光ファイバー伝送専門委員会 活動報告会

光ファイバー伝送専門
委員会 活動報告会
2012.02.02
光ファイバー伝送専門委員会
冨田 茂
光ファイバ-伝送専門委員会の活動目的
1)
2)
3)
4)
5)
ITU-T WP2/15(Optical access/transport network
technologies and physical infrastructures)への
アップストリーム活動(対処方針・寄書の検討)と
審議結果の共有
関係組織での検討動向等に関する情報共有と意
見交換
関連TTC標準の策定、アップデート
普及活動(セミナー開催等)
その他の関連事項
平成23年度の活動
1)
2)
3)
4)
5)
平成23年11月 初会合開催
平成23年11~12月 ITU-T SG15 会合(H23.12)
への対処検討
平成24年1月 企画戦略委員会への活動状況報
告
平成24年2月 活動報告会開催
平成24年2月 企画戦略委員会への将来計画の
提言
光ファイバー伝送専門委員会の構成

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


委員
:13名(5社1団体より)
オブザーバー : 6名(1団体より)
事務局
で構成され、メーリングリストおよび集合形式の会
合を営する。また、後述する第1回光ファイバー伝送
専門委員会会合にて、以下の通り、専門委員長、副
専門委員長を選任した。
専門委員長
:冨田 茂(NTT)
副専門委員長 :笠 史郎(ソフトバンクテレコム)
第1回光ファイバー伝送専門委員会



日時:2011年11月1日(火) 15時~17時
場所:TTC A・B会議室
出席者:委員 8名、オブザーバー 12名、企画戦略委員 1名、事務局
議事1. 専門委員長、副専門委員長の互選
議事2. ITU-T SG15 第5回会合WP2への提出寄書の審議
以下に示す事項に関する各社からの提出寄書案について審議し、承認を得た
(G.654の改訂、MPIの検討、G.657の改訂、課題5における次会期の検討項目、課題8に
おける次会期の検討項目、L.dmospへのAppendix追記、L64の改訂、課題17における次
会期の検討項目、L.dwpgへのAppendix追記)
議事3. ITU-T SG15 第5回会合WP2への課題別対処方針の審議
課題5、6、7、8、16、17、18への対処方針案を審議し、承認を得た
議事4. 今後の標準化計画の検討
事務局よりダウンストリーム活動に関する提案募集を周知し、提案は寄書にて事務局に提出することを
合意した
ITU-T SG15 WP2/15の研究課題(参考)
Questions
タイトル
課題5
Q5/15
Characteristics and test methods of optical fibres and
光ファイバ及びケーブルの特性と試験方法
cables
課題6
Q6/15
陸上伝達網における光システムの特性
Characteristics
of optical systems for terrestrial transport
networks
Q7/15
Characteristics of optical components and subsystems
Q8/15
Characteristics of optical fibre submarine cable systems
課題7
課題8
光部品、サブシステムの特性
光ファイバ海底ケーブルシステムの特性
課題16 Optical
物理的光基盤設備およびケーブル
Q16/15
physical infrastructure and cables
Q17/15
and operation of optical fibre cable networks
課題17 Maintenance
光ファイバケーブル網の保守・運用
Q18/15
of optical networks in the access area
課題18 Development
アクセス系光ファイバケーブル網の設計
ITU-T SG15会合の結果(課題5)
光ファイバ及びケーブルの特性と試験方法
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

改訂勧告G.654[カットオフシフトファイバ]
G.654新規カテゴリファイバは 最大波長分散を22 ps/nm•km、
MFD範囲を11.5~15.0 μmとすることを暫定的に同意。
改訂勧告G.657 [低曲げ損失シングルモードファイバ]
scopeを修正し、最大適用距離は1kmと記載することに合意。
G.650.1[線形パラメータ試験法]及び補助文書G.Sup.47[光ファイ
バ実使用環境特性]
MPI(Multi-Path Interference)試験方法のラウンドロビン実施を
合意。
次会期に向けた検討課題
空間・モード多重ファイバアプリケーション、接続特性、被覆条件、
メインテナンス波長帯の特性なども対象とすることに合意。
ITU-T SG15会合の結果(課題6)
陸上伝達網における光システムの特性
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
G.959.1(Optical transport network physical layer interfaces)の改定
OTL4.4(4つの物理レーンに分けられたOTU4<112Gbps>信号)に対
応したアプリケーションコードの仕様値を見直すなどの変更を盛り込む改
訂をコンセント。
G.664(Optical safety procedures and requirements for optical
transport systems)の改定
IEC 60825-2への引用追加を盛り込む改定をコンセント。
G.694.1(Spectral grids for WDM applications: DWDM frequency
grid)およびG.697(Optical monitoring for dense wavelength division
multiplexing systems)の改定
フレキシブルグリッドの概念、パラメータエンコーディング方法の
Appendix追加などを含む改訂をコンセント。
G.698.3(Multichannel seeded DWDM applications with singlechannel optical interfaces)の制定
シード光を用いたシングルチャネルDWDMアプリケーションに関する新
勧告をコンセント。
ITU-T SG15会合の結果(課題7、8、16、
17、18)
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
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G.671「光サブシステム」の次期改訂合意
PON用光スプリッタ規格見直しで、1x2, 1x64分岐、2xN分岐タイ
プを追加し、規格値はIEC61753-031と同等とする
海底システム関連
光海底システムのモニタリングに関する新規勧告G.msubを議
論。2012年9月のコンセントに合意。
光ファイバケーブルに関する議論
縦系光ケーブルの構造および敷設方法について次会期の検討項
目とすることが合意された。動向把握が必要。
新規勧告L.dmosp「屋外設備における自然災害管理」の継続審議
新規勧告L.dwpg「光アクセス網におけるつり線、通信柱、支線の
設計」の制定合意
光ファイバ-伝送専門委員会のH24年度中
期標準化戦略(他標準化団体の動向)



ITU-T SG15 WP2にて光ファイバ伝送に関する勧告化が行
われており、特に1ファイバあたりの伝送容量拡大が、ネット
ワーク全体の性能向上や経済化に大きく寄与するため重点
的に取り組まれているほか、インフラ設備の有効利用やオペ
レーションによるコスト削減への寄与などが、課題として取り
上げられている。
ITU-Dにおいては、東日本大震災やスマトラ津波など、昨今
の自然災害の被害の大きさと通信インフラを早急に普及させ
ることの重要性を考慮し、その対策のガイドブック化を進めて
いる。
IEC TC86で光ファイバ関連標準化が行われ、傘下の
SC86Aで光ファイバ・ケーブルの標準化、SC86Bは光部品
の標準化、SC86Cは光能動部品の標準化を行い、これら
IEC標準に基づき日本ではJISが作成されている。
ITU-Tにて「災害救済システム、ネットワークの回復と復旧」を
議論する フォーカスグループ“Focus Group on Disaster
Relief Systems, Network Resilience and Recovery “が始動
Scope
The Focus Group (FG), established in accordance with Recommendation
ITU-T A.7, conducts the work on disaster relief systems/applications,
network resilience and recovery aiming at

identifying requirements for disaster relief and network resilience and
■災害救済およびネットワーク回復に向けた必要条件の洗い出しと、上記要求条件
familiarize the ITU-T and standardization communities with those
に基づくITU-Tやその他標準団体の組織化
requirements;

identifying existing standards and existing work that are related to the
■上記により言及された必要条件と関係のある既存の標準文書および既存の業務
requirements mentioned above;
の洗い出し
 identifying any additional standards that may need to be developed and
■必要とされる新たな標準文書の洗い出しと、と特定のITU-T
SGあるいは関連する
identifying future work items for specific ITU-T Study groups
and related
actions;
動きが必要とされる将来の作業項目の洗い出し
 encouraging collaboration among ITU-T Study Groups, in particular SG2,
■ITU-T
SG5, SG2、SG5、SG13、SG15およびSG17、ITU-R、ITU-Dおよび関連する組
SG13, SG15, and SG17, ITU-R, ITU-D and relevant organizations and
織、共同体(PCP/TDRを含む)における協調活動
communities, including the PCP/TDR;
The Focus Group will collaborate with worldwide relevant communities (e.g.,
research institutes, forums, academia) including other SDOs and consortia.
フォーカスグループ“Disaster Relief Systems,
Network Resilience and Recovery “の役割
■特にITU-Tの各SG間において、他のグループで行われていること、潜在
 To liaise with other groups, in particular ITU-T study
的なギャップ、あるいは補足の仕事が必要かもしれない領域を洗い出すた
groups, to identify what is being done, and potential gaps
めの協調活動促進
or areas where additional work might be required.
■主に次のようなトピックを考慮:

To consider specific topics such as: systems and/or
(1)個人のための災害救済(被災者の状況をその親類、友人および雇用者な
applications for (1) disaster relief for individuals (to notify
どに伝えること)
the damage situation from victims to their relatives,
friends, employers) and (2) disaster relief guidance (to
(2)災害救済ガイダンス(犠牲者に震災時避難場所、家庭などへの経路を案
show victims the routes to evacuation shelters, home,
内することなど)
etc.) (3) disaster. notification, (4) special treatment for
(3)災害への注意喚起
emergency communication, (5) power supply in disaster
(4)緊急用連絡網への特別な配慮
situations (e.g., for mobile base station or other network
(5)災害時の電源の確保(例えばモバイルの基地局あるいは他のネツトワー
equipment).
ク設備など)
 To identify methods and/or network architecture aspects
■災害局面においてネットワークの回復や復旧により良く対処可能な方法
for improving network resilience and recovery capability
やネットワーク構成方法を見出すこと
related to coping better with disaster situations.
光ファイバ-伝送専門委員会の
H24年度中期標準化戦略(活動方針)



ITU-T SG15 WP2の光伝送網の物理層に関する7つの課題
(陸上・海底光システム、光部品、ファイバ、ケーブル、設備、
敷設、保守)と、ITU-Dでの自然災害対処ガイドブックに関し、
国内標準の策定、アップストリーム活動(対処方針・寄書の
検討、審議結果の共有)、及び関係組織での検討動向等に
関する情報共有と意見交換を行う。
特に伝送容量の拡大(波長多重化、超高速化(40Gb/s、
100Gb/s))に関連するものに注力する。また、必要に応じ既
勧告のTTC文書化を図る。
また、情報転送WG網間物理インタフェースSWGのダウンスト
リーム活動を継承する。
御清聴ありがとうございました。
引き続き、光ファイバ専門委員会活動へ
のご助言、ご協力をお願いします。