相互評価システムの開発と大学 情報科目における利用 柴田好章(名古屋大学大学院) 小川亮(富山大学教育学部) 社会情報システム学 柴田 大樹 研究の目的 • 学習者が情報メディアを利用して表現し た作品について、学習者相互で評価を行 うことを支援するシステムを開発する。 • 相互評価システムを使用した学習過程の 分析を通して、相互評価システム利用の 意義を明らかにする。 2 研究の目的(簡易版) • 情報メディアを使った作品を学習者がお 互いに評価しあうシステムを開発する • そして、このシステムが役に立ったかを 検証する 3 システム開発の背景 • 情報メディアを利用し、情報の収集、整 理、表現すること • これが一方的に進むのではなく、 • 双方向的に進めて、よりよいものに改善 していく • これで、自分がどのように評価されてい るのかを知ることができる 4 設計方針 • 掲示板、メーリングリスト – 匿名性がないため率直な意見を述べたり、厳 しい評定がつけにくい • ワークシートや電子メール – 匿名性が保たれるが、作業が繁雑になってし まう • 相互評価システムでは評価者が特 定されない形を選択した。 5 システム開発の実際 • システムの概要図 6 授業の概要と相互評価システムの利用 • 教員養成課程の1年次を対象(必須科目) • 受講生 160人 (20~30人の7クラス) • 学習の流れ – 5月~6月下旬 – 6月下旬~7月 – 夏休み中 – 9月上旬 作品制作(ワープロで自己紹介) 作品発表(プレゼンも含む) 相互評価 評価分析・作品改善 作品、分析レポート提出 7 相互評価システムの分析1/3 • 観点1:対象は何 か? – 内容(文章、写真、 絵など) – 形式(書体、利用し た機能など) – 作品内容形式ー上記 両方 – 不特定 – 作品・プレゼン • 観点2:右の内容に 対してどうか? – – – – – – – 肯定 否定 上記両方 アドバイス 共感 その他 他 8 相互評価システムの分析2/3 • この論文の表はある1クラスの評価 – 29(件)×30(人)=870件 – これを分析 • 観点1の結果 – 形式や内容に言及 ・・・ – プレゼン ・・・ – →ほとんどが作品に言及 85% 2.6% 9 相互評価システムの分析3/3 • 観点2の結果 – 肯定的な評価 – 今後の作品制作に役立ちそうな評価 76.3% 16.6% • アドバイス、否定、両方 • 評価のしかたに関する指導を充実させるべき 10 相互評価に基づく学生による評価レポートの分析 ~学生が自分の評価をどうしたか?~ • 方法 – どのように自分が評価されたのかをレポー トで提出(9月上旬) – レポートの構成 • 文章 – 他者からのコメント – 作品の自己評価 – 作品改良の方向性 • グラフ – 他者からの評価の人数分布表 • 30人分のレポートを分析 11 相互評価に基づく学生による評価レポートの分析 ~学生が自分の評価をどうしたか?~ • 30人のレポート – 他者からのコメントをふまえたものか? – 自己評価に関するものなのか? – 作品の改良に結びつくものなのか? • これを考慮し、コードワードを付与 12 相互評価に基づく学生による評価レポートの分析 ~学生が自分の評価をどうしたか?~ • コードワード分析結果 – 30人中28人が他人のコメントを引用 – 30人中15人が自己評価だけで評価 – 30人中7人が他者の評価中に学んだ – 30人中24人が作品の改良について言及 13 相互評価に基づく学生による評価レポートの分析 ~学生が自分の評価をどうしたか?~ • 学生は自らの作品の欠点や改善方法に気 づくことができたといえる。 • しかし、中にはコメントを生かせなかっ た人もいるのも事実。 – 生かし方を指導することが必要になってくる 14 相互評価にもとづく作品の改良 ~何に基づいて改良したのか?~ • 30人中 18人が他者のコメントを基に改良 • 6人が自己評価のみで改良 • 2人が他人の作品を評価することでまなん だことを生かして改良 、 – 明らかに改良点が何に基づいたものかわかる場合のみをカウン トしたので、実際はもっと多い可能性がある。 • 開発したシステムは役に立った 15 研究の目的(簡易版) • 情報メディアを使った作品を学習者がお 互いに評価しあうシステムを開発する • そして、このシステムが役に立ったかを 検証する 16 個人的見解 • 受理されたのが2001年1月なので、およそ3年前になる 論文。 • 論文中のスクリーンショットでスクリプトの拡張子 が.php3となっていたので、PHP3で開発したものだと思 われる。もしPHP4に移植し、拡張モジュールを追加し てグラフもイメージで出せたり、管理者モードで「一人 一人の評価分析傾向」を出せればもっと正確な評価がだ せるのではないかと思った。 • このシステムを改良して本学で必須科目となっている情 報メディア入門、コンピュータ入門などの授業に生かせ るのではないかと思った。 17 参考文献 • ありません 18
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