ドイツ 医師会強制加入の規定 義務違反に対する処罰規定 弁護士と医師 日独の比較 岡嶋道夫 1 医療職法(州法)ノルトライン・ヴェストファーレン州 第1章 カンマー(医師会、歯科医師会、薬剤師会、獣医師会) §2 所属 §6 任務 第2章 職業従事 §31 職業規則の公布 第3章 卒後研修 第1節 医師の卒後研修 第2節 薬剤師の卒後研修 第3節 獣医師の卒後研 第4節 歯科医師の卒後研修 第4章 一般医学の専門教育 第5章 責問権(非難権) 第6章 職業裁判権 岡嶋道夫 2 医療職法から 強制加入に関連する条項 §2 所属 (1) カンマーに所属するのはノルトライン・ ヴェストファーレン州において職業に従事 する総ての医師、薬剤師、獣医師及び歯 科医師であるが、職業に従事しなくても 通常の住所を有する者も所属する。 監 督官庁で官吏として従事している者は除 く。 (2) 略 岡嶋道夫 3 医療職法から 強制加入に関連する条項 (続き) (3) 総てのカンマー所属者は、1ヵ月以内に 管轄のカンマーに申告し、法的に必要な 資格証明書を提出しなければならない。 カンマー所属者は職業従事の開始、終 了、及びその他の変更並びに住所の変 更を届け出て、カンマーの命令を守らな ければならない。 岡嶋道夫 4 医療職法から 第5章 非難(責問)権 §56 軽微性-責問 (1) 医師会理事会は、罪が軽微で職業裁判 所手続の開始を申請する必要がないと思 われるときには、本人に義務づけられた職 業義務を傷つけた医師会所属者を責問す ることができる。 これは、公務員がその公 務員義務を傷つけた場合には適用されな い。 (2) 同じ事情によって職業裁判手続が開始さ れれば、責問権は解消する。(以下略) 岡嶋道夫 5 (3) 責問は職業裁判所の支配下にある。 決 定が下されたときには、その法的救済につ いての教示が伴う。 (4) 医師会所属者を注意する会長の権利は 留保される。 (5) 職業裁判上の処置に関する記録は、職 業裁判所手続に至らなかったときには決 定の確定力後3年間、職業裁判所手続と なったときには決定の確定力後10年間保 存され、その後破棄される。 岡嶋道夫 6 第6章 職業裁判権 §57 職業義務違反 (1) 職業義務に違反した医師会所属者は職業裁判 権の支配を受ける。 (2) 公務員義務に違反ということであれば、公務員 である医師会所属者にはこれは適用されない。 (3) 罰金までに相当する職業義務違反から5年以 上経過していれば、職業裁判所の処分は及ばな い;期限が経過するまでに職業裁判の手続開始 の請求があったり、またはそれと同じ事実によっ て刑事手続が開始されていれば、期間はこの時 点から手続の続く間は停止する。 岡嶋道夫 7 義務違反に対する処罰 ドイツ 日本 弁護士 医師 連邦: 州: 連邦弁護士法 医療職法 国: なし? 医道審議会令? 弁護士法 岡嶋道夫 8 弁護士 医師 会長の注意 会長の注意 弁護士会理事会:非難権 医師会理事会:非難権 ド 懲戒委員会 懲戒委員会 イ ツ 弁護士裁判所Anwaltsgericht 医師職業裁判所 控訴:弁護士上訴裁判所 二審制 上告:連邦通常裁判所 (それ以上の上告はない) 弁護士会綱紀委員会 日 弁護士会懲戒委員会 本 不服:日本弁護士連合会 不服:東京高等裁判所 岡嶋道夫 医道審議会 医師法、医療法、歯科医師 法などの他の法律の規定 により審議会の権限に属さ せられた事項を処理 9 制 裁 弁護士 医師 ド イ ツ 理事会: 制裁の種類は不明 弁護士裁判所(名誉裁判所) 戒告 けん責 25,000ユーロまでの科料 1年-5年の活動禁止 弁護士職からの排除 日 本 第五十七条 次の四種とする 戒告 2年以内の業務停止 退去命令 除名 医師会の懲戒委員会: 注意 戒告 5,000マルク(約2,500ユーロ)までの科料 資格や免許の停止(2年まで) 医師職業裁判所: 注意 戒告 被選挙権の剥奪 10万マルク(約5万ユーロ)までの科料、 職業を行う資格なしという決定(免許剥奪) 岡嶋道夫 10
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