スライド 1

中国における労働問題対応への参考資料
作成: 2011.6 中国日本商会
リスク学の視点から
©2011.6 中国日本商会
従業員規則・労務マニュアルなど形になっているも
のを、ここではHardwareに分類した
(本来のSHELLの定義ではSoftwareに分類される)
中国進出企業とその周囲との
潜在的リスク要因
経営者は、日頃から各種リスクに対し
て意識し、PDCAを回しているか?
H:Hardware
規則集のような見える形ではない
活動・行動・意識をSoftwareで分
類した
S:Software
従業員との対話・工会との対話
地元政府との対話
現地化対策
権限委譲による行動
情報共有
ほうれんそう(報告・連絡・相談)
人脈・コネ・ノミュニケーション
労務マニュアル
従業員規則
教育システム(従業員・幹部社員・経営者)
リスクマネージメント体制・組織・マニュアル
L:Liveware (経営者)
M:Management
隙間が大きくないか(リスク
が大きい)分析する
物価上昇
中国での当該法規
工会組織
80后、90后世代 日中文化の違い
E:Environment
日本的経営・生産システム
ネットワーク社会、インターネット、
SMS(短信)
寮・食堂施設
労働作業環境、安全衛生 給与格差
中日歴史問題
経済成長・社会不安
L:Liveware (他人)
経営者以外の周囲の人間
をLiveware(他人)で分類した
当事者を囲む周囲の状況を分析して、
見えないリスクを明らかにする
事故管理分析で使用される、SHELLモデルを参考に作成
従業員
駐在員
本社組織(日本)
合弁パートナー
日本大使館(領事館)、JETRO、地元
商工クラブ等の関係団体、弁護士
周辺の各社、同業他社、マスコミ、広報
地元政府、公安、関係当局等
ステークホルダー
中国の社会状況、経済状況な
ど周囲の事項をEnvironmentで
分類した
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労働問題発生のメカニズム
(イメージ図)
社会環境
企業経営Management
現場Management
企業ルー
ル・教育
労働問
題発生
周囲の
状況
従業員
意識
リスク管理分析で使用されるスイスチーズモデルを参考に作成
Manager
経営者
リスク管理では、様々な防御壁を組み合わせるが、スイスチーズのように所々穴が開いている。この
ため、折り重なった防御壁の穴を貫通する場合には、リスクが顕在化して事故は発生する。 この考
えを基に、中国の社会環境や、企業内でのリスクを組み合わせてAccident, Incidentの発生リスクを
表す事が出来る。
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労働問題発生のイメージ図
“小さな問題は小さな
問題のうちに”対処して
解決する姿勢が重要。
リスク拡大のイメージ図
広く受け入れ
可能なリスク
許容可能な
リスク
受け入れ
不可能なリスク
安全
残留リスク
リスク(小)
安全対策
リスク(大)
ISO/IEC Guide 51を参考に作成
中国のコンプライアンスリスク式=K1+Rx((1+K2)x(1+K3)x(1+Kn))
定義としては;
Rx: 企業活動で潜在するリスク
K1: 中国で存在する状況リスク(変動係数)
(その時の周囲の状況によって係数は変動する、 K1の例としては日系企業である事のリスク、日中間の歴史的事項、
各地で同一問題が発生等の時期による変動するリスク 各地での労働問題多発情報)
K2、K3、Kn:リスク発生時の状況・対応等で発生した更なるリスク
(リスクは、社会状況、文化の違い、等などであり、その時の社会状況により係数は変動する)
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労働問題発生のイメージ図
“小さな問題は小さな
問題のうちに”対処して
解決する姿勢が重要。
リスク拡大のイメージ図
広く受け入れ
可能なリスク
許容可能な
リスク
受け入れ
不可能なリスク
安全
残留リスク
安全対策
リスク(小)
リスク(大)
ISO/IEC Guide 51を参考に作成
ケースA:
1) 工場内の小さな不満が蓄積
2) 何かのきっかけで問題が大きくなる
変化の予兆を把握して
未然に防ぐ
津波は来るものと覚悟し
ケースB:
て、対応策を考える
1) A地方で労働問題発生
2) A地方内で拡大する
3) A地方の情報が、B地方、C地方に伝わりさらに拡大する
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労働問題における企業リスク度 (イメージ)
撤退・認可取消
リスク大 解散命令
操業停止(長期)
(営業停止命令を含む)
労働問題
(ストライキ)
操業停止(短期)
他の企業リスクの例
・自然災害・SARS等
・中国法規に対する悪質な違反
・コストアップ(部品・人件費)
・円高
・顧客クレーム(不買運動)
・汚職・贈収賄
・環境汚染等の違反
・地域環境
(電力不足/従業員の確保)
・東日本災害での影響
リスク小
始末書・罰金
10年
1年
1月
予想発生頻度
1日
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独資企業の課題
独資は合弁と異なり、中方へのノウハウの流出が防げるなどのメリットがある。
その反面、合弁企業では中方が処理する対中国当局側との対応も自らが行わなくてはい
けない。
一方、独資企業に赴任する経営者や駐在員は、(特に工場赴任者)
・中国事情に精通していない
・日本でManager経験が乏しい
・中国事情を理解していないので、日本のスタイルを押しつける事になる
等の人間が赴任する場合がある。
その独資企業は、X年操業していても、中国人スタッフの幹部登用や権限移譲が進んでい
ない場合には・・・
→
その会社が中国での創業当時に苦しんだノウハウが伝承・蓄積されていない事になる。
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変化を感じる目を持つ
日頃から対応を検討する
変化を感じる耳を持つ
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