起業家育成塾

起業家育成塾
起業とは
~誰に売るか~
企(起)業家とは
• Entrepreneur(アントレプレナー)
– 起業家
• 組織をたちあげる「起こす」局面に注目した表現
• 第3次ベンチャーブームから、頻繁に使われるように
なってきた表現
– 企業家
• ビジネスモデル、事業計画書を「企てる」局面に注目
した表現
• 「事業機会を追求し、新しいビジネスモデルを提案し、
実行する人」
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ベンチャー企業とは-意義
• 経済発展のエンジン
– 新製品、新市場、新たな生産方法、新たな経営手法など
の革新的行為による経済発展
• 雇用機会の創造
– 成長志向の強いベンチャー企業の創造が雇用機会の創
造に貢献
• 自己実現の機会
– 夢や志の実現
– 知識や技術をいかすため
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ベンチャー企業とは-特徴
– 新しさゆえの脆弱性
• 慢性的な経営資源の欠乏
– 資金繰り
– 従業員の確保
• マネジメントスキルの欠如
– 製品企画
• 販売力の弱さ
– 販売先の確保
– 対象とする顧客の明確化
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275社 廃業
12.6%
3.2%
84.2%
1836社
存続
国民生活金融公庫が2001年に出資した2181社が対象
(出所)新規開業白書2006年度版
存続企業の売上高伸び率
81.8%
25.0%
-7.7%
売上高伸び率=2004年の売上高(月商)÷2001年の売上高(同)×100-100
(出所)新規開業白書2006年度版
開業時の従業員数
19.2
21.8
27.5
24.7
(出所)新規開業白書2006年度版
開業時の業種構成
60.8
75.5
(出所)新規開業白書2006年度版
39.2
25.5
業績が良いと答えた企業の割合
※業績が「競合他社よりも良い」と回答した企業の割合を示している
(出所)新規開業白書2006年度版
開業後の問題(2001年)
(出所)新規開業白書2006年度版
開業後の問題(2004年)
(出所)新規開業白書2006年度版
開業後の問題(ランキング)
不振企業
好調企業
2001年
2004年
2001年
2004年
1位
販売先の
確保
販売先の
確保
販売先の
確保
販売先の
確保
2位
販売単価
が低い
資金繰り
資金繰り
従業員の
確保
3位
経費が
かさむ
経費が
かさむ
経費が
かさむ
経費が
かさむ
4位
資金繰り
販売単価
が低い
販売単価
が低い
販売単価
が低い
販売先確保に向けての取り組み
対象顧客層の拡大
A.新製品による
顧客層の拡大
B.既存製品による
顧客層の拡大
新製品
・サービス
既存製品
・サービス
C.新製品による
既存顧客の深耕
D.既存製品による
既存顧客層
の深耕
既存顧客層
販売先確保に向けての取組
誰に何を売るのか
• 何を売るか
– 競合他社の製品・サービスが提供する価値に対
して,自社はどのような価値を提供するか??
• 注意点
– 物理的に製品・サービスを提供するだけでない
– 価値レベルでの差別化も重要
» 「自社の製品を使うことでどれだけ効用が得られるか」
誰に何を売るのか
• 誰を中心に売るか
– 市場をいくつかのグループに分ける
• 市場セグメンテーション(細分化)
– セグメント内のニーズが同質かどうか
– 他のセグメントニーズとは異質であるか
属性Ⅰ
属性Ⅱ
グループワーク
• 課題
• このたび,弘前大学が弘大グッズとして,
リンゴの香水を開発しました。
「この香水を販売せよ」との指令を受けました
いったい,誰にこの香水を売りますか?
事例紹介
-スマイルズ• 創業年月日
– 2000年2月9日
• 創業者
– 遠山正道(現会長)
• 売上高
– 39億円(2007年度)
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事例紹介
-スマイルズ• 従業員
– 110名(2008年3月末現在)
• 事業内容
– スープ専門店「Soup Stock Tokyo」運営
– スープおよびカレールーの通信販売
– スープおよびカレールーの製造・加工・販売
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事例紹介
-スマイルズ• 創業前
– 1997年
• 三菱商事から関連会社のケンタッキーフライドチキン
(KFC)に出向
• 新規事業部配属
– とあるイメージ
» 女性が一人でスープをすすっている
» ゆっくりと、目を細めながらすすり、ホッとしている
↓
– 「スープのある1日」という物語形式の企画書作成
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事例紹介
-スマイルズ• 創業前
– 1997年
• KFCの社長にプレゼンテーション
↓
• Goサイン
– 理由
» バブルがはじけ、社会は閉塞的
» 現在の延長線上に将来はないという認識
» 何をしていけばいいのか、わからない
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事例紹介
-スマイルズ• 創業前
– スープの開発
• 無添加のものをつくる
– 遠山氏の身内でアトピーをもっている人がいたことも影響
• テストキッチン(1年半)
– 例:オニオンスープ
» オニオンスープに厚切りソテートマトとクレソンをのせる
» 発想源
⇒NYにあるステーキハウス「ピータールーガー」
→厚切りトマトに厚切り玉ねぎをのせ、ステーキソー
スをかけてナイフとフォークで食べる
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事例紹介
-スマイルズ• 創業前
– スープの開発
• NYでスープ屋が流行
– 視察
• 具体的なコンセプトイメージの共有
– 架空の人物「秋野つゆ」を具体的に描写
» 年齢
» 人物
» 評価
» 信条
» 理想
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事例紹介
-スマイルズ• 創業前
– 名前・ロゴ・インテリア
• 名前
– スープストック(スープの素という意味)
• ロゴ
– フォント
» Times New Roman
– 黒一色のみ
» スープに色があり、それを際立たせるため
• インテリア
– 素材のもつ色のみ
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事例紹介
-スマイルズ• 創業前
– 初出店
• 出店場所
– お台場「ヴィーナスフォート」
• 出店日
– 1999年8月25日
• 初月売上
– 1500万5千円
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事例紹介
-スマイルズ• 社内ベンチャー創業にむけて
• 遠山氏
– 2000年にKFCから三菱商事へ戻る予定
• Soup Stock
– KFCの個会社が運営
– 問題
• Soup Stockをどちらの企業が、誰が今後運営していく
のか
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事例紹介
-スマイルズ• 社内ベンチャー創業にむけて
– 問題の諸要因
– 社内ルール、株持ち合いの関係
» 三菱商事とKFC子会社との間で新会社設立は困難
– KFCの事情
» 今後、どうなるか未知数な事業に不安
» 三菱商事に引き取ってもらいたい
– Soup Stock
» 遠山氏抜きで運営していくことは困難
– 遠山氏
» 個人と企業のよい点を併せて新しい価値を創造したい
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事例紹介
-スマイルズ• 社内ベンチャー創業
– コーポレートベンチャー0号
• 2000年
– 三菱商事はコーポレートベンチャー制度ができる直前
– 株式会社スマイルズ創立
» 「ヴェーナスフォート」につづき、2号店を「イクスピアリ」に
出店
– 2000年12月~
» 溜池山王店、アークヒルズ店、赤坂通り店を開店
⇒オフィス街への出店
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事例紹介
-スマイルズ• 存続の危機
– 原因
• 溜池山王店の赤字(最悪時:月300万円)
– 理由
» ランチの時間帯は盛況
⇒ヘルシー志向の人に好まれる
» ディナー、土日
⇒人が来ない
» スープのフルコース開発
⇒アルコールなどが進まず客単価が上がらない
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事例紹介
-スマイルズ• 存続の危機
– その後の対応
• 三菱商事との話し合い
– リミットと目標を設定
– クリアできなければ閉店
– クリアできず閉店
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事例紹介
-スマイルズ• その後
– 恵比寿三越店からの光明
• 月の売上高
– 600~700万円
• 店舗規模
– 4.7坪
• 多く利用する顧客層
– 1人で来る女性
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事例紹介
-スマイルズ• 2度目の危機(2004年6月~9月)
– 新製品の開発
• 夏用のスープに力を入れていなかった
– 理由
» ヴィーナスフォートでは夏用のスープを販売していないが、
売り上げが落ちることはなかった
» 多様な場所で店舗展開するにつれて夏用のスープが必要
となる
» 冷性スープではパンやライスを一緒に注文しにくい
• 製品の改良を十分にしてこなかった
• リピータ減
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