メンデルの実験 二遺伝子雑種(に いでんし ざっしゅ) 種子の形と色の2つの形質につい て着目した実験です メンデルが実験材料につかった エンドウの利点について ・1つの世代が短く,栽培しやすいこと。 ・種子の形(丸・しわ)や子葉の色(黄・緑)など, わかりやすい対立した形質が多いこと。 ・自家受粉(じかじゅふん)すること。 おなじ個体の配偶子(卵細胞と精細胞)の間で 受精すること。 ・人為交配(じんいこうはい)もできること。 人工的に目的とする形質をもつ系統の花粉をめ しべの先につけて受精させること。 メンデルは,2つの形質(種子の形と子葉の色) で,何代交配させても同じ形質になる純系 (じゅんけい)を用意しました。 1つ目の純系・ ・ ・ 種子の形は丸 子葉の色は黄色 2つ目の純系・ ・ ・ 種子の形はしわ 子葉の色は緑色 では,2つの純系について と を交雑させると, どんな形質のものができるでしょうか? 次の中から選んでください。 1) (丸・黄)と (しわ・緑)が 1:1の(半分:半分)の割合でできる。 2) (丸・緑)と (しわ・黄)が 1:1の(半分:半分)の割合でできる。 3)すべて (丸・黄)のものができる。 4)すべて (しわ・緑)のものができる。 5)その他(では,どんなものがどれくらいの割 合でできるかのべてください。) 実験結果は!!!! 発表します! メンデルさんより 結果は,なんと!! 3)のすべて (丸・黄)のものができました。 なぜだろう? みなさんも考えてください。 の形質はどうしたんだろう? やってみよう実験! 質問 つぎにどんな実験(交雑)をしてみたら すべて の形質ができたことや, の形質ができなかった理由が わかるでしょうか? あなたの考える実験をのべてください。 メンデルさんは, 次の実験をしてみました。 純系の と からできた (丸・黄)どおしを交雑させる。 方法は簡単です。 を自家受粉させました。 実験結果は!!!! 発表します! 丸・黄 メンデルさんより 丸・緑 315個 108個 比率 9 : 3 : しわ・黄 しわ・緑 101個 32個 3 : 1 この結果から,どんなことが言えるでしょうか。 みなさんもそれぞれの考えをのべてください。 メンデルさんが考えたこと(1) • 丸い種子のなかで,見ると 黄と緑の比率は (丸・黄): (丸・緑)=9 : これは 3 : 1 • しわの種子のなかで,見ると 黄と緑の比率は (しわ・黄): (しわ・緑)=3 やはり,これも 3 3 になる。 : 1 : 1である。 このことは,丸い種子としわの種子の中では黄:緑が いずれも3:1であることから,黄色の形質が優性の 形質,緑色が劣性の形質とわかる。 メンデルさんが考えたこと(2) • 黄色の種子のなかで,見ると 丸としわの比率は (丸・黄): (しわ・黄)=9 : 3 これは 3 : 1 になる。 • 緑色の種子のなかで,見ると 丸としわの比率は (丸・緑): ( (しわ・緑)=3 : 1 やはり,これも 3 : 1である。 このことは,黄色の種子と緑色の種子の中では, 丸:しわがいずれも3:1であることから,丸い形質が 優性の形質,しわの形質が劣性の形質とわかる。 メンデルがまとめた独立の法則 種子の形(丸・しわ)の遺伝と子葉の色(黄・緑) の遺伝は,それぞれ,お互いに関係しないで 遺伝している。 ・種子の形を決める遺伝子と子葉の色を決める 遺伝子は,それぞれ別々に独立して行動する。 ・メンデルは,このほかのエンドウの対立形質につ いても調べ,「2つ以上の対立形質において,そ れぞれを支配する遺伝子は,それぞれ独立した 存在でお互いに干渉(かんしょう)することなく配 偶子に入る」という独立の法則を発表した。 これまでの種子の形と子葉の色につ いて遺伝子をアルファベットの記号に したもので整理すると 種子を 子葉の色を 丸くする遺伝子・・・A しわにする遺伝子・・・a 黄色にする遺伝子・・・B 緑色にする遺伝子・・・b とします。 私はこう考えます これで説明がつきます。みなさん も表に書いて確認してください。
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