PowerPoint プレゼンテーション

http://altair.sci.hokudai.ac.jp/
生物科学科(高分子機能学)
• 生体高分子解析学講座(第3)
スタッフ
• 教授 新田勝利
• 助教授 出村誠
• 助手 相沢智康
タンパク質工学:キーワード
• タンパク質工学の利用分野
学術、工学、農学、医薬
• タンパク質工学とは
遺伝子組換え技術、遺伝子化学合成技術、新しいタンパク質の人工合成
• ゲノム・遺伝子・タンパク質
ゲノム遺伝子>遺伝子
• DNA分子の塩基配列とアミノ酸配列
コドン、アミノ酸の一次配列
• タンパク質分子とアミノ酸配列
ペプチド結合、ヘリックス、シート
• 立体構造解析と NMR
ノーベル化学賞 K.Wüthrich
タンパク質工学の利用分野
• 学術
• 工学
• 農学
• 医・薬
Protein Engineering
タンパク質工学の利用分野
学術:タンパク質の立体構造、生物進化
工学:安定化酵素、ナノテクノロジー
農学:遺伝子組換え作物、クローン家畜
医・薬:病気の治療、遺伝子診断(遺伝病)
Journal
Protein Engineering
この学術雑誌は、タンパク質の機能を理解するために重要な
構造と生化学的知見の最新研究を紹介する専門誌
タンパク質工学とは?
遺伝子組換え技術
遺伝子化学合成技術
新しいタンパク質の人工合成
◎タンパク質工学とは?
遺伝子組換え技術と遺伝子
化学合成技術を使い、設計
した新しいタンパク質を人
工的に合成すること。
課題:転写、翻訳は生物の
力を借りるしかない
タンパク質工学に重要な2つの技術
ゲノム・遺伝子・タンパク質
ゲノム遺伝子 > 遺伝子
ゲノム・遺伝子・タンパク質
●遺伝情報(ゲノム)の伝達
ヒト細胞1個あたり
染色体数 46 (22+X)+(22+Y)
遺伝子数 約10万(105)
塩基対数 30億 (3 x 109) 全長約1m
大腸菌ゲノム
塩基対(4 x 106) 全長約1.4mm
●遺伝情報(遺伝子)の発現
ヒト
発生・分化→約60兆個(6 x 1013)
セントラルドグマ
(DNA→RNA→タンパク質)
ゲノムの5%だけタンパク質として発現
発現時間(一生):7x105 hr
大腸菌
ゲノムの90%がタンパク質として発現
発現時間(一生) :0.3〜0.7 hr
DNA分子の塩基配列とアミノ酸配列
コドン
アミノ酸の一次配列
DNAの構造
遺伝情報は塩基(Base)配列として記録されている
A:アデニン C:シトシン G:グアニン T:チミン
3つの塩基配列で1
つのアミノ酸を表す(
コドン)
DNA二重らせんは
A=T、G ≡ Cの塩基対
でのみ水素結合できる
DNAコドンとアミノ酸
1st
2nd
3rd
5'-end
U
C
A
G
3'end
U
Phe
Ser
Tyr
Cys
U
U
Phe
Ser
Tyr
Cys
C
U
Leu
Ser
Stop
Stop
A
U
Leu
Ser
Stop
Trp
G
C
Leu
Pro
His
Arg
U
C
Leu
Pro
His
Arg
C
C
Leu
Pro
Gln
Arg
A
C
Leu
Pro
Gln
Arg
G
A
Ile
Thr
Asn
Ser
U
A
Ile
Thr
Asn
Ser
C
A
Ile
Thr
Lys
Arg
A
A
Met
Thr
Lys
Arg
G
G
Val
Ala
Asp
Gly
U
アミノ酸の表記;3文字、1文字
タンパク質分子とアミノ酸配列
アミノ酸の結合:ペプチド結合
アミノ酸残基の配列:一次構造
局所的な規則構造:二次構造
ヘリックス、シートなど
タンパク質は折り畳まれて二次構
造・立体構造ができあがる
二次構造
ペプチド結合
ヘリックス
シート
タンパク質の一次構造のちがいが
立体構造のちがいとなる
一次構造
立体構造
立体構造のわずかな違いだけで
機能が異なる場合もある!
立体構造とNMR
原子核の磁気的性質を非破壊で観測できる
装置(NMR)を用いて、生体高分子(タンパク
質、核酸、糖質など)の立体構造が水溶液に
溶けたままの状態で決定できるようになって
きた。
生体高分子の構造解析2002
NMRとMS
2002年ノーベル化学賞
NMR
Kurt Wuthrich
1/2 of the prize
MS
John B. Fenn Koichi Tanaka
1/4 of the prize
http://www.nobel.se/chemistry/laureates/2002/index.html
1/4 of the prize
http://www.nobel.se/
NMR分野のノーベル賞
1952
1952
1991
2002
Felix Bloch
(1905 - 1983)
Stanford University
USA
Edward Mills Purcell
(1912 - 1997)
Harvard University
USA
Richard R. Ernst
(1933 - )
ETH, Switzerland
Kurt Wuthrich
(1938 - )
ETH, Switzerland
Scripps Research Inst.,
USA
物理学賞(1952)
for their development of new methods for nuclear
magnetic precision measurements and discoveries
in connection therewith.
化学賞(1991)
for his contributions to the
development of the
methodology of high
resolution nuclear magnetic
resonance (NMR)
spectroscopy.
化学賞(2002)
for his development of NMR
spectroscopy for determining
the three-dimensional
structure of biological
macromolecules in solution
核磁気共鳴
Nuclear Magnetic Resonance
NMR
1H, 13C, 15N, 31P
原子核の磁気モーメントを超電導磁石の安定
磁場中で観測
↓
原子核の距離、化学結合の角度、分子運動な
どが解析できる。∴立体構造解析可能
NMR用超電動磁石のしくみ
タンパク質試料
溶液量30~300  l
濃度0.3~3 mM
磁場強度いろいろ
1 Tesla=10000 Gauss
実用化
4 x 10-1 T
研究中
850 T
3 x 10-1 T
Sun
10-2 T
10-4
T
60 T
33 T
3 x 10-5 T
2 ~ (25) T
NMR
3 x 10-10 T
2T
MRI
NMR装置の発展 MHzからGHzヘ
1H共鳴周波数(MHz) 磁場強度(Tesla)
32 CW型
60
90
100 FT型
200
270
300
350
400
600
750
800
900
1000
1046
0.8 常電導 (1957)
1.4
2.1
2.3
4.7 超電導
6.3
7.0
8.2
11.7
21.1 T
14.1
17.6
21.6 T (2002)
18.8 (1998)
21.1 (2001)
23.4
24.6 (1997*) * T.A. Cross et al., J. Magn. Reson., 125, 212 (1997).
原子核固有のNMR周波数
磁場強度: 9.4テスラ
磁場強度:18.8テスラ
1H共鳴周波数=400MHz
1H共鳴周波数=800MHz
化学シフト(微細構造による共鳴周波数の変化)
1H:0〜10 ppm, 13C:0〜20 ppm, 31P:0〜600 ppm
NMRデータから立体構造情報の収集
R1 O
N C
H
C N C
C
H H
H
R3 O
R2 O
N C
H
C
H
化学結合による1H-1H相互作用
の測定(COSY)
→アミノ酸残基の同定、化学
結合の回転角度情報の収集
R1 O
N C
H
H
COSY
R3
O
N C
C
R2 O
C N C
H H
空間の近距離1H-1H相互作用
(<5Å)の測定(NOESY)
→アミノ酸残基の連鎖帰属、
原子間距離情報の収集
C
H
H
NOESY
NMRでわかる距離・角度情報
アミノ酸の一次配列から立体構造を決定
するために、NMRからわかる原子間距
離、結合の回転角度が利用可能
すべてのNMR距離・角度情報を満たす構造
= 立体構造
ヒトとウシの正常型プリオンタンパク質(23-230)のNMR立体構造
(K. Wüthrich et al., )
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97(1), 145-150 (2000).
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97(15), 8334-8339 (2000).
まとめ
タンパク質工学の利用分野
学術、工学、農学、医薬
タンパク質工学とは
遺伝子組換え技術、遺伝子化学合成技術、新しいタンパク質の人工合成
ゲノム・遺伝子・タンパク質
ゲノム遺伝子>遺伝子
DNA分子の塩基配列とアミノ酸配列
コドン、アミノ酸の一次配列
タンパク質分子とアミノ酸配列
ペプチド結合、ヘリックス、シート
立体構造解析と NMR
ノーベル化学賞 K.Wüthrich