東京女子大学 現代社会学部 コミュニケーション特論C(社会) 災害情報論 第7回 津波と情報 兼任講師 関谷直也 スマトラ沖地震 スマトラ沖地震 スマトラ沖地震 スマトラ沖地震 スマトラ沖地震 スマトラ沖地震 スマトラ沖地震 1 前兆現象 津波の前兆現象として、次のような音がす ることがある。 (1)音=①津波発生による音 ・大型トラックが通っているような音/蒸気 機関車が通ったときのような音 ・「ゴゴゴ」と嵐の音がする/石臼をひいた 音がする ②岩にぶつかる音 ・遠くで火薬を仕掛けて岩石を爆破する音 (発破の音)がする (2)風=海の方から風がふく。 2 津波の種類 津波は大きく分けて2種類ある。 (1)地震を直接の原因とする津波 ①速い満ち引き ②地震の断層のずれによる段差のつく波 ③大きな波状の波 (2)地震を間接的な原因とする津波 地震動による「地すべり」による津波。 島原大変肥後迷惑(寛政四年(1792)旧暦四月一日) 3 気象庁の津波警報 大津波警報 高いところで3m以上の津波が予 想されますので、厳重に警戒してください。←3 m、4m、6m、8m、10m以上 津波警報 高いところで2m程度の津波が 予想されますので、警戒してください。←1m、2 m 津波注意報 高いところで0。5m程度の津波 が予想されますので、注意してください。 ←0.5m 気象庁の津波予報 平均値と予測値/速報と詳報 ①気象庁の津波予報は、あくまで平均値である。 構造物や地形により2m前後のずれは簡単に生 じる。 ②気象庁の津波予報は、あくまで予測値である。 例外がたくさんある。事前の低周波の地盤の動 きによるものなどと考えられているが、基本例 (予測の計算式)にあてはまらない波はたくさん ある。 ②津波予測に限らず、「速報(いち早く情報を出 す)」と「詳報(詳しく情報を出す)」ことは反比例 する。津波の大きさや地理的状況を、いち早く詳 しく予想するというのは現段階では難しい。 4 津波の高さ ①かけあがり 津波は「かけあがり」を考える必要がある。行き 場のない津波は、ビル(構造物)を破壊しないと きでもかけあがったり、その脇に入ることで、よ り高い波となる場合がある。 ②4~5mの高さでも、90%の確率でしか安全とは いえない。 とにかくできるだけ高いところ、できるならば 20m以上のところに、避難することを考えた方 がいい。 5 引き潮 6 沖だし 津波は、必ずしも引 き潮で生じるとは限 らない。 船舶は5000万円~ 8000万円もする高額 なものであり、損害 保険は掛け捨て。 ・引き潮が生じるのは、 90割程度。 ・引き潮が来ないままに 津波がくる場合もある。 ・引き潮を確認するとい う行動は間違いである。 簡単に沖だしを止め ろとはいえない。 だが、到達時間2時 間以上の場合ではな いと、沖だしは安全と はいえない。 7 津波の誤解① [3 津波情報に対する誤解] 気象庁の津波震度はあくまで平均値、予測値 としての値なので、この数値の津波がくるわけ ではない。 [4 避難の高さに関する誤解] 津波は、絶対安全を考えた場合には、とにかく 相当程度、高いところに避難した方がいい。 [5 引き潮に関する誤解] 津波は、必ずしも引き潮で生じるとは限らない。 ゆえに、引き潮を確認するという行動は危険で あり、間違った行動である。 7 津波の誤解② [弱い津波に対する誤解] 25cmから50cm程度の津波で被害が生じる可能性がある。奥尻 島では、高さ25cmの津波で、木材が流れ出し被害が起きている。 [津波に巻き込まれたときの誤解] 津波は低くても、威力がある。どんなにあがいても這い上がるこ とは難しいし、泳ぐことは無理と考えた方がいい。 [車避難に関する誤解] 車避難は必ずしも悪くないが、次のことを留意する必要がある。 ①車避難の導線と歩いて逃げる人の導線が交差しない限りは、車 避難は悪くない。 ②渋滞がおこったら、すぐ車をすてて逃げる ▲[津波観測に関する誤解]「津波を見る」というのは絶対だめ。津 波対応は、自動的なものにする必要がある。手動は危険である。 潮位観測は必ず監視カメラを使う必要がある。目視は危険であ 9 津波の伝承 津波てんでんこ 稲村の火 ※小泉総理のメルマガで取り上げられた 原作 ラフカディオ・ハーン(小泉八雲) 作者 中井常蔵(三ツ橋常蔵) モデル 浜口梧陵(浜口儀兵衛) 8 津波の防災行動 重要なこと―海岸にいるときの地震 津波を感知する。 ―海で、ゆれを感じたら ―海の水が、引き出したら まず即座に海から離れる ―高いところに離れる――津波の避難ビル ―遠くに離れる――車の避難 数十センチでも危険
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