2nsパルス放電プラズマの形成とその特性 * 松本宇生 , 岡田翔,王斗艶, 浪平隆男, 秋山秀典 50 400 Charging Port Outer Conductor Middle Conductor Inner Conductor Charging Inductor 2ns 5ns 50ns Load Transformer Oil High-pressure Spark Gap Switch Triaxial Blumlein Line -25 0 25 Time, ns 100 0 80 60 2ns 5ns 50ns 40 20 -100 0 -200 -20 50 0 (a) Voltage Transmission Line 100 Energy, mJ 0 200 Current, A Voltage, kV 300 25 120 2ns 5ns 50ns 25 Time, ns 0 50 50 100 Time, ns 150 (c) Discharge energy (b) Current 表:放電パラメータ (a) ナノ秒パルス発生装置の断面図 立ち上がり パルス幅 (dV/dt) 線路長 Spark Gap Switch (SF6) 放電エネルギー (O3/O2) 40kVpeak 50kVpeak 60kVpeak 放電エネルギー (NO/N2) 40kVpeak 50kVpeak 60kVpeak 200 mm 2ns 1ns 45 mJ 83 mJ 136 mJ 46 mJ 91 mJ 153 mJ 500 mm 5ns 2.5ns 63 mJ 108 mJ 167 mJ 82 mJ 152 mJ 237 mJ 5000 mm 50ns 30ns 21 mJ 35 mJ 62mJ 32 mJ 65 mJ 115 mJ Triaxial Blumlein Line Discharge reactor 外部円筒電極 中心電極 (b) ナノ秒パルス発生装置と放電リアクの外観 三重心ブルームライン構造のパルス発生装置 中心ワイヤ電 極 (H.V.) 1. 充電ポートを通じて,中間導体が充電される。 2. 左端の高圧スパークギャップスイッチが動作すると,中間導体が放電され, この結果,パルス出力が発生する。 形状:同軸円筒 中心電極: φ0.1mm(タングステン) 外部電極内径:Φ76mm(真鍮) 電極長:1000mm ※パルス幅はブルームライン線路長によって決められる。 放電プラズ マ 外部電極 E-mail: [email protected] 放電リアクタ Pulsed Power Plasma laboratory, Kumamoto University, JAPAN 出力波形 Frontiers in Plasma Science 2011 ナノ秒パルス発生装置 放電プラズマ 放電条件:電極間印加電圧=50kV,雰囲気ガス=窒素,電極長=1000mm 撮影条件: 露光時間 1/30-s dV/dt = 1ns dV/dt = 2.5ns (a) 2ns pulsed discharge dV/dt = 30ns (c) 50ns pulsed discharge (b) 5ns pulsed discharge より急峻な電圧の立ち上がり(dV/dt)によって,ストリーマの進展速度が増加し,より多くのストリーマ放電パスが形成されていることがわかる。 この結果が,出力波形の電流ピーク値の増加を引き起こしたと考えられる。また,文献によれば,より高速なストリーマヘッド中にはより高エネルギーな加速電子が存在す る。 ラジカル生成能比較 実験条件 80 60 50ns-50kV 5ns-50kV 2ns-50kV 20 0 50 100 Input energy density, J/L オゾン濃度 vs. 注入エネルギー密度 500 原料ガス:O2, 流量1.0 L/min 40 0.8 5ns 0.6 0.4 0.2 50ns 0 20 40 60 80 NO removal ratio, % NO除去効率比較マップ 2ns 印加電圧:40, 50 and 60kV 2ns 1 0 0 NO除去実験 100 35 30 25 50ns-50kV 5ns-50kV 2ns-50kV 20 15 Ozone yield, g/kWh NO removal ratio, % 100 1.2 Ozone concentration, g/m3 印加電圧:40, 50 and 60kV NO removal efficiency, mol/kWh 実験条件 ガス:NO-200ppm/N2, 10 L/min 40 結果・考察 (2) オゾン生成実験 –Oラジカル生成能- (1) NO除去実験 ‐Nラジカル生成能- 400 オゾン生成実験 2nsパルスの効率は5nsパルス の約1.2倍ほどであった。 300 200 5ns 50ns 100 10 5 0 0 0 0 2nsパルスの効率は5nsパルス の約2倍であった。 200 400 600 800 1000 Input energy density, J/L オゾン濃度 vs. 注入エネルギー密度 10 20 30 40 Ozone concentration, g/m3 オゾン収率比較マップ また50nsパルスに関して,酸素 雰囲気中では,目視ではほとん どプラズマが確認できないほど 小さかった。 オゾン生成では,特に高濃度に なるほどオゾンの分解反応が支 配的になってくるため,2ns,5ns間 で効率の差がでにくかったと思わ れる。 まとめ 急峻な電圧の立ち上がり(dV/dt)は,ストリーマの進展速度を上昇させ,非熱平衡プラズマの形成効率を向上させると考えられる。 NO除去実験及びオゾン生成実験から,短パルス化・立ち上がり時間の高速化が,NやOラジカルの生成能を向上させるとこが確認された。この結果は,前述のストリーマ進展速度上昇による 高エネルギー電子生成の結果と合致する。なお,上記の事柄は,ナノ秒オーダーにおいても確認された。 更なる短パルス化,サブナノ秒パルス発生装置の開発によって,より化学活性度の高い非熱平衡プラズマの形成が期待される。
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