累積カイ二乗検定: グレード別匹数 Mann-WhitneyのU検定: グレードの検定 2 頻度データ(1) 1. カイ二乗検定 群 1 2 アリ ナシ 8 42 15 35 計 50 50 2 100 ( 8 35 42 15 ) X2 (8 15) (42 35) (8 42) (15 35) 3 頻度データ(2) 4舛どこかがゼロになるまで表を作成しP値を加算 1. フィッシャーの直接確率検定(2×2のみ) 10!10!10!10! P1 0.1849 20! 3! 7! 6! 4! + 3 6 7 + 4 P1(生データ) + 2 7 8 3 + + 1 8 9 2 + P2(加工データ) P3(加工データ) + 0 10 9 1 P4(加工データ) 0.1849(P1)+0.0349(P2)+0.0027(P3)+0.00006(P4)=0.2226(直接確率 = NS) 4 頻度データ(3) 1. 累積カイ二乗検定(日本のみ/東大・島津先生の開 発) 群 - + ++ +++ ++++ 計 対 照 45 4 1 0 0 50 低用量 44 10 6 0 0 50 中用量 39 5 4 1 1 50 高用量 25 11 6 4 4 50 2. Mann-WhitneyのU検定 高用量の例:0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+ 1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+2+2+2+2+2+2+3+3+3+3+4+4+4+4=51, Mean=1.02 5 少数例(N = 5)の尿検査・病理所見値の 生物学的判断はどの程度? 例 1 2 3 群 発生パターン 対照 投薬 対照 投薬 対照 投薬 ○○○○○ ○○●●● ○○○○● ○○●●● ○○○●● ○●●●● 判断 統計学的 生物学的 ナシ アリ ナシ アリ ナシ アリ 6 対照群と用量群の発生数の組み合わせによる 統計学的有意差の検出 (*P<0.05) 発生率の組み合わせ カイ二乗検定 Fisherの直接確率検定 0/5対1/5 P値 = 1.00000 P値 = 0.50000 0/5対2/5 P値 = 0.42920 P値 = 0.22222 0/5対3/5 P値 = 0.16755 P値 = 0.08333 0/5対4/5 P値 = 0.05281 P値 = 0.02381* 0/5対5/5 P値 = 0.01141* P値 = 0.00397* 1/5対2/5 P値 = 1.00000 P値 = 0.50000 1/5対3/5 P値 = 0.51861 P値 = 0.26190 1/5対4/5 P値 = 0.20590 P値 = 0.10317 1/5対5/5 P値 = 0.05281 P値 = 0.02381* 2/5対3/5 P値 = 1.00000 P値 = 0.50000 2/5対4/5 P値 = 0.51861 P値 = 0.26190 2/5対5/5 P値 = 0.16755 P値 = 0.08333 7 試験責任者(SD)の判断 生物学的 有意差 意味がある 統計学的 解釈 有意差* 有意である 得られた知見・意味があるを採用 意味がある 有意でない 得られた知見・意味があるを採用# 意味がない 意味がない 有意である 得られた知見は捨てる 有意でない 得られた知見は捨てる *P = 0.05. #標本数を増やして再度検定を実施するという見解も あるが,著者は生物学的有意を優先したい. 8 統計解析を実施しない例 統計学的有意差が認められない例/フィッシャーの検定 試験群 死亡数・ポジ 生存数・ネガ 動物数 対照・非投薬 0 10 10 被験物質投与 3 7 10 合計 3 17 20 統計学的有意差が認められる発生率は, 0/10 vs. 4/10 および発がん性試験の 0/50 vs. 5/50 9 28日間反復投与毒性試験の頻度データの 有意差検出パターン *有意差アリ(P<0.05) 群間発生率 (対照vs.用量) カイ2乗検定 フィッシャーの直接確率検定 0/5 vs. 1/5 P=1.00 P=0.50 ↓ 0/5 vs. 4/5 P=0.053 P=0.024* 0/5 vs. 5/5 1/5 vs. 1/5 P=0.011* P=1.00 P=0.004* P=1.00 ↓ 1/5 vs. 5/5 2/5 vs. 5/5 P=0.053 P=0.168 P=0.024* P=0.083 10 粉餌による混餌投与用給餌器/市販品 1000mg/kg/day投与の場合 各試験機関は,ラットの摂餌量を背景値として把握し ている.1週間で自分の体重と同程度の量を摂取する. 試験開始後1週間目(Wk7-8)は,体重150gで1日20gの飼 料を摂取する.化審法ガイドラインは2%を目安とする. 150mg/150g/day = 150mg/20g = 0.0075 = 0.75% = 7500ppm, 従って,♂♀摂餌量が異なることから種々の濃度の飼料 を調製する.混餌法には各ラボのノウハウがある. 11 ラットの給餌システム 飼料摂取量が多い/固形飼料を遊んでかじり網目から落とす 粉末飼料用,下の円形丸穴ス テンレス板(重たい)を入れ て蓋を閉める 固形飼料用ケージ,上部に ポリカーバネィト製ラット 固形飼料+飲水瓶をセット, 用飲水瓶 通常2匹飼い 12 カイ二乗のXとは? Fisher検定の記載法 Chi は,キー、Χ,χ{かい}◆ギリシャ語のアル ファベットの第22字,クリスマス (Christmas)◆X‘masは,間違い. Xは,キリストを表すギリシャ語の頭文字{かし らもじ}の名残{なごり}= X’mas Chri = Chiと勘違いした人あり. ◎Fisher’s exact test, Fisher’s exact probability test, フィッシャーの直接確率検定,フィッシャーの正確確 率検定, ◎Fisherの検定 13
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