遊技産業における顧客動向岡山商科大学経営学部田中潔 [email protected] 遊技産業の概略 • パチンコ・スロット産業を「遊技産業」と呼ぶ（遊戯ではない） • 風俗営業取締法による許可営業制 • 監督官庁＝警察庁と保安電子通信技術協会（遊技機の仕様を確認する機関） • ぱちんこ式（パチンコ機）と回胴式（スロット機）遊技業の歴史 • • • • • • • • • • 1925年コリントゲーム説（俗説）ヨーロッパのウォールマシン説 1930年風俗営業店名古屋で１号店 1946年敗戦後復活 1948年風俗営業取締法による出店規制 1953年第１次黄金期（循環機１号） 1960年第２次黄金期（ﾁｭｰﾘｯﾌﾟﾌﾞｰﾑ） 1985年スロット（回胴機）1号機規制 1992年４号機へ緩和規制（スロット問題発生） 2005年 5号機へ規制強化（遊技業不況に拍車）パチンコ機、スロット機のゲーム単価 • 玉＝100円25発以上、コイン＝100円5枚以上、玉単価１個４円、コイン１枚20円 • 現金機とCR（カードリーダー機） • 半パチとは単価２円パチンコ、１パチは単価１円パチンコ、ゴスロとは5円スロット • 一般景品交換と特殊景品交換 • 等価交換と古物商取引（買戻し）業態に見る遊技産業 • メーカー卸・ディーラー • 大型、系列化の進展 • メーカーホールチェーン店系列退潮傾向の遊技産業 • 遊技人口の減少 – 娯楽の多様化、射幸心のあおりすぎ、派生するさまざまな社会問題、業界のイメージダウン、パチンコのオタク化、ビギナーが育たない • 娯楽の多様化・嗜好の変化 • 系列店・大型店の全国展開 – かつての小売業と似た傾向 – 庶民の気軽な遊びから遠ざかる全国営業店舗数の推移全国営業店舗数推移 20,000 店 15,000 合計ぱちんこ機店回胴式機店 10,000 5,000 0 2002 03 04 05 06 年度 • 警察庁生活環境課発表中国地方の状況 • • • • • 山口346台/店岡山338 広島305 鳥取286 島根270 ３娯楽への推定参加割合 • 社会生活基本調査（総理府）調査１ホール来店者満足度調査結果（2006～2007年度） • 岡山商科大学産学官連携センター実施の共同研究事業に、㈱アス・ワンが参加 • アス・ワンは卸＋コンサル企業であり、かねてより利用者情報を収集性別の内訳 26% 回答者 3,427名 74% 男性女性参考：住所を確認できた回答者417名の町丁目別分布（旧岡山市表現青＝男性、赤＝女性） 700 600 500 400 300 200 性別男 100 度数女 0 20歳未満 30才代 20才代 50才代 40才代 70才以上 60才代年齢接客満足 50 50 40 40 30 30 20 20 10 10 ﾊﾟｰｾﾝﾄﾊﾟｰｾﾝﾄ来店頻度 0 初めて年数回以下月1～2回来店頻度週1～2回週3回以上 0 良い接客満足やや良いやや悪い悪い使用金額 40 30 20 ﾊﾟｰｾﾝﾄ 10 0 ～1万円 1～2万円 2～3万円 3～5万円 5万円～使用金額 600 1000 500 800 400 使用金額使用金額 600 ～1万円 300 ～1万円 400 1～2万円 1～2万円 200 2～3万円 2～3万円 200 3～5万円度数 0 5万円～男性別女 100 度数 3～5万円 5万円～ 0 初めて月1～2回年数回以下来店頻度週3回以上週1～2回モニター顧客のスロット嗜好（2007年実施104名）筐体有効告知ランプ上部液晶全面液晶リール周り液晶パトランプ合計欠損値 -1 合計度数 31 24 22 7 6 90 14 104 ﾊﾟｰｾﾝﾄ有効ﾊﾟｰｾﾝﾄ累積ﾊﾟｰｾﾝﾄ 29.8 34.4 34.4 23.1 26.7 61.1 21.2 24.4 85.6 6.7 7.8 93.3 5.8 6.7 100.0 86.5 100.0 13.5 100.0 原作重視度数有効欠損値合計重視する重視しない合計 -1 58 40 98 6 104 ﾊﾟｰｾﾝﾄ 55.8 38.5 94.2 5.8 100.0 有効ﾊﾟｰｾﾝﾄ 59.2 40.8 100.0 累積ﾊﾟｰｾﾝﾄ 59.2 100.0 ストーリー性へのこだわり 34% 有効回答 98名 66% 重視する重視しない • 筐体×ストーリー性ｐ＝0.021＊ • 筐体×原作世界観ｐ＝0.023＊ • 液晶スロット機を好む者はストーリー性、原作世界観を５％有意で重視する調査２：遊技に対するイメージ調査（2008） • 路上面接にて行った。郵便法よりも精密な調査を期待。しかし回収率は低い 35 30 25 20 男性女性 15 10 5 0 30歳未満 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上読取りソフトＲｅｍａｒｋ Office OMR • ㈱ハンモック、2005年19回大会にて • 「統計前データ作成・集計ソフト」として発表 • ワープロで回答用紙を作りコピー機で作成可能（光学的マーク読取り用ソフト） • ＯＣＲに比べ簡便、読取り精度はかなり高い • ＳＰＳＳへも対応（多重回答は0-1型のみ） • 調査員の回答記入用紙に活用いくつかの調査結果 • 回答者（n=195人）の娯楽費平均23,200円／月回答者の志向 40 36 遊ぶ人のイメージ 4.4 20 14 42.7 7 6 5 5 2 暗い明るい未回答 52.9 1 教宗ＩＴ然事自金投資や仕融物・買心ファッション康関庭健家味 0 趣％ 22 遊技の目的 20.8 ホールのイメージ暇つぶし一攫千金 33.7 明るい暗い 79.2 66.3 遊技を許容できるか入店の抵抗感 24.3 抵抗ある抵抗ない許せる許せない 45.8 54.4 75.7 興味を持つ機会 30 26.2 20 17 16.5 ％ 13.6 7.8 10 6.8 5.3 3.9 たい告なり広込一人に折のそ攫一他金千時た心を見奇好ール友ＣＭレビテ人ホ持ったことない 0 2.9 パチンコ遊技のイメージパチンコ遊技への考え 35 33 30 25 22.8 ％ 20 16.5 15 8.7 10 8.3 5.3 5 4.4 1 24.3% 20.0% 12.6% 10.0% 8.3% 6.3% 6.3% 5.3% 4.9% 2.9% 0.5% 回未サト・答スービ他のそ怖いイベンた気分しいされブルン難騙い嫌さいうる悪気空お金かかるい 0.0% ギャは台 28.6% 30.0% 音未回答 × はないール 40.0% ○ ホすることすぎるし他に難十分楽しいの他そ遊技の問題点怖い・汚お金かかいる・経験少ない 0 まとめ • ２ヵ年の調査研究により、入店客の状況及び市民のイメージを把握した • ホールで遊ぶ者＝暇で暗い人のイメージ • パチンコはお金がかかるイメージ • 遊技許容と入店抵抗感の関係から、遊技を「許容」しつつも入店に「抵抗ある」潜在的な顧客を取り損なっている関連した文献類 • 商大レビュー、17・18号、岡山商科大学、 2007～2008 • 遊技産業のイメージに関する調査研究～岡山市街地における路上調査結果～、岡山商大論叢、46巻1号、2009（印刷中）