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職業裁判所(以前は名誉裁判所)
Berufsgerichte (Ehrengerichte )
Creifelds: Rechtswörterbuch法律辞典
の解説
岡嶋道夫
1
職業裁判所は個々の職能階級の懲
戒裁判所で、それを純潔に保ち、職業
の品位と相容れず、また職業身分の
名声を害する行為を罰するためのも
のである。処罰は通常戒告、科料さら
には職業身分からの排除である。
岡嶋道夫
2
裁判所はその場合、確定した犯罪構
成要件と結びつくものではなく、個々
の行為をもたらした原因によって処罰
できる。
【わざわざこのように書いてあるのは、刑法の罪刑
法定主義とニュアンスが多少異なるのではない
か?と法律の素人である訳者が勘ぐったのです
が、質問した二人の法律家は行政処分的なもの
であって、罪刑法定主義とは抵触しないという答
でした。】
岡嶋道夫
3
職業裁判所は現在通常裁判所(州裁判所、
高等裁判所)に設置され、裁判官である職
業裁判官と、裁判官でない職業代表者と
によって構成される。
手続は刑事訴訟法に合わせている。
通常裁判所で刑事訴訟が同時に係争中で
あるときは、職業裁判所の手続は通常前
者の判決が出るまで中断される。
職業裁判所の判決に対して通常第二審の
職業裁判所に控訴できる。
岡嶋道夫
4
連邦法の規定は、弁護士、公認会計
士、税理士、納税代理人に対して、
また州法の規定は医師、獣医師、歯
科医師、薬剤師に対して存在する。
【訳者: ドイツでは医療は歴史的に州の管
轄である】
岡嶋道夫
5
名誉(懲戒)裁判権(制度)
Ehrengerichtsbarkait
名誉裁判権は、特定の自由業の所属者に対する
国家的裁判権の旧い名称である;名誉裁判権は
職業裁判所によって職業に関連する特定の争い
(例えば認可)に判決を下し、職業または身分義
務違反を処罰する。
職業裁判所の処罰は、刑事裁判権の立場とは関
係ないだけではなく、同時に刑法違反があるとき
はこれと並んで行われる。
岡嶋道夫
6
【訳者:上記の部分の訳は文法的に不安が
ありますが、例えば轢き逃げ事件で、刑事
裁判では轢き逃げに対して処罰し、一方医
師職業裁判所は被害者への救急処置とい
う医師の義務を怠ったということで科料を
科している判例があります。このようなこと
を指しているのか、と思いますが?】
岡嶋道夫
7